中山大臣の失言

〜 当たり前の事を言っただけだけど 〜



麻生新内閣の中山国土交通相失言が大問題になっている。大臣になってすぐの記者懇談会で、いきなり3連発だった。

@成田空港反対はごね得
「成田空港建設への反対闘争は、ごね得というか、戦後教育が悪かったと思う。公のためにはある程度自分を犠牲にしてでもというのがなくて、自分さえよければという風潮の中で、なかなか空港拡張ができなかったのは大変残念」

A日本は単一民族
「外国人観光客の誘致策に関連しては、日本は随分内向きな、単一民族といいますか、あんまり世界と交流がないので内向きになりがち」

B日教組が強いと学力が低い

「大分県の教育委員会の体たらくなんて日教組が原因ですよ。日教組の子供なんて成績が悪くても先生になるのですよ。だから大分県の学力は低いんだよ。日教組の強いところは学力が低いのではないかと思ったから。現にそうだ」

これらの失言に対し、野党や、野党の手先となって大衆を煽るマスコミどもは、鬼の首でもとったようなバカ騒ぎをしているが、加えて、成田発言に対しては千葉県や成田市や関係団体からも批判が殺到し、単一民族発言に対してはアイヌ団体が抗議し、日教組発言に対しては当然ながら日教組が猛反発している。そら、そうや。

しかし、冷静に見てみると、どれも大多数の国民が思っている事を素直に述べただけだ。
誰がどう見ても、成田空港の反対闘争は、他に戦う場所が無くなった過激派が農民をそそのかして反対を続けたものであり、僅か数戸の農家のために国益すら左右するような国家事業がガタガタになったのだ。ま、考えようによっては、成田が中途半端になったため関西空港が出来たんだから、関西空港に近い我々としては悪くはないのだけど。
それから日本が単一民族ってのは、日本国民の99%が思っているだろう。だって、身の回りにアイヌの人なんていないんだから。厳密に言えば単一民族でないかもしれないけど、文脈からすれば、そんな事はどうでもいい事だ。日本が単一民族かどうかを議論しているのではなくて、日本人は他民族に慣れてないから内向きだと言ってるだけだ。あほくさ。
さらに日教組批判については、日教組が嫌いな多くの国民にとっては、その通りだ。大分県の問題だって、人事は日教組が動かしているし、日本の教育の諸悪の根元が日教組だって事は周知の事実だ。もちろん、本当に日教組の組織率と学力レベルに相関関係があるのかどうかは知らない。でも、ここではそんな事を厳密に議論しているのではなく、日教組なんて嫌いだ、って言ってるだけだ。
以上、どれも1億3千万の国民の大半が普段から思っている事を素直に言っただけだ。

(石材店)「すると幹事長は中山大臣の肩を持つ、と」
(幹事長)「いえいえ、私はあんなアホを擁護する気はありません」


中山大臣が言ってる事は正しい。でも、だからと言って、それを大っぴらに口にしていいかどうかは、全く別問題だ。ブスに向かってブスって言ったら怒られるだろう。黒人に向かって「やーいやーい、黒人!」なんて言ったら殺されます。本当の事、正しい事を正直に言えば良いってものではない。まして政治家なら、なおさらだ。上の3つの失言は、それを批判している民主党も含め、ほとんど全ての政治家が心の中では思っていることだが、それを言うたら問題になるっていうくらいは、わきまえて欲しい。その意味で、事故米に混入したメタミドホスは低濃度で影響はない、って言って問題になった太田農相と同じレベルの、アホだ。政治家ってのは、その辺で酒飲みながらグチャグチャ言ってるおっさんとは違うんだから、自分の発言の影響ってのを考えて発言して欲しい。

(石材店)「すると幹事長は中山大臣は辞めるべき、と」
(幹事長)「ふっふっふ。それは複雑な問題だわな」


中山大臣に対しては、野党だけでなく与党内からも批判が噴出し、更迭論が強まっている。これは近々予想される総選挙への悪影響を考えてだ。ただでさえ小泉元首相が引退して構造改革の旗印が消えたのに、おまけにこんな失言大臣が出てくるようでは、自民党は一気に古い政党に戻ったイメージとなる。今、選挙をやったら、民主党が勝つ可能性が高くなる。

(石材店)「幹事長は最近の民主党に批判的じゃなかったですか?」
(幹事長)「究極の選択で、麻生よりはマシ」


(2008.9.27)



〜おしまい〜





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