運輸大臣追悼の辞

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運輸大臣 二 階 俊 博
 本日、ここに天皇皇后両陛下のご臨席を賜り、また御遺族並びに関係各界代表者のご参列を得て、第三十回戦没殉職船員追悼式が執り行われるに当たり、謹んで六万二千余柱の御霊に追悼の辞を捧げます。
 皆様方は、ありし日、我が国の経済及び国民生活を支える上で大変重要な役割を担っている海運業あるいは水産業に奉職し、その不断の御労苦により、我が国の発展に多大なる貢献をされてこられました。
 しかしながら、不幸にして戦禍や海難あるいは労働災害に遭われて、その職務に殉じられました。
 ここに、その尊い殉職に対し、衷心より哀悼の意を表するものであります。
 皆様方の御霊をお慰めし、海洋の永遠の平和と安全を祈念するこの式典が、第三十回という節目を迎えることとなりました本日、天皇皇后両陛下のご臨席のもとに、御遺族の方々、僚友並びに海運・水産関係者が一堂に集い、皆様方のありし日の姿を追慕いたしますとき、あらためて哀惜の情が胸にあふれてまいります。
 二十一世紀を目前に控えた今日、人類の恒久平和を願い、海洋の平和と安全を守る決意を新たにすることこそ、皆様方の殉職に応える途であると、ここに深く誓うものであります。
 最後に謹みまして、皆様方のご冥福をお祈りするとともに、我が国の海運・水産業に従事する船員の方々の御安航を心から祈念し、追悼の言葉といたします。

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