魅 館 果 汁
<01年4月>
4月30日(月)
胸が痛い……。
ふいに浮かぶ姿
つかまえられそうで、つかめない
いや、つかまえては、いけない
だからこそ
胸が痛い
すりぬけていく風?
こぼれおちる雫?
とどかない雲?
それとも、夢の中に咲いた花?
幻影(かげ)追い人だとしても
こんなにも愛しい
熱病を閉じ込めなければならないとしても
にじみでる思いを止められなくて
胸が痛い
交錯する不安と高揚
悲しき焦燥
狂おしい混沌
緩やかな傾斜の先に
待ち構えているのは深い陥穽
これを罪というのか
これを過ちというのか
それならば、地獄に堕ちてもいい
そう、それほどまでも
胸が痛い……
『ばね足男が夜来る』(松尾未来)と『魔障』(朝松 健)を読了。
4月28日(土)
ゴールデンウィーク開幕。
久々CMシリーズ、パートいくつだ?
あいおい損保
「ねぇねぇ、『あいおい』って何?」
「愛情の『あい』」
「まじ?」
「皆様に愛されること」
「じゃあ、『おい』はいらないよね?」
「まじ?」
「『あい』があれば十分じゃん」
……
意を決したように
「あいおいっ!」
いや、それじゃ何の説明にもなってないじゃん。
だから、どうして『あいおい』なのさ。
『おい』って何なのさ。
大きな声を出せばええってもんじゃないぞ。
こういうのを恫喝と言わないか?
C1000タケダ・ビタミンレモン。
ラリアットをかまそうとする謎の大男。
鏡らしきもので光線を浴びせる謎の宇宙人。
ダメ出しをする謎(?)の映画監督。
近づく者はみんな吹っ飛ばされてしまう。
「私はビタミンCで守られている」
こらこら、何の罪のないお年寄りまで転ばせてどうする。
それにしても、こんなに続けて変な奴等に襲われるなんて、一体何をしたんだ加藤あい。
トヨタのファンカーゴ
「鬼退治、行かない?」
「きびだんご1個で?」
「そんな無茶な」
「お断りします」
「他を当たるか。
あっ、ファンカーゴ」
キジより視界良好、犬より低燃費、サルにも簡単に積み下ろしができる。
Fun!Car!Go!
えーと、キジって鳥目よね。
それに車で俯瞰はできんやろ。
犬って走らなくても燃料を消費するんやけど。
ドッグフードも結構高いし。
なんだったらサルは木の上まで物を運べるけどなあ。
っていうか、サルにも簡単って意味不明。
日清やきそばUFO。
「こちら目。
えー、現在7杯目です」
「7杯目?
食べ過ぎだ」
「明日グラビアの撮影なのに」
「いつまで働かせる気だ」
「消化機能低下」
「脳より、腕へ。
箸をおろせ」
……
「おろせませんっ!」
「どうなってる?」
「大変だ、欲望が一人歩きしてるぞ」
「何とかしてくれ!」
「もうダメだあ」
あ、これはヤバイ。
食品添加物に含まれている合成化学物質が脳の機能を阻害して神経伝達物質の分泌を制御できなくなって……。
自戒を込めたCMだなあ。
『聖痕』(島村 匠)を読了。
『心とろかすうような』(宮部みゆき)、『スタジアム 虹の事件簿』(青井夏海)、『グランド・ミステリー』(奥泉 光)を購入。
4月22日(日)
タイガース連勝4でストップ。
休日なのに仕事に出掛けた。
月末締め切りの原稿2本があるのだ。
1本はここ2、3日の間に実験をしながらデータを付け加えて、ようやく今日出来上がった。
あとは校正だけだ。
とりあえず、それは後回しにしてもう1本の方である。
よし、頑張ろう、と思ってパソコンで文章を打ち、図を書き、ちょっと疲れた少し休もう、とデータをセーブした途端、あれ?
なにかおかしい。
なにがおかしい?
今、どうやってセーブした?
ま、まさか……。
今日ようやく仕上げた前の原稿の上から別の文書をセーブしてしまったのだ。
ミスというには余りにお粗末な初歩的な、というか、何にも考えてないミス。
バックアップファイルはとってなかったが、幸いプリントアウトしてあったので全くなくなったわけではない。
しかし、読み返すと気になる誤字脱字。
気に入らない言い回し。
そして、激しい脱力感。
ええい、今日はもう帰る!
余りの悲しさ情けなさに、日記もこれだけで勘弁してもらおう。
読了本、『御手洗パロディ・サイト事件』(島田荘司)。
くそ、タイガースも負けるし、読了本もおもろないし……。
でも、まあ、悪いことばっかりではなかった気が、ちょっとだけする。
4月21日(土)
餓死してくれ、と言われた……。
会話文だけで4コママンガが再現できるかどうか、挑戦してみよう。
絵は各自で想像するように。
【1コマ目】
スチュワーデス(以下ス)「お客様の中でお医者さまはいらっしゃいませんか?」
医者「はい」
【2コマ目】
ス「こちらへお願いします」
客A「何があったんだろう?」
【3コマ目】
客B「あ、もどってきた」
客C「ダメだったのか?」
【4コマ目】
ス「お客様の中でジャンボジェットの操縦ができる方はいらっしゃいませんか?」
客「うわーっ!」
【1コマ目】
ス「お客様の中で警察の方はいらっしゃいませんか?」
警官「はい」
【2コマ目】
ス「こちらへお願いします」
客A「何があったんだろう?」
【3コマ目】
客B「あ、もどってきた」
客C「ダメだったのか?」
【4コマ目】
ス「お客様にお知らせします。
当機は犯人の説得に失敗し、北朝鮮に向かうことになりました」
客「うわーっ!」
【1コマ目】
ス「お客様の中でカメラマンの方はいらっしゃいませんか?」
カメラマン(以下カ)「はい」
【2コマ目】
ス「こちらへお願いします」
客A「何があったんだろう?」
【3コマ目】
客B「あ、もどってきた」
客C「何だか興奮しているぞ」
【4コマ目】
カ「まさか高度1万メートルで対向機の接近映像が撮影ができるとは思わなかった!」
客「うわーっ!」
【1コマ目】
ス「お客様の中でバスガイドの方はいらっしゃいませんか?」
バスガイド(以下バ)「はい」
【2コマ目】
ス「こちらへお願いします」
客A「何があったんだろう?」
【3コマ目】
客B「あ、もどってきた」
客C「ガイドの制服に着替えているぞ」
【4コマ目】
バ「お客様、右手に見えますのが浅草雷門でございます」
客「そんなもん見えるわけが……、あっ!」
【1コマ目】
ス「お客様の中で引田天功さんはいらっしゃいませんか?」
天功「はい」
【2コマ目】
ス「こちらへお願いします」
客A「何があったんだろう?」
【3コマ目】
客B「あ、もどってきた」
客C「何だか満足げだなあ」
【4コマ目】
ス「お客様にお知らせします。
当機は無事、脱出に成功しました」
客「何に閉じ込められてたんだ!」
ところで、フライト・アテンダントの略称ってないんだろうか。
読了本、『謎亭論処』(西澤保彦)。
4月19日(木)
体育館で「タクシー2」を見たよ、「こんにしょわー」。
エゴグラムという心理テストがある。
人の心の状態を5つの勢力に分類し、その力関係をもってその人の心の構造を客観的にチェックしようとするものである。
もう少しくだけていうと、どんな人の心の中にも5人の家族が住んでいて、誰の力が強いのかで心理状態を表わすのだ。
その5人とは次の通りである。
・Critical Parent (CP):批判的な親
・Nurturing Parent (NP):養護的な親
・Adult (A):大人
・Free Child (FC):自由奔放な子供
・Adapted Child (AC):順応した子供
わかりやすく言い換えよう。
・CP:高い理想をもち、責任感が強くリーダーシップを発揮するが、頑固で融通がきかず、独善的になりやすいタイプ
・NP:人に対して思いやりがあり、愛情が深く同情的だが、おせっかいで押し付けがましく、過保護になりやすいタイプ
・A:冷静沈着で客観的な態度をとり、現実的で判断ができるが、無味乾燥で人情味に欠け、冷たい印象を与えるタイプ
・FC:明朗快活でユーモアのセンスに溢れ、好奇心が強いが、自己中心的で好き嫌いが激しく、精神的に幼いタイプ
・AC:素直で協調性があり、従順で周囲への適応力に優れるが、自主性がなく依存的で、他人に気を遣い過ぎるタイプ
これらの5項目のうち、どれが強くて、どれが弱いのか、いくつかの質問に回答してもらって分析するのである。
書籍も出ているけれど、ここではネット上に公開されているところを紹介しよう。
自分でも早速やってみた。
50個の質問に次々答えていくのだ。
結構大変である。
そして「診断」をクリック。
「貴方のタイプはacbbaです」
上で述べたCP、NP、A、FC、ACの各項目を3段階評価したものらしい。
つまり、acbbaとはCPとACが強く、NPに欠けるというわけだ。
「詳しい説明」をクリックすると、性格、恋愛・結婚、職業適性、対人関係について分析結果が書かれている。
うーん、なんだか妙に立派なように解釈をされているぞ。
「高い理想を持つ」だとか「責任感や使命感が強い」だとか「繊細な心遣い」だとか。
嘘だろう。
やたら「クールな性格」と出てくるのは、要するにNPの評価が小さいわけだから思いやりがないと言われているようなものだ。
なるほど、それは当たっている。
恋愛について「自分の目的ばかりに夢中にならないで、本心から相手を優しく扱うことが絶対に必要」と分析してあるのも首肯できてしまう。
そういうことができないタイプなのだ。
困ったものである。
何はともあれ、職業適性の項目で「教師には向かない」とあったのはさすがに少しショックではあった。
でも、多分当たってるな。
4月18日(水)
「フグ田マスオ計画」って、マジ?
今日の会話、2ヶ月ぶり編。
テーマは……天然、かな?
「こないだねえ、階段に顔ぶつけそうになったんよ」
「階段に顔?
どうやって?
こけたん?」
「違うよ。
そんなんやったら、階段でこけたっていうよ」
「だから、どういう状況なん?」
「駅のホームを歩いてたんやけど、携帯のメール見てたから前向いてなかったんよね」
「うんうん」
「でも、途中で、なんか危ない、と思ってパッと前を見たら、目の前に階段があったんよ」
「足下に気をつけて登ったらええやん。
顔は関係ないやろ」
「いや、そうじゃなくて、すぐ顔の前に階段があって、ぶつかりそうになったんよ」
「はあ?
なんで突然そんな高さから階段が始まってるの。
みんな、よじ登らなあかんやん」
「え、なにそれ?」
「だって目の前に階段が立ちふさがったんやろ。
一段目が身長ほどの高さのある段やったわけや」
「違うよ」
「そんなら二段目か?
三段目ではすぐ顔の前っちゅうわけにはいかんで」
「そんな階段ないもん」
「でも、そういう風に聞こえるよ。
ははあん、三段目ってとこで相撲ネタにしようとか思ってるんとちゃうの」
「ネタやなくて実話なの!」
「だったら突然目の前に階段が現れた謎を解き明かしてよ、名探偵さん」
「くそ、おちょくってる。
だから、階段の底にぶつかりそうになったんよ」
「階段の底?
どこ、それ?」
「底はそこやん」
「え、そこが底?」
「そこそこ」
「……なにをわかりにくいネタやってんねん。
おもろないぞ」
「そっちも乗ってきたくせに」
「で、結局、どうやって階段の底とやらに顔をぶつけられるのさ」
「ぶつけてないよ。
ぶつかりそうになっただけ」
「どっちでもええから、階段の底のトリックを早く見破ってよ、名探偵さん」
「誰に対するトリックやねん。
ていうか、トリックちゃうし」
「何かに見立ててるとか」
「見立てるもなにも、階段の底ってなんかわからへんのに」
「じゃあ、アリバイ工作」
「駅だけに、時刻表トリックってか」
「いや、ミスリーディングっていう高度なミステリ技術のはず」
「しかも、天然ミスリーディングやから気づくのも難しい」
「こらこら、自分で天然って認めるな」
「まあ、とにかくそういうわけで、危うく階段に顔をぶつけそうになったっていう話」
「え?
ごめん、悪いけど全然わかってないよ」
「だったら絵を描いてあげよか」
(描き描き……)
「これなに、立体的に描いたの」
「え?
違うけど……。
ちょっと描き直そか。
これが電車とするやん」
(再び、描き描き……)
「うーんと、これはどっちから見た絵?」
「え?
どっちって、どっちやろ?」
(悪戦苦闘の描き描き……)
「だから、どれがホームでどれが階段なん?」
「なんか訳がわからんようになってしもた」
「しぁべれもせんし、絵も描けんとは、つくづく情けないなあ」
「ええもん。
どうせ、私の描いた亀仙人は松山千春やもん!」
果して事件の真相のわかった人は一体どれだけいるであろうか。
私は図解してもらってやっと理解できた。
ここではなかなか盲点をついた状況であったとだけ言っておこう。
しかし、この日記でその場の笑いが十分表現できていないであろうことが、何よりも折角のネタ提供者に対して申し訳ない。
まあ、でも現場で十分腹が痛くなるくらい笑ったのでよしとしよう。
念のため、多少の作為的フィクション部分を含むものの、大筋において実会話であることを断っておく。
ちなみに最後の捨てぜりふについては、今後また日記で触れる機会があるかもしれないので、その時をお楽しみに。
4月15日(日)
次の数列を解を求めよ、5, 8, 7, 8, 7, 11, 10, 9。
自民党総裁選が始まった。
福岡の麻生、広島の亀井、岡山の橋本、神奈川の小泉。
うーん、ちょっと高校野球みたいだぞ。
ベスト4に残ったのは東日本1校と西日本3校。
西高東低とは一昔前の高校野球でよくいわれた冬型の気圧配置である。
何てイメージが悪いんだろう。
西日本の一員でありながらあまりいい気がしない。
しかし、人気では東の小泉が一歩抜きんでている。
伝統の橋本は悩める守りのチーム、対照的に亀井は攻撃的なチームだろうな。
無名の麻生はどうしてここまで出てきたのかよくわからない。
21世紀特別枠か?
勝つのはどこか。
今度はサッカーに当てはめてみよう。
いわずと知れたtotoである。
総裁選トトカルチョというわけだ。
勝ち負け引き分けというわけにはいかないから、票数まで当てる難易度の高いものになっている。
その代わり配当はかなり高いものになりそうだ。
全国のコンビニやガソリンスタンドの裏で買えるという噂である。
ただ、サッカーtotoの売り上げはスポーツ振興にあてられるが、この売り上げは何に使われるのか。
そういえば夏には参院選が待っているなあ。
ここでモーニング娘。に喩えてみるというのもいいかもしれない。
麻生は辻(ただ若いだけ)、亀井は飯田(ちょっと怖い)、橋本は安倍(下からの突き上げで人気に蔭り)、小泉は後藤(一応、人気は一番)。
ついでに言えば、森は中澤(引退するわけじゃないそうなので)。
うーん、慣れないことはするもんじゃないな。
合ってるのかはずしてるのかすらよくわからないぞ。
でも、なんか少し明るいイメージになるじゃないか。
それもなんか空しいのが正直なところだが。
うつろに響くヒット曲はこれ。
♪明日がある、明日がある、明日があぁるぅさ〜。
<ほんまか?
ところで、最初の数列の答えは?
4月14日(土)
13日の金曜日の翌日は必ず14日の土曜日だ!だから何?
そういうわけで(どういうわけだろう?)すでに4月も半分を過ぎようとしている。
嵐のような半月だった。
気がつけば今日、かなり久々の日記である。
学生の間で古今東西が流行っている。
そう、これを読んでいる君たちのことだ(読んでなかったりして)。
最初はタレントの名前でしりとりをしているので気がついた。
女性の名前は「子」で終わるのが多いので、「こ」からはじまるタレントで困っていた。
次の日、今度はアニメのタイトルを言い合っている。
また、しりとりかと思ったが、さすがにそうではなく普通の古今東西だった。
毎日のようにお題を変えて行われているのである。
お笑い芸人の回とペットボトル飲料の回には参加させてもらったが、勝てない。
っていうか、そんなん知らんぞ、というようなのを学生からは「あるあるある」とまるで「クイズ100人に聞きました」みたいな反応が返ってくるから恐ろしい。
決して「あるある大事典」ではないのでご注意を、ってなんのこっちゃ。
そうそう、総理大臣の名前では完璧に勝った。
ほかに勝てそうなのは何だろう。
お題を出せといわれたときに、化学物質とかはダメといわれたので専門に走るわけにはいかないし。
ビールやタバコの銘柄というのもあるけど、未成年相手には不都合があるかも。
これで負けたらシャレにならんし。
ミステリ作家の名前なら勝つ自身はあるけど、多分却下だろうな。
っていうか、みんなが唖然とするだけになりそうで怖い。
でも、MYSCONとかでなら受けるかなあ。
古今東西乱歩賞受賞作の名前、とかね。
学生時代、研究室で夜を明かして古今東西女性芸能人の名前で盛り上がったのを思い出した。
このときはかなりリストアップされて、もう思い浮かばないという段になってから誰かが「松田聖子」と禁断の名前をコールしたのだった。
つまり、あまりにメジャーな芸能人はあえて避けていたのだ。
妙なこだわりではあった。
そんなメジャーな名前を挙げなくてもこんなん知ってるぞ、というところを見せたかったわけだ。
うーん、若かったなあ。
ただ、どこからメジャーでどこからマイナーなのか、線の引きようは難しいのだけれど。
ここ半月ばかりの間の読了本は『夏合宿』(瀬川ことび)、『幻視』(米山公啓)、『あなたの待つ場所』(幸森軍也)、『時のアラベスク』(服部まゆみ)、『遠い約束』(光原百合)。
書評はまだだ。
いつできるのだろう。
そして同じく購入本は『謎亭論処』(西澤保彦)、『未完成』(古処誠二)の2冊きり。