魅 館 果 汁
<04年5月>
5月30日(日)
久々に普通の日記を書いてみた。
きっかけは家に届いた一枚の葉書。
いわゆる架空未納料金請求というやつ。
半月ほど前に届いていたのを無視していたのだが、ふと思いついて調べたので、その報告も兼ねて。
さて、件の葉書だが、表に赤字で「親展」「重要」「至急」とある。
いきなり、「は?」である。
親展文書を葉書で出す馬鹿がどこにいる?
普通は封書だろう。
葉書だとしても、圧着葉書とか親展シールとかを使って、第三者に情報が見えないようにしなきゃダメじゃないか。
とにかく胡散臭い。
裏を見て「おお、これがかの有名な架空請求か」と興味半分、鬱陶しさ半分で読んでみる。
携帯電話の有料番組サイトの料金が未納で延滞料金が発生しているとある。
よくある文句だ。
もちろん、身に覚えは無い。
当然のことながら、具体的なことは何も書いていない。
なんというサイトで、いつアクセスしたのか。
それどころか金額も問い合わせろという。
何のこっちゃ。
そもそも携帯電話の料金請求のはずなのに、どうやって住所を知ったというのか。
なんて説明する気なの。
「いやあ、ヤ○ー○Bさんからいただいた情報なんですが……」
などと正直に言ってくれたらちょっとは面白いんだけど。
そのせいで、携帯電話なんか持ったこともない人や、30年以上も前に亡くなった人あてに同様の葉書が届くという不条理なこともあるという。
家に来たのは(株)ジェイエスケーという業者からである。
ネットで探したら5月中旬に一斉に送られてきたようだ。
しかも、発送ナンバー、ご請求コード、お客様コード、当社管理コードなどまでも全く同じ数字で。
確かにこの部分が印刷なのはおかしいよな。
何万枚か知らないが、同じ番号のものを刷り上げて、宛名のシール貼りだけで終わらせようとしたわけか。
しかし、連絡してコード番号だけ教えたらどうなるんだろう?
「ご注意」という欄には、放っておくと裁判沙汰にして、金融機関の停止処分をして、ブラックリストに載せた上、勤務先にも給料差し押さえを求めるぞ、とまあ脅し文句のオンパレード。
ご丁寧に、自分のところは最近はやりの悪質架空請求じゃないぞと念を押し、心当たりがなくても一度アクセスしただけで勝手に料金が加算されるシステムがあると不安をあおる。
ここはまさに突っ込みどころ満載。
あらゆる金融機関に顔が利く、ものすごい権限をもった人たちなのね。
高々料金延滞くらいで人を社会的に抹殺してやろうというのだ。
そうかと思えば、悪質なシステムの存在を認めて、その肩代わりをしている自分たちは悪質じゃないとのたまっているのだから、厚顔無恥にのほどがある。
もちろん、そうでなければこんな詐欺をはたらこうとは思わないんだろうけど。
5月29日(土)
壊れかけの科学者劇場2
助手「博士、ついに完成しましたね!」
博士「うむ。
世界初の起爆ウォーターじゃ」
助手「車の燃費向上から排気ガスの浄化まで、これひとつで解決できるんですね」
博士「その通り。
しかも、結局はただの水じゃから環境汚染への心配もない」
助手「遠赤外線に含まれる電磁波エネルギーを充填した特殊な水だと」
博士「その充填方法の開発が大変じゃった」
助手「プラスイオン伝導物質が電気エネルギーを起こし、混合気を細分化して燃焼効率を上昇させる」
博士「混合気の細分化率を最適設定するのが、また一苦労じゃった」
助手「それを乗り越えて出来上がったのも、博士の明晰な頭脳のなせる業です」
博士「そして君の惜しみない助力のお陰じゃ」
助手「ありがとうございます」
博士「さあ、さっそく実証試験をしてみようではないか」
助手「はい、このビンに完成した起爆ウォーターが入っています」
博士「車のラジエータキャップをはずして、100mL注入する」
助手「わかりました。
では、よく振って……」
博士「待て、待ていっ!
何をするつもりやねん」
助手「は、一応よく混ぜてからと思ったんですが?」
博士「お前はアホか。
振ったらあかへんのに決まっとるやんけ」
助手「でも、別に炭酸というわけじゃないし、要するにただの水だし」
博士「お前というやつはほんまに、しばいたろか」
助手「博士、いつから関西人に?」
博士「そやからいつまでたっても助手のままなんや。
ええか、起爆ウォーターやで、起爆ウォーター」
助手「え?
もしかして振ったら爆発するんですか」
博士「当たり前やないかい。
そんなことも知らんかったんか」
助手「でも、これをラジエータに入れるんですよ。
そんな危ないもの入れて大丈夫ですか?」
博士「何をいうてんねや。
爆発するんはシリンダーの中やんけ」
助手「だって、シリンダーの中にはガソリンが入ってるからじゃないですか」
博士「この起爆ウォーターがその起爆剤になるんやろが」
助手「だったら、今ここでこのビンを振ったらどうなるんですか」
博士「振ったお前が爆発する」
助手「は?
この水じゃなくて私がですか」
博士「跡形もなく燃焼するで。
排気ガス浄化は完璧やからな」
助手「そんか危険なもの売れませんよ」
博士「実際のところ人間が環境破壊の根源なんやから、元から消してしもたったらええねん」
助手「博士〜!」
5月23日(日)
最優秀男優賞に柳楽さん、漢奴映画祭
漢奴国際映画祭の受賞結果が発表され、春風亭柳楽さんが日本人初の最優秀男優賞に選ばれた。
柳楽さんは、誰も知らない監督の誰も知らないタイトルの映画に主演し、誰も知らない間にノミネートされていた。
もちろん、柳楽さん自体を誰も知らないので、発表された時点で春風亭一門に問い合わせの電話が殺到し、誰も知らないとわかると、子朝師匠が
「それじゃあ、私ということで」
などと不謹慎な発言をしたとか、しなかったとか。
柳楽さんは、どの一門にも籍がない落語家4人で都内のマンションに住んでおり、その落語界から置き去られたような境遇がドキュメンタリータッチで映画化された。
同作はコンペティション部門で上映、不遇な仕打ちにも負けない落語家たちの漢奴(おとこ)らしい演技が絶賛され、終盤まで有力受賞候補に残っていた。
日本では今夏、演芸場公開される。
5月11日(火)
Willy開発者を逮捕へ、国内初の快挙
映画や音楽などのデジタルデータを交換するファイル共有ソフト「Willy」を開発することで、インターネット上での違法コピーを容易にしたとして、某府警ハイテク犯罪対策室は、著作権法違反幇助の疑いで東京都在住の大学助手を逮捕した。
ソフト開発者を著作権法違反の幇助で摘発するのは国内初。
海外でもほとんど例がない。
ファイル共有ソフトの違法性に対しては、欧米でも司法判断が分かれている。
包丁が凶器になり得るからといって、包丁製造業者が犯罪者として裁かれることはない。
ビデオレコーダーが海賊版の製造に使われても、機器自体は違法ではない。
年金制度はわかりにくくて未払いの政治家を生み、閣僚や党首を辞めざるをえなくなるかもしれないが、制度自体は罪ではないし、行政ミスだと指摘された市役所の職員が責任を取ることもない。
これらの例を挙げて、ソフト自体は違法ではないとの判決が相次いでいる。
今後、この問題に関して論議を呼ぶことは間違いなく、捜査の行方に注目が集まっている。
というか、
「なぜ負け戦だとわかっていてあえて宣戦布告したのだろう」
という疑問に某府警がどう答えるか、見ものである。
なお、当の某府警は、
「著作権法幇助で立件できなければ、猥褻物陳列罪でもなんでもいい」
とすでに半分自棄になっているという。
ちなみに「Willy」とは……。
5月9日(日)
高校生逮捕、新型コンピュータウイルス「サッサー」製作容疑
独逸北部、黒那法の治安当局は、世界各地で感染が相次いで報告された新型ウイルス「サッサー」の製作者とみられる高校生を逮捕した、と発表した。
ウイルス対策各社などによると、新型ウイルス「サッサー」にはA〜Dの4種類があり、百万分之一ソフトのOS「窓二千」「窓罰非」などを標的にしている。
インターネットに接続しただけで感染するおそれがあり、その被害は依然、衰えていない。
サッサーに感染した場合の代表的な症状は、オンライン接続しようとするたびに、コンピューターが突然シャットダウンし、モニターやキーボードのほこりをきれいに除去する。
世界各地でこれまで、数十万規模のコンピューターが感染被害を受けたとみられている。
中でも、日本の某化学雑巾メーカーは、
「当社はコンピュータ以外にも、主力商品の売り上げに大きな被害を被った」
として、逮捕された高校生を告訴する方向で検討するという。
5月5日(水)
オグラでジャンボ緊急着陸 水蒸気で警報誤作動か
本日午後1時50分ごろ、ミヤケ島上空を飛行中のコリンセイ発ナリタ行きモモカヒメ航空111便ジャンボ機が「貨物室の火災警報ランプが点灯した」とナリタ空港への緊急着陸を要請した。
同機は午後2時14分に無事着陸した。
乗客乗員にけがはなかった。
国土交通省ナリタ空港事務所によると、貨物室に潜り込んでいたオグラユウコ(20)から出た水蒸気でセンサーが誤作動したとみられるという。
発見当時、オグラは
「なんでですかぁ!プンプン」
と興奮気味にまくしたてており、怒りのあまり頭頂からたてた湯気が原因と見られている。
調べに対してオグラは
「これはユウコリンの飛行機なんです。
おなかがすいたから、荷物に入れていたお菓子を食べようと思って匍匐前進してここまで来たんですけど、迷子になっちゃって……」
などと意味不明の言い訳をした後、
「りんこだぷー!」
と上機嫌に叫んだという。
なぜ、怒っていたのかは不明であるが、同機では警官姿のイシダヤスシ(38)が目撃されており、何らかのイジメ行為があったものとみて行方を捜している。
5月4日(火)
壊れかけの科学者劇場
助手「博士、ついに完成しましたね!」
博士「うむ。
世界初のDNAコンピュータじゃ」
助手「ガンの診断から治療まで、これひとつでまかなえるんですね」
博士「その通り。
しかも、外部からの制御なしに自律的にやってしまうところがポイントじゃ」
助手「ガン細胞の遺伝子が作るRNAに反応してガンの有無を診断すると」
博士「そのための酵素の遺伝子組み換えが大変じゃった」
助手「反応があるとガン細胞の増殖抑制・破壊するDNA断片を作り出す」
博士「反応の検出とDNA断片の切離の関連付けがまた一苦労じゃった」
助手「それを乗り越えて出来上がったのも、博士の明晰な頭脳のなせる業です」
博士「そして君の惜しみない助力のお陰じゃ」
助手「ありがとうございます」
博士「さあ、さっそく臨床試験をしてみようではないか」
助手「はい、この試験管に完成したDNAコンピュータが入っています」
博士「患者には静脈注射で注入する」
助手「わかりました。
では、注射器で……」
博士「待て待て、まず最初に電源を入れんかい」
助手「は、電源ですか?」
博士「コンピュータなんやから、電気なしで動くわけないやないか」
助手「でも、DNAコンピュータですよ?」
博士「なにをごちゃごちゃいうてんねん。
はよスイッチ入れんかい」
助手「博士、いつから関西人に?」
博士「あ、そやそや。
その前にコンセントにプラグささんとあかんかった」
助手「コンセント……ですか」
博士「そや。
それともこいつは電池で動くんか?」
助手「いや、電池はついていませんが……」
博士「そやったか。
ほなやっぱりコンセントでよかったんや」
助手「でも、プラグもスイッチもないんですけど」
博士「なんやて、致命的なミスやんか!
最初からやり直しやで」
助手「博士?」
博士「やっぱり患者の体内に入れるんやから電池の方がええな」
助手「博士ってば」
博士「バッテリの寿命も問題やな。
けどまずはサイズの方から解決せなな……」
助手「博士〜!」