魅 館 果 汁
<99年11月下旬>
11月30日(火)
11月も終わり、今年も大詰め。
何はともあれトヨタカップである。
欧州代表マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)対 南米代表パルメイラス(ブラジル)によるクラブチーム世界一決定戦。
サッカーはあまり詳しくないのだが、同僚がマンチェスター・ユナイテッドのファンで話だけはいろいろと聞く。
彼の友人にはやはりマンチェスターのファンが多いそうで、中にはイギリスから観戦しにくる人もいるという。
地元でみればええやん、と思うのだが、やはりクラブ世界一となると違うのだろう。
しかし、その同僚によれば欧州チームはチャンピオンズリーグの方が大事だから、フィオレンティーナに負けたことを随分気にしていて、次のバレンシア戦の方が頭にあるらしい。
でも、ヨーロッパチャンピオンになったら当然世界一にもなりたいんじゃないのかなあ。
欧州のプライドなんだろか。
ともかく、マンチェスターが勝ったので明日は機嫌がいいだろう。
ところで、私は学生を小突く癖があるのだけれど、最近は体罰やらセクハラやらとうるさいので手を出さないように気をつけている。
手を出すといってももちろんペチンと頭をはたく程度なのだけれど、その程度というのが難しいのだ。
今日、女子学生としゃべっているときに、そんなわけで叩かないようにしているということを言ったら、アメリカなんかではもっと細かいらしいという話になった。
その学生との会話。
「アメリカでは呼び捨てにしてもセクハラになるらしいよ。」
「えっ、英語では普通呼び捨てちゃうん?」
「あれっ?そうか。
でも、そんな話聞いたよ。
ミスターとか、つけなあかんのちがうの。」
「うーん、どうなんやろ。
だって、
"私の名前はエリザベス。
ベティって呼んで"
とかゆうてるやん。」
「それってなんか変よね。
なんでロバートがボブなんか全然わからへん。」
「"私の名前は今日子。
キョンキョンって呼んで"
っていうてる方がまだまし。」
「でも、日本人の場合、呼び名の方が長くなることがあるよ。
"私の名前はあみ。
アミーゴって呼んで"
とかね。」
「せめて
"私の名前はドリームズ・カム・トゥルー。
ドリカムって呼んで"
くらいにして欲しいよね。」
「それはちょっと違う。」
「じゃあ、
"私の名前は森田一義。
タモリって呼んで。"」
「それはもっと違う!」
「"私の名前は松本智津夫。
麻原彰晃って……。"」
「でも、今は"ライフスペース"ちゃうかなあ……。」
(途中からフィクションである。)
11月29日(月)
西脇工 対 報徳学園ということで都大路が楽しみ。
県大会では2分の大差がついた西脇工と報徳学園だが、地区大会では7秒差に詰めてきた。
西脇のタイムが悪かったといえないこともないが、さすが報徳の粘りである。
予選のタイムはコースが違うこともあってあまり参考にならないが、トップの熊本鎮西との差は地区大会も含めた予選タイム5位の西脇で1分28秒、6位報徳で1分58秒となっている。
なるほど射程内だ。
12月26日がますます楽しみになってきた。
この日はもちろん女子も走るわけだが、こちらの注目はおそらく1区を任されるであろう藤永佳子(諫早)、阪田直子(立命宇治)、長尾育子(筑紫女)の競り合いだろう。
特に藤永と阪田は、去年の高校駅伝では1年先輩の藤永が勝ったものの、インターハイと国体で阪田が雪辱を果たすなど、高レベルの争いとなりそうだ。
まあ、直前にはもう少し情報を集めてじっくり楽しみたい。
駅伝といえば、昨日、全日本大学女子駅伝があった。
TV中継を見逃してしまって残念なのだが、唯一の17回連続出場の筑波大が初優勝を飾ったそうだ。
大学の女子は詳しくないのだが、夏のユニバーシアードで活躍した赤羽有紀子(城西)、加納由理(立命)、岡本由美子(筑波)らが前評判通りの走りを見せたということだ。
見たかったなあ。
ところで、昨日は阪神 星野伸之 誕生で喜んだが、今日はカツノリ移籍でムムムである。
これはどうなんだろう。
野村監督自ら親馬鹿と認めているだけに判断に苦しむ。
ホンマに来年大丈夫なんやろか?
こうなったら広島の江藤智も獲っちゃえ。
他の本との併読状態にある『星界の紋章』(森岡浩之)は、設定になかなか馴染めず、遅々として進まない。
宇宙ファンタジーってそういえば久しぶりに読むのだけれど、あんまり合ってないのかなあ。
海外作家にも挑戦と思って買った『図書館警察』(スチーブン・キング)もチラリと覗いただけで全く読んでいないし、自信喪失しつつある。
もうちょっと頑張ってみようとは思うのだが、『諏訪湖マジック』(二階堂黎人)に入り込みかけているので、果たして……。
11月28日(日)
年末ジャンボ宝くじ発売開始、でも買わないもんね。
久しぶりに本屋に出掛けた。
まずは新刊の『諏訪湖マジック』(二階堂黎人)、『ブラディ・ローズ』(今邑 彩)、『サンタクロースのせいにしよう』(若竹七海)、『殺戮のための超・絶・技・巧』(竹本健治)をゲット。
某MLの今月の課題図書も探してみたが見つからない。
すでに来月分も発表されているのになあ。
その他、小説では『乱れからくり』(泡坂妻夫)、『死神』(篠田節子)、『ブギーポップは笑わない』(上遠野浩平)を購入。
そしてかなりの遅まきながら『日本語練習帳』(大野 晋)も買ってしまった。
魅館箱で読了本のあらすじや感想を書き始め、さらにこの日記をアップするようになってから、文章を著わすことのむずかしさをいまさらのように感じるようになった。
仕事柄、専門的な文章を書く機会は多いが、日常の出来事や自分の心情を表現することは少ない。
そこで気になってついつい手にとってしまったというわけ。
これで日記も一気に読みやすく……なればいいなあ。
なお、96年のサントリーミステリー大賞作品『八月の獲物』(森 純)を読了。
実はこの方、今年の1月にお亡くなりになったという。
ご冥福を祈るばかりである。
久しぶりに映画館にも行った。
「シックス・センス」である。
最初のうちはよくわからない話だった。
何かある。
でも、何があるのかよくわからない。
どうにも落ち着かないまま前半が過ぎ、ようやく少年の秘密が明らかになる。
ここでそういうことかと思わせ、しかしどこかしっくりしないものを感じさせながら後半へ突入する。
そしてラストに驚愕が待っている……。
ホラーではあるがミステリの味わいも楽しませてくれる。
もう一度見てみたくなる作品である。
久しぶりに大河ドラマも見た。
兵庫、それも播州出身者にとって馴染みの深い赤穂浪士モノ「元禄繚乱」。
ちょうど討ち入りの夜を描いたところだった。
討ち入りの真相については諸説あるようだが、通説程度のことしかよく知らない。
そういえば歴史小説も最近読んでいない。
さて、毎年この時期になるとドラマ放映されるのだが、勝鬨の声をあげる赤穂浪士の姿を久々に見て、ふと今時の子供たちはどういう眼で見ているのか気になった。
主君のために仇を討つという考え方をどのように受け止めているのだろうか。
現在、主君にあたる立場そのものが存在しないから考えるも何もないのかもしれないが、ナンセンスなことと思っているのだろうなあ。
久しぶりに阪神ネタ。
(ちょっとキツイ?)
FA宣言をしていたオリックスの星野伸之が遂に阪神入りを決定。
薮、川尻、湯舟ら、エースと呼ばれながらその役割を果たせない先発陣。
中継ぎこそしっかりしているものの、リリーフに万全の信頼がおけなかった今期、やはり先発の建て直しが重要課題だろう。
技巧派のベテランが投手陣の精神的柱になってくれて、投壊阪神の汚名返上を図ってほしいところだ。
11月27日(土)
最近、休日にしか日記を書いていないなあ。
それは寒くなったからかもしれない。
部屋にストーブもエアコンもなく、暖房器具は炬燵だけなのである。
いつかどうにかしようと思いつつ、独身の横着者である私は炬燵を引っ張り出すのが精一杯。
とても現代人とは思えないような生活をしている。
今の状況ではパソコンに向かうには炬燵を出ないといけないのだ。
うーん、ストーブ買おうか、模様替えしようか。
『BLACK OUT』(渡辺浩弐)を読了。
子供だましとしか思えない矛盾した記述もあるが、興味深いテーマも含まれている。
そんなアンバランスなところもTVドラマの原作という眼でみると肯けないことはない。
『笑うカイチュウ』(藤田紘一郎)も読み終える。
専門家だから知識が豊富なのは当然として、読みやすく面白い文章ですぐにひっぱりこまれる。
寄生虫=悪者というイメージが正しくないことは容易に想像つくが、具体的には何も知らなかった。
そもそも寄生虫は腸に住んでいるものとばかり思っていたが、それ以外の内臓や脳、眼球へと移り住む場合もあるという。
また、アトピー性皮膚炎や花粉症との関連、ペットやグルメ、有機野菜ブームに潜む危険など、非常に興味深い。
ヒトと他生物との共存共生の意味についても一段深く考えさせられる。
TVで「人間とはなんだ!?U」という番組をやっていた。
「愛と脳をめぐる感動の旅」という副題に引かれて2時間半見続けたが、ちょっと物足りなかった。
右脳を摘出しても通常の生活ができるようになった少女、5歳まで隔離されて心身の成長が止まってしまった少年など、エピソードのひとつひとつには感動があったが、それを総括した愛と脳の関係というところの深みに欠けた。
脳について不明な部分が多いということの裏返しなのかもしれないが、それならそれなりの演出があるべきだろう。
11月23日(火)
勤労感謝の日だから、ぼけっと一日を過ごす。
『模造人格』(北川歩実)を読了。
あらすじなどは魅館箱を見ていただきたいが、ここに感じたことを少し書きたい。
人格とは何か、記憶とは何か、意識とは何か、知能とは何か、感情とは何か、そして自分とは何なのか。
その問いに対する解答を、科学も、医学も、哲学も、おそらくは与えていない。
与えた気になっている宗教はあるかもしれないが、それまでだ。
文学を通しては問題提起こそなされているが、結論はそれぞれが考えろとばかりに余韻という言葉でごまかしている。
言い方は悪いが、この作品でも同じである。
というのは、あくまで私の拙くも偏った経験によるものだから、正しいかどうかはわからない。
しかし、記憶障害だの多重人格だのによって自分というものがわからなくなったときに、私自身が何を信じ、何を頼りにすべきかを見失ってしまう怖さに耐えられないという不安があることに変わりはない。
言い方を変えれば、現在自分が信じ、頼りにしているものが如何に脆いかということでもある。
確かに記憶喪失だの人格障害だのに陥る可能性はかなり低いだろう。
だが、いつ割れても不思議でない薄氷の上にいるという事実に変わりはない。
普段からそういうことを意識していないというだけのことだ。
自己存在の問題に限らず、こういうことは若い時にこそ頭を悩まし考え込んだりするが、年齢を重ねるとほとんど頭の中から排除されてしまう。
日常に紛れるというやつだ。
考えても結論が出ないことだと諦めているのかもしれない。
生活の何かが変わるというわけでもないだろう。
しかし、考える葦たる人間はこういうことを考えてこそ人間らしいのではとも思う。
読書はその一助となっている。
ただ、そのためには乱読も必要なのかもしれない。
ここ10年ほど読書傾向が偏っていたのを少し変えた方がいいな、と最近思っていたところでもあったし。
尻すぼみのとりとめのない日記になってしまったが、非日常を意識するためにも、たまにはこんなのもいいんじゃないか。
中途半端だけれど。
11月21日(日)
東京国際女子マラソンは千葉真子残念、山口衛里おめでとう。
一昨日、友人宅に3人でご馳走になりに押しかけて、ボジョレー・ヌーボーをはじめ飲みに飲んですっかり酔っ払い、泊めてもらった上に昨日は一日中二日酔いのふらふら状態。
ああ、だからもうあんまり飲むなって戒めた積もりだったのに、いろいろと語ることがあって飲まずにおれない悲しさよ。
ま、そのあたりがだらしないから、いつまでたっても精神年齢が低いのかもしれない。
というのが、5日間日記ほったらかしの真相の一部であったりする。
それでなくても、ちょっと疲れ気味で、夜、寝床で本を開いても睡眠薬の働きしかしてくれていなかったのだ。
少しは身体をいたわれよな。
そんなわけでようやく『百器徒然袋 ― 雨』(京極夏彦)を読了した。
というよりも、結局、今日一日で初めから読み直したというのが正しい。
痛快というか、破天荒というか、出鱈目というか、まあ感想は魅館箱を見ていただきたいが、何でこの作品を眠り薬代わりにしていたのか、もったいない。
さて、今日のスポーツは何といっても東京国際女子マラソン。
決して注目は大相撲九州場所千秋楽ではない。
だって、今や貴乃花が勝とうが武蔵丸が勝とうがどっちでもいい。
すでに3敗してる横綱のどこに魅力があるというのか。
それなら断然、千葉真子である。
立命館宇治から旭化成に入って女子長距離界のホープと期待され、1万メートルでは実績を残したものの、マラソン転向目前で故障してしまった千葉の復活レースなのだ。
もちろん、初マラソンで優勝できるほど甘い世界ではないが、あの飛び出しは未来を予感させる凄い走りだった。
結局は後半ペースが落ちて5位に終わり、優勝した伸び盛り山口衛里との力の差を見せ付けられた感じもするが、是非これから頑張ってシドニーを狙ってほしいと入れ込み直したレースだった。
それにしても、日本歴代2位の好タイムをマークした山口は素晴らしい。
実は西脇工出身だそうで親近感も湧いてきたし、気になる選手のひとりになった。