浦賀水道を望みながら


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戦没船員の碑から水平線を望む  義父八郎平の乗った第一若松丸は、戦没船員の碑が望むこの浦賀水道を通って、ニューギニアに向かったことは、確かである。
 義父は、「今度は、支那事変とは異なり、大敵を向こうに、太平洋を遠征です。」と、書き送っている。 そして、この海峡を、水平線の彼方を目指し、武器も持たずに、戦場に向かったのである。
 私は、浦賀水道を望みながら、当時の義父の心情を偲び、次の一首を詠んだ。

 はるかなる 水平線に 戦場と
              重なり映る 妻と子の影


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