魅 館 果 汁

<00年12月>


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12月30日(土)

 21世紀を迎える準備はできたかな?

 「毎年恒例、今年の重大ニュースの時間がやってきたね」
 「今年もいろんなことがあったなあ」
 「例えばどんなことが印象に残ってる?」
 「今年北海道へ行ってね」
 「個人的なニュースかい!」
 「あかんの? そしたらまずはY2K問題」
 「ちゃんと対応してたから問題なかったやん」
 「いやいや、世間が知らんだけや。しばらくは静かだったけど、4月になって遂に発動してしもたね」
 「なんかあったっけ」
 「森政権誕生」
 「あれはY2K問題ちゃうやろ!」
 「何いうてんねん、2000年最大の問題やんか」
 「そやかてコンピュータ関係ないやん」
 「けど何かいうたらIT革命、IT革命ってうなされてるやん」
 「悪夢でも見てんのか!」
 「何にしろ、あれは自民党の幹部が2000年を1000年と勘違いして起こしたバグや」
 「そんなことあらへんて」
 「『天皇中心の神の国』とか言うてるやろ」
 「西暦1000年いうたら平安時代、藤原氏全盛やん。 『神の国』とはちょっと違うような気がするけどなあ」
 「でもこれがきっかけで、加藤紘一と山崎拓の反乱が起こったわけや」
 「もしかしてYKKと絡めたいの? Kが1人おらんけど」
 「YtoKと書いてYとKの問題、なんてね」
 「どっかの首相がIT革命のITをイットって読んだ見たいやん」
 「他にも、有珠山と三宅島の噴火とか」
 「なんで噴火がY2K問題やの」
 「ほんまは2000年に噴火する予定やなかったのに、バグのせいでやってしまいよってん」
 「そんなもんどないでも言えるがな」
 「何にしろ、今年起こった問題はすべて2000年問題やからね」
 「どうせそんなことやろ思うたわ」
 「次は雪印をはじめとする食品会社問題」
 「食中毒も酷かったけど、やたら異物混入ってのがあったよな」
 「そうかと思えば異物埋蔵事件」
 「旧石器発掘捏造のこというとんのか」
 「そして異物当選問題」
 「まさか長野県知事のことなんか?」
 「そんなわけで今年は異物に悩まされた年といえるであろう」
 「何を評論家みたいなこというとんねん!」
 「でも、なんというても17歳の犯罪が目立った一年やったね」
 「ほんま悲しいというかやるせないというか、なんとかならんもんかねえ」
 「少年法も改正されたし、ボランティアを義務づけたり、子育て講座をやってみようとかいうたりしてるけど、根本的な解決になるとは思えん」
 「ほな、どないしたらええの」
 「そうはいうても明るい話題もたくさんあった」
 「あれ、17歳の問題はどないなったん」
 「まずはシドニーオリンピック」
 「そやから、ちゃんと17歳の話を解決せえよ!」
 「マラソンで高橋尚子が金、柔道で田村亮子が金。 それぞれ国民栄誉賞と総理大臣顕彰をもろた」
 「いや、確かにすごかったよ。 すごかったけど、17歳はどないすんねん!」
 「でも、他にも金メダリストはおったのに、なんでこの2人だけしか注目せんの」
 「それはおかしいと思うけども」
 「同じスポーツの話題やけど、メジャーリーグ。 大魔人佐々木の活躍とイチローの野手初の挑戦決定」
 「チームメイトやしね。 是非、中心選手として優勝に貢献してほしいよね。 でもメジャー挑戦といえば新庄もおるで」
 「でも、彼はスポーツというよりは芸能の話題やもんな」
 「うーん、残念ながら否定できる材料が見あたらへん」
 「次に明るい話は白川英樹のノーベル化学賞受賞」
 「これはよかったね」
 「何しろ前の福井謙一のときは理論が難しくて一般には受けが悪かったけど、今度のは電気を通すプラスチックっていうのやからなんとなくわかりやすい」
 「そういう点がよかったんかい!」
 「国際的な明るい話題としては南北朝鮮の歩み寄りかな」
 「アジア最大の火種やもん。 歴史的やったね」
 「同じ『金』同士、21世紀の金メダルをとりましょうというたとかいわんかったとか」
 「言うとるかい!」
 「それからアメリカ大統領選」
 「これが明るい話題?」
 「いやあ、楽しませてもろたよね。 アメリカ人の合理的ないい加減さが実によく出てたし」
 「なんやの、その合理的ないい加減さって」
 「アメフトでもパスやらランやらで10ヤード越えてファーストダウンに入るときには、審判が適当な位置にボールを置いて始まるやん」
 「そうかいね」
 「そやのに、いざ10ヤード進んだかどうかをチェックするときはメジャーをだしてきてあと何インチ足りんとかやってんねんで」
 「ははあ、細かいんか大雑把なんかどっちやねんていう話やな」
 「あの選挙もそうやったやん。 まあ、お陰で楽しませてもらったけどね。 ちょっと後半だらけたけど」
 「テレビドラマとちゃうって!」
 「えーと、これで何個くらい話題があがった?」
 「さあ、数え方にもよるけど12、3個は出てるやろ」
 「しもた、多すぎるやん」
 「別になんぼでもええやん」
 「そやかて10大ニュースやろ」
 「重大ニュース!」
 「新庄のは重大とは思えんのやけど……。 そんなわけで2000年も終わり、20世紀も大詰めってわけや」
 「なんや突然しめようとするなあ。 終わる前に17歳問題の解決策をちゃんと教えてや」
 「世紀末が終わって新世紀を迎えるんやで、忘年会どころか忘世紀会をせなあかんのや。 そんなこと忘れてしまえ!」
 「なんちゅういい加減な」
 「ほなみんな、ええ世紀を迎えなあかんでぇ!!」

 今日から帰省。 帰ってくるのは6日の予定。

 『記号を喰う魔女』(浦賀和宏)『和時計の館の殺人』(芦辺 拓)『天使の囀り』(貴志祐介)を読了。
 『BRAIN VALLEY』(上・下)(瀬名秀明)『寄生木』(長坂秀佳)を購入。


12月24日(日)

 高校駅伝にどっぷり漬かった日。

 2区で勝負あったのが女子。 ゆっくりとしたペースで始まった1区は、後半留学生2人を中心に速度があがり、それに池田(立命館宇治)がついていって後続の大渡(諫早)らに10秒以上の差をつけた。 藤岡(須磨学園)は30秒も離されて苦しい出足。 ここで精神的にかなりの差をつけられた。 2区で北野(立命)が区間賞をとる快走をし、トラブルが起きない限りまず間違いないと思わせる独走態勢に入る。 松元(諫早)と坂本(須磨)も順位は上げるがタイムは縮められない。 3区、4区の短い距離で強い須磨は少しでも詰めたいところだが、諫早こそ捉えたものの逃げる立命を追い切れない。 最後に襷を受け取ったエース阪田(立命)は、昨年怪我で走れなかった悔しさを胸に、落ち着いてアンカーをつとめる。 昨日、出身の御殿場中が中学駅伝の4連覇を打ち砕かれた田顔(須磨)も焦りからか、走りに精彩を欠く。 昨年、2区で田顔に競り負けた福田(諫早)も負けじと続く。 しかし、余裕のあった阪田にアンカー勝負を仕掛けるところまで行かない。 12年連続出場ながらどうしても勝てなかった立命が、3強といわれた須磨、諫早に35秒以上の差をつけてついに悲願の初優勝。 2位須磨、3位諫早は去年と同順位。 4位仙台育英、5位熊本信愛女学院はまず順当。 6位に初出場の中京大中京が健闘。 前半遅れた筑紫女学園は持ち直して7位。 そして8位は山陰勢初入賞の米子商。 愛媛県勢 松山商はこれまで20位以内をずっと続けていたが、残念ながら出だしから30位程度をうろうろし、結局32位でゴール。

 昨年に続くトラックレースの男子。 1区で飛び出したのは予想通りカビル(仙台育英)。 2位集団に50秒あけて堂々トップで襷を渡す。 大津(大牟田)は今年に賭けるチームの気持ちを胸に3位の好走。 つなぎの2区。 仙台育英はきっちり走ったが、詰めるつもりの大牟田は怪我で走る控えが追い切れない。 ところが、1区に次ぐ長距離の3区で今度は村上(仙台育英)が伸びない。 前半はなんとかもったが後半失速。 一方、谷合(大牟田)は実力通りの走りを見せ、10秒差に縮めてくる。 これ以上離されては苦しい展開だっただけに、嬉しい誤算である。 ここからはマッチレースである。 4区ではほとんど差が変わらなかったが、5区で追いつき並走状態になる。 だが、仙台育英は昨年見せたねばりは健在。 5区門間、6区江村とも大牟田の木村と本田をラストスパートで突き放す。 そして7区は1年生勝負。 清野(仙台育英)が先行したが、すぐに土橋(大牟田)が追いつき、勝負はトラックに持ち越される。 ラスト200m、清野が仕掛ける。 しかし、土橋も対応し、逆に残り100mで前に出る。 万年2位といわれた大牟田が9年ぶり5回目の優勝。 仙台育英は連覇ならず2位。 3位の名門 鹿児島実は21年ぶりの入賞。 復活の古豪 小林は後半追い上げて4位に食い込む。 実力をつけてきた佐久長聖は5位。 6位にはかつて揖斐を擁して3位に入ったこともある土岐商。 豊川工は3年目にして初の入賞7位。 8位に常連白石が入る。 西脇工は結局14位。 全体的なレベルダウンに加えて1区予定のエース熊本を怪我で4区にまわし、1区が出遅れたことも大きい。 愛媛代表 今治北は前半まで10位くらいにつけていたが、後半遅れて19位だった。

 『ラグナロク洞』(霧舎 巧)『ペルソナ探偵』(黒田研二)『殺竜事件』(上遠野浩平)を読了。


12月19日(火)

 話題だけは独占しているなあ、新庄くん。

 全国高校駅伝まであと1週間を切った。 兵庫を制するものは全国を制すと言われてきた兵庫県予選だが、本命 報徳学園をまさかの西脇工が破って全国出場を決めた。 1区で期待の四辻(報徳)が意識し過ぎてか、熊本(西脇工)にかわされ、それが最後まで響いたという流れである。 王者 西脇工が勝ったのは嬉しいのだが、タイムがよくない。 報徳の調子が悪かったと見るべきなのか、勝負に強い西脇工と考えるのがよいのか、あるいは気温や風の影響だったのか。 近畿大会は調整も兼ねてベストメンバーでなかったとはいえ、京都勢に敗れて3位。 1区熊本、7区古川もわずかな差ながら区間賞をとれなかった。 やっぱり今年は勝てそうにない。 逆に大本命でない分、気楽に走れるという点はいいかもしれないけれど……。
 今年の全国大会は予選タイムぶっちぎりトップ 2時間4分41秒の大牟田(福岡)を中心に展開するだろう。 何しろ予選2位の埼玉栄に1分43秒という大差をつけているのだ。 ただし、九州大会で大牟田と競った小林(宮崎)は2時間5分21秒を叩き出しているだけに怖い。 とはいうものの、コースやコンディションの違う県大会の結果で比較するのは難しい。 その点、メンバーの平均タイムの方が信頼性が高い。 その5000mの平均は、やはり大牟田がトップの14分28秒。 特に谷合と大津は記録に加えて昨年の経験もある。 ここ数年は、本番直前に主力を怪我で欠いたり、突然のブレーキで優勝候補といわれながら逃してきた。 今年はそれこそチャンスの年だけに、アクシデントがないことを願う。
 大牟田に続くのはディフェンディングチャンピオン 仙台育英(宮城)。 5000の平均タイムは2位の14分32秒である。 もちろん、今年も留学生で逃げ切り先行作戦だ。 カビルは例年の留学生ほどずば抜けていないようだが、青森山田のキマルと一緒に競い合えば1分程度の貯金は見込める。 さらに3区に去年のアンカー 江村を配して前半のリードをキープし、中盤をうまくつないで大牟田の追走を振り切るという構想だろう。 前半の貯金に加えて昨年見せた粘りがまた出れば、そのまま行ってしまうかもしれない。
 この2強を追うのは小林、埼玉栄、佐久長聖(長野)あたり、そして、そうはいっても5000m平均タイム3位につけている西脇工。 うーん、なんとか優勝争いに絡んでもらいたいなあ。

 女子は諌早(長崎)、立命館宇治(京都)、須磨学園(兵庫)の三つ巴だろう。 予選トップの諫早は藤永で勝てなかった去年の悔しさを晴らすことができるだろうか。 藤永が抜けたにも関わらず、3000mの平均タイムは2秒アップし、全体的に力をつけているという。 経験者の大渡、福田に加えて藤永2世といわれるルーキー松元を加えて安定感は抜群である。
 しかし、どうしても気になるのは近畿勢。 3000m平均タイムのトップを分け合った立命と須磨である。 立命は阪田の復調が大きな鍵だが、池田、北野、そしてルーキー金指と粒ぞろい。 特に池田は阪田の代役とは言わせない強さを身につけている。 もちろん、エース阪田が入るかは入らないかは精神的にも大きな違いがでる。 是非、出場して昨年の悔しさをぶつけてほしい。
 その立命に近畿大会で勝った須磨は藤岡、田顔、千本、坂本と昨年2位のメンバー4人を残している。 ところが、藤岡と田顔が秋口に故障。 県予選には間に合ったが、近畿大会でも本調子とは言えず満足できる走りではなかったという。 選手層も厚く、力のあることは間違いないのだから、本番にきっちり間に合わせてくれることを願うばかりである。
 これに続く女子は去年の覇者 筑紫女学園(福岡)、熊本信愛女学院(熊本)、鶴崎工(大分)、神村学園(鹿児島)の九州勢だろう。

 さて、昨年は男女ともトラック勝負、1秒2秒という僅差のデッドヒートが展開された。 今年もさらに名勝負が生まれることを楽しみにしたい。

 『転・送・密・室』(西澤保彦)『ST 黒いモスクワ』(今野 敏)『日曜日の沈黙』(石崎幸二)を読了。
 購入本は『猟死の果て』(西澤保彦)『陰陽師 鬼一法眼 弍の巻』(藤木 稟)『首のない鳥』(倉阪鬼一郎)。 そしてようやく『このミステリーがすごい!2001年版』も入手する。


12月11日(月)

 1ヶ月ぶりのCMシリーズ、っていつのまにシリーズ化したん?

 いってんさ〜ん。 ソリオに乗って現れる小坊主。 京の街を駆け巡り、橋のたもとにさしかかる。 「このはしわたるべからず」の看板を無視して「真ん中だぁ!」と叫んでぶっ飛ばす。 狭い道を猛スピードで走り回りやがって。 橋が崩れてそのまま川に落ちてしまい、ほんまに工事中やったのに、ってなったらおもろいのにと思ったのは決して私だけではないはず。

 私はネットを彷徨っていた。 雪の中、たどり着いた屋敷でたくさんの女の子が永瀬正敏を迎え、質問を浴びせる。 「趣味は?」 「何座の人?」 そして 「結婚はしてるの?」 「はあ」 がっかりした女の子達。 「わたし、おちるわ」 「わたしも」 残ったのは笑顔の男性一人。 「お話しましょうよ」 これがインターネット、DION by KDDI。 こんなに冷遇されるなんて、DIONからはネットにつなげたくないなあ。

 地面を見つめる少年。 「なんだろこれ」 「入ればわかるよ」 父親と一緒にマクドナルドに入るとそこには 「あ、ダイナソー!」 衝撃のうまさ、かるびマック。 満足して店を出て行く親子。 その足跡は恐竜に……。 恐竜が食べるくらいのボリュームたっぷりってことなんやろけど、あんなに体重が増えちゃねえ。

 そんなわけで突然のシリーズ化に対応できず3作品のみのエントリーとなった。 いや、そやから誰がシリーズにしたんや。 まあ、これからも気になるCMがあれば1本でもアップすることにしよう。 最近、印象に残ったのがIBMのトルシエ監督と通訳編。 香取慎吾が出ているやつである。 一度しか見たことがないので細かいところは覚えてないが、特徴をうまく捉えていて面白い。 あの通訳、本物はフローラン・ダバディーという25歳のフランス人だとか。 本人がいい味を出しているだけに、パロディも目を引く。 でも、こういうのはバラエティ番組のネタって感じもするけど。

 『駒場の七つの迷宮』(小森健太朗)を読了。


12月9日(土)

 いじめは絶対なくならないだろうけど、人前でいうことじゃないよな。

 科学技術庁の科学技術政策研究所が「21世紀の科学技術の展望」を発表した。 今後100年間でどんな科学技術が実現されるかを予測したものだ。 遺伝子技術や脳科学の発展、食糧やエネルギ問題への対策、宇宙進出や自然との共生などすぐ頭に浮かぶものも多いが、ちょっとびっくりするような予想もある。 気になるものをピックアップしてみよう。

・人類の小型化: 小さいほどすばらしいとの意識改革が進み、徐々に人類の大きさは小型化して行き、食糧・人口問題は解決する。
 この意識改革は何がきっかけで起こるのだろうか。 それに小型化って、意識を変えたからってできるものなわけ。 これは当然、遺伝子レベルでの人体改造を前提としているわけだ。 そういえば次のようなのもあった。

・宇宙進出のための人間の進化: 人体に低酸素、宇宙線、低温・高温などへの耐性をつけるための遺伝子レベルでの処置が行われることにより、人類が宇宙進出するにあたっての様々な障害が克服される。
 DNA塩基配列の解析によって遺伝病が激減するという予想はされている。 その一方で、遺伝子組替え作物に大きな抵抗がある。 果して遺伝子操作と人体との関係はどうなるのだろう。 急進的に進んだのが、小型化などの人体改造ということだろう。 うーん、仮面ライダーの世界である。 一体どこの研究室が世界最初のショッカーになるのだろうか。

・思考支援技術: 脳のメカニズムが解明され、脳へ直接情報を記憶させたり、忘れさせたりすることができるようになる。
 これはこわい。 脳、それも記憶を操作されると本人はまったく気がつかない可能性があるわけだ。 個人の記憶が自由に変えられると集団としての歴史にも影響し、何が本当のことなのかわからなくなってしまう。 もちろん、よい使い方もあるわけで、まず思いつくのが丸暗記の勉強が必要なくなる。 しかし、本当に必要なのは記憶力よりも創造性なのである。 ところで、次のような予想もある。

・創造的活動をするコンピュータ: 人間の脳機能(知覚、思考、学習、記憶)をも超えるコンピュータが開発され、人間並に創造活動を行うことができるようになる。
 コンピュータに創造活動をできるようにさせられるということは、人間の創造力を高めることもできるということなのか。 だとすると、先の思考支援技術としても記憶力よりも創造力の方を支援する方を開発すべきではないのか。 ますます人間とロボットとの垣根がなくなっていく。 うーん、エヴァンゲリオンの世界である。 使徒はいつ襲来するのだろうか。

・人間圏と自然圏の分離: 人間の生活・生産などの活動は基本的に100万都市が入るような巨大な閉鎖空間、あるいは宇宙都市、地下都市、海底都市の中で行われ、地球規模で自然が回復する。
 つまり人間は不自然であると認めたようなものである。 人類は自然と隔絶された閉鎖空間に追いやられる。 とはいっても、所詮、人類存続のための自然保護ではあるのだ。 地球に優しいなんて偽善であり、驕りに過ぎない。 技術的な生体改造の可能性が推定される人類。 さらに、環境変化という点からも、本当の意味での新人類が登場することを予感させる。

・地雷除去バクテリア: 地雷のみに反応して、これらを安全に化学分解し土に返してしまうというような、地雷を無力にする特殊なバクテリアが開発される。
 未処置地雷が重要な問題なのはわかるけれど、なんだか不自然に大きく取り上げられている。 しかし、バクテリアに処理させるとはちょっと考えつかない。 バクテリアが地雷かどうかを判別するというのだ。 金属を酸化するだとか、火薬を分解するだとか、プラスチックを土に返すとかいうのならわかるけれど。 本当の意味での新バクテリアが登場することを予感させる……なんてね。

 実は他にもタイムマシンや反重力技術、宇宙人との交流、不老不死にテレポーテーションといった予測もあったらしいが、実現の可能性なしと判断されたらしい。 これらはまだまだ映画や小説の中で幅を利かせることができるというわけだ。 21世紀もSFは死なず。 是非そうあってほしいものである。

 『ねむりねずみ』(近藤史恵)『石ノ目』(乙 一)を読了。
 『上と外3』(恩田 陸)『天使の囀り』(貴志祐介)『転・送・密・室』(西澤保彦)『黒いモスクワ』(今野 敏)『日曜日の沈黙』(石崎幸二)を購入。


12月2日(土)

 特別賞は「最高で金大中、最低でも金正日」……朝鮮半島統一をイメージしてみたけど、やばいかなあ。

 「ごめんやすぅ。 ご隠居、いてはりまっかぁ。 ご隠居ぉ〜」
 「なんやなんや、騒々しいなあ」
 「おや、誰か思たらご隠居やないでっか。 こんな所で会うとは奇遇でんなあ」
 「何いうとんや。 あんたが訪ねてきたんやんか」
 「そうでしたかいなあ。 最近、めっきり忘れっぽくなってしもたもんで」
 「ついさっきのことやないか」
 「ありゃりゃ。 ずいぶん長居をしてしもたみたいで。 これで失礼しますわ」
 「そやから、今来たばっかりやっていうてるやろ」
 「ふむふむ。 で、ご隠居、一体なんの御用でっか?」
 「あんたが用があって来たんちゃうんか」
 「最近、めっきり忘れっぽく……」
 「もうええわ。 どないしたんや、こんな朝っぱらから」
 「いやね、なんや知らん今月からテレビが新しいになるって聞いたんでっけど、何が変わるんか、ご隠居に教えてもらおと思いましてん」
 「ははあ、BSデジタル放送のことかいな」
 「なんでっか、そのエビフライタルタルソースの親戚みたいなやつは」
 「全然ちゃうやろ。 BS、つまり放送衛星からデジタル方式で電波を送ってテレビ放送をするわけやな。 デジタルってとこがミソや」
 「そのデジモンにしたら、ポケモンより何かええことあるんですかいね」
 「デジモンやのうて、デジタル。 アナログからデジタルに変わるんや」
 「やっぱりアナクロはあきまへんか」
 「違うって。 とにかく、デジタルになったら情報量が増えて、高画質・高音質なのとデータ放送ができるってとこが特徴やな」
 「なるほど、画面がきれいで音もようなると。 そんでデート放送ってなんですの。 見知らぬあなたと見知らぬあなたがテレビでデート!っちゅうやつでっか」
 「……あんた、わざと間違えよるな」
 「それとも放送衛星いうくらいやから月からの放送でっか。 ♪月が出たでーた、月が出た、ヨイヨイ……」
 「それは苦しすぎるやろ。 そやのうて、画面上に天気予報や番組編成表みたいないろんな情報を別に呼び出せるんや」
 「へえ、それは便利でんなあ。 そしたら例えば、番組で今日の天気予報を見ながら、データ放送で明日の天気予報を見たりできると」
 「もっと役に立つ使い方があるやろう。 野球中継のときにピッチャーとバッターの対戦成績を呼び出したりとか」
 「ドラマの放映中に、この場面ではどんなNGがあったか呼び出せるとか」
 「それは意外と面白いかも知れんなあ。 そやそや、もう一つあった、デジタル放送の特徴。 双方向放送ができるってこと」
 「ソーセージ放送? 双生児の田中星児と沖田総司が相似なソーセージを食べて青磁を掃除しながら政治を放送する?」
 「意味不明の早口言葉やな。 双方向やっちゅうてるやろに。 テレビ局から視聴者に向けた一方的な放送やのうて、視聴者からもアクセスできるんや」
 「視聴者がテレビ局にハッキングできるんでっか?」
 「ちゃうちゃう」
 「あれチャウチャウちゃう? ちゃうちゃう、チャウチャウちゃうって。 チュウチャウちゃうんちゃう?」
 「またそんな使い古されたネタを……。 視聴者が回線を通じて番組に積極的に参加できるってことや」
 「家におって番組に参加できるってことでんな。 テレビ局にガンガン抗議電話する人がいるらしいけど、そういう人のためのシステムでっか?」
 「そやないって。 例えば、クイズ番組を見ながら解答をテレビ局に送信したら、その場で判定されて全国の視聴者と勝ち抜き戦ができたりするわけやよ」
 「なるほど、正解者には賞金をデジタルで送ってくるとか」
 「おっ、初めてまともなこというたな。 銀行口座さえ連絡したらそれもできるやろな」
 「逆に間違えたときは口座から引き落とされると。 うーん、まさに人生ゲーム」
 「クイズやなかったんかい。 他にもドラマの途中で選択肢があって、どれを選ぶかによってストーリーが変わるマルチエンディング方式もできるらしい」
 「これは完全にRPGゲームですやん。 そうそう、ドラマの最初に自分で配役を決められるってのも面白いでんな」
 「それはええアイデアやね。 好きな俳優をキャスティングできるなんてディレクターになったみたいやし」
 「いろいろできまんなあ」
 「どや、興味わいてきたかいな」
 「面白いでんな。 ようわかりましたわ、ご隠居。 で、そのPSアイラブユーはどこ行ったら買えますの?」
 「Sしかおうてへんやんか。 それになんでビートルズなんよ。 まあ、テレビはとりあえず今のままでええとしてもチューナーとパラボラがいるわな。 電気屋に置いたるわ」
 「ほな、行ってきますわ。 チューブとパラパラでんな。 おおきに!」
 「あ、こら、待ちや……。 あらら、行ってしもうた。 大丈夫かなあ。 チューブの曲でパラパラ踊るようになってしもたらかなわんで」

 『ハムレット狂詩曲』(服部まゆみ)『競作 五十円玉二十枚の謎』(若竹七海 他)『製造迷夢』(若竹七海)を読了。



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