魅 館 果 汁

<00年6月中旬>


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6月20日(火)

 ♪トマトマトマトマトマトマトマトマト、とヤサイ。

 ピラミッドパワーといえば、子供の頃に雑誌やテレビで話題になり、不思議さと胡散臭さをかもし出していたものだが、最近はどうなってるんだろう。 まったく耳にしなくなったのはそういう情報に疎くなったからだけなのだろうか。 テレビでも去年のノストラダムス以外はUFO関連でさえほとんど見られなくなったように思う。
 ピラミッドは古代エジプト王朝のファラオの墓であるとされる。 ところが、このピラミッドには人智の及ばない不思議な力、いわゆるピラミッドパワーが宿っているという。 ピラミッド内部では、ものが腐りにくい、カミソリがさびない、体調がよくなるなどの現象がみられるというのである。 最近では、ピラミッドの構成石材中に磁鉄鉱が含まれ、それが発生する磁力に原因があるのではという見解が明らかになりつつあるらしい。 だとすれば、ピラミッド型をした建造物やパワーグッズと呼ばれるものには何の力もないことになる。 しかし、世の中には不思議な力を信じたい人がたくさんいるようなのだ。
 別府温泉にはピラミッドパワートイレというのがある。 トイレの建物がピラミッド状をしており、いくつかある個室のうち中央の一室がパワーが集まる場所として有料になっているらしい。 一体どんなパワーを与えてくれるというのか。 下半身丸出しで「もっとパワーを!」と念じているんだろうかなあ。 通っている奴もいたりして。
 ネット上でも奇妙なページを見つけた。 あんまり紹介したくはないのだがパワー体験のページがそれである。 ピラミッド以外にもいくつかの奇妙なパワーを取り上げているのだが、その取り上げ方がすごい。 そのページを開くとなんだかよくわからない写真が全画面に広がる。 その画像からは霊的なパワーが発せられているというのだ。 それを感じるために、画像に手を当ててパワーを取り込むイメージを浮かべたり、画像に顔を近づけてパワーを吸い込むように呼吸してみろ、というのだ。 こら、そこっ! ほんまにやってどうする! しかもよく読むと、微妙な感覚なので感じられなくても気にしなくてよい、という。 うーん、正直というか馬鹿にしてるというか。
 もし本当にピラミッドパワーが存在するのなら、何に利用できるだろうか。 冷蔵庫の代わりに電力なしでなまものを保存するのに使う? 病院や介護施設の建物をピラミッド型にしていちはやい回復を求める? 新幹線のトンネルをピラミッド状の山にだけつくって崩落をなくする? いやいや、今の自民党議員なら「無党派層は寝てればいい」発言をした首相をピラミッドの中に押し込めて、選挙が終わるまで寝かせておきたいと願っているに違いない。 うん、これが一番有効な利用法かもしれないなあ。 でも、本来なら腐ってしまう前に入れておいてやるべきだったような気もするが。


6月19日(月)

 タイガー・ウッズの強さは驚異的だった。

 夢を見た。 よくわからない夢だ。 どうやら5人の刑事がいるらしい。 それぞれ得意技を持つ刑事だ。 刑事の得意技といっても、尾行や張り込みやヤクの横流しや図書券賭けマージャンではない。
 一人は新米の若造刑事である。 得意技は突然ダッシュ。 町をパトロールしていて不審な人物を見かけると、ところかまわずダッシュするのだ。 ところが、次の瞬間に何のために走りはじめたのか忘れてしまって50mダッシュしたかと思うと元の位置に戻り、10本繰り返すまで止められなくなる。 バリバリ体育会系の筋肉脳なのである。
 二人目は中年のハゲオヤジだ。 得意技は警察手帳見せ。 聞き込みのときに、いかに格好よく警察手帳を見せるか、ではあぶない刑事のタカ&ユウジも適わない、という。 彼はその得意技のおかげでその御面相にかかわらず近所の主婦のあこがれなのである。 まあ、所詮は狭い町内でしか知られていないわけだ。
 三人目の定年前の爺さんは、寝たふりのネタふりを得意とする。 取調室で「お前のふるさとはどこや」などと泣き落としに入り、被疑者が思わず涙して自白しそうになった瞬間に寝入ってしまい「なんで寝とんねん」とツッコまれるのだ。 そのせいでホシをオトシたことは長い現役生活で一度もない。 愛称、たつじい。
 四人目は女子高生刑事。 パンチラぎりぎりの超ミニスカで容疑者を尾行するのだが、すぐにカメラ小僧の標的にされ、うしろに不審な行列ができてしまう。 結果的に尾行は成功せず、いつもシュンとなって帰ってくるけれども、仲間に励まされてすぐに元気になる。 というわけで、得意技は立ち直りが早いこと。 あれ、これって技か?
 そして最後は、ボスキャラである。 得意技は低音の魅力で事件発生率を低下させることだ。 いつも係長席でタバコをくゆらせ、電話がかかってくると「こちら一係」と返事をする。 その声は電話をかけてきた相手が男であってもうっとりとするような渋さで、うっかり用件を忘れてしまうほどである。 おっと、若造のとネタがかぶっているなあ。 でも、こっちは相手が忘れるんだからまあいいか。 要するに、通報された事件が一係に伝わらないから事件として認知されないわけだ。
 ばばぁーん! ハシルンジャー、ミセルンジャー、ネルンジャー、タチナオルンジャー、シブインジャー。 5人そろって、ゴケイジャー!
 ま、そういう夢だったということで勘弁してほしいところだが、実際に見た夢はここには書けないくらいもっとシュールな刑事だったので……。

 夕食に出たついでにふらりと本屋に行く。 双葉文庫の新しいカバーに引き寄せられる。 うーん、前の方がよかったような気が。 でも、一目でわかりにくかったから出版社の戦略としては当然か。 少し迷って『ル・ジタン』(斎藤 純)を買う。 続いて、創元推理文庫の平台に一冊だけ『探偵の秋あるいは猥の悲劇』(岩崎正吾)を見つける。 久しぶりに見た、岩崎正吾。 しかし、このシリーズの一作目は持っていない。 今度探そう。 新潮文庫の棚では黒川博行を見つけて思わず『疫病神』を手に取った。 少し前からネットで話題になっていた作家である。 関西弁がちょっと楽しみ。 そして講談社文庫の棚。 お、新刊だ。 『ガラスの麒麟』(加納朋子)だ。 これは買わなくちゃ! 『ひまわりの祝祭』(藤原伊織)か。 いいじゃないか、買おうっと。 『ニュートンの密室』(吉村達也)ねえ。 一応買っとくか。


6月18日(日)

 レ○クエンジェル、その技は日々のたゆまぬ努力の賜物、って「ク」はどんな努力してるんだ、あのポーズするのに!

 父の日である。 母の日は、アメリカのある女性教師が母親の3回忌を友人たちと一緒に祝ったことが始まりだとされている。 正直いってよく理解できない成り立ちながら、ちゃんとした由来がある。 しかし父の日は、母の日だけじゃ片手落ちだからというので設けられたようである。 母の日にはカーネーションをというのは件の母親が好きだったという来歴があるからであり、父の日にこれに対応するものがないのはそのせいだ。 なるほど、やはり母は父よりも強いのだ。 母の日、父の日が制定されたのが約90年前。 父の権威が失墜してきた原因は意外にこんなところにあったのかも。
 今日はそれ以外にもさくらんぼの日でもあるらしい。 さくらんぼの産地として有名な山形では、さくらんぼの種とばし大会が開かれたそうだ。 ニュースでちらっと聞いただけなので忘れたけれど、10メートル近くの記録が出ていたようだ。 種とばしといえばスイカを思い出すのは子供の話で、競技(?)としては梅だろう。 さくらんぼよりもひとまわり大きいので距離も出る。 有名な会津高田の世界選手権の記録は14m58cmだという。 砲丸投げ男子の日本記録が18m53cmということを考えると、その凄さに思いが至る……かなあ。 しかし、世界選手権とは大きく出た。 優勝賞金300ドルというのは本当にドル札で渡されるのだろうか。 山形といい会津といい、東北はあなどれない。 ところで、スイカの種とばし大会はどこかで開かれていないのだろうか。 歌にもなっているというのに、場所がはっきりしないんだよなあ。
 ♪友達ができた、スイカの名産地〜
 あっ、これはアメリカ民謡だったっけ。 じゃあ、それこそ世界選手権ができるじゃないか。

 映画「グラディエーター」を見た。 なかなか感動的。 入り込むと涙が出そうになった。 その一方で映像技術の凄さにも感嘆。
 そして、読了本は『茨姫はたたかう』(近藤史恵)


6月17日(土)

 「飛ばねえ豚は、ただの豚だ」

 gooのトップページのサーチ枠の下、ホットチャンネルの上にTVCMキーワードという欄がある。 ここに数日前から「肉球」という文字が出現しているのだ。 気になる。 とてつもなく、気になる。 私はこの謎を解く旅に出ることにした……。
 いつから始めたのか、gooの無限への扉キャンペーンというのがある。 gooで無限への扉を開けば好奇心が拡がり、探求心が深まるというわけだ。 そのキャンペーンのひとつがTVCMである。 テレビが開く無限への扉、私的で知的な世界をTVの中に散りばめたという。 私的知的ジャック…… い、意味ねぇー。
 ともかくgooのテレビCMである。 まだ見たことはないのだが、すでに10本ほどあるらしい。 いずれもgooでキーワード検索してみつけたホームページを紹介するという形態をとっている。 そのキーワード、例えば、グルメ篇「らーめん」、アーティスト篇「奥田民生」、欲望篇「やせたい」など。 これはわかる。 アイドル篇「原田夏希」―― 私が知らないだけだろう。 スポーツ篇「カバディ必勝法」―― インドの国技なんだもの。 妖怪篇「おおかむろ」―― 水木しげると京極夏彦のおかげだろう。 古代生物篇「アノマロカリス」―― カンブリア紀はロマンに満ちてるからなあ。 超こだわり篇「肉球」―― これが問題なのである。 この世界に踏み込むことになんともいえない怖さを感じながらクリックする。
 キーワード=「にくきゅう」で検索されるページは1138件。 意外と多いけれど、gooならありうる、と思い直したのも束の間。 タイトルに「にくきゅう」が入ったページの多さに茫然とする。 「にくきゅう写真館」「にくきゅう倶楽部」「にくきゅう委員会」「にくきゅう製作所」……。 な、なんだ、この数は。 おそるおそる、にくきゅうくらぶを選んでみる。 写真がある。 猫の写真だ。 どうやら、くらぶメンバーから送られてきたものらしい。 すでに77枚に及んでいる。 クリックしてみる。 肉球の写真だ……。 肌寒さを覚えながらも、勇気を奮って次ににくきゅう暦普及委員会を訪ねてみる。 今日は、にくきゅう暦4年24月1日だという。 なんじゃそら。 1年は29ヶ月で1月は9日とする暦らしい。 大晦日の29月9日は「にくきゅうの日 "The Day of Meat-Q"」とし、その日はにくきゅう触り放題なのだとか。 次の大晦日は平成12年8月9日ということだ。 にくきゅう暦表示サポートサービスもある。 だから、なんなんだこれは!
 実は単なる猫好きのページという気もするが、「にくきゅう」という言葉でいつの間にやら巨大なネットワークを形成しているんじゃないだろうか。 密かに暦までつくってシンパの間で静かに浸透している様子である。 真夏に、もうすぐ大晦日やねえ、といいつつ嬉しそうにしている人がじわじわと増えてたりして。 私たちの知らないところでなんだか凄いことが進行しているかもしれない。 平成版生類憐みの令の強行採決。 英語に代わって猫語を第二公用語に採用。 人類肉球化計画。 まさか、知らないのは私だけってことは……。


6月16日(金)

 土日の部活動をやめろと、スポーツ振興特別研究会が中間報告。

 ドイツが原子力発電所を2020年代初めまでに全廃することを決めた。 ドイツには現在19基の原発が運転中である。 発電量はアメリカ、フランス、日本に次いで第4位、消費電力の約3割をまかなっているという。 しかし、根強い反対運動があって核燃料は核廃棄物の運搬が行われるたびに激しい抗議運動が巻き起こっていた。 98年に発足した社会民主党と緑の党の連立政権は、緑の党の意向を受けて原発全廃を目指していたところだったのだ。 核に頼らないといえば聞こえはいいが、問題はもちろん代替エネルギーである。 水力と火力という従来型のエネルギーに加え、太陽光、風力、バイオマスなどの新エネルギーが本当に原子力の分を補えるのかというと、疑問であるらしい。 そのため、フランスから電力を購入することも検討しているそうだ。 国の政策だからそれでもいいのだろうが、本末はどこへ行ったのだろうという気がしてしまう。
 環境先進国といわれるドイツではあるが、国内の世論も必ずしも原発全廃に賛成というわけでもないらしい。 その意味でも良いことなのか悪いことなのか判断つけがたいが、いずれにしろ大英断を下したものである。 さすがはドイツ、論理的に物事を決める国である。 何しろ、排気ガスが有害だとなると信号待ちでもエンジンを止めるという民族なのだから。 それに対してアメリカは経済的に物事を決める国ということになる。 金になるかならないか、損得で判断するというわけだ。 二酸化炭素排出問題などはまさにアメリカのエゴがはっきりと現れたわけで、非常にわかりやすい。 じゃあ、日本はどうだろうか。 一昔前なら人情で決める国といわれたかもしれない。 しかし、情で決めるということは、情に流されるということで、結局何も決まらないと言い換えてもいいだろう。 何かが決まったわけではないけれど、なんとなく不文律というか雰囲気というか、呼吸でうまくごまかしてきたのだ。 しかし、近頃は人情などという言葉は消えてしまって、何も決められない国という形だけが残っているようだ。 そうそう、ひとつだけ、アメリカの意向に沿うことだけを決める、いや、決めさせられるという道があったな。

 皇太后が亡くなったそうだ。 あ、崩御といわないといけないのか。 それとも逝去でいいのか。 なかなか皇室関連の言葉って難しいからなあ。 ともかく、冥福を祈ろう。
 今日明日と歌舞音曲を伴う行事を自粛するようにということだが、そんな死語を持ち出されても困るなあ。 国立劇場では落語や講談をとりやめ、中央競馬や競輪、競艇も自粛するという。 学校関係はきっと行事の延期が続出するだろう。 コンサートの中止などもあるんだろうか。 プロ野球もこのときとばかりに鳴り物なしの応援を観客に依頼してみたりして。 もしかすると選挙運動のスピーカーも鳴りをひそめているかもしれない。 しかし、長生きして天寿を全うした場合の通夜では、悲しみに暮れるというよりは明るくにぎにぎしく送り出してあげるというのが、私の常識なのだけれど。 皇太后さま、どちらをお望みですか?
 ところで訃報を伝えるネットニュースに、皇太后の棺は宮殿か吹上御所に安置し、皇族方や国民の主だった人たちがお別れをする、と出ていた。 そして、そのあと一般の本葬・告別式の儀を約1ヶ月後に行う案が検討されている、と続いていた。 これを読んだ同僚が一言、
 「国民の主だった人たちって誰?」
 なるほど、国民には主だった人とそうでない人がいるのかと思わず唸ってしまった。 でも、次の瞬間にはもっと危ないことを思いついてつい口走っていた。
 「いや、これは「おも」じゃなくて「あるじ」って読むんやろ。 国民のあるじだった人」
 「ははあん、じゃあ僕らは関係ないな」
 右翼のみなさん、このくらいで不敬罪って呼ばないでね。


6月15日(木)

 綺麗田 瞳さんの目薬には異物は混入されてませんか?

 これからの季節、疲れた体をひきずって自宅に帰って来たはいいが、締め切った部屋は熱気がこもってしまって外の方が涼しいくらい。 帰宅時刻が確実にわかっていればタイマー機能であらかじめエアコンを作動させておけるが、実際には予定が変わって遅くなるかもしれないと思うとなかなかそんな設定はできない。 どうにかうまい方法はないのか、という消費者のニーズに応えて登場したのがインターネット対応携帯電話を利用したエアコン操作システムである。 エアコンをパソコン経由で電話回線に接続しておき、携帯から暗証番号付き電子メールを送信して遠隔操作しようというものだという。 なるほど面白いアイデアである。
 暗証番号が一致しないと操作できないことになっており、悪戯を防げるというわけだ。 しかし、ネット犯罪者にとっては暗証番号など「そこにあるから登る山」のようなものだから、なんとなく事件の予感もする。 例のプリペイド携帯電話を組み合わせれば、密室完全犯罪も可能になりそうだ。 ただ、プリペイドは登録が必要になってしまったようだけれど。 例えば、部屋の主がエアコンで冷房設定にした直後に暖房設定に切り替えて快適にしたはずが不快指数を急上昇させたり、深夜にエアコンの温度設定を極端に下げて寝冷えさせたり、留守中にスイッチを入れて電気料金を知らない間にアップさせたり……。 所詮、悪戯か?
 とりあえずはエアコンについて製品開発されたということだが、今後さまざまな電化製品に適用されていくだろう。 帰宅直前に部屋の灯りをつけておけば、一人暮らしでも暗い部屋が待っているなんてことはなくなる。 何だったらテレビの電源も入れるようにしておけば賑やかな部屋に「ただいま!」と元気に帰ってこれるかもしれない。 電子レンジを冷凍室と直結しておいて、腹をすかせて家についたらすぐに食事ができるようになるのもいい。 さらに、留守電にAIを装備しておき、メールを送るとちゃんと対応してくれるというのはどうだろう。 「今日はいつもより遅いのね、寂しいな」 「夕食作って待ってるからできるだけ早く帰ってきてね」 「帰ったら先に食事にする、お風呂にする、それとも……」
 いかんいかん、あまりにも空しくて、かえって寂しさ倍増しそうだなあ。 逆にこうやって孤独感を増大させることによって自殺率を高くさせようとする新手の人口増加抑制計画か? きっと海外資本のメーカーがやっきになって開発しているに違いない。 日本のメーカーの製品も実は輸出されて外国でしか使われてなかったりして。
 どっちにしろ、そんなことより先にエアコンを買わなくちゃ。 また扇風機だけで夏を乗りきるつもりなのか>自分。

 久しぶりに本屋に行った。 このところ本屋の開いている時間に帰ること自体がなかったのだ。 といっても、あまりゆっくりはしていられない。 何しろ閉店間際である。 ダ・ヴィンチと『茨姫はたたかう』(近藤史恵)『殺竜事件』(上遠野浩平)『ウェディング・ドレス』(黒田研二)を購入。


6月14日(水)

 球音を楽しむ日だったそうな。

 放射性物質モナザイト郵送事件が意外な広がりをみせている。 とある財団法人の理事が核燃料物質であるトリウムなどを含むモナザイトを北朝鮮に売っているという告発文書が首相官邸や科学技術庁などの省庁にモナザイト粉末を同封して送られてきたのが先週のこと。 その後、件の財団法人の理事長らが17トンものモナザイトを保管していること、事情を知らない業者が土地の造成用に約1トンを使用したこと、元々タイから150トン購入し選別後40トンほどに減ったが現有分を差し引いた20トン余りの所在が不明であることなどがわかってきた。 理事長は温泉事業を展開するために購入したという。 なんでもモナザイトをお湯に通すとラジウム温泉と同様の効果をもつ温泉水がつくれるとか。 また、科学技術庁は大量保管の事実を知りながら追跡調査もせずに放ったらかしだったという。 そして相変わらずの後手処置で、再発防止の法整備だなどと慌てふためいている様子である。 一方、問題の財団法人とは文部省所管の日本母性文化協会であり、ここ数年活動した形跡がないので設立許可を取り消す方針で検討されているらしい。 いや、ほんまにツッコミ精神を強く刺激する出来事ではある。
 「日本母性文化協会って、何してたんやろね」
 「母性文化ってのがまずわからん」
 「母性本能をくすぐるような文化ってことかな」
 「どこかちょっと頼りなさげな雰囲気をもった文化?」
 「側におってやらなあかん、と思わせる文化やね」
 「どこかはかなげな、ちょっと触れたらこわれてしまいそうな、繊細な文化ってことかねぇ」
 「それがどないに温泉と関係するん」
 「その弱々しいところのある文化も、ラジウム温泉に浸かれば元気一杯」
 「元気一杯になったら母性文化からはずれてしまうやんか」
 「いやいや、頼りないやつを裏から支えて表向きしっかりしとるようにみせれたら、母性をかけた甲斐があったっちゅうもんやで」
 「ふーん、そしたら国民の母性本能発現の場として全国モナザイト温泉作戦を決行しようとしてたんやろか」
 「そうかもね。 きっと行方不明のモナザイト20トンも、各地の銭湯の温水パイプにでも詰めてあって、人工ラジウム温泉を人知れず提供してるんとちゃうかなあ」
 「それもこれも、日本の母性文化を守るためかぁ」
 「科学技術庁や文部省にこっそり教えてやらなあかんやろね」
 「なるほど、やっぱり母性文化協会。 悪いことなんか全然するつもりなかったんよなあ」
 「なんでそんなに肩もつんよ」
 「そやかて母性やで、父性の反対やん」
 「だから?」
 「不正の反対で正義……って、みなまで言わすなっ!」
 ツッコミ不在の会話ってやっぱりどっか締まらんなあ。

 『夏と花火と私の死体』(乙 一)を読了する。


6月13日(火)

 絶好調新庄の4試合連続アーチで4連勝の阪神はようやく最下位脱出。

 ゴミの分別というのは何かと面倒なものである。 うちの地域の家庭ゴミは大きく5種類、燃やすゴミ、プラスチックゴミ、資源ゴミ、雑ゴミ、大型ゴミに分けられている。 資源ゴミには飲食用の瓶や缶、スプレー缶が含まれ、これらは再資源化される。 燃やすゴミは焼却、プラスチックゴミは加熱減容されて、雑ゴミや大型ゴミなどと一緒に最終処分場に埋め立てられる。 また、別に周辺市町村から集めてきた廃棄物を焼却溶融する施設があるのだが、そこでは余熱を利用して入浴設備のある地域交流センターをつくっている。 そういえば、かつての最終処分場はサッカー場として生まれ変わったりもしている。 ゴミ問題は難しい側面を抱えているが、自治体の取り組みとしてまずは評価できるような形態をとっている。 とはいうものの、ゴミの減量化、リサイクル化を図るには住民の協力が必要になるわけで、教育機関としてはそういったことも機会あるごとに話をしていくことが望まれている。
 「俺から始まる!」
 「イェーイ!」
 「山の手線ゲーム!」
 「イェーイ!」
 「プラスチックゴミに分類されるもの!」
 「イェーイ!」
 「パンパン、ペットボトル」
 「パンパン、発泡スチロール」
 「パンパン、卵パック」
 「パンパン、輪ゴム」
 「ブー!」
 「え、輪ゴムってプラスチックとちゃうの?」
 「残念でした、雑ゴミでぇーす。 じゃあ、お題を変えて、山の手線ゲーム!」
 「イェーイ!」
 「雑ゴミに分類されるもの!」
 「パンパン、ガラス」
 「パンパン、瀬戸物」
 「パンパン、ビデオテープ」
 「パンパン、CD」
 「ブッブー!」
 「え、なんでやの。 燃えへんし、プラスチックちゃうし、大型でもないし」
 「実はCDはプラスチックゴミでしたぁ」
 「あれ、プラスチックなん? そういわれたらそう見えんこともないけど、わかりにくいわ」
 「次のお題いきまぁす!」
 「イェーイ!」
 「大型ゴミに分類されるもの!」
 「パンパン、自転車」
 「パンパン、三輪車」
 「パンパン、一輪車」
 「パンパン、自動車」
 「ブーブーブー! そんなもん絶対あかんやろ」
 「ごめんごめん、ノリやんかノリ。 そやかてネタ振ってくるんやもん。 車だけに乗っとかな」
 「しゃあない、今回は大目にみたろ。 そんなら続きを、ハイッ!」
 「パンパン、フライパン」
 「パンパン、なべ」
 「パンパン、やかん」
 「パンパン、なべやかん」
 「こらっ!」
 「あ、ついつい。 でも、フライパンよりは大型やと思うで」
 「もうええって。 これが見逃すん最後やで。 続き行こ、ハイッ!」
 「パンパン、ぬいぐるみ」
 「パンパン、着ぐるみ」
 「パンパン、身ぐるみ」
 「パンパン、家族ぐるみ」
 「何やの、家族ぐるみって。 ものちゃうやん」
 「そらそうやわ、あはは、ごめん。 そやけど身ぐるみもおかしいと思うで」
 「いやいや、身ぐるみ捨てたらかなり大型になるで」
 「それをいうたら、家族ぐるみの方が大型やと思うけどなあ」
 「それとも生ゴミやから、燃やすゴミかと思うたんか」
 「ええっ、身ぐるみってゴミなん?」
 「そんなこというたかて、捨てられたもんはしゃあないやろ」
 「捨て犬か捨て猫みたいに言うなあ。 あ、そしたら、犬や猫を捨ててあったらどうするん?」
 「それはもちろん30cm×30cm×30cm以上の大きなものは大型ゴミ、それ以外は燃やすゴミへ」
 「やっぱりゴミなんかい!」
 「はいっ、ということでゴミの分別についてゲームを通じて学ぼうのコーナーでした。 みんなよくわかったかなぁ?」


6月12日(月)

 月曜日は定例会議の日、いつもより開始時刻が早くなっていることに気づかず1時間の遅刻!

 梅雨である。 雨の続く鬱陶しい日々なのである。 空も低く垂れ込めがちで気分が晴れない。 雨が降ると気温も下がって、体調管理も難しい。 一年のうちでも嫌な時期である。 しかしながら、今は中間試験の真っ最中。 学生たちには天気のことなどさしおいて勉強にいそしんでもらわないといけない。 そうはいっても雨がやんでくれるわけではなくて……。
 「雨やねえ」
 「梅雨やもんねえ」
 「滅入るよねえ」
 「やる気でんよねえ」
 「こら、そんなこというとらんと試験勉強せな」
 「そんなこというてもなあ」
 「自然には勝てんもんなあ」
 「別に雨に打たれてこいなんていうとらんやろ」
 「そやかて、迫りくる梅雨前線の脅威に備えて対策を練らなあかんから、勉強に気が向かんのよねえ」
 「それに、低気圧に包まれてしもたら低血圧になって血の巡りが悪うなるさかい、勉強なんかできるわけないよねえ」
 「言い訳はええから、明日の試験のことも考えときよ」
 「明日ねえ……。 ああ、思い出した。 そういうたらなんぼか質問があったんよ。 教えてくれる?」
 「何やの」
 「ひとつめは「どうして梅雨の季節なのに6月の花嫁は幸せになれるといって結婚式が多いのか?」っていうんやけど、わかる?」
 「それ、何の問題やの」
 「英語のJune brideっていう話に出てくるんよ」
 「英語ねえ。 そんなもん、結婚式場の陰謀に決まっとるやん。 土用のウナギやバレンタインのチョコレートと一緒や」
 「ふーん。 じゃあ次。 「どうして梅雨の季節なのに6月は水無月と呼ばれるのか?」 これは国語やで」
 「何か同じような問い方やなあ。 雨がようけ降ったら空の上には水が無くなるやろ。 そやから天に水が無い月っていうんや」
 「あそう? 旧暦の6月は渇水期やったという話もあるんやけど」
 「なにいうてんねん。 そんな現実的なんは国語の答えに似合わへんやろ。 なんとなく文学的な香りを漂わしてやったらええ点くれるはずや」
 「でも、June brideの方はものすごい現実的な答えやったで」
 「そら英語は西洋合理主義で育てられた言葉やからな。 当たり前やん」
 「なるほど。 これがプロの試験対策なんやなあ。 勉強になるわ」
 「もうひとつは「天気予報に出てくる降水確率って何?」っていう質問」
 「理科は自分らの専門やろ。 そのくらい調べてこなあかんで」
 「雨の降る確率じゃああかんのよね」
 「そらそうや。 理科の場合は厳密に答えを書くっていうのが基本やからな」
 「そもそも降水なんやから、雨じゃなくても水が降ってくればええのよね。 火事の現場では確率が高くなるんちゃうかなあ」
 「それは放水やろ。 それにそんなもん確率やのうて、ちゃんと100%水を撒いてもらわな困るやんか。 土曜日に起きた群馬の化学工場爆発現場での放水確率は10%、とか言われて、よかった少なくて、なんていうてる場合か」
 「けど、わからへんのやもん」
 「正確には「短期予報の場合、6時間以内に1mm以上の雨または雪の降る確率の平均値」っていうのが定義らしい」
 「へえ、ちゃんと決まってるんや。 そしたら洗濯指数って?」
 「知らんなあ。 そんなもんあるの」
 「あるある。 それどころか布団干し指数ってのまであるんやで。 洗濯指数と布団干し指数って同じ日でも微妙に値が違うんやけど、なんでやと思う?」
 「さあて、どうなんやろか。 ようわからんけど、具体的に考えてみよか。 洗濯と布団干し、違うのはどこ?」
 「お母さんがやるか、お父さんがやるか」
 「え、うちはどっちもお父さんやで」
 「ええから、他には?」
 「一度水で洗ってから干すか、そのまま干すか」
 「え、うちはどっちも洗ってから干すで」
 「お前んとこはクリーニング屋か!」
 「干したままにするか、干してからたたくか」
 「え、うちはどっちもたたくで」
 「何のためにや!」
 「干してて風になびくか、なびかへんか」
 「え、うちはどっちもなびくで」
 「どんな風やねん!」
 「うわ、布団やなしに風につっこまれるとは思わんかった」
 「ま、そんなわけでどうやら解答らしきものもでてきたからよしということで」
 「ええっ? なんか適当にはぐらかしてるんちゃうの。 理科は厳密に答えんとあかんのやろ」
 「理科やのうて生活科やろ、これは。 生活科の場合は答えそのものやなくて、自分で答えを探していくことに意味があるわけよ。 わかる?」
 「……絶対、ごまかしてる……」


6月11日(日)

 畑山隆則、WBAライト級チャンピオン、おめでとう。

 投票用紙に「登」と書かんじゃろか。 引退した竹下登元首相の地盤を引き継いで今度の衆院選に立候補する弟 竹下亘候補の陣営が本気でそんなことを心配しているという。 「竹下」なら竹下亘氏のこととして有効票となるが、「竹下登」と書いてしまうと亘氏のことではないために無効になるからだ。 このあたりの人は投票用紙に「竹下登」と書くのが習慣になっているからだの、特にお年寄りは手が勝手に「登」と書いてしまうんじゃないかだのといった談話が新聞に掲載されていた。 何をいってんだろうか。 「登」と書かれてしまう程度にしか選挙活動ができないのだったら、あきらめて落選すればいいのだ。 そしてなによりも、選挙民を馬鹿にした発言だということがわかってしゃべっているのだろうか。 日本の選挙の問題点がここに浮彫りにされている。 首相の失言には噛み付いたマスコミも、選挙妨害といわれるのが恐いのかこの件には皮肉げな記事として紹介しているだけである。 これでいいのか、日本の選挙は……。
 「○○町のみなさん。 てしがわら、てしがわら、てしがわらけんすけでございます。 父、げんすけの跡を引き継ぎまして、今回の選挙に立候補いたしました。 父、げんすけと同様、お引き立てのほど、どうぞよろしくお願いいたします」
 「投票の際には「てしがわらけんすけ」とお書きください。 「げんすけ」ではございません、「けんすけ」でございます。 「げ」ではなく「け」。 濁点のついていない「け」。 清廉潔白、汚れのない「け」でございます。 あ、別に父が汚れた政治家であったというわけでは決してございません。 しかし、私の名前は「けんすけ」でございます。 投票されるときには、私を思い出していただいて、あの清潔感あふれる人には濁点をつけちゃいけないな、と思い出していただきたいのです。 いや、だから父が不潔だったとは申しておりません。 ただ、父げんすけの時代が長かったものですから、みなさんがついつい「げんすけ」と書かれるのではないかと心配しているだけなのです。 え、そんなこと言われなくてもわかってる? ありがとうございます。 そういう物分かりのいい方ばかりだったら、どんなに気が楽か……。 あ、その、そういう方ばかりですよね、○○町のみなさんは」
 「なんだったら「てしがわら」とだけ書いてくださって結構です。 幸いにも「てしがわら」は私ひとりです。 苗字だけでも十分私だとわかりますから、投票は有効になります。 「げんすけ」と間違うくらいだったら「てしがわら」とだけ書いてくださった方がどんなに嬉しいか。 え、間違えるわけないですって? もちろん、そうでしょう。 そう信じております。 でも、念のためお聞きしておきたいのですが、私の名前はなんというかわかりますか? げんすけ? だから、それは父の名前でしょう。 げんぞう? 誰ですかそれは」
 「私も父と同様に、漢字で「勅使河原」と書けない方が多いと思ってひらかなで立候補しております。 ひらかなで「てしがわら」と書いてください。 見栄を張って漢字で書いて誤字になると無効票になってしまうかもしれません。 いやいや、○○町のみなさんが漢字が書けないなどと馬鹿にしているわけでは決してございません。 選挙民に優しいひらがな投票なのです。 子供でも書けるひらがな投票なのです。 あ、いや、もちろん子供に選挙権はありませんし、みなさんが子供並みだなんてちっとも思ってません。 受験勉強にいそしんでいる今の子供たちなら「勅使河原」くらい書けるでしょう。 へっ? だからみなさんが子供以下だなんてひとことも言ってませんって……」

 今日の読了本『女囮捜査官B聴覚』(山田正紀)



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