99年9月の本のほらあな


「魔界都市ブルース〈陰花の章>」9月10日

著者:菊池秀行、出版社:祥伝社文庫

人捜し屋(マンサーチャー)秋せつらが主人公のシリーズの短編集。文庫でこのシリーズの短編は
3冊目。かの魔界都市新宿シリーズの一翼を担う主人公の一人だす。いや相変わらず面白いっす。続
けて読まないのが面白さの秘訣か?例によってSFにしてホラーであり、恋愛も絡みつつアクション
ありと楽しませていただきました。軽そうで重く重そうで軽いというわけの分からん表現しか出来
んけど、ま、読んでみてくだされ。欲張りすぎという気もするが・・・(^^;。

「百鬼夜行−陰」9月10日

著者:京極夏彦、出版社:講談社ノベルズ

でました、京極堂シリーズ。レギュラーメンバーはほとんど出てきませんが、引き込まれるように
読んでしまいました。それぞれの章が短編のようになっていて面白キャラが出てこなくてもそれな
りに面白いっす。それになんといっても題材がわしの好きな妖怪だし(^^;。でもこれ読んでい
ると人はみんな病んでるのか?という気になってしまう。状況次第だろうけれども・・・。

「巷説百物語」9月10日

著者:京極夏彦、出版社:角川書店

これはめちゃ面白い!完全にわしの好みだす。キャラもいいし、ストーリーもいいしカッコイイ
小説だと思ってしまいました。例によって妖怪話も面白い。味のある短編集です。しかもまだこ
れで終わりというわけではなく、次もあるし。WOWOWで映像化までされる予定なの。舌先三寸
で人を言いくるめてしまう小股潜りの又市はある意味京極堂にそっくりだ・・・。

「鬼麿斬人剣」9月16日

著者:隆慶一郎、出版社:新潮文庫

凄く面白かったです。久々の時代小説はよかった。血を吐いて死んだ師、清麿。彼は名人といわれた
刀工だった。その彼が死に際、弟子の鬼麿に心ならずも残した数打ちの太刀を折るようにとの遺言を
残した。鬼麿は師の遺言を果たすため死に際に残した言葉を頼りに太刀を探す。8編の話から出来て
いる連作である。鬼麿の巨大な体躯はちょっと前田慶次郎を思い出した。その上めちゃくちゃ強いと
ころも似ていてちょっと痛快である。とても美男とは言えないのに女にはもてるしうらやましい(^^;。

「柳生刺客状」9月29日

著者:隆慶一郎、出版社:講談社

隆慶一郎にしてはまあまあかな。5編の短編が入っている短編集。なにぶん読んでない作品もあるので
なんとも言えないけど少なくとも表題作「柳生刺客状」と「銚子湊慕情」の2編は長編の元あるいは繋
がる作品でした。他の作品もなかなかよかったけど一番気に入ったのは「狼の眼」。メリハリのある内
容と登場するキャラがなかなか面白かった。長編等、別の作品にもそろそろ手を出そうかな・・・。

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