魅 館 果 汁
<00年11月>
11月26日(日)
アントラーズ優勝おめでとう、レイソル残念惜しかった。
「そろそろ20世紀も残すところあと30数日になったねえ」
「え、もうそんな時期か。
一年が過ぎるのは早いなあ。
ついこないだまで2000年問題って騒いでたのに」
「そうやねえ」
「次は2001年問題に怯える毎日や」
「なんやのそれは」
「2001年になったらみんなで宇宙の旅に出掛けなあかんのやろ。
嫌やで、まだ日本人でも5人しか行ったことないんやのに」
「秋山さん、毛利さん、向井さん、若田さん、土井さん……なるほど5人おるな」
「この人ら、みんな日本人初っていわれてるの知ってる」
「どういうこと」
「秋山さんは日本人で初めて宇宙飛行した人や」
「ふんふん」
「毛利さんは日本人初のスペースシャトル飛行士、向井さんは日本人初の女性宇宙飛行士」
「なんか嫌な予感がする」
「若田さんは日本人初の搭乗運用技術者で、土井さんは日本人初の船外活動体験者や」
「搭乗運用技術者ってなんや」
「要するにスペースシャトルの運行に関するスペシャリストやね。
秋山さんはただのジャーナリストやったし、毛利さんと向井さんは搭乗科学技術者や」
「ふーん。
そしたら、これから宇宙に進出する日本人が初と言われるんは大変やねえ。
シャトルのパイロットとかやったらすごいけど」
「向井さんでさえ2回目のときは、日本人初の2度目の宇宙飛行とか言われてんのやから」
「ははあ、てことはこないだ毛利さんが2回目で行ったときは、日本人初の男性2度目の宇宙飛行ってことやったんや」
「次あたりは日本人初のゲイ宇宙飛行士とか、日本人初の宇宙出産者アンド誕生者やないと」
「それはなかなかないやろ」
「ありそうなんが日本人初の宇宙死亡者……」
「そんな不吉なこというたらあかんって。
それにしてもなんでこんな話になったんや……(回想シーン)……
そうそう、2001年に宇宙へ行かなあかんて、そら映画の話やろ。
そもそも映画でもそんなこというてへんし」
「そやけど、アメリカのなんたらいう会社が一般人を宇宙に連れてってくれるらしいやん」
「でも1千万円以上もかかるんやで」
「そやから、2001年になったら1千万円払わされて宇宙の旅へ連れて行かれるんちゃうの」
「何をわけのわからんこというてんの。
そんなことあらへんから安心しなさい」
「(ダチョウ倶楽部風に)取り乱してしまいました……。
まあ、21世紀を迎えるいうたかて、紅白歌合戦見て、行く年来る年見て、除夜の鐘を聞いてたらそのうちやってくるって」
「そんな寂しいこというなや」
「ほんならどんな年末年始にしたいんや」
「やっぱりカウントダウンやね。
サザンはもちろん、あゆやキンキやフミヤがカウントダウンライブやるらしいで」
「そんなもんファンにまかせとったらええやんけ」
「そら、ごもっともやけど。
他にも東京ディズニーランドでパーティやったり、子午線が通ってる明石海峡でイベントやったり、大宮でジョン・レノンのイマジンを合唱しながら年越したりとか、いろいろや」
「なんで大宮やの。
ジョン・レノンゆかりの地でもないくせに。
暇人やなあ」
「イマジンなんやけど……。
JR西日本は、20世紀に走ってた幻の寝台列車を京都発出雲行で走らせるとか」
「出雲行きってことはカップルを当て込んでるな。
どうせそのまま出雲大社初詣の旅につながっとんやろ」
「まあ、そのくらいは許してやらな。
出発地点の京都では大晦日から元旦にかけて五山の送り火をやるらしいで」
「それはあかんのちゃいますの。
五山いうたらお盆のもんにきまっとりますえ」
「なんで急に京都弁やねん。
今となったら観光行事なんやらかしゃあないやん」
「困ったもんどすなあ」
「……ほっとこ。
そうそう、100年前には福沢諭吉が慶応義塾生を集めて三田の山上で19・20世紀送迎会をやったそうや」
「まさか、不信任されそこなった首相が対抗して早稲田の森で20・21世紀送迎会しよいうてんちゃうやろな。
そんなん、国民の恥や。
誰か他におらんのか」
「ノーベル化学賞の白川英樹教授が筑波の畑の中でやるってのは?」
「なんか地味やな」
「そしたら国民栄誉賞の高橋尚子選手が岐阜のどこかでひっそりとやるってことで」
「なんでひっそりやねん」
「小出義雄監督が、実はQちゃんは犬は苦手だけど空を飛べますと発表する」
「はあ?」
「化けられへんけど、消えられるからね。
ひっそりと」
「ますますわからん。
とりあえず言えることは、現代にそれほどカリスマ的な人物がおらんってことやね」
「東京拘置所の中には一部の人たちのカリスマがおるけどな」
「……ノーコメントということで」
「まあ、私らが21世紀をどういう風に迎えるかなんて大した問題でもないけど、ものすごく不安な気持ちでその一瞬を待っとるやつがおることも知っといたらなな」
「え、そんな人がおるの」
「そいつらにとったらそれこそ2001年問題やで」
「誰のこと?」
「それはもちろん、20世紀梨やん」
「……」
『アリア系銀河鉄道』(柄刀 一)を読了。
11月23日(木)
勤労感謝の日とは新嘗祭の日でもあるのだが……。
「えー、秋も深まってまいりましたが、みなさま、お元気でお過ごしでしょうか」
「ガンバも負けてしもうて大阪には秋風が吹いてますわ」
「寂しいこというなよ」
「大阪選出の某保守党議員がコップの水を野党議員にぶちまけて懲罰委員会にかけられるし、ほんま大阪人として情けないったらあらへん」
「いつから大阪生まれになってん。
そやけど、確かにあれは見苦しかったなあ。
どうせ不信任案否決は決まってたからゆったり構えててよかったはずやのに」
「そうそう、あの山形選出のまじめそうなおじさん、最後にとちってもうたなあ」
「まあ、やっぱり某自民党やったってことよ」
「そらあのヤクザ紛いの幹事長に脅されたり、妖怪めいた大蔵大臣にすかされたらたまらんで」
「やっぱり永田町は魔物の巣窟やったんやな」
「おかげでしばらく政治には誰も見向きもせんようになるんちゃうの」
「反対に俄然注目を浴びたんが芸能界。
なんちゅうてもキムタク−シズカの電撃結婚宣言」
「びっくりしたね。
それもアムロ以来流行りのできちゃった結婚」
「どこではやってんねん」
「しかし、キムタクはちょっとだけ先が見えてたはずなんやけど妊娠は読めんかったんやなあ」
「ちょっとだけなんやからしょうがないやろ」
「電撃交際宣言といえばタムリョウ−ヨシトモ」
「誰やねん」
「田村亮子とオリックスの谷佳知やんか」
「タムリョウって……
せめてヤワラちゃんていうてくれ」
「それは猪熊柔ファンが許さへん」
「でも驚いたというたら、本庄まなみの18歳年上バツイチ男との電撃恋愛宣言」
「やたら電撃宣言が多いよなあ。
火付け役が電撃関白宣言だったなんて誰も覚えてへんやろに」
「ウソつけ。
そもそも電撃なんかついてへんやろ」
「ああ、あれはネットワークか」
「それも違う」
「70万年前の石器を自分で埋めたおじさんも、電撃捏造宣言とかしてたら熱愛と勘違いされて好意的に見られたかも知れんのに」
「足で踏み固めていたところをフライデーされました、とかいうんか」
「実際には毎日新聞されました、なんやけどな」
「自分から宣言したって一緒やったとは思うけど」
「不信任案否決でとりあえずくびがつながった森首相には、失言せん宣言してもらいたいよな」
「こないだも、電気が通ってなくてもiモード対応携帯電話があれば大丈夫だ、とかいうて失笑を買ったらしいやん」
「広末ファンなんとちゃうか。
iモードあるじゃん、っていうてみたかっただけやろ」
「イチロー、メジャー挑戦宣言ってのもあったな」
「決まってもうたねえ、任天堂マリナーズ」
「こらこら、確かにそうかもしれんけど」
「もう今後できんようになったのが、ぼったくり宣言とストーカー宣言」
「そんなもん昔からできへんわい」
「それから斡旋利得宣言。
まあ、これは来年2月まではやってもええらしいけど」
「あかん、あかん」
「何よりもやっちゃいけないのが、アメリカによる選挙監視宣言」
「ああ、インドネシアやペルーに監視団送ってたくせに、自分とこの選挙がぐちゃぐちゃやもんな」
「機械と人間のどっちが信用できるかなんていうとるけど、コストパフォーマンスの悪いアメリカもんはどっちも信用ならん」
「ひどいこというなあ」
「全然進まん手集計に頼るくらいやったら、日本野鳥の会に任せた方が早いっていう噂もあるくらいやで」
「そういえばいまだに紅白歌合戦に登場してるんやろか、日本野鳥の会」
「とにかく投票が終わってから2週間もたつのに集計が終わらん選挙なんてあほらしいて見てられへん」
「アメリカ人もさすがに飽きてきたやろな」
「そんなわけで、飽きも深まってまいりましたが、みなさま、お元気でお過ごしでしょうか……」
『朱色の研究』(有栖川有栖)を読了。
11月20日(月)
尻すぼみな月曜日。
内閣不信任案の採決に加藤紘一氏らが欠席を決めたという。
負け覚悟、除名覚悟でも闘うものと期待した国民は完全に裏切られた。
国民の声を代弁するとあれだけ気勢をあげた人にもかかわらず、名誉ある撤退だかなんだかしらないが、土壇場で逃げた。
これが国民の政治不信にどれだけの影響を与えるのか、わかった上での行動なのだろうか。
小泉純一郎氏も派閥の枠から飛び出すことができなかったし、若手の「明日を創る会」も田中真紀子氏に愛想を尽かされる始末。
その田中氏も最近は影が薄い。
野党には期待をしたいのだが、無力といわざるを得ない。
そんな中でやっと立ち上がったのが加藤氏であり、山崎拓氏だと、半信半疑という人もいただろうが、かすかな希望を持っていたというのに。
やはり、日本の政治は国民の手の届かないところで鵺のような政治家によって動かされていくのだ。
そんな無力感を募らせる月曜日だった。
祥伝社400円文庫の1日1冊フェア。
『嗅覚異常』(北川歩実)、『鬼を斬る』(藤木 稟)、『奇憶』(小林泰三)、『文字禍の館』(倉阪鬼一郎)を読了。
ちょっと間があいて初めて読む作家ふたり『大江山幻鬼行』(加門七海)、『0番目の男』(山之口 洋)。
購入本は『ラグナロク洞』(霧舎 巧)、『ペルソナ探偵』(黒田研二)、『砂漠の薔薇』(飛鳥部勝則)、『ハムレット狂詩曲』(服部まゆみ)、『製造迷夢』(若竹七海)、『ゲノムの反乱』(千代田圭之)、『ねむりねずみ』(近藤史恵)。
そして待望、ある意味で伝説の『競作 五十円玉二十枚の謎』(若竹七海 他)。
11月5日(日)
この連休はスポーツの秋。
淡路島女子駅伝は素晴らしい逆転劇で東海銀行がV4。
全日本大学駅伝は順天堂大学が出雲駅伝に続いて勝利。
ナビスコカップは鹿島アントラーズが3年ぶりの優勝。
日米野球は日本の技がアメリカのパワーに対抗して1勝2敗。
大相撲は3横綱安泰も5人に増えた大関は魁皇と武双山が敗退。
オールブラックスはバーバーリアンズ相手に余裕の完勝。
全日本剣道は前人未踏の3連覇に挑んだ宮崎を栄花が破る。
スピードスケート清水は500m、1000mを貫禄の大会新。
女子プロゴルフ不動はミズノクラシック3位で賞金女王。
体操塚原は個人総合は優勝したものの種目別は無冠。
阪神タイガースに新外国人カーライル投手とクルーズ内野手が決定。
最後はちょっと個人的趣味に走ってしまった。
祥伝社400円文庫は150ページほどの中編であっという間に読める。
1日1冊で『この島でいちばん高いところ』(近藤史恵)、『生存者、一名』(歌野晶午)、『puzzle』(恩田 陸)、『クール・キャンデー』(若竹七海)を読了。
11月1日(水)
11月は学園祭の季節。
今年の学園祭は11月11日、12日。
ポッキー&プリッツとは何の関係もないので念のため。
今年も健在 ジャンボシャボン玉、常連 液体窒素で極低温の世界、ノーベル化学賞 導電性高分子、化学のロマン 爆発系は粉塵爆破と火山、謎が謎を呼ぶベルヌイの館、香りのビーズにスーパーボールなどなど。
垂れ幕もつくろうということになっている。
建物の窓から垂らしてPRしようというのだ。
もしかしたら横断幕になるかもしれないが。
今日も学生を集めてシャボン玉製造器のセッティングと垂れ幕作りの打ち合わせをした。
え、今ごろ打ち合わせだなんて遅れてるんじゃないかって?
まあ、あと10日間あればなんとかなるでしょ。
シャボン玉はこれまでの経験があるし、垂れ幕も切り貼りで済むもの。
あれ、3日は文化の日か。
実質5日間ほどしかないぞ。
いやいや大丈夫だ、きっと。
たぶん。
願わくば。
(C)若竹七海。
祥伝社文庫の400円文庫を大量購入。
ミステリ部門から6冊。
『嗅覚異常』(北川歩実)、『クール・キャンデー』(若竹七海)、『puzzle』(恩田 陸)、『この島でいちばん高いところ』(近藤史恵)、『なつこ、孤島に囚われ。』(西澤保彦)、『生存者、一名』(歌野晶午)。
ホラー部門から4冊。
『鬼を斬る』(藤木 稟)、『大江山幻鬼行』(加門七海)、『文字禍の館』(倉阪鬼一郎)、『奇憶』(小林泰三)。
SF部門から1冊。
『0番目の男』(山之口 洋)。
これに新潮文庫の『迷宮遡行』(貫井徳郎)を加えても5000円でお釣がくる。
10月最後の読了本は『古書店アゼリアの死体』(若竹七海)と『厄落とし』(瀬川ことび)。
そして早速『なつこ、孤島に囚われ。』を読了。