マリンの母子手帳2

〜妊娠後期〜


34日目:嘔吐と痙攣('98.07.22)

ごはん:鶏ササミ2房/1日、干したスナギモ1片/1日、カッテージチーズ少々。
     缶フード「愛犬元気」(小)1/2缶/1日。
散歩:朝30分、昼休み10分、夜30分、深夜10分
体重:12.0kg     

前夜、あまり食べないのが心配で、ついに缶フードを与えてしまいました。
ついでにササミを茹でたものもいつもよりたくさんあげました。さらに干したスナギモと牛乳のかわりにチーズも・・・。これまで全然たべなかったのが、食べてくれたのでうれしくて、ついほしがる物を与えてしまったのです。でも・・・その気持ちに大きな落とし穴があったのです。
夜、深夜の散歩から帰ってきたとき食べた物全部吐きました。でも、すぐに全部きれいに食べたので心配していませんでした。
そして、朝、散歩から帰って1回吐きました。今度は泡混じりの黄色い液。胃液でした。
とりあえずエビオスを与えて様子を見ることにしました。
う○ちはとてもいい状態なのですが、なんだか元気がありません。
その夕方、家に帰るとマリンがくっついて来て離れません。行く先々にくっついてきて、足下でぺたんと伏せたり、猫のように顔をすりつけて来たりします。???なんだか変。すごく変。・・・と思っていたら。

キャーーーーーン!キャーーーーーーーン!
と大声で鳴いて突然ばったり横に倒れました!首をぐーっと後ろに反らせて手足をばたばたさせて苦しみ始めた!!!きゃーーーっ!大変!大変!またマリンが大変〜!!!
背中をなでてやるとゴブッゴブッ!と大きくえづいてグエーーッと大量の胃液を吐きました。苦しそうな息づかい。涙目。物言えぬマリンが苦しむ姿は本当に悲惨な様子です。

少し待ち、息を落ち着かせて即病院へ。
病院へ向かう車の中で、すっかり普通の様子に戻ったマリンですが、油断はできません。
幸い病院はすいていて、即診察してもらえました。血液と便の検査、触診、聴診。
先生には前に「ササミ少しと牛乳は大さじ2まで、あくまでメインはドライフードでこれらの物は食欲増進のためだけ」と言われていたのに、たくさん与えてしまったバカ親。またしても反省と後悔の嵐です・・・。

先生の診断:「胃腸と肝臓をちょっと弱めてるね。肝臓は妊娠から来る弱りです。胃腸はふだん食べなれない物をたくさん食べたせいだね。犬用の食べ物でも、食べつけてないと受け付けない物もあるから注意するように。妊娠中毒症の症状も出てないので、食欲もそのうち戻るでしょう。焦らずに・・・。」

マリン、24時間の絶食、漢方薬と吐き止めの錠剤が5日分処方されました。

食べないのが心配、マリンが弱っちゃうんじゃないかとか子どもが育たないんじゃないかとかいろいろ心配して試した結果がマリンの調子を崩しちゃったよ。マリンちゃん、本当にごめんね。
いつも静かなマリンが叫ぶのだからよほど痛かったり、苦しかったりしたのだと思う。
マリンにもっともっとたくさん気を配ってあげなくちゃ・・・。心を鬼にして与えないことも大切なのだ。
食べないときは犬は平気な顔してるけど、人間はとっても心配。どうなっちゃうの〜とはらはらしてる。
欲しがるままにいろいろあげてたくさん食べてくれると人間は安心するけど、犬は体を壊しちゃう。
正しい知識と理解が大切なのだ。
今日もまた、反省して1日の終わる山田夫婦。マリンは断食しても元気に走り回っておりました。


4週目:続く拒食

ごはん(1日):サイエンスパピー50g、ササミ1房、カルシウム粉末大さじ1
散歩:朝20分、夕方30分、夜20分、深夜10分
体重:12.5〜13kg

嘔吐痙攣の翌2日くらいは、漢方薬のおかげでフードをいやいや食べていましたが、3日目くらいからだんだんまた食べなくなってきました。
高栄養のパピーフードでも妊娠後期には300g食べるのが標準なのに、100gカップに半分を食べて後は残しています。ゆでたササミを混ぜると少し多めに食べますが、それでもたくさんは与えられないので1房。何故食べないんだよぉぉぉ!!
先生は「拒食が長かったから一度に食欲復活は無理。少しずつ増えていくよ。」といいますが、増えるどころか減っていきます。


38日目:競争の原理('98.07.26)

ごはん(1日):サイエンスパピー150g、カルシウム粉末大さじ1
散歩:朝20分、夕方30分、夜20分、深夜10分
体重:12.5kg

今日、以前にペットショップで会ったコーギー(マロンちゃん、5ヶ月)が遊びに来てくれました。
身重のマリンはうざったいのかなかなか近寄せないし、がうがうだし、せっかく来てくれたのにあまり仲良くできませんでした。
でも、拒食のマリン、マロンちゃんにごはんをあげようとすると横からさっと現れて、マロンちゃん用に用意したごはんをがっつき始めました。
ええーーーーっ?信じられない食欲〜!?
これって、競争の原理?
でもうれしい、食べてくれています。マロンちゃん、毎日ごはん食べに来てくれないかしら?


5週間目:わがまま絶頂

ごはん(1日):ささみ1房、カルシウム粉末大さじ1
散歩:朝20分、夕方30分、夜20分、深夜10分
体重:13kg

やはり拒食、どうあっても食べないマリン。
フードはもう絶対ダメ。ササミを混ぜると口の中で選別して、フードをペッと吐きます。
こ・・・こいつ・・・。わなわな。

食べてもないのに、体重は増える・・・。一見太って見えるマリンですが、よーく見るとお腹が出ているだけ、首や背中、おしりのあたりはげっそり痩せています。食べないからだよ〜。食ってくれよぉぉぉ。


43日目:涙目、目やに('98.07.31)

ごはん(1日):ささみ1房、カルシウム粉末大さじ1、生牛肉20g
散歩:朝10分、夕方10分
体重:13kg

見るのが辛いほどの拒食・・・。お皿から顔を背けるばかりの毎日。
ついに、ここ数日は散歩も嫌がるようになりました。
連日の猛暑がいやなのか、急に大きくなったお腹が重いのか、外に出ても排泄を済ませるとすぐ帰ってきます。誰にも愛想を振りまかなくなり・・・寝てばかり。荒い息づかい・・・。どうなっちゃうの?
今日は目やにもたくさん出ていたし、病院へ行くことにしました。

病院では聴診、触診で赤ちゃんの無事は確認してもらいました。
拒食には先生も困った様子。
ササミの他に、生牛肉、たまごを少量与えてみることにしました。
以前胃腸をこわしたので、与えるのも少量ずつ慎重にとのことでした。

目やにはきにするほどでもなく目薬をもらいました。「妊婦に目薬なんて、大丈夫ですか!?」って聞いてぷぷっ。と笑われてしまいました。

新しいメニューはフードにササミと生牛肉を混ぜ込んで、カルシウムをふってさあお食べ!
やっぱり予想通り・・・。ササミと牛肉だけ食べてあとはぺっ。床中にマリンの吐いたドライフードが散らばってます。 


50日目:最終兵器登場!('98.08.06)

 ごはん(1日):ささみ1房、カルシウム粉末大さじ1、牛生肉20g
散歩:朝10分、夕方10分
体重:14kg

遂に拒食症のまま、50日に突入してしまいました。
体重は14kgまで増えたのに、お腹ばかり目立って、胴や顔がげっそり痩せています。
いくらなんでも、もう「つわり」の 時期は終っているはず!肝機能低下も心配だし、とにかく、何かを食べさせなければ!
そう思って、またしても病院へ!
「先生、何でもいいんです!とにかく食べさせたいんです!高くてもいいので食べるフードを出してください!」
この時の「食べるフード」を出してください、なんてかなり間抜けな訴えでしたが、私の形相に鬼気迫るものを感じたのでしょう。
先生は「あまり出したくないんだけど」と缶フードを出してくれました。1缶500円!(ひえぇ〜)
しかし、これは悩む私たちにとっては福音でした。一時でも食べたのですから・・・。

3日後。
その高価なフードもまったく食べなくなってしまったマリン・・・。
もう、このまま食べなければ倒れちゃうかもしれない。
お産もできないかもしれない。
お腹の中で赤ちゃんが死んじゃうかもしれない。

そんな時に岡山の姫かあさん(リンクページからHPへ行けます)から教えてもらったのが「ニュートリカル」という健康食品。
栄養補助食とか健康食とかにちょっと懐疑的な私でしたが、取り寄せて与えることにしました。
高松では手に入らず、岡山の妹に買って来てもらいました。120.5gのチューブ入りペースト。
見た目はメープルシロップに似てる・・・。黒砂糖の味がする。(舐めちゃったよ)

与えてびっくり!!!(@_@)
あれほどの拒食症だったマリンがよろこんで食べています。催促さえしてる!!
それだけではなく、ニュートリカルを少し与えると、その後の食欲も刺激されるのか、フードも食べるようになりました。
ドライフードパピー用にエスビラックミルクをかけてカルシウム剤をプラス。
食前に1cm程度のニュートリカルをなめさせるだけでその後の給餌が驚くほどスムースでした。
今までの拒食症はなんだったの???

姫かあさんありがとう、これで安心してXデーを迎えることができます!!!
実はかなり前からニュートリカルを薦められていたのだけど、栄養食嫌いの私が取り入れられなかったのが敗因でした。
もっと早く取りいれていれば・・・。
しかし、この時点で与えても決して遅くはありませんでした。

最終兵器の効力は衰えることなく、このまま、マリンさんは出産に突入するのです。

それは次回の講釈・・・。