津波被害大川小学校訴訟

〜 誰も予想できなかった津波 〜



東北大地震津波で児童と教職員84人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校において、亡くなった児童23人の遺族市と県損害賠償を求めた訴訟で最高裁の判決が出た。
震災前の津波対策で学校側に過失があったと認定して遺族側の勝訴になった二審の仙台高裁判決に対し、宮城県と石巻市は「高裁判決の認定では学校現場の負担が重すぎる」と上告してたんだけど、このたび最高裁が上告を退ける決定をし、市と県が遺族に約14億4千万円を支払うよう命じた二審の仙台高裁判決の遺族側の勝訴が確定した

学校の危機管理マニュアルには、災害時などに教職員が取るべき手順が定められていて、震災前にも大川小の校長は教員らと津波時の避難場所を話し合っていたが、「近隣の空き地・公園等」とだけ記載された部分は見直されず、具体的な避難場所は明記されないままだった
これに対し、最高裁が支持した二審仙台高裁判決は学校の津波対策の不備を認定し、「校長らには地域住民よりもはるかに高いレベルの知識や経験が求められる」と指摘し、「教員は市のハザードマップの信頼性を独自に検討すべきだった」などと、学校側にむちゃくちゃ高度な安全管理義務を課した

震災後は、全国各地の学校で対策が進みつつあるが、このような学校に厳しい注意義務や防災対策を求める判決について、教育現場からは「判決が学校現場に求める水準が高すぎる。教科の負担増と子どもの命につながる防災を同列には扱えないが、業務量は減らず、十分対応できる自信がない」と言った困惑する声が上がっている

実は、以前にも、似たような厳しい判決が出ている。6年前に出された幼稚園の送迎バスが流され、死亡した園児の遺族が幼稚園に損害賠償を求めていた訴訟だ。このときも仙台地裁が幼稚園の過失を認め、1億1億7700万円の支払いを命じている。
この時は、遺族側が「津波発生は予測でき、高台にある幼稚園にいれば事故は起こらなかった」と訴えたのに対し、幼稚園側は「千年に一度の巨大津波は予見できなかった」と主張していたが、裁判所は「危険性は予見できた」としたのだ。

確かに、今回の大川小学校の訴訟にしても、前回の幼稚園の訴訟にしても、遺族は本当に気の毒だ。可愛い子供が犠牲になったんだから、やるせないだろう。その憤りをぶつける場所は、小学校や幼稚園しか無いのかもしれない。
しかし、それにしても、だ。誰かあの巨大津波を予想しただろうか、いや誰も予想していなかった
誰も予想できなかったような巨大津波だ。だからこそ、2万人近い人が亡くなったのだ。そして、その2万人近い人たちの大半は、誰を訴える事もできない。訴える対象がいないのだ。行政の不手際だ、なんて言ったところで、誰も予想していなかったのだから、それは無理というものだ。
要塞のような巨大な防波堤を築き、備えも万全だったはずの田老町では、巨大な防波堤があっさりと破られ、多くの住民が亡くなった。まるで「進撃の巨人」の世界だ。これに対して、防波堤の脆弱さを非難する人はいるだろうか、いや誰もいないはずだ。あんな巨大な防波堤が破られるなんて信じられなかったからだ。だから、行政の責任でもなければ、誰の責任でもない自然の脅威なのだ

小学校や幼稚園の対応に不手際があったのは明らかだ。きちんと対応していれば幼い命を救えたはずだ。しかし、そうだとしても、あの巨大な津波を予想した人がいなかった事を考えると、小学校や幼稚園を責めても仕方ないような気もする。裁判所は小学校や幼稚園の責任を厳しく問うているけど、どんなに大きな地震があったとしても、あの津波が予想できたと断言するのは厳しいような気がする
裁判所から「津波を予想できただろう?」なんて断言されると、「そんな理不尽な」と思ってしまう。あの地震と津波は、あくまでも誰も予想できなかった自然災害であり、誰かに賠償責任を負わすことができるような事象ではない、と思う。

そして、誰がどう考えても、あの巨大津波は予想できなかったのに、原子力反対派のアホどもは、想定が甘かっただとか東京電力の対応が悪かっただとか、今だにギャアギャア喚き立てている。
でも、しつこいようだが、誰も想定できなかった津波だったからこそ2万人近い人が亡くなったのだ。2万人近い人が亡くなった事について、小学生や幼稚園児の遺族のように誰かの責任を追及しているのは例外的であり、大半の人は自然の脅威を受け入れている。
それなのに、誰1人として亡くなっていない原子力発電所の事故の責任を東京電力に追及するのは、おかしいじゃないか。どう考えても国が全面的に対応すべきだ。国だって誰も予想できなかったから許可していた発電所だ。原子力開発は国策であり、国策に従って国の許可を得て建設した発電所が想定外の事故を起こした場合は、国が責任を取る必要があるのは当然の事だ
それなのに、キチガイ菅が首相だった民主党は、慌てふためき逃げ回り責任回避に奔走し全てを東京電力のせいにした。
日本にとっての悲劇は、数千年に一度の地震に見舞われた事ではなく、たまたまそういう時に限ってアホな民主党が政権の座についていたって事だ
なので、私は死ぬまで、いや死んでからも永遠に、民主党だけは絶対に許さない。

(2019.10.12)



〜おしまい〜





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