魅 館 果 汁
<00年6月下旬>
6月29日(木)
You win, SUTETEKO kun、勝利の美酒は上手いかえ、真昼間っからだけど。
蒸し暑さがピークを過ぎ、これから少しはましになろうかという午後、学生と一緒にゴミ拾いの旅に出た。
というと、ちょっと意味が違うなあ。
ある場所のゴミ拾いをするために旅に出た。
「うわ、草ぼうぼうやん」
「ゴミもごろごろやろ」
「太陽燦燦やし」
「湿気むんむん」
「虫はぶんぶんぶん」
「蜂が飛ぶ♪」
「……さあ、さっさとゴミ拾いしよ」
「つれないなあ、なぁー」
「ハイスクールららばいか!」
「なんでそんな古いこと知っとるん?」
「100%片想いなんよ」
「100%そうかもね」
「……でも凄いね。
なんでこんなになるまで捨てれるかねぇ」
「汚くなってもうたら一緒やからね。
これを心理学的にいうと、赤信号みんなで渡ればこわくない、という」
「えーと、空缶はこのゴミ袋、プラスチックはこれ、燃えるゴミはこれ」
「燃えるゴミちゃうよ。
燃やすゴミ」
「はいはい、細かいなあ」
「萌えるキャラは捨てないように」
「それは捨てられんだけでしょ」
「萌やすキャラはご勘弁を」
「自分の中で勝手に萌やしといてって感じよね」
「それにしても虫が多いなあ」
「ジュースの缶とか紙パックが多いから、めっちゃ蟻がたかってるね」
「雨もよう降るからナメクジもいてる」
「うわっ、気持ちわる!」
「ナメクジとかダメなん?」
「基本的に虫って恐いんよ」
「ナメクジは虫とはいわんけど」
「でも、親戚のカタツムリはデンデンムシっいうやん」
「まあね」
「恐いもんとかないの?」
「饅頭ぐらいかなあ」
「お茶は出んよ」
「若いくせにいろいろ古臭いこと知っとるなあ」
「文化的っていうてや」
「気色わるいもんはあるけど、恐いもんって思いあたらん」
「お化けとか幽霊は」
「あんまり信じてないし」
「なんか理屈つけて、科学的には存在するはずがない、とかいいそうやもんね」
「でも、心理学的にはなんともいえんで。
ほら、病は気から、っていうやん」
「それが何で幽霊と関係するん?」
「柳の木から、ってことよ」
「……まさか、それが今日の締めじゃないよね」
「え、オチてない?」
「全然」
「今、思い出した。
無茶苦茶こわいもん」
「何?」
「サブい観客」
「サブいんはそっちやろ!」
『夏の災厄』(篠田節子)を読了。
6月28日(水)
日本から国際電話をかけた時、いちばん時間がかかるのはどこの国かご存知の人、正解を教えてほしい。
今日の会話。
えっ、今日のネタの間違いだろうって?
いやいや、今日のは本当にホントの会話である。
「昨日の夜ねぇ、UFO見たんよ」
「えぇ、まじ?
どんなん?」
「何か橙色に光るものがどっからか飛んできて、山の向こう側に落ちたみたいでパアッてその辺が明るくなったんよ」
「なにそれ?
隕石でも落ちたんやろか」
「いやいや、あれはきっとUFOよ」
「何いうとんの。
UFOって何か知らんのちゃう」
「そんなもん空飛ぶ円盤、宇宙船に決まってるやん」
「ちゃうちゃう。
UFOいうたら、unidentified flying object。
未確認飛行物体のことや」
「だから?」
「何かはわからんけど空を飛んでるもんはみんなUFOってこと」
「鳥でも?」
「鳥ってわかってるやん」
「でも、カラスか、アホウドリか、ヤンバルクイナかなんてわからへんやろ」
「ま、その場合は、unidentified flying bird、UFBということで。
とにかく、UFOイコール宇宙船じゃないよ」
「そんなんどうでもええわ。
あれは宇宙船やったはずよ」
「そんならそいつは墜落したんちゃうの。
捜索に行ってみる?」
「でも、場所は山ん中でおよそしかわからんし、無理していったら迷子になってしまいそうなもん」
「見つけたら大ニュースやで」
「逆に宇宙人に連れ去られるかもしれんし」
「宇宙人っておるんかなあ」
「そらおるよ。
あんだけたくさん星があるんやで。
おらんいう方が無理あるわ」
「けど、その宇宙人が地球に来てるっていう証拠はないで」
「そらそうやけど。
あ、もしかしたら宇宙人やなくて未来人かもしれん」
「えっ、タイムマシンで未来からやってきたっての」
「そう。
きっとタイムマシンくらい作れるようになってるはずやもん」
「でも、ようある宇宙人の絵って頭大きくて手足が細くて指も3本くらいしかないし。
あれが同じ人間とは思えんよ」
「進化したんよ。
ほら、深海魚の目がなくなってるのと同じ」
「あれは進化か?
退化ちゃうの」
「退化でもええわ。
とにかく、便利になって手足を使うこともないから細くなるし、リモコンやキーボード打てばなんでもできるようになって指の数も減ってきたと」
「キーボードは指5本とも使うよ」
「えっ、人さし指だけでうちよるよ?」
「使いこなせてないやん」
「ええんよ。
きっとそんな不器用な人のために指3本で操作できるキーボードが開発されてるんよ、未来には」
「キーボードもいらんかもしれんけどね」
「で、頭ばっかり使うようになるから脳が大きくなってるわけ」
「便利になったら頭使わんようにならへんかなあ。
それになんであんなに目が大きいの」
「あれは目ちゃうよ」
「サングラス?」
「ちゃうちゃう。
あれはフェイント」
「何に対してフェイントかけてんねんっ」
「もちろん現代人に」
「何のために?」
「宇宙人やと思わそうとしてるんよ」
「だから何のために?」
「それは秘密です」
「お前は桂小金治か!」
「とにかく、進化か退化かしらんけどこんなかっこわるい身体になってしもて後悔してるわけよ。
で、自分らみたいにならんように過去に警告しにきてるんよね」
「見た目なんかその時代の流行りやから、かっこわるいなんて思てないかもしれんで。
平安時代はしもぶくれが美人やったらしいし、太ってるほどええって国もあるもん」
「いや、あれは絶対格好悪いと思ってるはず。
とにかく、現代人に今のままやったらあかんようになるでって忠告してるんやって」
「そんなら、こそこそせんと堂々と出てきたらええやんか」
「多分ねえ、言葉が通じんのよ。
未来は世界共通語になってるからね。
なんやったっけ、エルドラド?」
「なんで黄金郷やねん。
エスペラントや」
「でも、エルドラドの方がええよねぇ」
「そういう問題ちゃうやろ」
「言葉じゃなくて、行動でわかってもらおうって、いろいろしにきてるわけよ」
「でも、全然わからへんよ」
「だから、ときどき連れ去って教育してるんやんか」
「でも、言葉通じへんのやろ」
「ボディランゲージに決まっとるやん」
「タイムマシン作れるくせに、そんなコミュニケーションしかできんの?」
「そう。
そんな偏った進歩をした未来の人類を嘆いてるわけよ」
「やけに詳しいなあ。
さては連れ去られたことがあるな」
「ぎくっ!」
ここで取り上げている宇宙人(未来人)像が、読者のみなさんが思い描いているのと一致してなかったら困るなあ。
6月26日(月)
学生がみたらし団子を作ってきてくれたのでご賞味させていただいたけれど、ちょっとかたかったのねん。
三宅島が噴火する怖れがあるという。
島民にはすでに避難勧告が出されている。
有珠山に続いての火山災害となるのだろうか。
昨日読み終えた『火天風神』(若竹七海)は大型台風の襲来をテーマにした小説だった。
今は、伝染病の恐怖を描いた『夏の災厄』(篠田節子)を読んでいる。
後者はまだ中途だが、どちらも災害そのものの恐ろしさに加えて、災害に見舞われてパニックに陥った人たちエゴイズムの怖さを訴えている。
こういった人間関係の問題は、何か具体的な事件でも起きない限り、地元に住んでいないとわからないことであるだけに、なんともいえない気持ちになる。
そういえば最近小さな地震が増えているように思えるのは気のせいだろうか。
我が身を災害が襲った時、どんな行動をとってしまうのか。
自分の中のどろどろしたエゴなんて見たくないし、見せたくないのだけれど。
同じ状況下におかれても、パニクってエゴイズム丸出しになる人と冷静に状況に対処できる人とがいる。
その違いは日常の中で培われるものなのだろう。
常に自問し自答する、自律自省の精神が大切なのだと信じる。
それをまた、教えていかなければね。
本屋に行く。
音楽コーナーもあるこの店に入ってまず目についたのが、明日発売!倉木麻衣のアルバム、という文字。
今日の「Hey!Hey!Hey!」でも、宇多田ヒカルのパクリやんか、といわれていたが売れているからにはそれなりの魅力があるのだろう。
売り方が上手いという話もあるようだが。
とかなんとかいいながら、結構ミーハーなので買ってしまうかもしれない。
さて文庫コーナーである。
ふと見ると、赤江瀑の『オイディプスの刃』がハルキ文庫から出ている。
すでに古本屋で角川文庫版を入手しているので手に取っただけで戻してしまったけれど、やってるなあ、角川春樹事務所。
その調子でどんどん復刊してほしいぞ。
『脳を鍛える』(立花隆)をおそまきながら買う。
この手の本はハードカバーだろうがなんだろうが、関係なく買ってしまうのだけれどね。
そして今日の目的のカッパノベルスコーナーへ。
『パンドラ'S ボックス』(北森鴻)、『彼は残業だったので』(松尾詩朗)、『白銀荘の殺人鬼』(彩胡ジュン)を購入。
『白銀荘の殺人鬼』は気鋭作家二人による合作で、著者当てクイズつきの趣向である。
正解者の中から20名にカッパノベルスを四ヶ月間プレゼントというのだけれど、これって新刊を送り付ける新手の宣伝なんじゃ……。
6月25日(日)
衆議院選挙、ただいま開催中……いやいやすでに開票中。
西岡はウィラポンに敗れ、女子バレーはシドニーを逃し、阪神戦は雨で中止。
ちょっと寂しい日曜日である。
マスコミは選挙選挙で忙しく、開票速報開票速報と連呼する。
自民党、公明党、共産党が苦戦し、民主党、自由党、社民党は伸びているとか。
そのくせ民主党代表は危ないというのだから選挙はわからない。
なるほど、選挙はそんじょそこらのドラマよりも面白いわけだ。
歓喜あり、涙あり、怒りあり、策略あり。
いかん、ついついテレビに見入ってしまう。
そんなわけで今日の日記もこれでご勘弁。
さて、自公保は過半数とるのか?
いよいよドラマは佳境である。
『妖星伝』(半村良)完本全3巻を買って、『火天風神』(若竹七海)を読了する。
6月24日(土)
♪おらはよっぱらっただぁー。
昨日は7月から異動になる同僚の送別会、今日は焼肉バーベキューパーティ。
どちらも楽しい酒だったけれど、調子に乗って深酒してしまったので、ぐったりである。
昨夜は6時からボーリング大会、8時半から居酒屋、11時からカラオケ、帰宅したら2時半。
おかげで今日は昼前まで布団の中。
午後から仕事に出掛けて、6時からバーベキューパーティ、飲んでしゃべって帰ったら11時半。
ということで、昨日の日記を休んだ理由を関係各位にご理解いただきたいと思うわけです。
と、同時に本日の日記がおざなりに……おっとちゃうちゃう、短くなってしまった原因を愛読者のみなさんにお伝えしなければならないと思う次第でございます。
そもそも、このような日記をウェブ上で公開してはや10ヶ月。
ここまで続けて来れたのもここを訪問し、飽きずに読んでくださったみなさまのおかげです。
ありがとうございます、ありがとうございます。
いつもお世話になっております。
威龍光でございます。
威龍光が、最後の、最後のお願いに参りました……。
6月22日(木)
ヒトゲノム解読完了を発表へ。
島根県のとある市長が、市庁舎内を週一度の「パソコンノーデー」を設けることを宣言した。
行政は人間相手の仕事なのに、パソコンに向かってキーボードを打っていれば仕事をしたように勘違いをしている若手職員が多い、というのが理由だとか。
また手書き文章を書くことが少なくなり、気持ちがこもっていないことや、ワープロを使うと誤字・脱字が多いというのも理由に挙がっている。
世の中が便利になっていくにつれて合理主義が優先されるようになり、時間をかけてでも人間どうしのつながりを大切にするという考え方がないがしろにされるようになりつつある。
そんな流れの中でのこの決断は勇気のいるものだっただろう。
そしておそらくは業務の効率化こそが重要と考える人たちにはまず受け入れられないと思われる。
市長の気持ちはわかる。
人間関係の希薄な殺伐とした昨今の情勢をみていると、将来に不安を抱くのも無理はない。
だが、時代錯誤というのも、事実である。
はたしてこの決定がどのように職員に受け入れられていくのか。
また、市民に対するサービスにどのように影響していくのか。
新聞記事を見ただけでは市長が職員に対してどのように趣旨を説明し、目的を徹底しているのかわからない。
稟議書を手書きにしたからといって、人に対する優しい気持ちが芽生えてくるかというと,疑問の方が先に立つ。
だいたい、手書きの方が気持ちがこもっているというのもある種の幻想である。
手書きになったがために、わずらわしい気持ちだけが先にたって窓口業務の対応が悪くなることだってありうるだろう。
そもそも、誤字・脱字は手書きだろうがワープロだろうが、その人の知識と性格の問題の方が大きいと思う。
要するに、市長の意図がどれだけ伝わっているかが問題なのであって、所詮「パソコンノーデー」は人間相手の仕事だという意識を徹底させるための手段に過ぎないはずだ。
ここは市長のお手並み拝見ということになるだろう。
マスコミもこういうことをしっかりと追跡調査して後日、きちんと知らせてほしいものである。
それにしても気になるのは「パソコンノーデー」というネーミングである。
ちゃんと気持ちのこめて誤字のない文章を書こうというわりには、いかにも和製英語らしき命名だ。
それこそきちんとした名前にしておかないと説得力に欠けるぞ。
6月21日(水)
今日のらくがき、♪あめあめふれふれ、ひょうもふれ、らいおんふったらうれしいなぁ〜。
ブリティッシュ・テレコム(BT)社が、インターネットで広く用いられているハイパーリンクに関して特許権を主張しているという。
「情報が遠隔地のコンピューターから引き出され、公共の電話回線を通じて端末機に転送される情報処理システム」
これが1989年にBT社が特許認可を受けた技術の内容であり、ハイパーリンクを指すとしているわけだ。
そして、これまでは特許使用料について見逃してきたけれども、今後はきちんと請求する構えを示したそうである。
はたしてどこに特許権が発生するのか。
厳密に適用するとハイパーリンクを使用しているすべてのウェブページ運営者が対象になるらしい。
細々と趣味でページを運営している個人にも特許料の支払いが求められるというのか。
そもそもハイパーリンクで金儲けなんかしてないぞ。
あれ、特許権の侵害にはそれによって利益を受けたかどうかは関係ないのか?
よくわからないなあ、特許法。
とはいうものの、BT社によれば、実際には個人サイトを相手にするのは不可能だし意味もないので、大手インターネット・サービス・プロバイダーに限るとしているそうだ。
それにしたって大変な事態である。
特許というのは恐ろしい。
ヒトの遺伝子までもその塩基配列が解明されたら特許の対象となる可能性があるくらい、知的所有権という言葉の意味するところは広い。
今回みたいに今まで黙ってたけど実は特許だったんだよーんといって特許料をがっぽりなんてビジネスが成り立つのも変な話だと思うが、法的には問題ないという声も聞こえてくる。
関係者の中には、そのうちトイレットペーパーにまで実はこれは俺の特許だったんだと主張する輩が現れるかも知れない、と馬鹿馬鹿しさに腹を立てて人もいるらしい。
しかし、トイレットペーパーならつくっているのが会社レベルなのでなんとか対応するだろうが、個人でつくっているものに特許が発生したら果して……。
料理に特許がおりていたらどうなるだろう。
卵焼きはA社の特許、スクランブルエッグはB社の特許、目玉焼きはサニーサイドアップならC社、ターンオーバーはD社、ゆで卵もハードボイルドとハーフボイルドで違う。
毎朝、各社の調査員が全家庭を訪問してチェックしてまわるのだ。
もし、なにか新しい卵料理を発明して特許庁に申請すれば、これであなたも特許権者の仲間入り。
特許権者の卵というわけだ。
そのかわり、各家庭の朝食チェックが輪番でまわってくるかもしれないけどね。
折り紙の特許というのはありそうな話である。
しかし、もし折り鶴に特許権が発生していたら大変だ。
子供にツルの折り方を教えるときには常にあたりに気を配っておく必要がある。
特許権者の目がどこに光っているか、わからないからだ。
いざとなったら、途中でかぶとに折りかえてしまうくらいの心構えがいる。
それにしても特許権者たちは、重病人が入院している病院や大きなスポーツ大会の試合場へ出掛けていって、千羽鶴を見つけては特許料の支払いを要求するのだろうか。
極悪だなあ。
手編みセーターの特殊な編み方だとか、洗剤をうまく調合してつくったシャボン玉液だとか、他にもいろいろと考えられる。
実は「東京特許許可局」という早口言葉にも特許が発生してたりして……。
某国の首相も自分の発言に次々特許を申請していけば、野党やマスコミが「神の国」などと使うたびに特許権侵害を主張できたというのになあ。
認可が下りるまでに時間がかかる?
何を気の弱いことを言ってるんだろう。
そんなときのための首相という立場じゃないか。
それにしても最近このネタばっかりだなあ。