魅 館 果 汁

<00年4月中旬>


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4月20日(木)

 完璧!6連勝で同率3位浮上だ、タイガース。

 げんれい工房というページはときどき訪れるおもしろページのひとつである。 架空製品、言霊標識、看板工学など色々なコーナーがあるが、特に架空製品の懲りようは見物である。 初めて見たのは、どこかのよそのページに載っていた午後の加藤茶シムラケンだったと思う。 その後、元ネタがこのページであると知り、ファンになってしまった。 そんな中でも結構気に入っているのが、言霊標識の中の後続車に捧ぐのコーナーである。 自動車のリアウィンドウなどに貼ってある「赤ちゃんが乗っています」といったやつのパロディだ。 現物は当該ページでゆっくりご覧いただくとして、これに触発されて次のようなのを考えてみた。 こういうのを専門用語でパクリというらしいが、気にしないように。 えっ、二番煎じともいうって? そっちの方が辛いなあ。

 チャイルドシートが乗っています。  (えっ、赤ちゃんは乗ってないの?)
 デューク東郷が乗っています。  (決して後ろを走らないように、ってもう遅いか)
 ヤンさんが乗っています。  (ウーさんが近くに潜んでいるかもしれない)
 アイツが乗っています。  (誰や? にくめないアイツ?)
 化粧がのっています。  (前にまわって見てみたいような、こわいような)
 誰が乗っています?  (おれに訊くなよ)
 図にのっています。  (少し離れとこう)
 辞書にのっています。  (何がやねん)
 リストにのっています。  (だから、何のやねん)
 口車に乗せられています。  (騙されちゃったのね)
 赤ちゃんに乗せてもらってます。  (よちよち運転でごめんなさい)
 赤ちゃんが成長しています。  (みるみるうちに……)
 赤ちゃんが踊っています。  (山崎邦正?)
 赤ちゃんが憑いています。  (水子?)
 赤ちゃんをお願いします。  (あんた、どこ行くねん。 赤ちゃん、どこにおんねん)
 実は私が赤ちゃんです。  (急に告白されてもなあ)
 ゾマホン連絡乞、父。  (そんなとこで尋ね人すなよ。 しかもアフリカから)
 ワレキトク。  (やばいやん!)


4月19日(水)

 最近はずっと「GOLDBLEND」を聞いているのさ。

 こんなクイズがある。

 次のようなアルファベットの列がある。 この後に来るアルファベットは何か?
  O, T. T, F, F, S, S, E, N
 同じような問題をあと2問。
  S, M, T, W, T, F
  J, F, M, A, M, J, J, A, S, O, N

 けっこう有名でありご存知の方も多いと思うので、あえて解答は書かない。 どこかの私立小学校の入試問題に出たという話も聞いたこともある。 ひらめきを問うということのようだが、疑問である。 それはともかく、この手の問題はこれらの他にあまり作られていないのではないだろうか。 誰でも知っているものでないといけないことがネックなのだろう。 でも、それほどこだわらなければいろんなものができるはずだ。
 さあ、次のアルファベット列の後に続くのは何だ? とするとわかりにくいかもしれないから、このアルファベット列は何を指しているか? 暇な人はちょっくら考えてみてほしい。 えっ、忙しい? そこはまあ折角だからもうしばらく付き合ってよねぇ、お願いだから……。

  M, V, E, M, J, S, U, N, P
 ヒント: 漢字で書くとあっというまにわかってしまう。 さすが表意文字。 3番目が一番なじみが深い……はず、普通の人はね。 あれ、そういえば今は最後の2つが逆転してるんだっけ? 元に戻ったんだっけ?

  R, O, Y, G, B, I, P
 ヒント: これも漢字で書けば一発である。 7つで一組の有名なものといえば……。

  A, T, G, C, L, V, L, S, S, C, A, P
 ヒント: これは難しい。 次のように書いた方が見慣れているはずだ。
  O, O, F, K, S, O, T, S, I, Y, M, U
最近は12個でなく13個とも言われる、といえばわかるだろうか。 その場合、上の列なら8番目と9番目の間にOが入るし、下列なら同じ位置にHが入る。

  D, G, B, S, C, T
  H, L, B, M, F, B
 ヒント: 順番は去年の最終的なものであるが、こだわらなくてもよい。 上列はまとめてC、下列はPとおける。 これは日本版だが、アメリカ版や韓国版などもできる。

  P, C, F, S, T, S, L, C, R
 これは前問と密接に関係している。 この9つが揃わなければ始まらないのだ。

 答えはこの下に隠し文字で書いておく。 読みたい人はドラッグして文字色を反転させてほしい。
 いやいや、やっぱり答えを教えるのはやめようかなあ。 もったいぶってるわけじゃない。 オトシどころを見失って、戸惑っているだけ。 ま、それもなんだから、さらにやさしいヒントを加えておこう。
 1番目のは漢字で書くと「水」から、2番目は「赤」から始まる。 3番目も漢字で書けるけれど、その場合「牡」が最初になる。 4番目と5番目に共通しているのはとあるプロスポーツ。
 ほら、解答なんか書かなくてもわかっちゃったでしょ。

 5問とも正解の方にはすてきなプレゼント! 慶応○塾幼稚舎入学のための保護者試験免除。 お受験を勝ち抜くにはまず保護者が選抜されないとね。 これで勝利の切符は半分もらったようなもの。 あとはみなさんのご子息ご令嬢に同様の問題の特訓を!


4月18日(火)

 昨日も今日も明日も会議、しかもどれも17時から始まるのであった。

 年度始めの恒例行事、健康診断。 心電図測定もその一つである。 実は私の心臓は完全右心ブロックなのである。 初めて聞いた時は、うわっ、自分は心臓に欠陥を持っていたのか、確かに心臓に血管はつきものだけど、とショックを受けたものだ。 心臓は右側が全身の血液を受け入れて肺に送り出す部分であり、左側が肺からの新鮮な血液を全身に巡らせる役割を担っている。 その右心に静脈流が流れ込むのを完全にブロックしているとか、そういった障害があるわけではない。 そりゃ血の巡りは悪いけれども、それは心臓ではなくて脳の問題のような気がする。 本当のところは病気でもなんでもなくて、そういう性格の心臓なのだそうである。 というと、いったいどんな性格なのかと疑問が出てくる。 几帳面な心臓は、安静時だろうが運動時だろうが心拍数を一定に保とうとするのかもしれない。 そそっかしい心臓は、ときどき動脈と静脈を間違えて血液を送ってしまうかもしれない。 怠け者の心臓は、一服すんべぇと言って5分くらい拍動をサボっているかもしれない。 実験心旺盛な心臓は、血中酸素量が身体機能に及ぼす影響を日々実地試験しているかもしれない。 みなさんの心臓はいかが?
 さて、心電図というのは心筋細胞が興奮して収縮する際の電気信号を記録するものである。 興奮すると膨張するものとばかり思っていたが、そうではないらしい(ごめんなさい)。 心臓の電位を測るのに体表面に電極をつけるだけで大丈夫というのも考えてみればすごい話だが、100年ほども前に成功しているらしい。 それだけ心臓の活動が他の臓器に比べて飛びぬけているのだろう。 肺電図や肝電図、腎電図などのいうのは測れないものなのだろうか。
 「携帯用の肝電図測定器ができたらしいで」
 「なんやの感電頭って。 爆裂したツンツンの髪型ってことか」
 「ちゃうちゃう。 肝臓の電位を測る装置や。 これで手軽に肝臓の調子がわかるでぇ」
 「そら酒飲みの大敵やなあ」
 「なにいうとんねん。 酒は飲んでも飲まれるな、っていうやろ。 ちゃんと自制して飲まなあかんで」
 「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」
 「それも大事やけども」
 「手を挙げて、横断歩道で飲みましょう」
 「危ない危ない」
 「飲みだすな、車は急に止まれない」
 「何が言いたいねん! とにかく酒って体調が悪かったら、普段より少なくても悪酔いすることあるやろ。 それもこの肝電図計があったら大丈夫ってわけや」
 「どないして使うん」
 「まず肝臓のあるあたりにこの電極セットをつけるんよ。 ほれ、試してみぃ」
 「吸盤みたいになっとるなあ。 うわ、こそばい」
 「そして後はこのスイッチを入れるだけ。 自動的に電位を測ってくれて、コメントがここに表示されるってわけ」
 「あなたの肝臓は絶好調です。 どんどん酒を飲みましょう」
 「そんなこと言わへん」
 「少し肝臓が疲れています。 休肝日を取ることをお勧めします」
 「お、ええこと言うやん」
 「ただ、そのためにストレスが溜まってかえって肝臓に悪くなる可能性がありますから、飲みたかったら飲んじゃいましょう」
 「あかんやん!」
 「肝硬変の疑いがあります」
 「病気がわかることもあるやろ」
 「残り少ない命の火を燃やしつづけるために、気の済むまで酒を飲みましょう」
 「殺すなよっ!」
 「肝臓が乾燥しています。 カンゾウエキスの入った酒で潤わせて感想を聞かせてください」
 「もうええわ。 そやけど、君のコメントちっとも出てこんで」
 「肝臓は右側で間違ってないよな」
 「君はもしかして内臓反転症なんか」
 「そんなことないよ。 性格は反転してるかもしれんけど」
 「ちょっと見してみ……。 うーん、このビール腹じゃあ、電流も通らんかもしれんねぇ」
 「大きなお世話や」
 「それから誤解しとるようやけど、別にこれは酒飲みのバロメータっちゅうわけやないからな」
 「わかっとるよ。 そんなんに関係なしに飲む時は飲むからね」
 「もう知らんわ。 肝臓と心中してまえ」
 「それはできん」
 「何を今さら」
 「おれ、男やで。 そんな趣味ないもん。 鑑三と心中なんて……」


4月16日(日)

 昨日の雨で桜もほとんど散り、明けた今日はドライブ日和。

 今日あたりに書いておかないと今度いつ書けるかわからない。 そう、タイガース3連勝。 13日は薮が好投して対ジャイアンツ戦通算600勝。 14日の星野伸の完投で移籍初勝利は野村監督への1200勝プレゼント。 そして今夜は、湯舟の完封勝利は3年ぶり。 二軍スタートだったバトルも、新外国人ハートキー獲得決定的というニュースを聞いて危機感を感じたのか、好調である。 この後は再びジャイアンツ。 横浜相手に連勝して首位に立った調子のいい相手をしっかり倒してほしい。

 昨夜、『名探偵は密航中』(若竹七海)を、今日、『東の海神 西の滄海』(小野不由美)を読了。
 そういえば講談社文庫から十二国記シリーズの2冊目が発売されていたが、帯を見てびっくり。 3ヶ月おきにこれまでX文庫で発行されている分を出版するというのはともかく、その後、来春には文庫書き下ろし作品が出るというのだ。 おいおい、X文庫はどうなっちゃうんだ? きっときっとファンは怒ってるぞ。 それともやっと新刊の予定が聞かれて喜んでいるのだろうか。
 『御手洗パロディ・サイト事件(上・下)』(島田荘司)『とんち探偵一休さん 金閣寺に密室』(鯨 統一郎)『レイミ ―聖女伝説―』(戸梶圭太)購入。


4月14日(金)

 生まれたての小犬を拾ってきた学生を連れて動物病院へ。

 ふと、テレビの番組表を見ると2時間ドラマのタイトルにマジシャン刑事というのがあった。 なんだよ、マジシャン刑事って。 素人マジシャンが刑事になって現場でマジックを披露するっていう話なのか、プロマジシャンがマジックで本職の刑事を惑わしつつ推理するという話なのか。 妙に想像を掻き立てる。 そういえばいろんな刑事がいたなあと改めて思ったりもする。 でも、みんななんかおかしい。 居酒屋刑事は刑事をやめて居酒屋を開きたいなどとわけのわからないことを思っているオヤジだし、 パートタイマー刑事は警察学校の非常勤講師だけでは食っていけなくてアルバイトばかりしているし、 リストラ刑事は捜査をはずされて辞表を書く羽目になった人情派刑事だし、 スチュワーデス刑事は別に刑事でもなんでもなくて事件に巻き込まれたスッチーだし。 これからもいろんな刑事が出てくるんだろうなあ。

 レポーター刑事は、事件の取材をしながら見当はずれのコメントをしゃべって謎を深めさせることを得意とする刑事である。 一方、女子アナ刑事は、レポーター刑事に向かってさらにとんちんかんな質問をして意味不明の推理を紡ぎ出す刑事である。 この二人が揃えばどんな簡単な事件でも迷宮入りは間違いなしといわれている。
 コスプレ刑事は、事件の性質に合わせて古畑任三郎や青島俊作や柴田純や鷹山&大下や団長やマカロニやジーパンなどになりきって解決する刑事である。 いま、桐子カヲルと羽村斗馬の研究をしているところ。
 占い刑事は、占星術や四柱推命から動物占いや家電占いまでを駆使して犯人を捜した挙げ句に、当たるも八卦当たらぬも八卦と笑って済ませるのが特徴である。 同僚に風水刑事がいるが、彼は事件が起こらないようにするために家具の配置や通勤経路のアドバイスを専門としている。
 熟女刑事は、事件の捜査に当たってあーだこーだと他人のプライバシーに口出しするだけしておきながら、決して解決に至る適切な道筋を示さないことをモットーとしている。 なお、基本的には安楽椅子探偵である。 椅子は安楽ではないかもしれないが……。。
 カリスマ刑事は、かつては信者を使ってどんな難事件でも人海戦術で解決してきたが、最近は美容室や洋品店に現れることが多くなり女性に人気である。 しかも、あちこちに同業者が出没し始めたのでありがたみが薄れているという。
 メタ刑事は、決して事件を解決しようとせずにテレビの前の視聴者相手に、加害者も被害者も目撃者も探偵役も傍観者も作者も読者もすべてあなたです、と指摘することしかできない。 近頃とみに難解さが増してきて誰も理解できずにメタメタ刑事と呼ばれることもあるらしい。
 アブ刑事は、うるさい刑事だ。 しかも、ただうるさいだけだ。 格好よくもない。 腕がいいわけでもない。 危なくもない。 アブなかったら、アブ刑事じゃあないからねえ。
 デカ刑事は、大きい刑事だ。 何がって? ナニからナニまで大きいんだなあ、これが。 でも、やっぱり足音が大きいように聞こえるのは私だけ? <それはドカドカ。
 警官刑事は、揉み消しや収賄や暴行やセクハラや横流しや賭け麻雀など警官の真似事をし、いざ事件という前に懲戒免職になって全く捜査をしない刑事である。 あれ?刑事って警官じゃなかったっけ? 気のせい?

 『オイディプスの刃』(赤江 瀑)読了。


4月13日(木)

 甲子園初勝利は薮がエースの意地で勝ち取ってくれた。

 昨日、宿直室でテレビを見ていたら特番で噂に関する調査のようなことをやっていた。 有名なのがトイレの花子さんという怪談だというが、実は私は聞いたことがない。 奥から3番目のトイレを15回ノックして「花子さん」と呼びかけると、中から「はーい」と返事をするという。 他にもいろんなバリエーションがあるが、トイレという場所の特殊性がこのような噂を呼ぶとされる。
 「なあ、知っとる?」
 「何を?」
 「2階に上がってすぐのところにある音楽室の隣りのトイレに、出るんやって」
 「えっ、まじ?」
 「まじ、まじ。 5組のやつが見たんやって」
 「うわっ、凄い。 どんなん?」
 「部活で遅うなってから帰る間際に音楽室に忘れ物したんに気づいたんよ。 そんで薄暗い階段を上がって音楽室に入ったところで、急に腹が痛うなってトイレに入ったんやと」
 「そんで?」
 「で、用を足してホッとしてると、誰かがトイレの中に入ってくる気配がするんよ。 で、コツ、コツって歩いてきて自分の入ってる個室の前で足跡が止まったわけ」
 「うんうん」
 「そして、コンコンってノックするんよ、外から。 そんでその子は、中からノックを返したんよね。 でもまた、コンコンって……」
 「うわ、やな感じ」
 「そやから今度は、入ってるよ、って声をかけたわけよ。 それでもまた、コンコン、コンコン」
 「鬱陶しい奴やねえ」
 「そう思って、誰やねん、入っとる言うとるやろって、怒鳴ったわけ。 そしたら、ポタッ、ポタッて水滴の音が聞こえてきたんよ」
 「え、何?」
 「その子はなんともいえん嫌な気分でいたたまれんようになったんやけど、ドアの前には得体の知れん奴がおるし、どうしようもなくなったんよね」
 「そ、それで?」
 「しばらくしたら、すうっと生暖かい風が吹きあがってきて、嫌な予感がしてちらっと横を見たらトイレットペーパーがひと巻きくらいしか残ってないんよ。 なんでやねんって思てるところに、また、コンコンってノックの音がして何か小さな声が聞こえてきたんや」
 「なんて言うてるん?」
 「お願い……お願い……って」
 「か細い声で?」
 「そう。 それがよう聞いたらなんか女の子の声みたいなんよ」
 「うわっ、花子さんちゃうん」
 「で、その子は思わず叫んだんやって」
 「ひえっ。 何て?」
 「ここ男用やでぇー!」
 「はぁ?」
 「そしたらぼそっと、ごめんさない、いうてコツコツ足音たてて出ていったんよ」
 「……それもしかして、単に女の子が間違えただけちゃうん?」
 「さあ、どうやろ」
 「音楽室の隣りって最近新しくしたとこよね。 温水洗浄装置付きって言ってなかったっけ」
 「そんな気もする」
 「水音って洗浄水の出が悪かっただけで、生暖かい風って温風乾燥機能とちゃうの?」
 「……」
 「そういえば、自分も5組やったよなあ」
 「うん」
 「それって、実は自分の体験談やろ」
 「ば、ばれた?」
 「怪談やのうて、冗談話かい」
 「下位談よりも上談の方がええと思ったんやけどねぇ」


4月11日(火)

 甲子園のオープニングゲームを飾るどころか大敗のタイガース。

 今日は腹の立つことばかりあったので、それをここに書いて憂さ晴らしをしようかとも思ったのだけれど、大人げないと反省して昨日のことを書くことにする。 でも、本当に腹の虫がおさまらないというか、なんでそんないい加減なことができるの、迷惑かけてるという自覚があるの、といいたくなってしまう。 まあ、ここで言っても始まらないし、しかし、始まらないといってもおさまらないものはおさまらない……。 もうよしとこう。 それだけ怒ってるんだぞ、ということで。

 さて、昨日、新入生数人と話をしていてなんでうちの学校に来ようと思ったのかという話題になった。 うちは高校とは違うし工業系ということもあって、どちらかというとマイナーな存在だから、気になるのである。 兄や姉が来ていたからという子もいたし、特別に理由と聞かれるとなんと答えていいかわからないという子もいたが、中に体験入学がよかったからという新入生がいた。 体験入学とは、中学生にうちの学校のことを知ってもらおうと半日かけていろいろな実験を体験してもらおうというイベントである。 私はこれに結構力をいれていたので嬉しい発言だった。 何が一番印象に残っているかという質問に対しては、シャボン玉に入れたことという答え。 ふっふっふ、それを担当したのは実は私なのだよ、明智くん。 いやあ、嬉しい一言だった。
 ところが、この企画、新しい建物に引っ越しをしたために全面改訂を余儀なくされている。 特にこの人が入れる巨大シャボン玉は場所にいくつかの制限があるために、今年実現できるかどうか分からない状況なのだ。 ひとつには風が吹くとシャボン膜が歪んでしまうので、密閉された空間であること。 ふたつには天井に装置を設置できるような材質であること。 コンクリートなど穴の開けにくいものは不適当。 続いて天井が高すぎないこと。 天井が蓋の効果をしてシャボン膜が縮むのを押さえてくれるのだ。 またシャボン膜を張る輪を引き上げるためのロープを張り巡らすスペースがあること。 さらに床が濡れても滑りにくく、シャボン液が飛び散って汚れても構わないこと。 他の実験をする場所からあまり離れていないこと。 もちろん通行の邪魔にならないこと。 他にもいろいろとある。 果してこれらをクリアできる場所があるのか。
 しかし、一番印象に残ったイベントと聞いたからにはなんとかしてやろうと思う。 今年は7月末に最初の行事が行われる予定になっている。 あまり時間に猶予はない。 新入生に君らの協力も頼みたいといったら、肯いてくれた。 必ず実現したいものである。



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