盗撮者を恐喝

〜 被害者も犯罪者 〜



女性を盗撮した男性を恐喝して現金を脅し取っていたグループが逮捕された

(幹事長)「いやあ面白い。実に面白い」
(石材店)「この手の話が好きですねえ」


彼らは警察の捜査員から劇団型盗撮ブラックハンターと呼ばれる恐喝グループで、直接の容疑は東京都江東区で、女性の下半身を盗撮した男性に「俺の彼女を盗撮してんだろ」なんて言って現金100万円を脅し取ったというものだが、これまでにも、盗撮された女性の家族や交際相手を装って恐喝を繰り返し、合わせて約3000万円も脅し取っているらしい。
彼らは「全く身に覚えがない」なんて容疑を否認しているとのことだが、容疑者の携帯電話から、男性がホーム上で女性を盗撮する様子を撮影した動画や、示談書を持って謝罪する男性の動画などがたくさん見つかってて、同じ手口で恐喝を繰り返していたらしい。ただ、被害者も犯罪を行っていた連中なので、決して自ら被害を名乗り出ようとはしないから、どこまで立証できるかは分からない。

なぜ「劇団型」と呼ばれているかと言えば、最近、流行っているオレオレ詐欺と同じように、みんなで配役を決めて芝居を打つからだ。まず彼らは仲間内で通行人や被害女性の兄など役割分担を決めたうえで、彼氏役を演じた男が盗撮者に「俺の彼女を盗撮していただろ。警察に突き出すぞ」なんて話しかけ、次に兄を演じるメンバーが「早く示談金を払え」なんて言い、さらに示談を仲介すると言って現れた他のメンバーが「盗撮の示談金の相場は50万円から100万円みたいだ。女性2人を盗撮したんだから150万円でいいんじゃないか」なーんて持ちかけるという手口だ。

犯罪を犯した者を恐喝するという手口自体は珍しくもなんともないが、単に脅すだけでなく、グループで配役を決めて芝居を打つっていう手口は少し目新しい。
だが、それより何より、この手口で何十人もを恐喝して何千万円もの金を脅し取っていたっていう規模に驚いた。そんなに盗撮って流行っているのか!?一般的なのか?そして、盗撮者を恐喝すると100万円なんて大金を脅し取る事ができるのか!?それが相場なのか?ちょっと驚きと言うか、信じられない世界だ。

そもそも盗撮者自体が犯罪者だ。もちろん、警察は恐喝の被害者となった盗撮者も取り調べるらしいが、こいつらも何の同情の余地も無い。
その意味で、2年前に書いた「野外放尿盗撮」の事件を思い出す。この事件は、今回の事件とは全く異なり、野外で放尿するという軽犯罪を犯した女性を取り囲んで撮影するという画期的な事件だった。堂々と撮影しているから、そもそも盗撮には当たらないのではないかという疑問もあった特殊な事件だ。だが、その事件も今回の事件も、犯罪者に対して犯罪を働くという点が似ている。被害者が犯罪者だ。なので、あまり同情できないというか、そういう犯罪を撲滅するためには、こういう行為も許容できるのではないか、とすら思えたしまう事件だ。

(2018.7.16)



〜おしまい〜





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