横須賀港の今
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私たちは、横須賀臨海公園を散策しながら、義父八郎平が日本を後に船出した最後の地、横須賀港を視察した。
義父は、横須賀港について「何様にも軍港内の広いのと各艦船が沢山で思うようにいかず。軍港内の様子を郷里の皆様に見せたき様に思います。」と書いている。
私たちが訪れた日、演習に出かけたのか米軍の艦船は一隻も見えなかった。義父の手紙とは異なる静まりかえった軍港だった。軍艦旗をはためかす海上自衛隊の潜水艦と遙か彼方に軍艦旗を掲げる巨大な艦船を見ることができた。
足元の岸壁に、横須賀港には不似合いな薄汚れた小さな機帆船が係留されていた。
「父っとの乗って行った船は、これくらいの船やったがやろか。」と、妻が小声でつぶやいた。
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