●パルキッズワークショップ名古屋(2004.10月)でお話しさせて頂いた内容

テーマ
・インプット教材の役割
・日本語力と英語力の共通の土台


ワークショップには、当日100名以上もの方がいらっしゃいましたが、
HPを知って頂いている方も多く、気楽にお話しさせていただくことができました。
その後、どんな内容だったのか知りたい、と言ってくださる方が多いため、
私がお話しした原稿を一部加筆し、こちらにて公開します。

*なお、この原稿は、パルキッズをお使いの方に宛てたお話しです。
それを考慮の上、お読みください。


また、当日は、最初にプリントをお配りし、、
そのプリントをもとにお話しさせていただきました。ご参照ください。こちら!


はじめまして。私は、インターネットでR-Trainという
英語育児のHPをやっています、森藤ゆかりと申します。
今日は、うちの子どもが、パルキッズやリタラシーリンクスに大変お世話になりましたので、
少しお話させていただきます。よろしくお願いします。

うちには、今、8歳の小学2年生の男の子がいます。
赤ちゃんの頃から、CDやビデオで英語に触れていましたので、
3歳の頃には、ある程度英語を理解できるようになっていたのですが、
幼稚園に行くようになり、
この先どうやって英語を伸ばしていこうかと思っているときに、
インターネットで児童英語研究所さんの教材に出会いました。

今では、子どもは、自分の好きな洋雑誌や英語の図鑑を自由に読み、
必要なときには英語を話し、
毎日大好きな英語の小説やマンガを自分で書いています。

そこで、今日は、特にパルキッズについて、振り返って思うことをお話したいと思います。

●まず、子どもがパルキッズを始めたのは、4歳半のときでした。

ちょうど、同じ年頃の子どもたちとの、外遊びが楽しくなってきたころで、
英語に触れる時間が極端に減ってしまい、
そのときの子どもに、無理なく英語を続けさせてあげるのに、
パルキッズが使いやすいのではないかと考えたからです。

ところで、どうして、ある程度、英語を理解できるようになっていた子どもに、
あえて、「インプット教材」といわれているパルキッズを使おうと思ったのか、
そして、実際に使ってみてどうだったのか、
今日は、「英語の回路を作る」、ということ以外で、
私なりに、パルキッズを子どもに使って感じていることを、お話したいと思います。

●それでは、まず、お手元のプリントの、(表1)を見てください。

これは、2歳から6歳までの子どもが知っている名詞が
カテゴリー別にまとめられたものですが、
これを見ていただくとお分かりのように、
2歳の子が知っている言葉は、動物や食べ物など、
実際の生活や、絵本で見かけるような、身近な言葉の割合が多いですが、
4歳を過ぎると、社会現象などの、抽象的な言葉もかなり理解できるようになっています。

また、年齢があがるにつれて、具体的な、ものの名前の知識も増えていますが、
例えば、6歳で「病気や薬品」に関する言葉も、
30語程度知っているという結果になっています。

このように、子どもは、最初、お母さんとの生活の中の身近な言葉から、
徐々に行動範囲を広げて、より深く、広く、語彙を増やしていきますが、
パルキッズも、Level1で、家庭内での親子の会話、
Level2で、一歩外に出て幼稚園生活や、家族でのお出かけ先での会話、
Level3では、としおくんの世界旅行や、タイムトラベル先での会話にまで触れられますので、
パルキッズをLevelにそってインプットすると、
子どもが、自然な成長にそって母語を身につけていくのと同じ順序で、
言葉を吸収させてあげられると感じました。

例えば、先ほどの、「病気や薬品」に関する言葉でも、
パルキッズのLevel2や、3には、
「レントゲン、ビタミン、ばんそうこう、包帯、松葉杖、
湿疹、高熱、歯痛、虫刺され、やけど、切り傷、はしか、おたふく風邪」
などなど、5〜6歳の子が母語で知っている可能性がある英単語が
幅広く網羅されています。

●次に、プリントの(表2)を見て下さい。

パルキッズについて感じることの2点目として、
「語彙の豊富さ」も、あげられます。

この表は、英語圏の子どもと、日本人の子どもが、
幼児期に、実際に使っている語彙数がまとめられたものですが、
これによると、面白いことに、日本人の子でも、英語圏の子でも、
6歳で、およそ2500語程度の言葉を、実際に使えるようになっています。

ところが、一般の幼児向け英語教材は、600語〜多くても2000語程度の
語彙で構成されているものがほとんどなので、
それらのCDなどを使って、英語の基礎的な回路を作ることは出来ても、
幼児期の英語の土台作りのためのインプットとしては、
語彙数が足りないのではないかと感じていました。

その点、パルキッズは、ドリルと合わせて3000語あまり収録されている、
ということですので、さらに、これに、
英語圏の子どもが読むリーディング絵本がセットされた
リタラシーリンクスやストーリーテラーの語彙を合わせると、
ネイティブの子が、普通に生活する中で、繰り返し耳にするであろう量に
ひけを取らない量の英語を、インプットできるのではないかと思いました。

ちなみに、センテンスの長さが、段階を踏んで増えていくように構成されている
リーディング絵本は、ほかにも多数がありますが、
リタラシーリンクスやストーリーテラーは、他の絵本シリーズと違って、
リーディング学習用に、語彙数や語彙の種類をコントロールされているタイプの絵本ではないため、
かなり初期のレベルから、一般の教材には出てこないような単語が容赦なく出てきますね。
また、色々な趣の絵やお話しがバラエティ豊かにセット組みされているため、
日本語の絵本でいえば、福音館書店の「こどものとも」のシリーズのようだなあと感じています。

●それでは、次に、我が家で、パルキッズを使っていたときの様子や、
その後の子どもの様子について、お話したいと思います。

まず、パルキッズが最初にうちに届いた日、
パルキッズが、できるだけ自然な形で、
日常の一部になればいいなぁと思いましたので、
子どもには、パルキッズを、「私の英語の勉強のために買った」
ということにして、
「お母さん、今日から毎日、このCD、聞いてもいい?」と、
子どもに聞いてみました。

すると、ちょうどお手伝いが大好きな時期だったこともあり、
子どものほうから、
「それなら、ぼくが毎日このCDをかけてあげるよ。」
という返事が返ってきました。

子どもにしてみれば、お母さんのお手伝い、と思っていたので、
まさか、自分がインプットされることになるとは、全く思っていなかったと思います。

そのくらい、我が家にとってのCDのかけ流しは、楽で、肩の凝らないものでした。

そうして、習慣になってしまえば早いもので、
幼稚園の年長さんの頃には、パルキッズの復習も終わり、
子どもは、リタラシーの暗唱から、
一人で、英語の本を読むことも できるようになっていたんですが、
その頃から、思わぬ、パルキッズの効果を感じることが出てきました。

子どもが、新しい洋書を初めて音読するときに、
子どもにとっては、初めての単語のはずなのに、
口が勝手に動いて、スムーズに読めてしまう、という単語が次々でてきたのです。

なかでも、子どもが一番驚いていたのは、
その頃興味を持っていた、「タイタニック」の本を初めて開いたときに、
「客船」や、「救命着」や、「手こぎボート」などの英単語が流暢に読めたときです。

子どもも、自分が読んでいる声を聞いて、
「あれ?」という顔をしていましたが、
それらの単語は、パルキッズのLevel3に出てきたので、
子どもは、無意識に音を覚えていたんですね。

我が家では、パルキッズのテキストをほとんど見せていなかったのですが、
このように、パルキッズの豊富な語彙のインプットのおかげで、
リーディング絵本から、洋書の読書へと、スムーズに移行できたように思います。

幼児の言語の習得は、「まずは、音の記憶から」と言われますが、
まさに、子どもには、音声が繰り返し耳に入ることが、全ての基礎になるんだなあと、実感しました。

現在、子どもは、月に1〜2度、英会話スクールで、
ネイティブの先生と会話をする機会も作っていますが、そこでも、順調に会話力を伸ばしていくことが出来、
日本語と同じ感覚で、英語を使えるように成長しています。

以上、我が家で、パルキッズを使った感想をお話しましたが、
最後に、私が、HPを通して知ったことで、
今まで、子どもに英語を続ける上で、「ヒント」にしてきたことがありますので、
この機会に、みなさんにお話ししたいと思います。

私は、4年半あまり前に、子どもの英語の成長を綴ったHPを開きました。

当時、英語育児は「孤独な時代」、といいますか、
今と違って、英語育児についてのHPも、そんなに数が多くなかったので、
HPを見てくださった方々から、
3ヶ月間で900通あまり、という たくさんのメールを頂きました。

その中で、お母さんがあまり英語が得意ではないといわれるのに、
お子さんが、高い英語力をつけている、という方が、十数名いらっしゃいました。

そこで、今まで、お子さんにどんな働きかけをなさったのか
お聞きすることができたのですが、
そのときお聞きした中で、共通する働きかけが、3つあるように思いました。

1つ目は、十分な、英語のインプット、
2つ目は、英語の本を読めるようにしてあげたこと、
そして、最後、3つ目の共通点として、
意外にも、お子さんが小さい頃から、日本語で十分に対話をし、
日本語の絵本をたっぷり読んであげていた、ということでした。


(「日本語を活かした英語授業のすすめ」吉田研作/大修館書店P43を基に作成)

そこで、次に、プリントの右の図(ここでは、上の図)を見てください。

これは、カナダのトロント大学のカミンズ教授が発表した、
バイリンガルの人の言語能力をあらわしたものを、イラスト化したものです。

この図の真ん中の波線は、海面だと思ってください。

そして、この海面から左右に、氷山のように突き出ているのが、
周囲の人が直接、耳にしたり、目にしたりできる
バイリンガルの人の、英語力と、日本語力をあらわしています。

また、言語力には、読解力のように、周囲の人には見えなくても、
頭の中で、考えたり、理解したりするときに使う力がありますが、
それが、ちょうど波線の下の部分になります。

このように、カミンズは、バイリンガルの人の言語力を
海面の下でつながっている、2つの氷山のように例えました。

ところで、この図でお気づきだと思いますが、
海面の下の部分に、「共通言語能力」という、
英語と日本語の両方が、共有している部分があります。

みなさんも、今までに、「国語ができる人は、なんだか英語の上達も早いなあ。」
と思われたことがあるのではないかと思いますが、
この図のように、バイリンガルの人は、
2つの言葉を使えるといっても、
その人の、ものの考え方や、知識は共通ですから、
どちらの言葉の土台にもなっている、共通の部分があるんですね。

ですから、先ほどのお話しのように、
お母さんが英語が苦手でも、お子さんが小さいときから、
日本語で十分お話してあげたり、読み聞かせをしてあげたりして、
日本語で、しっかり思考できるようにしてあげると、
子どもが将来に渡って、英語を学び、使うときにも、
その能力を、日本語だけでなく、
英語のほうにも、生かすことができるんですね。

うちの子どもが、「タイタニック」の英語の本を、
5歳にしてなんとか理解して読むことができたのも、
それまでに、私との間で、日本語で、タイタニックについて何度か話をしたり、
図書館でタイタニックの本を、一緒に開いて眺めたことが、
大きな理解の助けになっていたのではないかと思っています。

インターネットの掲示板では、どうしても、
子どもの、「目に見える英語力」を伸ばす教材や方法のほうに、
話題が集中しがちですが、
今日の、ワークショップのお話しを聞かれて、
みなさん、明日から、お子さんの英語のことで悩む時間が減ったのではないかと思いますので、
よろしければ、その空いた時間の使い方として、
以上、参考になさってください。

また、HPのほうでもよろしくお願いいたします。●R-Trainへもどる