英語育児ノート 番外編2
子どもの英語成長に大事なこと
チョムスキー博士の「生成文法理論」を
子供の英語に応用して 考えてみました。


チョムスキー博士の唱えた「生成文法理論」は、1990年以降 裏付けとなる報告が増え、
りくの英語や日本語の成長を振り返っても 納得できることが多く、
この理論を応用すれば、英語育児の進め方にも 実用的な指針になるように思えます。

そこで 以下のようにQ&A式にまとめてみました。

1、「子どもが自分で文法まで身につける」というのは、どういうこと?

私たちが中学から英語を習ったときは、notを付けると否定形になる、と教わって覚えました。
が、りくは 誰も教えていないのに否定形を知っています。また、英語を耳にする環境を続けるだけで、
年齢とともにどんどん難しい構文を含む文も言うようになっています。
これは、大人にはまねできないうらやましい能力です。

この英語の文法を身につけることができていたら、英語の運用力(じっくり聞く、話す、読む、書く)は、
大人になってからでも遅くないと思えるほどです。
2,どうすれば、英語の文法を習得できるでしょうか?

ヒトは、生後一定期間内に 周囲の話し声など言語が聞こえる環境にいれば、
言語の文法を習得すると言われています。
チョムスキー博士によると、人間に生物学的に組み込まれている能力なので、
脳が自動的に英語に反応して 語順を判別して さくさく脳に刻み込んでしまうということになります。

子どもが聞いているかどうかは関係ありません。
文法作成能力が一番活発なのは5〜6歳頃と言われていますが、10歳までは存在する、とされています。

英語が堪能なお母さんだったら普段の会話もインプットになりますし、
そうじゃなければ、意味付けのしやすい日常会話のCDのかけながしで大丈夫ということになります。
3,英語の文法の完成には 英語を聞き始めて 何年ぐらいかかりますか?

1990年以降 母語の場合、だいたい1歳8ヶ月〜2歳1ヶ月ぐらいで、
早くも語順が安定することが報告されるようになりました。

ということは、脳の中の文法が完成するのは、英語を母語とする子どもでも
生後2年間分の英語の環境が必要、ということになります。赤ちゃんでそうですから、
6〜10歳に英語を開始したお子さんは じっくり英語に触れて ゆっくり見守ることが大事だと思います。

小さいときから英語に触れていて、文法が構築されると、
英語の文法を持ち合わせていない大人が子どもに英語を追い抜かれてしまった、というからくりも納得できます。
我が家も、りくが3歳半の頃、もう英語を教えてあげられない、と思ってからは
せめて 英語の道案内役になってあげようと思い直しました。
4,それなら、日本人の大人も 日本語の文法を習得していますか?

私たちも、日本語の文法を教わって 日本語を覚えたわけではありません。
チョムスキー博士の理論でいうと、子どもの時期に 日本語の文法を習得している、ということになります。

その証拠となる実験結果も報告されるようになりました。(前ページ参照)
私たちが初めて聞いた日本語もすぐ理解でき 新しい日本語を作れるのも、
脳がすでに文法を習得しているからです。

よく考えてみると、知識やスキルだけで言語は操れません。私たちが日常使う話し言葉の背後に
想像をはるかに越えた理路整然とした言葉の世界があり、それがたくみに備わっていると思うと、神秘的です。
5、英語の取り組みの優先順序

英語の発音能力は、幼児期に一度獲得すると、しばらく英語から離れても、再び英語学習を始めたとき
脳の奥から引き出される、ということが知られています。(記憶痕跡と呼ばれます。)
同様なら 文法も忘れることはないように思います。

よく 子どもは英語をやってもすぐ忘れる、というのは、言語運用力を引き出す取り組み
(聞く練習、話す練習、読む練習、書く練習)で 得たものではないかと思います。掲示板でも、順調に伸びている
お子さんは、インプットによって 英語の文法を身につけたあと、(または並行して)
言語の運用能力を伸ばす取り組みをされているように感じます。

チョムスキー博士の理論が検証されつつある現在、子どもが 英語を聞いているのかどうなのか分からない状態でも、
脳がしっかり文法まで構築しようとしていると 解釈できるような気がします。
6、日本語が上手になってから始めた場合は…

日本語が上手になると、最初、または成長過程で 英語そのものを無意識には 受け入れられない
時期もあります。そうなると、本人の年齢に応じた言語運用を伸ばす取り組みなど、
モチベーション作りも必要だと思います。ただ、それでも 一番優先させるべきことは、インプットです。

また、英語に対する違和感は 大人が思うほど強くなく、小学低学年位までの子どもは
順応性があると言われています。大人も臨機応変に対応し、英語を英語のまま見聞きする態度を
見守ることが大事だと思います。
小学生のときに、毎日10分間英語の音に触れていたら、高校生以降になって
ぐんぐん英語力が伸びていった、という事例は、脳の中に文法が習得されたのかもしれないと思いました。
6、直接体験を伴った親の語りかけで言葉を習得すると書かれてある本がありますが…

親の語りかけのかわりになるものが、教材やビデオだと思います。教材からは、英語の音声も意味も
教わることができます。それらを利用すれば 直接会話で教えてあげられなくても 可能だと思います。

が、本当に教材だけでいいんでしょうか?

現在 言語の習得には 「愛情」も関係するんじゃないかと言われています。
思い出してみても、私たちは、 赤ちゃんに話し掛けるとき、
「ゆっくり」「はっきり」理解しやすいと言葉を繰り返し使いながら、会話を進めてきました。

*このお母さんの語りかけは「親語」といい、「Berlitz さあ、始めよう親子の外国語レッスン」にも
詳しく紹介されています。
ちら!英語子育てノートvol 4

前ページの内容に戻りますが、人間の言葉に関する機能には、「言語機能(言語のコンピューター)」と、
「言語運用力」があり、先の中には「言語を学習しようとする能力(LAD)」がありました。

A:ヒト科として言語機能

1、「言葉についての一般的な知識」がある。

2、言葉を習うのに必要な能力(LAD)を持っている。
主な働き<文法を作成する。<言葉の意味付けをする。>

私たちは ↑A があってこそ↓B の活動ができる。
B 言語運用力
話す、聞く、読み、書くなど。)


子どもは LADのおかげで、文法作成だけじゃなく 言葉の意味付けも得意だ、とされています。
親語は、この「言葉の意味付け」の作業を助けることは明らかですが、意味付けは 教材でも可能です。
むしろ気にするべきことは、…お母さんに話しかけられた赤ちゃんの様子を思い出してみると、
お母さんの目をじーっと見て、今にも口が動きそうです。

その様子は、本能で 自分に愛情をそそいでくれる存在を認識し、
コミュニケーションをとりたい思っているようでした。

教材を使っていても、子どもが英語を話したとき、書いたとき、読んだとき、暗唱したとき、
話したとき、思いっきり誉めてあげる、関心を示してあげる、また、日本語のときのようにゆったりと見守ってあげる、
待ってあげる、…など愛情を示してあげることが とても大事な気がします。

以上、最後に推測も付け加えて まとめてみました。