2000年10月の本のほらあな


「清姫おりょう」10月15日以前

著者:平岩弓枝、出版社:文春文庫

あいかわらずいいですね。幕末の江戸を描いた「御宿かわせみ」シリーズの22。
いつものキャラで旅篭かわせみを中心に描いた捕物。この手の作品としてはわしの印象に
残ってるのはなんといっても池波正太郎の「剣客商売」シリーズですが、惜しいことに続
きが読めないので時代背景は違うけどこちらで江戸情緒を楽しんでいるってところです。
中はいつものように8編の作品がつまっていてどれも読み応えあり。生きてる限り、この
シリーズを続けていただきたいもんです。平岩様(笑)。

「源太郎の初恋」10月15日以前

著者:平岩弓枝、出版社:文春文庫

続いて「御宿かわせみ」シリーズの23。これもよかった。ついに待望の春がかわせみ
に訪れるのでございます(笑)。しかし作品の質をあまり落さずにこれだけ書き続ける
のは凄いといってしまいます。時間が文庫化されるのが楽しみ。ほんとはハードカバー
に手を出したいところなんですが、なんせふところが(笑)。ちゅうか無駄遣いしすぎ(^^;。

「東亰異聞」10月29日

著者:小野不由美、出版社:新潮文庫

明治中期を怪しく描いた小説。こういうのはなんて描写すればいいのだろう?妖怪物?
怪奇小説?ミステリ?どれもこれもしっくり来ない。やっぱり伝奇物か。明治の東亰の闇を
舞台に動き回るあやしの者。その正体は何者か?なかなかわしのお好みでした。途中はちょ
っとあまりにも江戸川乱歩的すぎ?いや登場人物があんまり利口そうに感じなかったから(笑)。
後半はなかなか面白かった。特に落ちがよかったです。あまり書くとネタバレしそうなので
この辺にしときますが、怪異な物がお好きならお勧めしてもいいと思います。

「捜神記」10月29日

著者:干宝、訳者:竹田晃、出版社:東洋文庫

ひさしぶりに中国の神怪小説を読んだ。もちろん古典で有名な作品だから興味のある人
は当然知ってるでしょう。途中はちょっと教訓的すぎてくどく感じたけどおおむね面白かった。
特に前半の神仙や後半の怪異な話はこの本の一番面白いところ。でも語源という意味での小説で
はあるけれど1つの話が短いです。「聊斎志異」の方が面白かったです。あーあ、もうちょっと
時代の下った「セントウ(字が分からん(^^;)新話」なんか読んでみたいにゃ。断片的にしか読んで
ないし。そういや日本の「耳袋」や「江戸怪談集」もちゃんと読んでないから読もうかな?

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