クロマグロ禁輸措置

〜 意図的な悪意を感じる 〜



ワシントン条約締約国会議で、大西洋クロマグロが「絶滅の恐れがある野生動物」に指定され、輸出入が禁止される可能性が高まっている

ワシントン条約は野生の動植物を守る重要な条約だが、トラやライオンなんかと違って市場に流通する食用の魚が禁輸対象になるのは初めてのケースだ。野生生物を守ると言いながら、禁輸対象には天然のマグロだけでなく、養殖マグロも含まれる。これは養殖に使われる稚魚の乱獲につながるとされるためだ。

確かに、マグロの資源量は激減しているらしい。これまでも漁獲枠を定めるなどして対応してきたのだが、1970年に25万匹いたとされる大西洋クロマグロの親魚は、近年は10万匹まで減少したと推定され、「漁業管理だけでは絶滅を防げない」との批判が拡大している。ヨーロッパ人の魚の捕り方が乱暴すぎるんじゃないかって思うけど、その大半を買っているのは日本人であり、高い金で買ってくれるとなれば、なんぼでも捕りたくなるのが人情ではあるわな。自分たちが食べるものなら、もうちょっと大切に扱うかもしれないけど。そもそも、日本人が買い始めたからヨーロッパ人もマグロを捕り始めたのだから、禁輸してしまえば捕らなくなるだろうな。自分たちは、そんなに食べないんだから。

(石材店)「ご意見は?」
(幹事長)「ま、仕方ないかもなあ」
(石材店)「おやあ?鯨の時と違って、えらくあっさりしてますねえ」


マグロと鯨は違う。マグロと鯨とでは、次元が全然違う。日本人として、いや人間として、鯨は絶対に食べ続けなければならない。鯨を食べないなんて日本人じゃない。鯨は日本人の魂の故郷なのだ。そもそも、マグロは魚だけど、鯨は哺乳類だ。一緒にしてくれるな、と鯨も言っている。マグロも魚としては大きいけど、鯨の巨大さにはゾウも勝てない。それほど鯨は素晴らしいのだ。捕鯨に反対する野蛮な奴らは死刑にしたっていいし、捕鯨反対国には核兵器をぶち込むべきだ

(石材店)「意味不明ですが、要するに、単に個人の好みの問題?」
(幹事長)「ま、そゆことです」


僕らが子供の頃は日本全体が貧しくて、鯨は貴重なタンパク源だった。肉と言えば、鯨くらいしかなかった。一方、マグロは魚だから、昔からあったんだろうけど、あんまり口にした記憶はない。昔から高級魚だったのかなあ。そういう訳で、鯨には信仰に近い想いがあるが、マグロには執着しない。

(石材店)「じゃ、禁輸になっても、いいと?」
(幹事長)「ただ、そんなに簡単な問題でもないようだよ」


鯨の資源量が減少しているなんてのは、独善的で自分勝手な欧米人がデッチ上げた大嘘だけど、マグロが激減しているのは事実らしい。だから、禁輸措置も仕方ないかなあ、なんて思ったりもするけど、しかーし、そもそも、大西洋・地中海産クロマグロの国際取引禁止を求めているのがモナコだってのが腑に落ちない。なんでモナコなんだ?そもそもモナコって、そなな提案ができるほどの、まともな国か?違うだろ?一応、国のフリをしているけど、バチカンとかと一緒で、実態は国じゃないだろ?コソボとかオセチアの方が、まだ国らしいぞ。そななモナコが、一体なぜマグロの禁輸なんて言い出したんだ?絶対に何か裏があるはずだ。どこかの回し者に違いない。どういう理由か知らないが、捕鯨禁止の動きと連動したりしてないか?日本叩きの様相を呈してないか?

モナコの提案に対し、ヨーロッパはほとんどの国が賛成だし、ヨーロッパの影響が強いアフリカ諸国も賛成の雰囲気だ。さらに、ヨーロッパやアフリカにとどまらず、世界の大半の国が賛成しそうだ。そもそも、マグロなんて日本人以外には、そんなに食べてる訳じゃないから、どっちでもいいってのが本音だろう。なので、野生動物の保護なんていう大義名分を振りかざされれば、反対はしにくいだろう。捕鯨反対と全く同じ構図だ。

当然ながら、現在の漁獲枠の8割を輸入している日本は強く反対しており、ワシントン条約締約国会議で採択された場合は、留保することにより、禁止義務の受け入れを拒否する方針だ。留保すれば、日本の漁船がクロマグロを獲って日本へ持ち帰ることができるし、他の留保国からの輸入も可能となる。それに、現時点で、国内には数万トンの冷凍在庫があるらしく、ある日突然、いきなり無くなる訳ではなさそうだ。

ただ、しかし、今回の動きがマグロに止まる保証は無い。日本が消費する魚介類の半分は輸入に頼っており、規制対象が広がると、かなり危機的な状況になる。今回のマグロ禁輸は、取りあえず大西洋産が対象だけど、流れから行けば、当然、太平洋やインド洋産にも広がっていくだろう。また、マグロに止まらず、減少が懸念されている他の魚にまで規制が広がるのも時間の問題だろう。やはり、これは、日本を地獄に突き落とそうとする、巨大な悪意の渦を感じないわけにはいかないぞ。

(2010.3.4)



〜おしまい〜





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