アルジェリアで日本人拘束

〜 マリの紛争がアルジェリアにも飛び火 〜



北アフリカのアルジェリア東部で天然ガス関連施設がイスラム武装勢力に襲撃され日本人や欧米人が拘束された

(幹事長)「マリの紛争が予想外の陰湿な状況に発展してきたなあ」
(石材店)「だから言わんこっちゃないんですよ」


襲撃の際に、アルジェリア人1人とイギリス人1人が死亡したが、人質は今のところは無事のようだ。武装集団は人質を連れて建物に立て籠もっており、政府軍が包囲している。アルジェリア人の人質は解放されたが、外国人は拘束されたままだ。

今回の事件について、イスラム武装勢力が犯行を認める声明を出した。犯行声明を出したのは、国際テロ組織アルカイダの北アフリカ組織であるイスラム・マグレブのアルカイダから分派したイスラム聖戦士血盟団だ。この声明の中で、彼らは隣国マリのイスラム過激派に対するフランス軍の攻撃をやめるよう要求しており、攻撃が中止されなければ人質に危害を加えることを示唆している。アルジェリアで事件を起こした理由については、フランス軍機がアルジェリア領空を通過することを許可してフランスに協力しているためだ。また、アルジェリア政府に対しては、アルジェリアで拘束されているイスラム過激派100人の解放も要求している。
しかし、これは嘘だ。過激派の解放は嘘じゃないかもしれないけど、マリでのフランス軍の攻撃を止めさせる、なんてのは口実だ。100%嘘の大義名分だ。奴らの本当の目的は身代金だ。

このような要求に対し、アルジェリア政府は要求を拒否する姿勢を示している。これは当然だ。誰が誘拐された場合でも、テロ組織の要求に屈していては、その後の国際平和に大きな悪影響を及ぼす。日本では、こういう場合に、すぐに金で片を付けようとか、「人命の重さは地球より重い」なんて意味不明の情緒的意見が通って超法規的措置で何でも要求を飲んだりするけど、そんな事をすれば次々と同じような事件が起こり、結果的に事態は大いに悪化する。今回、テロを起こした組織も、これまで数多くの誘拐事件を起こして、得た身代金は100億円に上る。そして、そうやって金を稼いで、ますます大規模なテロを起こすのだ。なので、今回、アルジェリア政府が断固としてテロリストの要求を撥ね付けるのは当然だ。
テロリストの方も、まさか、こんな事をやってフランス軍のマリ侵攻を止めさせられるとは真面目に思ってはいないだろう。平和ボケした日本の社民党と違って、そこまでアホではないだろう。たぶん、自分らの存在を国際社会にアピールする事くらいが目的だろう。

とは言え、誘拐された当事者になってみれば、これは、余りに悲しい。今回、誘拐された日本人は、日本の国益のため、またアルジェリアの発展のために、自然環境の厳しい砂漠地帯でプラント建設に励んでいた人達だ。日本の経済発展を支えている人達だ。こういう人達を誘拐するなんて、余りにもひどすぎる。これだけ考えても、今回のテロ組織が、何の大義名分もない、単なる山賊だってことが分かる。こういう奴らを許してはならない。断じて野放しにしてはいけない。
ただ、現実を考えると、今回の事件の解決策は難しい。最後は特殊部隊が突入して何人かが犠牲になるっていう悲惨なパターンが予想される。そして、今後、アルジェリアを始めとして、アフリカ諸国でのビジネスは危険がつきまとうだろう。

(2013.1.17)



〜おしまい〜





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