日経平均株価史上最高値に対する論調

〜 株価と経済実態は別物だ 〜



東京株式市場で日経平均株価がバブル期につけた史上最高値を更新した事について記事を書いた。
パッパラパーのマスコミは最近の異常な株高についてバカ騒ぎしているが、私は決して浮かれてはいない。
そもそも、バブルが弾けてピークの水準に回復するまでに34年2か月もかかったのだ。
あまりにも長かった、というのが率直な感想だ。ようやく34年前の水準に回復しただけであって、なんの成長も無い浮かれていられるような状況ではないのだ。

ところで、頭の悪いマスコミや評論家は、高騰する株高に対してバカ騒ぎする一方で、イチャモンをつける論調も多く、辟易している。
その最大のものが「今の株価は実体経済を反映していない」と言うものだ。なぜそんな事を言うのだろうか?なぜなら、彼らはアホだからだ。
株式投資をやっている人には当たり前の事だが、株価は実体経済を反映しない
株価と現在の実体経済は何の関係も無い、と言っても過言ではない

株価はあくまでも株主つまり投資家にとってどれくらい利益が出るかで決まるものだ。
実体経済が将来にわたってどんどん悪化しそうな局面になっても、株主にとって利益がどんどん出てくるような状況になれば株価は上がる。
だって株価は株式を買う人が売る人よりたくさんいれば上がるものだからだ。ものすごく単純な話だ。

国をあげて賃上げを進めて実体経済を良くしなければ株価は維持できない」なんて言うトンチンカンな評論家が多くて噴飯ものだが、本当にアホだと思う。
賃金が上がれば国内消費は増えるので、国内市場に特化した企業の業績は上向くだろう。
しかし、現在の日本の株価を牽引している企業にとっては、それほど関係は無い。海外でどんどん稼いでくれれば株価は高くなる

さらに「多くの庶民によって実感の湧かない株高だ」なんていうトンチンカンな論評をする評論家やマスコミが多い。
多くの庶民にとって株価なんて何の関係も無いんだから、実感なんて湧くはずがない
まったく無関係だ。当たり前だ。当たり前すぎて批判するのもアホらしくなる

なぜ多くの庶民にとって株価上昇が無関係なのかと言うと、多くの庶民が株式投資をしてないからだ。当たり前だ。
そして、これこそが日本社会の大きな問題だ。
日本国民の多くが「株式投資は怖い。堅実に銀行に預けておく方が良い」などと勘違いしている。そのため、株式や投資信託を保有する日本人の割合は小さい。

確かに株式投資はリスクがある。しかし、リスクの減らし方は科学的に確立されており、それに基づいて投資する限り、それほどリスクは無い。
一方で、銀行に預けておくのは極めてリスクが高い。なぜならインフレになって物価が上がれば、貨幣価値はどんどん下がっていくからだ。
銀行に預けておくのは決して安全ではなく、むしろ無謀で非常に危ない状態だ。

物価が上がると、どうなるか?
物の値段が上がるので、企業の売り上げも名目では増える。すると企業の利益も名目では増える。そうなると企業の配当も名目では増える。すると株価も名目では上がる。とても当たり前な仕組みだ。
するとインフレになっても株価は物価と共に上がるので、実質的には目減りしない
一方、物価が上がると貨幣価値は下がるので、銀行に預けておいたお金の価値は下がる。どう考えても、お金を銀行に預けておくより株式投資をしておいた方が安全だ。

頭の悪いマスコミや評論家は「個人の生活は物価高に晒されている一方で、株価は大幅に上昇しており、生活実感との間に大きなずれが生じている」なんて言ってるが、当たり前の話だ。
世界的に進む物価上昇が日本でも継続していくだろう事を考えると、物価上昇と共に今後も株価は上昇していくと素直に考えた方が良い。
この34年間の株価水準に慣れてしまって思考停止している人にとっては、今の株価は異常に高いと感じるかもしれないが、そんな事は決してないので、今から株式投資を始めても全然遅くない。

(2024.2.23)



〜おしまい〜





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