英語育児ノート

幼児期にやってあげたいことA
「インプット&英語が苦手なお母さんができること」

補足●英語の苦手なお母さんが
子どもに英語で語りかける3つのコツ●


「幼児期にやってあげたいこと「インプット」」で、6歳ぐらいまでの子どもが、
インプットによって、脳のなかの言語野に 英語の核を作っていく過程をまとめましたが、
ここ数年、脳科学や認知心理学をはじめ、色々な分野で、幼児の言葉の習得に関する研究が進められています。

我が家では、りくが英語を吸収していく様子を見るにつけ、
英語を話す子どもの頭の中はどうなっているのか知りたいと思い、これらに注目してきました。

現在、研究者の方の間では、赤ちゃんの言語習得には、具体的にどのくらいの量の、
どのような音声材料のインプットが必要なのか、など、英語育児中の私たちには、とても気になる研究も進められていますが、
それを待っていたのでは、子どもたちが大人になってしまいそうです。

具体的には、ここ10年で、子どもは、1歳8ヶ月〜2歳1ヶ月で母語の文法のルールを決定できる、
というようなことが分かってきたそうですが、そうなると、インプットは2年で十分なのか、という疑問もあります。
が、のちに、生後4日目の赤ちゃんがすでに母語を聞き分けていることが明らかにされたことなどを思うと、
(おなかのなかで音声を分析していた可能性も否定できないため)
やはり、今の段階では、インプットの音声条件、期間は、日本語と同じ音環境にならって、
言葉が確立するまでの3年間、というのが、一番理にかなっていると感じています。

なお、インプット期の子どもの様子を知る手がかりになる記事の一部を以下、「インプット」の追記としてまとめました。
*記事中、ほとんどがりくの赤ちゃん期以降、検証されていった最近のものです。

=英語育児記録簿==========

●赤ちゃんが生後4日で母国語を聞き分けることができる。

フランス語を母語とする両親から生まれた赤ちゃんは、生後4日で
フランス語とロシア語を聞き分ける能力を持っている。(「赤ちゃんは知っている-認知科学のフロンティア」1997: メレール)

●生後7ヶ月で音声入力に潜在する規則性(文法)までも認識できる。

生後7ヶ月の赤ちゃんに、ABA(Aは単語)という人工的な音声パターンを2分間聞かせると、
ABAとABBという2つのパターンを区別できた。(アメリカ。(1999 G.F.Marcus)

●生後16ヶ月-18ヶ月の一語文の時期に、すでに3語以上の文を聞いたときに、語順の文法に従って
理解できるようになっている。
(K.Hirsh-Pasek and R.M.Golinkoff 1996)

●文法形成能力の臨界期

アメリカのジョンソンとニューポートは、46人のアメリカ人と中国人を対象にして、
英語の文法の習熟度と、アメリカに移住した時の年齢との関係を調査。
ここで使われた文法テストは、文を聞いて文法的に正しいかどうかを判断するものだった。
その結果、7歳までにアメリカに来た人は、ネイティブスピーカーと区別がなかったが、
それ以降は、年齢があがるにつれて成績がどんどん落ちていき、個人差が大きくなった。(1989)

●ニューズウィーク日本版2003年5月21日号
P.42. EDUCATION 教育 見えてきた脳の不思議

神経学者のイザベル・ワルテンブルガーは、外国語を幼児期に学んだ人とそうでない人の脳の活動の違いをMRIの画像でとらえ、
ニューロン誌1月号に発表した。第1グループ 6歳以前に2カ国語を習得した人は、文法や意味の解釈を苦労せずにこなしており、
生粋のバイリンガルといえる。 第2グループ 2つ目の言葉を6歳以降に学んだ人の場合、文法を処理する際に脳が活発に反応し、
自動的」なプロセスでないことがわかる。

●ニューズウィ−ク日本版 2003年5月21日号 P.40

フンボルト大学(ベルリン)の神経学者イザベル・ワルテンブルガーは、ドイツ語とイタリア語の2カ国語を話す人々を2組に分けて観察した。
第1グループは、6歳以前に両方の言葉を習得した人々。
第2グループはイタリア語が母語で、6歳以降にドイツ語を学んだ人々。どちらも二つの言葉を流暢に話すバイリンガルだ。
 ワルテンブルガーは被験者をMRI(磁気共鳴映像法)装置にかけて、ドイツ語の文法と意味について簡単なテストを行い、
脳の働きを測定した。すると二つのグループには、顕著な違いが表れた。
 ワルテンブルガーが言うように、「正答率と回答までの反応時間は、両グループとも同じ」。
ところがMRI画像を見ると、文法問題を処理する際に、第2グループの脳は第1グループより活発に働いていた。
つまりドイツ語を後から学んだ人々は、本当の意味で「自動的」に文を組み立てて話しているわけではないということだ。 

●バイリンガルの人の脳内の言語回路(区画)

8歳ぐらいまでに、複数の言語が話される環境に育つと、脳内のウェルニッケ野やブローカ野に日本語用、英語用の区画ができ、
それぞれそこで言語が処理される回路が完成するため、混乱することがない。
(『幼児教育と脳』澤口俊之文芸春秋 (1999/08)


●インプットのそのあとは?

インプットで英語の回路を作ることができると、大人になって、もう一度 英語をやろうと思った時に、
高度な英語学習への支えになると言われていますが、
私のまわりにも、大学生になって英会話スクールに通うようになったとき、
先生に発音がきれいなことを指摘されてはじめて、
小さい頃、お母さんが英語のテープを聞かせてくれていた時期があったことを知った、という友人がいます。
また、ご両親が洋楽好きだった場合も、英語を聴き取るのに苦労しないという話などもよく聞きますが、
なかなか成果が目に見えないインプットも、このような体験談を聞くと、
幼児期に子どもに一番してあげたいことのように思えますね。

ところで、インプットは、このように英語学習に欠かせない土台作りだとは思いますが、
これだけでは、英語を運用していく(聞いて理解する、話す、読む、書く、など)のには不十分です。

それでは、英語を使えるようにしていくには、次に何をしたらいいでしょうか?
それには、まず、分かる英語を増やしていくことが必要です。

子どもは、インプットを経て、脳に膨大な数の「聞き知っている単語」をストックしていますが、
この時点では音声情報を貯金しているだけで、ほとんど意味は分かっていません。

日本語の場合は、家族とのやりとりや、幼稚園生活を通して、言葉に意味付けを行って
語彙を増やしていくことができますが、英語の場合も、何らかの働きかけを行って、
英語の意味が推測できるようにしてあげることが必要です。

そこで、英語を運用するのに必要な、「聞いて分かる力」、「読んで分かる力」を育てる取り組みをまとめてみました。

インプット後
(またはインプットに併行して)
英語の理解力を育てる
方法
お母さんの
英語力
特徴・問題点 今後の英語学習的問題 身につく
言語運用力
●英会話スクール、
テレフォンイングリッシュ
など
不要。 コミュニケーションツールとして生きた英語を学べる。 これだけで、運用力をつけるには、週に一度では
働きかけとして心細い。
●聞いて分かる力
●話す力
●語彙:
レッスン内容の範囲の語彙がつく。
●家庭内での英会話、
(家庭内での英語遊び含)
必要。 コミュニケーションツールとして生きた英語を学べる。英語を使うお母さんの姿勢も学べる。 子どもの成長過程で、親子の英会話を持続するのに難しい時期が存在する。(幼稚園に入り、お母さんと英語を使うのを嫌がる場合など) ●聞いて分かる力
●話す力
●語彙
●楽しい映像教材
(ビデオ、DVD)、
CD-ROM、英語おもちゃ
不要。 視覚的に言葉の意味が分かる。楽しくて、どんどん会話が出てくる可能性大。 楽しいものは、反面飽きる可能性があり。
系統だって学べるものが少ない。
●聞いて分かる力
●話す力
●語彙

●暗唱
(絵カード、絵本)
*ここでは、絵カードも1センテンスの絵本に含みます。
不要。 ・実際に声に出して
暗唱してみることで、擬似的にさまざまな英語体験をできる。
暗唱によって読書できるようになると、幼児期を過ぎても、興味を持って英語を続けていける。 ●読んで分かる力(読解力)
●聞いて分かる力
●話す力(個人差あり。)
●語彙:読書から得る。
補足●DWEや、パルキッズなどのインプットに使った教材を暗唱したほうがいいの?

DWEのBOOKや、パルキッズのかけ流しは、脳の中の言語野に英語の核を作るために行います。
また、一般的に、暗唱は分量が小刻みなほうが進めやすいので、パルキッズや、DWEを無理に暗唱する必要はありません。
(DWEはのちにレッスンを進めながら、暗唱していくようになります。)
ただ、もしインプット後に暗唱までできると、言葉に意味付けがなされ、会話にもつながります。
「さわこの1日」「ゆきおの1日」なども、インプット教材でありながら、暗唱するお子さんも多いですが、
インプット教材も、それらが使われている状況(意味)が分かった時点で、アウトプット教材の役割も果たします。

このように、英語の運用に必要な、英語の理解力を高めるための取り組みは多数ありますが、
ご家庭の方針や、お子さんの英語段階に応じて、複数取り組まれている場合も多いので、
インプット後、英語を伸ばす方法は多岐にわたります。
が、どちらにしても、インプットで英語の基礎ができていれば、子どもからの英語の反応が見られることが増えて、
お母さんのハリも増えてきます。

ところで、インプットの時点では、お母さんの英語力の有無によって、子どもの到達英語力に差がつくことはありませんが、
これら、英語の運用力を高めるための取り組みには、お母さんの英語力が影響するんでしょうか?

結論から言うと、お母さんが英語で会話してあげたり、上手に英語の絵本を読んであげられないからといって、
子どもの英語の到達レベルが低くなるなどの心配はいりません。
お子さんの様子を見て、足りない部分を見つけたら、何かの取り組みを追加したり、方法をかえていけばいいだけなのです。


また、英語が話せないお母さんを悩ませる取り組み、といえば、上表2番目の取り組みですが、
実際にお母さんの語りかけが、子どもの英語上達の助けになる、(言葉の誘い水になる)時期は、
子どもの英語成長過程の中で一時期のことなので、
これから先、子どもが大人になるまでのことを長い目で見ると、
お母さんが、子どもの会話の誘い水をしてあげられなくても、さほど問題はないと思います。

あと、最近お母さんの英語力に関係なく、大きな効果をあげている方法に、
我が家でも行った 4番目の絵本を使った取り組みがあります。

りくが生まれた頃から、幼児の英語は、
教材も英会話教室も、聞く、話す、の会話中心の取り組みが主流のようですが、
実際、りくの様子を見ていると、幼児期のいずれかの時期に
「英語を聴いて分かる、英語を読んで分かる」力をつけてあげることは英語学習を進めていくうえで大事です。

日本語の場合も、幼児期を過ぎれば、大人になるまで語彙や概念を育てていかなければいけませんが、
英語の場合も、英語を続けていく限り いずれは同じように語彙を増やし、概念を育てていかなければなりません。
そのために、読書が一番です。

我が家がインプット後に行った「絵本の暗唱」の取り組みについては、
こちらから!



補足●英語の苦手なお母さんが
子どもに英語で語りかける3つのコツ●

英語育児というと、テレビや週刊誌などの印象から、
お母さんが子どもに英語で話し掛けてあげるようなシーンがぱっと思い出されますが、
親子で英語で会話してあげられると、とても素敵ですね。

ですが、私たちが中学から受けてきた英語教育を思うと、
英語を話すのが苦手なのは恥ずかしいことではなく、むしろ当たり前ですし、
また、個人的には、お母さんが、英語の先生である必要はないし、一緒に教材を使ってあげる応援者で十分だとも思います。

子どものほうも だんだん英語が分かるようになってくると、基本的な日常会話や表現は
お母さんに教わらなくても、早かれ遅かれ分かるようになっています。

ですが、実際に毎日子どもと英語に触れていると、
こんなとき、英語を使ってあげられたらなあ…、と思ってしまうシチュエーションがありますね。
子どもと一緒に英語使ってあげたいと思う気持ちはとてもよく分かります。

ところで、その英語に際して、「私は英語が苦手だから、「棚の上の本をとって」って言うこともできない」…
というような悩みも耳にしますが、子どもの英語をフォローしてあげるための語りかけには、
意外と、そんなに高度な英語力はいらないのです。

以下、子どもの日本語の成長に照らし合わせて、考え出したものですが、
私と妹が一緒に実践してみた 子どもの英語成長をうながす語りかけのコツをまとめました。

英語が苦手なお母さんは参考にしてみてください。

●コツその1●誘い水にしたいなら、
日常会話より、教材で聞いたことがあるフレーズを!


よく、EDWZや、WFCのプレゼントビデオで、DWEに出てくるのと同じフレーズが違うシチュエーションで出てくると、
弾みでおしゃべりが出てきた、と言われることがありますが、
聴いたことのあるフレーズが、いつもと違う場面で出てくると、
言葉の意味付けもしやすくなり、興味もわくので、おしゃべりが飛び出す可能性が高くなりますね。

お子さんに何か語りかけてあげたいと思ったら、お子さんになじみのある教材のビデオのフレーズや、
暗唱した絵本のフレーズを覚えて、試しに使ってみてください。

本屋さんへ行くと、たくさんの親子英会話フレーズ集がありますが、
お母さんの英語で話し掛けは、日常会話を使ってみるより、むしろ、教材の英語に出てくるなじみのある英語を
使ってあげるのが、英語が苦手なお母さんもやってみる価値があり、成果もあるような気がします。

子どもには、普段のインプットで膨大な音の貯金があるわけですから、
それら、すでに聞いたことのあるフレーズを、違うシチュエーションで使ってみせて、
頭の中から引っ張り出してあげましょう。

●コツその2●子どもは反応を待っています。
子どもの言う言葉を、オウムがえししてあげましょう。


マザーリーズとか、母親語(親語)という言葉をご存知でしょうか?
どの国の言葉でも、母親は本能で、子どもにゆっくりとした声で話し掛けますが、、
そのような、マザーリーズが子どものおしゃべりを伸ばす効果もある、と言われています。

例えば、お子さんが日本語で「おはな。」と言ったら、みなさんも無意識のうちに
子どもの言葉を繰り返しながら「おはなね。」と相槌を打ってあげるようなことがありますね。
子どもは、自分が口にした言葉を、往復してくれることで、意味が合っている、と
確認できるようです。

英語を話し始めのお子さんが、何か英語で話してきたときは、
それが単語レベルでも、お子さんが言ったのと同じ言葉を繰り返して言ってあげましょう。
それだけで、ぐっと会話の誘い水になるようです。●詳しくは
英語育児ノート「親子の英語」へ!

●コツその3●CDをかけ流した後、その絵本を読んであげましょう!


子どもは、なぜほかの動物と違って、社会的な行動ができるんでしょう?
靴をはいたり、コップを使ったり…それらは、お母さんが1つ1つ教えてあげるからですが、
もう1つ、子ども達のほうからも、本能で、身近な人のまねをしたい、という積極的なアクションをとっているそうです。

お母さんがいないときに、お子さんが ぬいぐるみの頭をなでたり、
寝かせてあげたりするかわいいシーンも見たことがある人が多いと思いますが、
日本語の絵本のうそっこ読みも、
最初はお母さんが絵本を読んでくれた絵本のマネをしているのかもしれませんね。

英語の絵本の暗唱も、まずはお母さんがお手本になって読んであげましょう。
高い確率で、お母さんの読んでくれる英語の声もそっくり真似してしまうことがありますが、
CDをかけ流して入れば、じきに きれいな(?)発音に戻るので大丈夫です。

また、CDやテープだけの場合と違って、お母さんに読んでもらうと、
子どもの脳の中で、言語を司る言語野以外に、前頭前野がさかんに働いていることが
分かってきたそうです。(*前頭前野は、人間らしく判断したり、コミュニケーション能力などをつかさどる脳。)
英語の場合は、機械音に頼らざるをえないところが多いですが、
英語が苦手なお母さんも、できる範囲で、絵本の読み聞かせにかかわってあげましょう。
そのうち、英語の読解力がつき、お母さんに読んでもらわなくても、読んでくれるようになっていきます。


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