西洋美術館が世界文化遺産へ

〜 乱発し過ぎ 〜



東京上野の西洋美術館世界文化遺産になるらしい。
最初、聞いたとき、西洋美術館に収蔵されている作品群が指定されるのかと思ったが、そうじゃなくて、フランス人建築家ル・コルビュジエの建築作品の一つとして、日本、フランス、ドイツ、スイス、ベルギー、アルゼンチン、インドの7ヵ国に散らばる17件の建築作品が共同で世界文化遺産に登録確実となったのだ。

構成資産が新たなコンセプトを革新的な形で示し、世界に近代建築運動を広めた」と普遍的価値を認められたとのことだが、フランス人建築家ル・コルビュジエと言われても、何のことやらさっぱり分からないし、西洋美術館には何度か行ったこともあるが、何の特徴も無い普通の建物なので、全く意味が理解できない。そんなに価値があるんだろうか?

これで世界自然遺産も含めた世界遺産は日本国内で20件目になるが、最近の世界遺産は乱発し過ぎじゃないかと思う。日本で新たに世界遺産が指定されるってことは目出度いことだが、ちょうど1年前に指定された明治日本の産業革命遺産と同じく、今回の世界遺産指定も違和感が拭えない

ヨーロッパを始めとして世界中に点在する既存の世界遺産は、歴史的建造物が大半であり、1000件近くも存在するけど、どれ1つとして文句の付けようのない素晴らしいものだ。日本の既存の世界遺産だって、京都や奈良のお寺や姫路城など、素晴らしい建造物が多い。白川郷の合掌造りや厳島神社、日光東照宮、首里城跡なんかも、なかなかのものだ。
ただ、石見銀山遺跡あたりから少し怪しくなってきた。文化的、歴史的価値はどれくらいのものがよく分からないが、訪れてみて「うわあ、すごいなあ」っていう感動が乏しいことは間違いない。一昨年指定された富岡製糸場に至っては、もう「なんのこっちゃ」って感じだった。世界各地にある素晴らしい世界遺産と比べて、ガッカリ感は底知れない。昨年指定された明治日本の産業革命遺産も、長崎の軍艦島は確かにトンでもなく凄いと思うが、その他の施設は違和感爆発だ。三菱長崎造船所の大型クレーンや八幡製鉄所の修繕工場なんか、現在も現役で稼働中の施設だ。

そして今回の指定は、どう見ても何の変哲もないただのコンクリートの建物だ。あれが世界遺産になるのなら耐震問題で閉館となった香川県立体育館の方が見応えがある。て言うか、四国八十八ヵ所巡礼の方が、はるかに世界遺産に相応しい。文化的な価値もはるかに大きいし、実際の建造物もはるかに文化的で素晴らしいものだ。

(幹事長)「しつこいけど、ついでに讃岐うどん888ヵ所巡りも世界遺産に指定して欲しいな」
(石材店)「幹事長だって全部は回ってないでしょ?」


(2016.5.25)



〜おしまい〜





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