従軍慰安婦記事捏造問題 その後

〜 朝日新聞の愚かな対応 〜



従軍慰安婦問題における朝日新聞虚偽捏造報道については、先日、批判記事を書いたが、その心は、朝日新聞の虚偽報道は徹底的に糾弾しなくてはならないが、その反動で、従軍慰安婦問題自体がないがしろになるのは食い止めなければならない、という事だった。従軍慰安婦だった人たちが全員、職業売春婦だった訳ではなく、朝鮮人の親玉に騙されたり、親に売られたりして、嫌々ながら従軍慰安婦にさせられて、とても辛い思いをした人々がいるのは多分、事実だろうから、いくら悪の根源の売国奴である朝日新聞の報道が虚偽だったからと言っても、「従軍慰安婦なんか金儲けのために行った職業的売春婦なんだから同情する必要は無い」なんてことになるのは気の毒すぎるので、間違ってはならないと思う。

ところで、朝日新聞の虚偽捏造報道事件は、おかしな方へ向かってしまった。
朝日新聞が過去の記事を虚偽だったとして取り消した事について、ジャーナリストの池上彰氏が、朝日新聞に連載しているコラムで批判的な内容を執筆したところ、朝日新聞が掲載拒否した。それに怒った池上氏は、もう朝日新聞にはコラムを書かないと通告し、そのゴタゴタが外部に漏れて大騒ぎになったのだ。

この騒ぎの前に、朝日新聞の虚偽捏造報道を批判する週刊誌の広告を朝日新聞が掲載拒否したってのが小さな騒ぎになった。ただ、週刊誌はある事ない事、めちゃめちゃ大げさに書きまくる破廉恥マスコミであり、広告の見出しは口に出して読むのも憚られるようなものが多いから、朝日新聞が掲載を拒否しても、「まあ、そういう事はよくあることだわな」で済んだ。
しかし、池上氏のコラムは、毎月掲載されている良識ある紙面批評だ。紙面批評だから、いつもいつも朝日新聞に都合の良い甘い言葉ばかり並んでいるわけではない。時に辛口のコメントも書かれている。もちろん、これまでの記事では、多少は辛口のコメントがあったとは言え、大した事はなかった。とてもマイルドなものだった。まあ、今回のコラムも、第三者的に読めば、全然、過激な内容ではない。とても冷静でまともな良識ある批評だ。すなわち、「朝日新聞は過去の記事を虚偽だったとして取り消したが、謝罪の言葉が無い」とか「虚偽だと分かったのは20年以上も前なのに、なぜ今になってようやく虚偽だと認めたのか」とか、あの訂正記事を読めば誰でも思う事だ。

それなのに、愚かな朝日新聞は、このコラムの掲載を拒否したのだ。「謝罪すべきだ」という点が引っかかったらしい。あれほどひどい虚偽捏造報道をしたのだから、常識では当然、謝罪があるべきだ。それなのに、ごめんなさいの一言も無かったことについて、誰だって大きな違和感を感じたはずだ。池上氏は、単にそれを指摘しただけだ。

朝日新聞としては、「これまで声高に叫んできた従軍慰安婦報道が虚偽だったと白状するだけでも恥ずかしいのに、それについて謝罪するなんて、とてもできない」って事らしいが、そういうもんだろうか。虚偽だったと白状したんだから、一緒に謝罪する方が自然であり、謝罪せずに何だかんだと言い訳する方が、かえって不自然で引っかかるのに。

このゴタゴタも内部でもみ消せれば良かったのだろうが、外部に漏れて「言論封殺だ」という批判が強まった報道機関として、これは致命的になりかねないので、慌てて一転、掲載されることになった

都合の悪い情報ってのは、外部に漏れるものだ。情報化が進んだ近年では、いつかは絶対に漏れると覚悟しておいた方がいい。内部通報者は山ほどいるのだ。そして、どんな事であっても、隠していたのが後から漏れると、最初から発表していたのに比べて、とんでもなく大事件になる。最初から素直に発表して謝っていれば何でもなかったことが、隠して後からバレると、たいていは社長の辞任とかに発展する。そして、普通は、隠していた事について、正義の味方のような面をして声高に追求するのがマスコミだ。それなのに、そのマスコミ自信が自分に都合の悪い事を隠蔽しようとしたんだから、もう自分の首を絞めるアホだ。あれだけ色んな企業を徹底的に責め続けてきたくせに、自分が同じような愚かな行為をするとは、もう呆れてものも言えない

しかも、素直に池上氏のコラムを掲載すればいいのに、まだ懲りずに、言い訳を一緒に載せている
その言い訳とは、「慰安婦問題特集を掲載して以来、批判が寄せられ、関係者への人権侵害や脅迫的な行為、営業妨害的な行為などが続いていました。こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまいました」なんて作文だ。
つまり、批判されるのが嫌だったから載せなかったのではなく、自社に対する攻撃が激化するのを避けたかった、なんてアホみたいな言い訳をしているのだ。

何度も言うけど、悪い情報は、隠せるものであれば徹底的に隠し通せばいいのだけど、いつかバレるものなら先に自分から言った方がはるかに被害は少なくて済む。そして、謝る時は、ゴチャゴチャ言い訳せず、ひたすら謝るべきだ。その方が風当たりは少なくて済むのだ。しばらくすればほとぼりが冷めるんだから、その場は謝っておけばいいのだ。下手にゴチャゴチャ言い訳してると、ますます墓穴を掘るぞ。

(2014.9.6)



〜おしまい〜





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