99年11月の本のほらあな


「象と耳鳴り」11月9日

著者:恩田陸、出版社:祥伝社

退職判事の関根多佳雄を主人公とする連作短編。正確には関根家の家族が主人公といったほうが
いいかも。息子の春が現役検事、娘の夏が弁護士という法曹界に身を置く一家です。なんだか凄い
キャストです(笑)。話はそれぞれ風変わりなしかしどことなく日常的で味のある短編に仕上って
ます。このシリーズもそのまま続けてほしいもんです。だけどなんだか一つだけ気になったことが
ある。会話っす。男の会話なんだけど妙に女っぽい感じがして気持ち悪かった。きっと品のよさと
か謙虚さを顕したかったんじゃないかなどとかってに想像してみたのですが、ちょっと失敗してる
ような気がして・・・(^^;。オカマの会話みたいにみえてしまった・・・。

「青の炎」11月9日

著者:貴志祐介、出版社:角川書店

これまたちょっと衝撃的な・・・。登場人物に激しく感情移入してしまうわしにはどうにもやり
きれない作品でした。一見平和に暮らしている家族。しかしその家族に乱入者が。それは何年も
前に離婚したはずの再婚相手。酒乱で狡猾な男に日常を脅かされたとき、少年は殺意を覚える・・・。
出来はいいと思うんだけど少々現実的すぎて・・・。リアルさがいいのか?この手のリアルなら
現実でたくさん、という気がしないでもない。社会の闇を訴えたいい作品なんだろうけど・・・。

「Pの密室」11月19日

著者:島田荘司、出版社:講談社

ご存知名探偵御手洗潔の子供のころの活躍を描いた中編2編。中身は表題作「Pの密室」のほか
「鈴蘭事件」が入ってます。こんな子供実際存在するかという問題については全然想像できない(^^;。
大人顔負けというより大人以上の名推理を披露してます。知能指数は200以上だとか。知能指数
はともかくこんなに行動力がある子供なんてなんだか凄い。というかうらやましい(大人の癖に(^^;)。

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