2001年05月の本のほらあな


「空想科学漫画読本」 5月1日
著者:柳田理科雄、出版社:日本文芸社

うーむ、あいかわらずこのシリーズは面白い。ただ当然ながらより面白く読むには原作を知っていることが必要。 なんだか参考にしているコミックが一部を除いてちょっとマニアックなような気もする。

「夏と花火と私の死体」 5月1日
著者:乙一、出版社:集英社文庫

これがなんと17歳のときに発表された作者のデビュー作だとか(つまり書いたのは16歳のとき)。とりあえず年齢のことを 無視したとしてもちゃんと読むに耐えうる作品になっております。天性のストーリーテリングの才能というべきか。サスペンスフル だし、落ちもなかなか意表をついてると思うし、全体の構成もよく出来てます。けちをつけようと思えばつけられんことも ないと思うけどなんだか瑣末な感じがする。このまま成長していってもらいたいもんです。とりあえずわしにとって 気になる作家の一人となったことは間違いない。ちゅうわけで今日早速「石ノ目」ちゅうのを買ってしまいました(笑)。

「水霊 ミズチ」 5月7日
著者:田中啓文、出版社:角川ホラー文庫

いやー、ひさびさに一気に読みました。すげー出来のいい作品ってわけでもないのだけどテーマがわしにあまりにも ぴったりだったもので(笑)。舞台は宮崎。イザナギイザナミ神話のうちのイザナギが黄泉の国へ行ったくだりが テーマ。新興宗教、黄泉醜女、古事記、鎮魂帰神法・・・まったく面白げなネタが満載のホラーじゃった。しかし 主人公の男がちょっと優柔不断というかなんというか(人のこと言えるのか?>わし)。神道系のお話はいまんとこ 一番興味があるんですな。しかしなんだかんだいっても面白かった。

「石ノ目」 5月10日
著者:乙一、出版社:集英社

この作品はもちろんデビュー作以上の出来栄え。というか絶賛してしまいます。ホラー度は低いんですが、それ以前に 物語としての出来が抜群といってしまいます。短編集で表題作「石ノ目」をはじめ、「はじめ」「BLUE」「平面いぬ」 の4つの物語が書かれてあるんですが、どれもこれも素晴らしいっす。「石ノ目」は見ると石になってしまうという 妖怪?の話。「はじめ」は架空だったはずの人が現れる話。「BLUE」は不思議な布で作られた人形の話。そして 「平面いぬ」はもちろん平面いぬの話(説明になってない(^^;)。面白いのでとにかく読んでみて下され。

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