魅 館 果 汁

<00年8月下旬>


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8月31日(木)

 日記1周年プラス10日記念。

 今日で夏休みも終わり。 すっかり日記もサボってしまっている。 その日記だが、ほぼ毎日更新(は言い過ぎか?)を続けてきた日記を不定期更新にすることに決めた。 そのうち何を書こうか頭を絞らないといけなくなると思って「果汁」と名づけていたのがその通りになってきたこと。 日常の仕事が忙しくなり精神的に余裕がなくなってきつつあること。 「魅館箱」の更新の方を優先させたいこと。 まあ、このあたりが理由になるだろうか。 とはいっても「魅館箱」も更新が遅れ気味なのだが。 それに不定期と決めてしまうとよほどのことがない限り日記を書かなくなるような気もする。 それはそれで仕方ない。 書きたくなることができたら書く。 そういうものにしておきたい。

 上に書いた仕事の忙しさというのは主に4種類ある。 ひとつは授業関係。 ひとつは学生補導関係。 ひとつは論文執筆。 そしてもうひとつが大きい。 国立学校がこれから民間企業的な視点を導入する独立行政法人化していくことが決まった。 これを受けて具体的に何をどう変えていくべきかを議論し、形にしていかなければならない。 そのワーキンググループのメンバーになってしまったのだ。 来月から実際に動きはじめることになるが、やるべきことが大きすぎる上に多すぎて頭が痛い。 自分の未来のためでもあるからやらなきゃならないのはわかるけれど。 まあ、やるしかないのだ。 頑張ろう。


8月27日(日)

 徳島までドライブ。

 読了本は『猿の証言』(北川歩実)


8月26日(土)

 やっぱり、ピクシーは凄い。

 昨日、宿直室で『夜明けのブギーポップ』(上遠野浩平)、今日はごろごろしながら自宅で『メドゥサ、鏡をごらん』(井上夢人)を読了。


8月24日(木)

 ショック、アンディ・フグ急死。

 体調不良のため休暇を取る。 夕方には少しよくなり、『木製の王子』(麻耶雄嵩)を読了。


8月22日(火)

 ♪It's all right 泣いたっていいじゃない、焦げた素肌を、あー夏太りぃ〜!

 今日は愛媛サマーサイエンススクールという行事があった。 市と学校が主催する小中学生対象の科学体験のイベントで、各学校の先生が10に分かれた班を引き連れていろんな実験をするのだ。 今日は機械、電気、化学などの学科に分かれてそれぞれの専門に近い実験を体験する。 明日はガラス細工と水のミュージアムという特別イベントが行われる。 私が直接関係するのは今日の午前中だけ。 10ある班のうち3つしか相手にしないということで、今月あたまにあった体験学習のミニ版になる。 私の担当はもちろんシャボン玉である。
 小学生がほとんどという構成、1グループの人数が多いのに対して時間が短くなったこと、風が少し強かったことなどを考慮して「弾むシャボン玉」と「浮かぶシャボン玉」は却下。 「巨大シャボン玉の中に入ろう」と外での「シャボン玉遊び」を楽しんでもらうことにする。 いくつかのネタを用意して相手や状況に応じて小出しにする。 シャボン玉イベントもなかなか確立されてきたなあと自画自賛である。
 それでも手伝ってくれる学生のアイデアは尽きることがない。 今回は対象者が少ないこともあって巨大シャボン玉に入ったところをポラロイド写真にとって記念に渡すようにした。 すると昨日の撮影練習中に、希望する角度から撮影してあげたら、というアイデアが出てきた。 普通に正面から全身を撮る場合、少し寄って上半身だけをアップで撮る場合、脚立の上に乗って見下ろす角度で撮る場合などなど。 さらに、マジックを用意して写真に落書きさせてあげたら、という提案もあった。 自分たちで出したアイデアに対しての取り組みは、こちらで言い出したものに対するものと雲泥の差がある。 なるほど、うまく引き出してやることが大事なんだな、と改めて思い知らされた。 そして実際にやってみると小学生の目の輝くこと! なかなかよかったじゃないか。
 科学体験となれば小難しいことも大切のなのだけれど、素朴な疑問と素直な驚きと遊び感覚を織り交ぜられたら、きっと自ら科学に興味を持ってくれるようになるんじゃないだろうか。 そんな期待が信念としてではなく実感として湧いてきた一日だった。


8月21日(月)

 残暑厳しく寝苦しい夜が続くよ、どこまでも。

 2000円札を初めて見た。 1万円札と並べて眺めてみる。 サイズこそ一回り小さいが、やたら派手だ。 弐千円の文字が浮き上がって印刷されているだとか、2000の数字が見る角度によって色を変えるだとか、偽造防止のためにいろいろな技術が使われているという。 しかし、まず目に付いたのが札の両端で赤っぽく反射する蛍光塗料みたいな部分である。 思わず、磁石を近づけないでください、という注意書きがないか探してしまったぞ。 手で持ったら指紋が写りそうなので札の中央部分をつまんでもつ。 なるほど、ここに例のやつが現れると噂されているのか。 これについてはまだ未確認情報なので伝聞と類推だと承知しておいてほしいのだが、どうやら出るらしいのだ。 何がって? 出るといえば決まっているだろう。 例のやつである。 いやいや、霊の奴だ。 そう、沖縄サミットを前に無念の死を遂げた前総理の亡霊である。
 サミットを沖縄で開催することに並々ならぬ情熱を燃やしていた前総理は、ミレニアム記念紙幣と陰口を叩かれることを覚悟の上で2000円札の発行を決断し、その図柄に守礼門を選んだ。 ところが、過労から病の床に倒れ、5月、入院中に2000円札の印刷が始まった数日後に亡くなった。 一説には、病室で見た新札の出来栄えに満足しつつ眠るように息を引き取ったとされる。 一方では、サミット開催の大役を勤めることができない悔しさを浮かべた無念の死であったともいう。
 7月、サミットに先駆けて蔵相会議が始まった直後から、九州・沖縄で夜な夜な電話がかかってきてはブチッと切れる奇妙な事件が相次いだ。 被害を受ける家庭につながりは発見できず、捜査も暗礁に乗り上げた怪電話はブチッホンとして怖れられた。 やがて、2000円札が一般に出回りサミット本番が始まると、怪電話は鳴りをひそめ代わりに新札に亡霊が姿を現すという噂が広がったのだ。 その霊の横には必ず「平成」の文字が浮かび上がっていたという。 ただ、この霊は決して怖れられずかえってかわいいと反響を呼び、どうやったら見ることができるのか造幣局に問い合わせの電話が殺到するほどだった。
 最近、ある角度から見ると裏の平安貴族の片方が前首相の顔になるという噂が囁かれはじめている。 さすがに男だけあって紫式部の方は遠慮したのかと思っていたが、そちらの顔は娘に見えるらしい。 うーん、紫式部よりはそっちの方がいいなあ。 誰か、どの角度から見ればいいのか教えてくれないだろうか……。
 プルルルルルル、プルルルルルル。
 あ、かかってきちゃった。



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