Step by step

第5回 PRACTICE

トーナメントで良い成績を収めたいなら、プラクティス(プラ)を欠かすことはできません。しかしそもそも、プラクティスとは何でしょう?『トーナメントのリハーサル...』『釣れるポイントとリグを見つける事...』等いろいろ思い浮かぶことでしょう。でもそれだけではありません。正解は『トーナメント本戦という限定されたもののなかで、より大きなバスを獲るための試行錯誤』だと私は考えています。プラ無しにトーナメントで勝利を得ることは、よほどのラッキー(まぐれ当たり、とも言う)でも起きない限り、可能性はゼロに近いと断言できます。今回は、それほどまでに大切なプラクティスについてのステップです。

プラクティスには2種類あります。

<プリプラクティス>

おもに本戦一週間前までの期間に行なわれる。基本的に制限は無い。

<公式プラ>

本戦前日に行なわれる。終了時間等の制限がある。

1DAY(日曜日)トーナメントの場合

・・・金  

月 火 水 木 金

プリプラクティス

 

プラ禁止期間

 

公式プラ

 

トーナメント

 

ではそれぞれのプラに関して、いかに臨むべきなのか...私の場合を例にして述べていきましょう。まず プリプラクティス ですが、一週間以上も前に行なうものなので、本戦を予想してのパターンなどそうそう確立できません。当HP内のField reportコーナー記事にも「〇〇戦のプラも兼ねて**湖へ遊びに行った」とあるように、比較的遊びの要素を取り入れての釣行だという気構えでいればいいと思います。友人とミニ釣り対決をするもよし、恋人とボート上でのんびりランチをきめこむもよし、自由意思で楽しみましょう。公式ルールのうえではプラクティスでのライブウェル使用は違反になりますが、あくまでもメイン釣行がプライベートなお楽しみの場合に限っては、ペナルティーを科せられることはまず無いでしょう。

ただしひとつだけ覚えていてください。プリプラにおいて最も重要(必ず行なうべき)なのは、マイナス要因をすべて取り除いておくことです。

◆駐車場所(宿やコンビニなども...)の確認

◆ボート出挺場所(マリーナ・スロープ等)の確認

◆受付・ミーティング集合場所(トイレなども...)の確認

◆トーナメントエリア(禁止エリア)の確認

◆浅瀬や危険場所等の確認

◆ボート類機関チェックおよび必要備品の確認

少なくとも、上記項目について完全に把握していなければ、トーナメントに参加することすら不安です。プロを目指しているのですから、安全に規律正しく参戦できる最低限の準備はしておきましょう。そのうえで・・・

◆季節(湖面状態)のチェック

◆ベイトフィッシュ・ウィードエリア等のチェック

◆実釣によるバスの反応チェック

◆数パターンのポイント設定(山立て・GPS記録)

◆数パターンのタックル設定

を行なっておきましょう。さぁここまで出来れば、現時点である程度どこ(ポイント)でどのように(リグ)すればバスが釣れるのか把握しているはずです。つまりマイナス面をすべて解決しプラス面をいくつかストックしている状態で終了してこそ、理想的なプリプラであるといえます。

それから約一週間弱 プラクティス禁止期間 があります。実際にフィールドで釣りをするのはもとより、ボートを出しているだけでも「ベイトフィッシュや地形を見つけている」可能性を指摘されますので、しばらくは我慢です。しかし考えようによっては他選手を出し抜く期間であることも確かです。なにもせずじっと待っているだけでは、自慢の勘も冴えません。プライベート釣行者から釣果を聞き出したり、気象データを参考にシーズナルパターンの移行を想定したり...収集すべき情報はたくさんあるのです。もちろんそれをどう活かすかは自分次第です。(2000年度から制定されたルールに「本戦前一週間に撮影された水中の様子(ビデオ等)を見てはいけない」というのがあります、ご注意ください)

大会前日になればここ一番の 公式プラ です。日の出から午後4時まで、制限された時間内に何をするべきでしょう?それはすでに判っているはずです。やみくもに走り回ったり無駄なキャストを繰り返す連中を横目に、プリプラでおさえていたポイントでバスの反応を確かめましょう。ここで注意したいのは釣りすぎないことです。ごく一部の例外(急激な天候・プレッシャー・水位の変化など)を除いて、プラで釣れたポイントが本戦で釣れなくなることはあってもプラで釣れなかったポイントが本戦で爆釣することは無いのです。とは言うものの...実際にたくさん釣らないと自分の戦略が正しかったのか不安になるのは誰しもです、私だってそうです。でもそれを払拭するために丹念なプリプラと作戦を練ってきたのではありませんか、大きな自信を持っていきましょう!良さそうなバイトさえ感じられれば釣果はむしろ必要ありません、各ポイントごとに午前中一匹午後一匹のバス君に挨拶して、それ以上ポイントを荒らすのは控えておくことが大事です。つまり行なうべきことは以下の事項だけです。

◆実釣による最終判断

◆ポイント(エリア)の絞り込み

◆リグ(タックル)の絞り込み

さあこれで本戦の攻め方(朝一にどこで何をして、次にどこで何をするか...)が決まりました。あとは全て自分を信じて、翌日の本戦では持てるテクニックを存分に発揮して、勝利に向かって戦いあるのみ!健闘をお祈りします。

1999.12.8

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