2001年07月の本のほらあな


「怪談実話のネタ本」 7月8日
著者:不思議な世界を語る会、出版社:二見書房文庫

何でこの本を読んだかっていうとなんとわしのネタが入ってるから(^^;。実はこの本、ネット上の某サイトに 集められたネタから抜粋して出来上がった本なのです。で、そのサイトの管理人さんから(というか出版社から) 贈られてきた本なのです。ちゅうわけで読んでみたけど、内容としてはまあまあかな?わしの話はたいしたことないので おいて置くとしてもちょっとありきたりの話が多いっす。でも不可思議な話もちらほら載ってて悪くなかったす。 わしの話は87〜88ページに載ってるので気が向いたら立ち読みでもなんでもいいから読んでみてにゃ。

「続巷説百物語」 7月11日
著者:京極夏彦、出版社:角川書店

くそ忙しい中、会社で昼休みにちびりちびりと読んでやっと読み終わった。前作にも増してなんて面白いんでしょう。 登場人物は抜群だし、ストーリー展開も悪くない。が、ミステリー的に言うと見え見えすぎかな。ただそれ以前に 読み物として抜群なのでよしとする(笑)。中で一番好きだったのは「船幽霊」。あ、読んでない人のためにいっておくと 短編です。中篇といっていいのが1話はいっているけど全部で6話、760ページほどの大冊です。どれもそれぞれ 出来はいいけど一番気に入らなかったのは中篇の「死神 或は七人みさき」。ちょっと先の展開がわかりすぎ。 ところで京極さん、シリーズこれで終わりなの?(T_T)ちょと寂しい・・・。

「忍者と忍術」 7月15日
著者:戸部新十郎、出版社:中公文庫

だいたい忍者というと戦国時代から江戸時代くらいをイメージしていたが、聖徳太子だのが登場してびっくり。その源流はかなり古い。 というわけで中国やシルクロードを通ってインドにまで話が広がっています。ちょっと題名のイメージとは違ったけどそれはそれで 面白かった。ようするに摩訶不思議なる者=忍者なのかな?仙人やら陰陽道、山伏、などなど不思議な存在すべてに話が拡大する。 忍者探求の書としては正しいのかもしれないけどちょっと面白みにはかけたかな(^^;。

「夏の滴」 7月15日
著者:桐生祐狩、出版社:角川書店

これは地獄の書です、といいたくなるくらい無残なしかしリアルな話だった。全人類がこの小説の登場人物の通りだったら 遠からず人類は絶滅するに違いないと思うほど残酷。小説としての出来は哀しいかな絶品です。なぜこんな表現をしたかは 読んでもらえばよくわかるはず。人間、状況と欲望によってはかくも残虐になれるものなのか?(多分なる気がする・・・)

「亜洲魔鬼行 アジアン・ゴースト・ロード」 7月16日
著者:林巧、出版社:角川ホラー文庫

なかなか面白かった。ある日、高額の報酬で届け物を頼まれる若者。だが、その行く手には恐怖の出来事が待って いたのだった・・・。しかし普通の人は方が緑色に光っていて、ある不思議な一族だけは赤く光っているという発想は なかなかいいです。出てくる妖怪らしきものはちょっと映画のゴーストバスターズか学校の怪談を思い出して 読む文にはコミカルに感じた。ただ1人、登場人物でどういう位置にいるのかよくわからないのがいた(^^;。

「すいかの匂い」 7月18日
著者:江國香織、出版社:新潮文庫

実は携帯ストラップがほしくて買った本です(^^;。が、意外に面白い。江國香織の作品を読むのは初めてなんだけど こんなに感じのいい作品を書くとは知らなかった。夏の日の少女が主人公の短編が11編。いずれも感情移入して読めた。 つまり気に入った。わしは男だけど子供時代の甘酸っぱい記憶が思い起こされてしまった。

「吊るされた男」 7月19日
編者:井上雅彦、出版社:角川ホラー文庫

ホラーアンソロジー。前に別の出版社からも出ていたアンソロジーと同じシリーズ?前のシリーズを読んでないので なんともいえないけど。書いてる作家はそうそうたるメンバーです。一応ホラーファンだけあって(わしのこと)読んで る作品もちらほら。アンソロジーとしてはどうでしょう?ちょっとマニアックなのか?エグさでは式貴士の「首吊り三味線」 が一番よかったが、どれも悪くないっす。ただかなり好きだったのは半分くらいだった。

「ハリー・ポッターと賢者の石」 7月23日
編者:ジョアン・キャサリン・ローリング、出版社:静山社

何でこれを今まで読まなかったんだろう?と思うくらい面白かった。「賢者の石」といえばコリン・ウィルソンが書いた 作品があるけれど、錬金術の世界では究極の物質といっていい。まあ、中国で言えば金丹とかを思い浮かべるか?(浮かべん(^^;)。 ストーリーは出来るだけ知らないほうがいいと思うので書かないけど主人公は題名が示すとおりハリー・ポッター。 弱冠11歳の少年である。この親戚がむかつくこと(笑)。しかしハリー・ポッターは魔法の世界に足を踏み入れることにより いやーな親戚とお別れすることが出来たのであった。物語はここからなのだ!ま、とにかく読みましょう。

「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 7月23日
編者:ジョアン・キャサリン・ローリング、出版社:静山社

ちゅうわけで続編である。これがまた前作にも増して面白い。オカルト方面の知識は少しはあるので出てくる怪物の名前などは もちろん知っている(子供のころ「世界の妖怪」だかなんだかそんなような題名の本で覚えた(苦笑)。)。ハリー・ポッターは 前作で魔法学校に入ったんだけどこの中に出てくるスポーツがまたよく考えられてある。架空のゲームがこれほど臨場感あふれて いるのは素晴らしいっす。この学校がまたええんだけど読んでくれとしか言えんのであった・・・。

「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 7月23日
編者:ジョアン・キャサリン・ローリング、出版社:静山社

さらに3冊目に突入。これで出ている本は全部読んでしまうのだ。ああ、来年の出版が待ち遠しい・・・、というほどの面白さ。 わしは別に出版社の回し者ではありませんが(^^;、この本はちょっとお勧めしたいの。これにも新たな怪物が出てくるのだが それは読んでからのお楽しみ。さて明日からは何の本を読もう・・・。なーんてすでに読んでいたりして(^^;。

「スイート・リトル・ベイビー」 7月29日
編者:牧野修、出版社:角川ホラー文庫

児童虐待・・・。けっこう重いテーマだったけど出来がよいせいか一気に読めた。ユニークな発想は素晴らしいです。 牧野修というと今まで読んだ作品が合わなかったので、ちょっと敬遠していたんだけどホラーとしも小説としても なかなかよかった。日常が丹念に描かれているため、リアルでした。社会問題として読むと卑怯な解決方法だと思うので 単純にホラー小説として楽しむのがよろしいかと。

「ホラー・コネクション」 7月30日
編者:高橋克彦、出版社:角川文庫

対談集です。相手は荒俣宏、岩井志麻子、小池真理子、瀬名秀明、都筑道夫、丸尾末広、宮部みゆきのそうそうたるメンバー。 丸尾末広以外は全部読んだことのある作家ばかり。もちろん全作品ではないけれど。丸尾末広は漫画家です。読んだことはないけど 名前だけは知っている人。高橋克彦氏がこれらの人たちとするホラー談義はちょっと怖くてとても楽しいっす。ホラーファンでなくとも 一読の価値はあるかも。

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