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英語育児ノート 小学高学年からの英語の暗唱 〜幼児の暗唱と比べて〜 |
私が小学生の頃、近所にとても評判のいい個人の英語塾がありました。
そこは、決して有名な塾ではありませんでしたが、
先生が、1学年5人までしか生徒を受け付けない、という方針をとられていて、
「あそこに通っている子は、みんな英語がよくできる。」と噂されているようなところでした。
私は、中学生になったら英語の授業が始まるから、と、
母の勧めもあって、中学入学前から、その英語塾に通うことになったのですが、
緊張しながら、1回目のレッスンに行ってみると、
そこで、先生に「これから、毎回、次に来るときまでに、英語の教科書の暗唱をしてもらいます。」と言われ、
初日は、アルファベットの大文字と小文字を習って帰りました。
私は 英語教室というと、新しく出てきた単語やフレーズをみんなでリピートしたりするのを
想像していたので、その、まるで寺子屋のような雰囲気にどぎまぎしながらも、
さっそく家に帰って、中学1年生の英語の教科書を開いてみました。
が、教科書の挿し絵から、どんな内容かなんとなく推測することはできても、
アルファベットを覚えたばかりで、とても文字が読める状態ではありません。
教科書にそった音声テープも購入しました。
が、テープを聞いてみても、 何を言ってるのか全然分からないうえ、
少し長いセンテンスになると、途中で舌がまわらなくなり、
リピートすることさえできません。
そこで私は、これでは翌週までに暗唱なんて到底できそうにない、と思い、
宿題として指示されたページの単語を、全部英和辞書でひいて、
その単語のカタカナ読みを、歌詞カードのように紙に書き写し、
毎日、その自分で書いたカタカナのルビの羅列を声に出して読んで、
なんとか最初の週は、丸覚えしました。
また、学校が終わって、塾に行くまでの間に忘れてはいけないと思い、
教科書の暗唱箇所の英文全部に、うっすらカタカナのルビもふっておきました。
が、2回目のレッスンのときに、自分ではなんとか暗唱ができたと思ったものの、
すぐに、先生に英文全部にルビをふって、ルビ文を暗唱していたことがバレてしまったため、
3回目からは、泣く泣くテープの音声を小分けに聞きながら、1文ずつ音読して暗唱する方法に
向き合うことにしました。
その後もしばらくは、テープを小刻みに聞いて、
かなり時間をかけて、しぶしぶ音読しながら暗唱していったのですが、
それでも 3ヶ月ぐらいたった頃、
英語の音声に慣れたのか、暗唱のコツが分かったのか、
いつのまにかその教室に一緒に通う同級生5人とも、
最初に比べるとずいぶん楽に、暗唱できるようになっていました。
また、英語の文章全体の抑揚や発音もずいぶんよくなっていました。
ちなみに教室では、毎回、みんなの前で順番に教科書を伏せて暗唱し、
途中でつまずくと次の人に順番がうつり、
課題の暗唱が終わった人から、意味があいまいな単語を個々に英和辞書で調べて、
自分の単語ノートに書いていき、
最後に、その日暗唱した英文を、教科書を見ながらノートに書き写していきました。
(中学1年生の最初の頃は、教科書を見ながら書き写すのが精一杯でしたが、
じきに、書くスピードも速くなり、テキストを見ないで書ける(暗写できる)ようになっていき、
中学2年生ぐらいからは暗唱と暗写がセットで、家庭での宿題になりました。)
私も含めて、その教室に通っていた同級生の5人とも、教科書の暗唱と暗写がとても効果を発揮し、
学校での英語の授業は、とても余裕を持って受けることが出来ました。
教科書全部を暗唱し、暗写もしているので、
まさに、毎回毎回、授業全てが、「復習」をやっているのと同じです。
ちなみに、宿題として指示された暗唱の量は、
最初は、英語量が短いので1単元ごとでしたが、
長くなってくると、1単元を2〜3回分に分けた分量(2〜3ページぐらい)でした。
また、必ず、その単元を全部暗唱し終えたときには、
復習として、その単元を最初から全部通して暗唱と暗写をすることが宿題になり、
さらに、夏休み、冬休みには、教科書の最初から、それまで暗唱した単元まですべてが
暗唱の課題にされ、1学年が終わった春休みには、教科書1冊丸々暗唱と暗写をやりました。
これは、はたから見ると、とても大変なことのように感じるかもしれませんが、
当時中学生だったということと、
塾で暗唱し、さらに学校の授業でも細かく習ったあとの暗唱になるので、
その単元のイラストを思い出せば、するする英文が思い出されてきて、
さほど苦労することなく、暗唱することができました。
また、学校の英語の中間テストや期末テストなどの成績も、
その塾に通う5人全員ほとんどずっと満点で、
みんな、いつのまにか、暗唱のおかげでこんなに英語で楽をできるんだ、という意識が芽生え、
はりきって、暗唱という方法をとるようになっていきました。
その後、高校に入ってその教室をやめたあとも、
私は、英語の学習方法は、中学のときと同じようにやっていこうと思いました。
暗唱になれていたので、高校の教科書を見たときにも、
そんなに長いものに感じなかったのです。
具体的には、授業で習うより先に教科書にそったテープを聞き込んだあと、
意味が分からない単語を予め英和辞書で調べ、
暗唱したあと、最後に暗写で仕上げていく、という方法ですが、
それを繰り返しているうちに、
高校1年生頃には早くも、学校の英語の試験以外に、
暗唱によって英語力がついていることを実感することがおこりました。
1年生の夏から、アメリカの同い年の女の子と文通するようになり、
2週間に1度のペースで手紙を出し合うようになったのですが、
最初、英文レターの本を参考に、時間をかけて手紙を書いていたのに、
いつのまにか 思ったことを自分なりに英語で自由に書けるようになっていたのです。
・・と書くと、とてもすごいように思われるかもしれませんが、
今、英語に触れている子たちと違って、
当時は、音声付のもので暗唱するものがなかったこともあり、
暗唱した素材が、中学のときも高校生になっても英語の教科書だけだったので、
その範囲内での語彙やフレーズを自由に使えるようになった、というだけです。
が、それでも、私にしてみれば、苦手意識を持って、英語を始めた頃に比べると夢のようなことで、
英語を話したり、書いたりするときは、頭の中でも日本語に置き換えないで、
英語だけでスラスラ文が出てくるようになっていきました。
また、同時に、その頃から、英語を英語のまま なんとなく理解できるようになり、
洋画を見るときに、日本語吹き替えではなく
英語音声で見たほうが楽に感じるようになりました。
高校の英語の授業もとても楽しく、
英語の先生の勧めで、英作文コンテストのようなところにも出してもらうようにもなり、
それを励みにどんどん英語が好きになり
結局、のちに教室で英語を教える経験をすることまでできました。
もしも、中学に入る前、あの英語塾で英語の暗唱の方法を教わらなかったら、
洋画を英語音声で見ることに抵抗がなくなったり、
必要なときには、英語で話せるようになるまでには至らなかったのではないかと思います。
…が、今、自分に子どもができ、りくが英語を習得していった様子を見ていると、
私には決定的に足りないものがあるのを実感するようになりました。
それは、やはりインプットの絶対量です。
よく、 暗唱のことを、「インプットを引き出すための取り組み」といわれますが、
確かに、豊富なインプットの土台あっての暗唱だと実感しています。
子どもの場合、今まで何気なく耳にしていたものまで、何かの形で栄養として蓄えておいて、
いざというとき、どんどん自分の語彙やフレーズにしていくような気がしますが、
私の場合 土台のないところにビルをぽんぽん建てていったみたいな感じなので、
一見、言葉を操ることができても、地盤がぐらぐらなのです。
去年、何かの本で読んだのですが、
ある中学で試験的に、1学期間ラジオ講座を毎日聞くことを宿題にしたクラスと、
そうじゃないクラスとの、その後の成績の変化を比較してみたそうですが、
そうすると、毎日ラジオ講座を聞いていたクラスのほうが、
教科書にそったテストも、標準試験も全て平均点が10点以上高かったという結果が出たそうです。
そのことからも、全く英語に触れたことがない初心者であっても、
毎日 英語を耳にし、英語のリズムを体得するということは、
英語学習において強みになるということを実感しました。
これから十分にインプットをし、英語の暗唱をして英語力を伸ばしている子どもたちが
今後どんな風に英語力を伸ばしていくのか、楽しみです。
もちろん、目先のことをみれば、なかなか耳からだけでは暗唱できず、小学生になった頃に
音読から暗唱するお子さんたちもいますが、
それでも、低学年のうちは、まだまだ繰り返しの作業が得意なので、
どんどん励ましてあげて音読すればいいと思います。
大人が音読から暗唱するより、よほど早く暗唱できます。
かけざん九九を覚えるのが2年生という学年にあてられているのも、
そういう作業に向いている年齢だからではないでしょうか。
以上、自分の暗唱と、りくの暗唱を振り返って思うことを書きとめました。
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(以上、わいわい広場に過去投稿した原稿より)●英語育児ノートへ●RーTrainへ戻る