漆器の道具 説明
このペ−ジでは、漆器制作で使用する道具の説明を致します。
塗り刷毛(ぬりばけ)
漆器を塗る場合は、ほとんど この塗り刷毛を使います。塗り刷毛の毛には人間の髪の毛が使われています。髪の毛をニカワなどで固めて まわりを木枠で囲んで造ります。毛先が傷んだ場合は、鉛筆を削るように切り出して行くと新しい毛先が出てきます。漆器の形状や大きさに合わせて、さまざまな形に毛先をカットして使います。
漆ヘラ(うるしへら)
漆を混ぜ合わせたり、漆サビと呼ばれる泥土状の下地をつける場合に、この木製のヘラを使います。この漆ヘラも、漆器の形状や大きさに合わせて、さまざまな形にカットして使います。また、漆器の表面に強く押し込んで漆や漆サビを塗りたい時にも使用します。
ゴミ取り棒(ごみとりぼう)
上塗りなどの仕上げ塗りをした直後に、塗り面に付いた小さなゴミや埃を取るのに使います。竹製ですから、ある程度シナリますので、塗り面をキズ付けることはありません。このゴミ取り棒も自分の好みに合わせて、さまざまな形にカットして使います。
吉野紙&渋こし紙(よしのがみ・しぶこしがみ)
漆をこして、ゴミや埃を取り除く場合に使う こし紙です。吉野紙と呼ばれる和紙と、その吉野紙に柿シブを塗り込んだ 渋こし紙で漆をこします。吉野紙に柿シブを塗り込むと、よりいっそう埃が出なくなりますので、漆をこす場合には、欠かせないものです。
耐水研ぎペ−パ−(たいすいとぎペ−パ−)
水研ぎと言って ペ−パ−に水を含ませて漆器の表面を研ぎつける場合に使用します。水を使って研ぎつけると、たいへん滑らかに研ぎあがるので、漆器を造る場合に多用します。ペ−パ−には、表面が粗いものから非常に細かいものまで、たくさんの種類があります。当然、漆器が仕上がって行くにつれて、ペ−パ−は粗いものから細かいものへと使い分けて行きます。
研ぎ炭(とぎすみ)
耐水研ぎペ−パ−の無い時代は、この炭で水研ぎを行っていました。炭の表面を砥石で平らにして使用します。今でも一部工程では、この炭を使った炭研ぎを行うことがあります。
との粉(とのこ)
漆サビと呼ばれる泥土状の下地剤の原料です。との粉とは、わかりやすく言うと土の一種です。との粉を砕いて砂のようにサラサラにして、少量の水と生漆を混ぜ合わせて泥土を造ります。これが、漆サビと呼ばれる下地剤になります。また、これに地の粉(ぢのこ)と言う黒っぽい土を混ぜれば、上サビ(うわさび)と呼ばれる仕上げ下地剤にもなります。
生漆(きうるし)
生の漆です。生と言っても ほんとうの生の漆ではなく、生の漆から不純物をぬいて精練したものです。色は薄い茶色をしています。漆器を造る場合の 全ての漆は、この生漆を基として出来上がっています。
黒漆(くろうるし)
黒色の漆です。漆に鉄分と柿シブを入れて、水分を抜き精練したものです。よく例えられる、漆黒の闇夜・・・・の黒色です。(奥底からの深い黒色のことを 漆黒 しっこく と呼びます。)その漆黒の元がこの黒漆です。着色して黒くしてあるのではなく、漆と鉄分の反応で黒くなっていますので、奥底からの深い黒色になるわけです。
朱漆(しゅうるし)
朱色の漆です。朱色の顔料と漆を混ぜ合わせて造ります。混ぜ合わせる顔料によって、さまざまな色漆ができます。ただし、漆自体が薄い茶色をしていますので、それより薄い色の白などは、ほんとうの真っ白にはなりません。でも、ほとんどの色を造ることは可能です。
上伊勢早漆(じょういせはやうるし)
仕上げに使う、たいへん高価値な生漆です。昔、伊勢地方で乾きの早い上質な漆が取れていたことから、この名が付きました。仕上げのツヤ出しには、かかせない漆です。
