2001年06月の本のほらあな


「蒲生邸事件」 6月3日
著者:宮部みゆき、出版社:文春文庫

今ごろ読んでます(^^;。でもやっぱりうまいな、宮部みゆき。正直言うと主人公の男の子が途中までめっちゃむかついて ました。そのせいか描写にリアリズムは感じられたものの感情移入があんまり出来なかったです。特に前半。この男の子、 かなり我がままで自分本位。状況も考えずしかも押し付けがましい。時代によっては命を落としてたかも。まー、そこは 小説、語り手の少年が死ぬようなことはなかったけど(笑)。後半はなかなか面白くなってきました。実はこの本、職場で 昼休みのみ読むことにしててちびりちびりと読んでたんだけど、最後はさすがに我慢できなくて持ってかえって読み終わったの。 やっぱり構成がうまく出来てますね。最後はほろっとさせるようなうまい仕上がりです。

「三人のゴーストハンター」 6月3日
著者:田中啓文、牧野修、我孫子武丸、出版社:集英社

うーむ、どうもドタバタコメディなゴーストハンターものでした。キャラはそれなりに面白くはあったけどね。著者は見ての通り 3人の人気作家の連作。それぞれの作家が描く主人公は国枝特殊警備という会社の社員?という共通点はあるものの全く違うタイプ。 その辺はいいんだけどねー。落ちが3種類用意されてるのは昔のアドベンチャーブックみたい。3人の中で気に入ったキャラは 主人公ではなく脇役の小百合と社長の国枝氏。肝心の主人公は残念ながらボツ(笑)。期待が大きすぎたのかな?

「プラチナ・ビーズ」 6月17日
著者:五條瑛、出版社:集英社

何で今まで読んでなかったんだ?と思ったくらい面白い。正直言うと主人公たちも登場人物も基本的には気に入らない。 だいたい気に入らないキャラが出てきた場合はうまく感情移入が出来ずにつまらなく感じてしまうもんだが(特に主人公)、 この作品はちょっと違う。リアルなつくりでわしをぐいぐい引き込んでしまったのだ。かくしていらいらしながらも 次が気になってしようがないという状況に陥ってしまったのであった。帯に浅田次郎氏が「いったい何者だ−。」と 書いてあったのもうなずける。読んでない人は読むべし。お勧めです。

「新耳袋 第六夜」 6月24日
著者:木原浩勝、中山市朗、出版社:メディアファクトリー

今回もそれなりに出来がよいっす。いろんなタイプの怪異談をちりばめたところなんかさすが。もちろん2日かけてゆっくり 読んだので怖い出来事もなし(^^;。関係ないけどわしが某サイトに載せた話が今度本になって出版されるそうな。 題名はまだ聞いてない。その本はもらえるようなので届いてからのお楽しみってとこかな?この手の本を読む場合、疑いながら 読むと面白みが半減するので少なくとも読んでいる間は信じましょう(笑)。

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