バーでビールのお持ち帰り
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パプアニューギニア最後の夜、ポートモレスビーのホテルに泊まった。
私は、ニューギニアの缶ビールを買って帰るため、千々輪さんにそのお世話をお願いしていたのだ。
ところが、缶ビールの取引単位は、24個入りケースだという。私は、とんでもない、1図柄につき2〜3個あればよい。それで是非にとお願いした。
千々輪さんは、それではバーに行って缶ビールを買ってくることにしましょう。と、言って、一緒にホテルのバーに行った。
バーの中の雰囲気は、日本のそれとはまるきり違っていた。
正に、立錐の余地がないほど男の人が立っている。そして、サッカーの中継をしているテレビを見ているのである。パスやシュートの度毎に大声を上げている。サッカーの応援をしていることは確かだが、大声の意味は判らない。
雲を衝くような男達の間をくぐり抜け、やっとの思いでカウンターに到達した。応援の大歓声の中、千々輪さんに通訳して貰い、なんとか持ち帰りの缶ビールを買って、バーを出たとき、汗びっしょり、胸は高鳴り、大きな息をしていた。
この国では、サッカーは最も人気のあるスポーツで、その応援は熱狂的であるという。
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