祈りの歌


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 報告会では、沢山の人から色々な資料を戴いた。中でも私の心を強く捉えたのは、神奈川県横須賀市の小宮美英さんから戴いた「祈りの歌・小宮佐地子作曲集」であった。
 内容は、玉砕した硫黄島の鎮魂歌「大和桜の歌」「この島」「下津清藏短歌集」、フィリピン・ルソン島戦跡巡拝の歌「ルソンの山河」、鹿屋海軍航空基地で特攻隊を偲ぶ「特攻花」、南洋群島テニアン島での平和な暮らしを追われた「ふるさとは悲しき」、西部ニューギニア・ビアク島で戦死した父を偲ぶ「ありがとうお父さん」のそれぞれについて、歌詞と楽譜に作詞者の言葉と作曲者のコメントを添えたものである。
 編著者で作曲者の小宮佐地子さんは、あとがきの中で、「人と人との心の出会い。その出会いの中から『祈りの歌』がまとまりました。(中略)この『祈りの歌』より、平和へのメッセージを少しでも感じて頂けましたら幸いに存じます。」と述べられている。
 ご主人の小宮美英さん作詞「ありがとうお父さん」では、「ありがとうお父さん 今の平和をありがとう」と悲しみを超越し、感謝の心に換えている。
 全編を通じ、悲惨な思いや悲しみを乗り越えた、平和へのメッセージを強く感じるのである。
 懇親会の席上で、その一曲を小宮美英さんが披露された。素晴らしい歌であった。
 この「祈りの歌」を拝見して、平和へのメッセージを感じると同時に、「ありがとうお父さん」が、ご主人の小宮美英さんが作詞、奥様の佐地子さんが作曲されており、素晴らしい才能を持ったご夫婦であると感心もしたのである。

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