Step by step

第1回 YELL!

このコーナーでは今後プロとして活動していこうと思っているバサーのために、トーナメントとはどういうものか?どうすればプロになれるのか?という問題を、NBC・JBという団体において私の経験を交えながら独断と偏見で不定期にアップしていこうと思っています。特に私自身と同じような、お金はないが情熱を持つ貧乏バサーを応援していこうと考えています。

私がプロになろうと思った訳

ある日のこと、私が尊敬してやまないバスプロの一人、今江克隆氏が著書のなかで「お金の無い者にバスプロやる資格はない」と言っていた。なんと!そ・・そんなぁ・・・  崩れかけそうになる気持ちをグッとこらえ、簡潔な言葉の裏に隠された真意を読み取ってみた。

 なぜなら..)プロとなるためには登録費のほかに船検費用・トーナメント費用(予約金・保険料・遊魚料を含む)だけでなく、会場までの交通費・宿泊費・駐車場代・マリーナ使用料など最低限必要なお金がけっこうかかるから。

 なぜなら..)生活していく源の『お金』だが、ケチっているようではダメ!それを出来る限りそそぎ込めるだけの覚悟・意識がなければ中途半端に終る。結果、プロとしてやっていけなくなるのは必至だから。

 なぜなら..)ボート・タックル・ルアーはもちろんラインやウェアの素材に至るまで、自分に合ったものを選び使用しなくてはいけない。すべてのマッチングとトータルバランスがかみ合った準備を整えてはじめて釣りに専念できるが、それは決して安いものではないから。

真剣に考えてこれだけの答えが出た。言わんとしている事は充分理解できるし当然だと思ったが、すべてを納得できるかといえばそうではなかった。なぜならについては仕方ないものだが、については理想論だから・・・ 理想がすべて叶うなら、人間は銀河旅行もできればタイムマシンだって作れるはず、でもそううまくいかないのが現実ですよ。もちろんバスプロの世界においても同じ事。だからトッププロの皆さんもスポンサーのお世話になっているのであり、市販品で満足できなかったり商才のある人は(まず自分に合った)商品開発を手掛けている。もちろん今江氏も同じこと、たくさんのスポンサーに支援してもらいながらバスプロ生活を続けているじゃないか。その手前、プロになるというのがどれだけ厳しいものか理解させるだけならまだしも、頂点に立った人間がバスフィッシングにおいてあきらかに自分より格下と考えられる読者(私)に対して断言するなんて・・・ 確かにそれはとても経済的に裕福とはいえない私には痛すぎる一言でしたが、逆にそれがきっかけで私の魂には火がついてしまった。「やってやる、絶対プロに成ってやるぜ今江さん。どこまでも登りつめてやる。オイラがアンタに追いつく時まで絶対トップに君臨し続けといてくれよ!」などと、まるでスポ根マンガの主人公状態(^_^;) その日から私の戦いが始まったのです。

本格的にプロを目指すようになると、今江氏のバス釣りに対する純粋な姿勢と激しい情熱がもっともっとよくわかりはじめ、あらためて凄い人だなぁとますます尊敬してきました。もちろん今でもその存在であるのは言わずもがな。しかしやはり先に述べた一言だけいつまでも心に引っかかっているのも事実です。ようやっとプロ昇格したばかりの私の意見など、誰しもの憧れである今江氏に比べられるはずもなく、吹けば飛ぶゴミのように説得力の無いものかもしれません。が、私はここに提言します。

お金がなくてもプロに成れる!

もちろん決して易しいはずありません。経済力豊かな人と比べると、スタート時の段階で随分と遅れをとっているのは事実ですから。しかしこれだけははっきりしています、どんなにお金をつんだからといってバスが釣れてくれる事は無いのです。もし皆さんにプロになりたいという意思があるなら、是非ともチャレンジする事をおすすめします。最低限必要な費用は3ナンバーのスポーツカーを所有し維持していくぐらいのものです。

さあ、ブラックバスBOXでプロを目指しましょう!

最高峰ワールドプロ(初代)

1999.1.13

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