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7月31日(月)
♪あ、すっしっくいてぇ〜!
読了本は上遠野浩平の『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』。 久々である。 そして同シリーズの『ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵蝕』と『ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生』も購入。 ついでといってはなんだけれど、『石ノ目』(乙一)も買う。 というか本当は西澤保彦と泡坂妻夫の文庫本を買うつもりで本屋に行ったのだけれども、見つからなかったのだ。 見つからなかったらそのまま手ぶらで帰ればいいようなものを、ふと目についたものがいつのまにか手に収まっている。 つっても、ちゃんとレジには持っていくので、ご安心を。
そんなことはおいといて、ネットに進出し、MLに参加したりウェブページを渡り歩いたりして情報が増えてくるとますます購入本が増えていった。 かつては手元にある本を読み尽くすまで次の本をできるだけ買わないようにしていたのだが、いつのまにやら崩されてしまった。 そこで、せっかく日記もつけていることだし、最近の購入状況はどうなのか、ミステリ関連小説に限って調べてみた。
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
読了本
11冊
11冊
10冊
8冊
12冊
10冊
14冊
購入本
19冊
10冊
12冊
18冊
21冊
12冊
21冊
購入本が読了本より少なかったのは2月だけ。 平均すると1月に16冊強の本を買い、11冊弱の本を読んでいる計算だ。 つまり、月平均5冊以上が溜まっていることになる。 うーん、まあ健全な方だろう。 しかし、積読本の増加にはなんとか歯止めをかけたい。 そのためには読書量を増やすのが一番だ。 今月は割とよく読んだ方だけれど、なぜかそれに輪をかけて買った量が多い。 バランスがいいんだか悪いんだか。
7月30日(日)
Yonda?の緑の栞って、やっぱり穴をあけるべきなんだろうか?
キキーッ。 本を片手にまどろみかけていた昼下がり、突然のブレーキ音に目を開いた。 ドアの開閉する音。 小さな悲鳴。 一瞬の静寂。 ふいに子供の泣き声が上がる。 窓際に歩み寄り、音のした方を見やると一台の車と小柄な若い女性。 少し脇に泣きじゃくる男の子。 しかし、女性の視線の先はそこにはない。 この2階の窓からは垣根の死角になっている車の前方、地面の上を見つめている。 怯えたようなその顔はやけに白っぽい。
急に彼女は子供に目を向け、ゆっくりと歩み寄ると肩を抱くようにしてしゃがみこんだ。 何かを言っているようだ。 しかし、泣き声はやまない。 おもむろに彼女は子供を抱えあげると助手席に乗せ、反対側にまわって運転席のドアを開いた。 そして乗り込もうとした瞬間、何かを感じたように顔を上げた。
目が合った。 こわばった表情。 恐怖に見開かれた目。 震える半開きの口。 まだ若い。 整った顔立ち。 長い黒髪は心なしか乱れている。 ふいに彼女の口が動いた。 たすけて。 確かにそう訴えたようだった。 そして車の前方、先ほどまで見つめていた地面の上に目をやった。 そこに、何が、あるのか。 再び恐怖に顔を歪めた彼女は急に身を翻すと車に乗り込み、一旦バックした後、脇道に入って走り去ってしまった。
どれだけ時間がたっただろうか。 ほんの5、6秒のような気もするが、1分以上のようにも思える。 我に返ったとき、耳に蝉の鳴き声だけが響いていた。 車が去っていった路上を高校生が自転車で走り抜けていく。 日傘をさした年配の女性が歩いていく。 小学生らしき子供たちがはしゃぎながら駆けていく。 しかし、誰もまるで何事もなかったかのように、そこに何もないかのように通り過ぎていく。 彼女は何を見ていたのだろうか。 それとも何も見ていなかったのか。 気がつくと、ひとりの少女がリボンのかかった箱を大事そうに抱えながらその道を歩いていた。 そして、垣根に隠れる寸前……。
それ以来、私はその道を避けつづけている。 その場所が見える窓のカーテンを閉じたままだ。 何かがそこにいるからではない。 そこには何もないのだ。 彼女が見たものは、深淵。 そして私が見たものは、陥穽。 そこには何もないのだ。 そう、何も……。
『遺品』(若竹七海)を読了。
7月29日(土)
土曜夜店の季節である。
都市伝説。 恐怖と胡散臭さと情報伝達の不思議を併せ持つこの怪奇譚には奇妙な魅力がある。 最も有名な都市伝説は20年ほども前に全国に流布された「口裂け女」ではないだろうか。 黄昏時、コートを着てマスクをした女性に「私、きれい?」と声を掛けらる。 ブスと答えると包丁で刺され、はいと答えるとマスクをとって耳元まで裂けた口を開き「これでもかっ」と叫ぶ。 3人姉妹の末っ子だの、整形手術に失敗しただの、100mを3秒で走るだの、ポマードと3回言うと逃げていくだの、枯れ井戸の中に住んでいるだの、ビデオの中から出てくるだの、いろんなオプションもついている。 途中から何かと混ざってしまったような気もするが、それも都市伝説の特徴なのだね。
その後、人面犬、人面魚、人面蟹、人面馬、人面獅子などのシリーズ物、一部はケンタウロスやスフィンクスのパクリかもしれないが。 ミミズバーガー、フジツボ膝、白尽くめのメリーさん、快速おばあちゃん、最近では、自分で開けたピアスの穴から出てくる白い糸、香港のブティックの試着室で失踪する女性など。 伝説は終わることを知らない。
かつて都市伝説は人の口を介する噂話として伝わった。 特に、学校、塾など子供たちが集まる場所を中継基地として。 やがて、電話、それも携帯電話に伝達手段が変わり、今はインターネットが媒介として大きな役割を果たしている。 そして今、ネットは媒介手段としてではなく、都市伝説そのものとして存在を主張しはじめた……。
インターネットの中に虫が住んでるって知っとる。 ちゃうちゃう、バグって意味やなくて生命体としての虫。 情報を栄養にして生きてる虫よ。 えっと、念のため昨日の話とは関係ないからね、忘れてや。
そいつはまだ数が少ないからほとんどの人に気づかれてないけど、一部のネットエンジニアの間では噂になってるらしいんよ。 たまにやけど行方不明メールって出ることあるの知らんか。 送ったはずのメールが相手先に届かんと行き先不明になるやつ。 あれって見知らぬ国の見知らぬ人のところへ行くって思われてるみたいやけど、実は虫の餌食になって消えてしまいよるんやって。 そうやって情報を食うてちょっとずつ増えていきよるらしいんよ。 たまに間違えてどっかのパソコンの中に入り込んだら、ウイルスってことになるみたいやし。 例のI LOVE YOUウイルスもフィリピンの学生が作ったいうことになってるけど、原形は彼のコンピュータに迷い込んだ虫のせいらしいで。 恋人の虫に会いにいく途中やったらしくて、彼女宛てのメッセージも兼ねてたとか。
まあ、今はたまにネット上で悪戯する程度やけど、ちょっとずつ繁殖してて、最近カオス理論で計算してみたら2001年の1月1日に突然カタストロフ的増殖をはじめて、インターネットが破綻するっていう結果がでたらしい。 それで虫退治用の殺虫剤を極秘で開発中なんやって。 それにしても何から作ってるんやろな、その殺虫剤。 ネットの中に住んでる、しかも生きた虫やで。 プログラムなんやろか、化学物質なんやろか、天敵なんやろか。 機密事項らしいから伝わってこんけども、一部に漏れた殺虫剤に関する偽情報を否定するために関係者にしかわからんようにテレビで暗号を流しているらしいで。 曰く、アブラとちゃうちゃう、カブラとちゃうちゃう、コブラとちゃうちゃう、モグラとちゃうちゃう……。
『怪人対名探偵』(芦辺 拓)を読了。
7月28日(金)
今日は市内の花火大会だった……らしい。
その朝、私はなんとも嫌な夢から目が覚めた。 といってもどんな夢だったか覚えているわけではない。 昔は夢を、特に悪夢を見た時は結構覚えていたものである。 しかし、いつの頃からか夢を忘れるようになってしまった。 ましてや悪夢など。 ところが、その朝は何やら不安げな夢を見たのだ。 そして目が覚めた。
寝汗でじっとりと濡れた布団の中に横たえた身体は、夢の余韻からかどことなくかったるい。 その心地悪さをふっきるために、起き上がろうとして戸惑う。 ぎこちないのだ。 おかしい。 疑問を浮かべながら腕を目の前に持ち上げてみる。 なんだ、これは。 そこにあるのは、光沢のある褐色の棒に棘やら髭やらがついた異様な物体だった。 私は頭をもたげ、おそるおそる自分の身体を見た。 目に入ってきたのは、弓形に膨らんだ樽の輪がいくつもならんだような、やや薄い褐色の塊であった。 いったい、これはなんなんだ。 私は自分の手を腹の上に持っていこうとした。 すると眼前には、毛のはえた先の尖った棒が弓なりにそった固い殻の上に乗せられるという様子が繰り広げられるのだ。 棒が殻に触れた。 指が何か冷たく固いつるつるしたものにさわった感触が伝わる。 腹にも何やらざわざわしたものが乗っかったような感じがする。 まぎれもない、これが私の身体なのか。
グレゴール・ザムザに、いや、毒虫になってしまった……。 ようやくその厳然たる事実を否定できないことに思いが至った。 どういうわけだ。 なぜ私が毒虫になぞならねばならないのだ。 哺乳類であるヒトが節足動物たる……何かはわからないが、とにかく毒虫になることなど生物学的にあるはずがない。 もちろん、哺乳類のDNAと昆虫のDNAに共通点はあるだろう。 しかし、脊椎動物と無脊椎動物という進化樹のかなり根元の方で別れた種どうしではないか。 ありえない、あるはずがない、断じてないのだ。 私の理性は否定できない現実をいかに否定するかに全力を注いでいた。
と、ここでもう一つの重要な点に気がついた。 なぜ、毒虫なのだろう。 毒液を分泌したわけではない。 もちろん何者かをそれで撃退したはずもない。 なのに、なぜ自分が毒虫になったと思ってしまったのか。 なるほど、これは心理学的な問題なのだ。 私の身体が物理的形態的に虫になったということではないのだ。 虫に、しかも毒虫になったと思い込まされているのだ。 だから、腕を見ても腹を見ても身体に触れてさえも、自分が虫であるとしか認知できないのだ。 毒を持っていることを確認してもいないのに、毒虫だと思ってしまったのが証拠だ。 視覚も触覚も信用できない。 網膜にはヒトとしての身体が映っているはずなのに、脳のどこかの回路が毒虫に変換しているのだ。 そうだ、そうに決まっている、そうとしか考えられない。
私は少し冷静になってきた。 この状況はどこかで聞いたことがある。 カフカの「変身」だ。 一瞬、自分がザムザになってしまったと思ったのも無理はない。 そうか、きっと妙な夢の続きで脳が混乱しているのに違いない。 睡眠から覚めたばかりなのだから半催眠状態みたいなものだ。 本当に目を覚ませば元に戻るに違いない。 本物の毒虫になってしまったザムザでさえ…… そういえばザムザは最後にどうなったんだろう。 妙だ。 記憶が定かでないぞ。 確か家族は彼が元に戻ることを信じていろいろと面倒を見てくれてたはずなのだが。 いかん、いかん。 まだ、目が覚めきっていないのだ。 脳を完全に覚醒しなければ。 覚醒? 嫌な響きだ。 いったい何に覚醒するというのか。 さらに別のものになってしまうかもしれないぞ。 そんな声が頭の片隅からぼそぼそと聞こえてくるのだが、そんなものは無視だ。 あー、虫だ、虫だ、本当に虫になってしまうかもしれんじゃないか。
どうやらやっぱり冷静にはなれないようだ。 えーい、寝てしまえ。 考えてもしかたない。 寝るのが一番だ。 なんてったって私のストレス解消法は寝ることなのだから。 それがいい、いいに決まっている、いいんだってば。 そうだ、夢オチに違いない。 このまま何にもなかったかのように寝てしまえばいいのだ。 次に目が覚めたら、ちゃんと元通りになっているに違いない。 名案だ。 でも、これが明暗を分けるかも知れん。 困った。 本当に困った。 しかし、他には思い浮かばない。 とりあえず、目をつぶってやり過ごそう。 闇に沈んでしまえば何も見なくてすむ。 このままじっとしていよう。 きっと時が何かを解決してくれるに違いない。 きっと時間が経てば元に戻ってくれるに違いない。 きっと、きっと……。
―― 朝だ。 寝覚めの悪い朝だ。 なんとも嫌な夢から目が覚めたのだ。 どうやら元に戻ってしまったようである……。
2ちゃんねるでなんだか爆発的に流行っている「文体模写してください」に刺激を受けて書いてしまった。 うーん、結局、夢オチかい、ってことになるのだが。 それに全然文体模写ではないしね。 困ったもんだ。
「ルパン三世・1$マネーウォーズ」を見る。 いまいちだな。
昨夜、合宿所で『風が吹いたら桶屋がもうかる』(井上夢人)を読了。
7月26日(水)
飲みました、しゃべり倒しました、酔っ払いました。
そんなわけで、今日は簡単に一日の記録などを。
午前中、夏休みということもあってゆっくり起床、登校。 講義資料の作成にいそしむ。 昼前に学生が訪ねてくる。 体験学習の手伝いをしてくれる学生で、その用意をしにきてくれたはずなのだが、妙に話が弾んでしまい、気がつくと1時前。 昼ご飯を食べている間に体験学習として計画しているシャボン玉の準備を依頼。 その後、もう二人学生が加わって一緒に手伝ってもらう。 4時前、別の用事で学生の保護者が来校、1時間弱話をする。 5時過ぎに学生を解散させ、校長との懇談会に移る。 そう、それが今日の飲み&しゃべり会なのであった。 まあ、言いたいことを言ったというだけなのかもしれないが、いつも以上に絡んでしまったような気がする。 うーん、ストレスが溜まってるのかなあ。 9時半頃にお開きにしたのだが、なんとなくしゃべり足らず一緒に参加した同僚と話を続ける。 結局、帰宅したのは11時半頃。 シャワーを浴びてちょっとさっぱり。
ああ、眠い。 日記を書いただけでもよしとしてくれ。 では、おやすみなさい。
7月25日(火)
夏の雲の情景。
はぐれ雲
都会の喧騒を忘れて
のんびりと浮かんでいられたら
ひこうき雲
広い広い画布(カンバス)に
一筋の白い芸術
入道雲
太陽の光をうけて白く輝きながら
高く高くのぼりつめていく
われこそが空の王であると
夕焼け雲
世界を血に染めた殺人者よ
その笑い声はなぜか空虚(うつろ)だ
やがて訪れる夕闇に
飲み込まれてしまうことを知っているからなのか
無月夜
静かに
静かに
更けていく
こんな夜は
雲に隠された月を思いながら
熱気を散り散りに運んでいく風に
溶け込んでしまいたい
目撃者
照りつける太陽の下
やけに影が濃くて
その闇に
僕は吸いこまれていった
雲だけがそれを見ていた
昼下がり
ベランダに立つ體
鉛の風
真っ赤な西日
額から一筋の汗
空を睨みつける眼
ぽっかりと浮かぶ白い雲
窓から見える風景
ガラス窓一枚ぶんの空
青地に白が一握り
ゆっくりと横切っていく
薄汚れたビルの壁は無表情
じっと僕を見ているだけ
剥げおちた色は
いったいどこへ流れついたのだろうか
縄張り争いをしているガラス窓の青と白
太陽は二つの色を際立たせるために輝く
わずかに見える瓦屋根
陽を浴びてまぶしく照り返す
その誇らしげな黒は
いつまで夢を見続けられるのだろう
空はやっぱり空
どうやら今のところ空が優勢
今日もはれ
『屍蘭 新宿鮫V』(大沢在昌)を読了。
7月24日(月)
ようやく雨、わずかだけれど雨、少し過ごしやすい夕刻。
日本火山噴火予知研究所、特別会議室にて秘密裏に行われた会話。
「三宅島近海の地震のことなんだが」
「どないした」
「震源がだんだん西に移動してたじゃないか」
「そうやな」
「そして、最近は神津島とか新島、式根島で頻発している」
「三宅島で起こってた地震の震源がその北西にある神津島の方へ移動したってことやろ」
「さあ、そこだ」
「どこやの?」
「これだから関西人は困るんだ。 いま、真面目な話をしているんだからまぜっかえさないでくれ」
「そら、悪いことしたわ。 ほんで?」
「今はまだ伊豆諸島付近にとどまっているが、これが今後さらに北西へと移ってくるとどうなると思う」
「どうって、その先は……伊豆半島?」
「それもある。 だが、気になってるのはもっと先だ。 その北西にここ300年も噴火していないとっておきの休火山があるじゃないか」
「……富士山?」
「そう、日本の象徴、霊峰富士だ」
「それは富士山が活動を始めるってこと?」
「平成の大噴火。 ありえない話ではない」
「そんなアホな。 三宅島から富士山まで震源が移動するなんて聞いたことあらへん」
「さあ、そこだ」
「どこやの?」
「……」
「いや、どうしても血が騒いでしもて。 ごめん、ごめん」
「うむ。 私はそこに某国の陰謀がはたらいていると思う」
「陰謀?」
「そう、日本は未だかつてどこの国も経験したことのない攻撃を受けているのだ」
「こらこら、それは妄想やろ。 地震を起こさせてるんやで。 しかも、富士を噴火させよっていうんやろ。 そんな兵器あらへんよ」
「たったひとつだけ、可能性がある」
「なんやの?」
「生物兵器だ」
「……えーと、まさかとは思うけど、それってナマズやなんてことは、ないやろね」
「君はバカにしてるのか」
「いやいや、とんでもない。 そうやろね、いくらなんでもナマズを生物兵器にして地震を起こさせるやなんて……」
「なんだと、やっぱりナマズをバカにしているじゃないか」
「……あ、いや、それはあなたをバカにしてないって……。 マジなん?」
「ナマズの地震予知能力について、我が研究所をはじめ世界中で実験が行われていることはよく知っているだろう」
「ああ、初めて聞いたときは絶対ギャグやと思うたけど」
「ナマズが暴れると地震が起こる。 これを昔の人はナマズが地震を起こすと考え、近年になって逆にナマズが地震を予知すると考えられるようになった」
「そやね」
「だが、最近になって実はやはりナマズが地震を起こすのだという再逆転の発想が一部科学者の間で囁かれるようになったのだ」
「それ、ほんまなん」
「実際に某国の軍隊では熱心に研究が行われているらしい」
「世の中、油断できんなあ」
「さらに遺伝子組換えによって本来は淡水魚のナマズを海水中でも生息できるようになったともいう」
「それが今、伊豆諸島におるってこと? そいつが三宅島の雄山を噴火させたわけ?」
「だから、富士山も危ないのだ」
「やばいやん。 どないしたらええの?」
「さあ、そこだ」
「だから、どこやの?」
「……まあいい。 君の体質だということはわかった」
「すんまへんなあ」
「対策がわからないから困惑しているのだ。 君にこの話をしたのも何かいいアイデアがないか聞きたかったためだ」
「急にいわれてもなあ……。 例えば、泡盛を伊豆近海に大量に散布してナマズを酔わせてまうんよ」
「そんなことをしてどうなる?」
「酔うたナマズがぷかぷか浮いてくるからそれを捕獲してまうってわけ」
「うまくいくのか?」
「名づけて「アワモリに懲りたナマズが浮く」大作戦」
「それをいうなら「アツモノに懲りてナマスを吹く」だろう」
「突然、お題を出されたんやから勘弁したってや。 ナマズみたいに泥の中に隠れときたいのはこっちなんやし」
『占い師はお昼寝中』(倉知 淳)、『古書店アゼリアの死』(若竹七海)、『和時計の館の殺人』(芦辺 拓)を購入。
7月23日(日)
ジ・オープンを見なければ。
九州・沖縄サミットで、IT革命の進展を受けた沖縄憲章(IT憲章)が採択されたという。 なんだかよくわからないけれど、先進国がいまITに注目しているのだ。 いや、IT革命と呼んで絶賛しているとさえいってもいい。 どうやら世界経済の成長に不可欠な原動力なのだそうだ。 にわかに注目を浴びているITとは一体何なのか。 その真実に迫ってみた。
「ITってなんのことか知っとる?」
「それ」
「は?」
「だから、それ。 it(イット)やろ」
「ちゃうよ、大文字でIT(アイ・ティー)。 何の略かってきいてんの」
「伊藤つかさ」
「イニシャルちゃうって。 しかも、なんでそんな古いタレントやの」
「昔、ファンやったんよね。 それに今も舞台に出たりしてるんよ」
「でも、若い子は誰も知らんし」
「えー! あの「3年B組金八先生パート2」に出とったんやで。 デビュー曲「少女人形」やで」
「落ち着け、落ち着け。 どっちにしても伊藤つかさとはちゃうんやって」
「ええ線いってると思うたけどなあ」
「そんなら、IT革命って伊藤つかさ革命なんか。 何しようとしてるんや」
「そらサミットの重要な議題になるわ」
「なるか!」
「ただ、出身が東京やし誕生日が2月21日やから、冬の東京サミットにしてほしかった」
「ほんまにファンやったんやなあ。 でも、なんにしたってここでいうてるITとは違うよ」
「うーん、そんならあれや、ETの逆」
「え?」
「ETってextraterrestrial=地球外生命体って意味やんか」
「それで?」
「その逆やからintraterrestrial。 つまり、地球内生命体ってこと」
「それは人間だけじゃなくて犬も猫も鳥も魚も虫もってこと」
「もちろん、地球上の生きとし生けるものすべて。 IT格差の是正っていうてたけど、生き物はすべて平等ってことやね」
「なんや急にそれらしくなったなあ。 伊藤つかさとはえらい違いや」
「こらこら、そうやって差別したらあかんよ。 ともかく世界は一家、人類はみな兄弟どころか、全生物は友達っていうものすごく大事なコンセプトなわけよ」
「そしたら、IT革命ってのは地球内生命体革命?」
「簡単にいうたら生物革命」
「なんかそれってクローン生物とか遺伝子組換食品のことみたいに聞こえるなあ」
「それも大事なことやろね。 クローンなんてまったく同じ生き物なんやから格差がありえへんやろ」
「それはクローンを促進しようってこと?」
「そういう面もあるってことよ。 遺伝子組換食品も難しくって、人間の立場からしたらええやろけど、それを食べてる虫なんかにとっては文字通り死活問題やからね」
「なるほど、それだけの広い視点に立って生物界を見渡していこうってことなんや」
「それを決めたんがIT憲章になるわけや」
「だから、ヒトゲノムのこととかも話題になってたんか」
「どうやらわかってもらえたようやね」
「世界経済の成長にも必要不可欠なん?」
「これから世界経済を支えていくのはバイオと情報通信やで。 中でもバイオ関係は人間存在、生物の命そのものに直接関わってくるわけやからね」
「うーん、なんとなくそんな気にさせられてくるから恐いわ」
「信用してないん?」
「いや、だって総理大臣がサミット直前に急にコンピュータに向かってみた、なんてニュースでいうてたんと合わんからね」
「それは、バイオコンピュータのことやろ」
「え、そんなもの、もう開発されてるの?」
「知らんかった? だいぶ前からあるよ」
「うそ、凄いやん」
「私もノート型のを持ってるよ。 数ある機種の中でもかっこええって人気高いで」
「……それってもしかして、S○NYの……」
言うまでもないことだが、本当はIT=information technology=情報技術のことである。 でも、生物革命の方が大事やと思わへん?
昨日、合宿所で『ガラスの麒麟』(加納朋子)、今日『ターン』(北村薫)を読了。
7月21日(金)
曙、19場所ぶりの優勝、おめでとう。
明日からのプロ野球オールスターゲームに先駆けて、フレッシュオールスターが行われた。 試合はウェスタンが3-0で勝利。 阪神勢では上坂が4打数2安打で優秀選手、吉野が最終回を3人で締めてセーブ投手、藤川は3人を8球で料理、松田は途中出場で1打数1安打。 よくやってるなあ。 それに引きかえ一軍は……。
さて、このフレッシュオールスターは松山中央公園野球場で行われた。 これまで愛媛県の野球を支えてきた松山市営球場に変わって今年オープンした新球場、愛称 坊ちゃんスタジアムである。
「なんで坊ちゃんスタジアムって名前にしたんやろ」
「まさか赤シャツスタジアムってわけにはいかんやろ」
「そうやなくて、漱石よりも子規の方が松山らしくないか」
「♪はーるをあいするひーとーはぁ……」
「それは四季の歌」
「でも坊ちゃんも有名やしなあ」
「そうはいうても漱石って、松山におったん、ほんの1年だけやねんで」
「そやかて坊ちゃん電車や坊ちゃん団子もあるし、すっかり観光的には根づいとるよ」
「まあ、松山から坊ちゃんを連想するのは許しても、野球ときたら子規やろ」
「なに? 日本で始めて野球チームをつくったんが子規やなんていうなよ」
「さすがにそうは言わんけど、英語のbaseballを野球って訳したんは子規ってことになってとるよ」
「ほんま?」
「若い頃の子規はスポーツマンで野球に熱中してたらしいんやけど、そのころはまだ日本語がなくてベースボールっていうてたらしい」
「ふんふん」
「そこで子規が、本名の升をもじって、のぼる=ノ・ボール=野ボール=野球、バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」
「なんでそんな古い盛り上げ方なん」
「久しぶりに興奮してしまった」
「野球の名付け親とは知らんかったけど、子規スタジアムってなんとなく語感がよくないよね」
「別にそのまんまやなくてもええやん」
「ホトトギススタジアム」
「それは変」
「病牀六尺スタジアム」
「さらに変」
「糸瓜忌スタジアム」
「それは9月19日だけやろ」
「獺祭(だっさい)スタジアム」
「ダッサー」
『図南の翼』(小野不由美)を読了。
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