99年8月の本のほらあな


「空想非科学大全」8月6日

著者:柳田理科雄、出版社:メディアワークス

空想科学シリーズの一つ。今回は空想科学の世界における15の法則について検証している。
ヒーローは制限時間内に地球を守る、などの設定編、体力だけでなく知能指数も優れている、
などの能力編、怪獣はアピールポイントを一つは持たなければならない、などの道徳編?という
3編15法則からなる。このうちいわゆるヒーローものは前回でもかなり楽しませてくれたが
必ず敵をリング外まで飛ばすほど敵を徹底的に痛めつける「リングにかけろ」や時速720km
で走らなければ二段投げが出来ない、などという「柔道一直線」なんかは異色で抱腹絶倒させ
てくれます。あの有名な足でピアノを弾くシーンまで検証してくれてるし(笑)。

「明治妖怪新聞」8月6日

著者:湯本豪一、出版社:柏書房

文字どおり、明治の有名な新聞や新聞錦絵などに掲載されたままの記事のうち怪しいものを集めて
一冊にまとめたもの。幽霊、妖怪、怪物、怪現象などさまざまあります。地名があまりにも現在と
違うためどうもぴんと来ないけどどの話もそれなりに楽しめました。内容は大きく13項目にわか
れています。ここには割愛しますが、テーマごとに分けられてます。気になったのはときどき見受
けられる博物館に寄付したとか言う話。そんなものがあったならとっくに常識的になってるはずな
のに、それらの資料はいったいどうなったのか?全部眉唾な話なのか?謎が謎を読んでます。。。

「地球最後の男」8月6日

著者:リチャード・マシスン、訳者:田中小実昌、出版社:早川文庫NV

書かれた当時からすると近未来ものというべきなんだろうけど、今となっては古典です。でも
それなりに楽しめる。ときは1976年、人類の謎の病に陥りほとんどは吸血鬼と化していた。
が、たった一人、人として生き残った男がいた。その名はロバート。孤独に耐え、絶えず吸血鬼
に脅かされながらも吸血鬼と戦いながら日々を生きていく。そんなある日、ついに吸血鬼化の
原因を突き止めたのだが・・・。吸血鬼との闘いの日々はちょっとあまり続くとちょっと退屈
したけど、過去の回想、吸血鬼化の原因を突き止めるところなどは引き込まれてしまいました。
後半は怒涛のごとく物語が展開して一気に読み終えることが出来ました。そういや科学的に吸血
鬼を検証しようとした作品ってあまり多くはないな。視点がユニークなのでかなり楽しめるけど
やっぱりオカルト的吸血鬼のほうがわしは好きです。人智を越えた不死者ってのがいい。

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