ストレスU
 
【 ストレスが原因で起こりやすい病気 について】

神経性胃炎
  ストレスが原因となって中枢性の神経性因子、さらには自律神経系の失調が胃粘膜内小循環を障害し、粘膜を貧血状態にした結果、神経性胃炎が発生すると考えられています。
イライラや精神的な緊張が続くと、胃が痛んだり、ムカムカが多くなることがありますい。もともと胃の働きが悪い人に起こりやすい症状ですが、胃が丈夫な人でも、仕事が忙しくて食事が不規則、タバコを吸って夜中まで酒を飲んでいる、そして寝不足な人は注意が必要です。
 
胃・十二指腸潰瘍
 胃や十二指腸はデリケートな臓器です。そのため、肉体的、精神的ストレスや、薬剤などによって、胃の粘膜の血液循環が悪くなり、粘液・粘膜の働きが低下し潰瘍を引き起こすことがあります。
 また、胃の粘液の中に生息しているヘリコバクター・ピロリという細菌がつくり出すさまざまな物質によって、粘膜が刺激を受け炎症を起こし胃潰瘍の発症の下地を作っています。
 一方、十二指腸潰瘍は、ストレスなどで胃酸やペプシンなどの消化液の働きの過剰が原因で起こる場合が多いため、若い人に多く見られます。
原因の40〜60%が、精神的な要因に関係しているといわれており、受験生・管理職・締め切に追われる新聞記者などによく見られます。絶えず緊張して周囲に気を使いながら、一生懸命に仕事一途な仕事人間は要注意です。
 
過敏性大腸炎
  長期にわたって下痢と便秘を繰り返し、腹痛が続くなどの症状があります。朝、会社や学校に行く時間になると、腹痛が起きたり、試験や面接の前に急に便意を催す、というのもこの症状のひとつです。
 
自律神経失調症
 自律神経は呼吸・心拍・体温調整・発汗・血流などを無意識的に調整している神経です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、この二つのコンビネーションが 上手くいっている時は何も感じませんが、バランスが崩れると体に異常が起こります。
自律神経を検査しても異常は認められないのに、めまい・立ちくらみ・激しい動悸や胸痛・のぼせ・冷えなど、原因がわからない症状が続きます。
 
虚血性心臓病
  次のような症状を自覚した場合は必ず病院等で診断を受けるようにしなければなりません。
こんな症状はありませんか
次のような時に胸が痛くなつたり、苦しくなったりしませんか。
●急いで歩いたり、階段を昇る時 ●早朝、決まった時間
●緊張したり、車の運転をしている時 ●季節の変わり目
●冷房のきいた建物に入った時や、冷たい空気に急に触れたとき
●食事中または食後 ●性行為の最中

その痛みはどのようなものでしたか。
●患がつまったような ●胸全体がしめつけられるような
●胸が張りさけるような ●焼けつ<ような
●死ぬのではないかと思うような
●1〜10分間続いたが、うすくまってじっとしているとおさまった
●胸から左腕の内側に痛みが広がる ●痛み、苦しさとともに脈が飛ぶ
●くびやあご、歯の痛みも感じる ●痛みとともに嘔吐したり、便意をもよおす

  健康な心臓は1分間に約60-100回(一日10万回前後)動いて、全身に血液を送るポンプの役目をしています。急性心筋梗塞症になると、発症直後に致死的な不整脈がみられ、瞬間死や突然死に至ることが多くみられます。
不整脈になると、心臓は規則正しい拍動でなく、さざ波のような動きになり、全身に血液が全く送られず死にいたります。
  虚血性心臓病は心臓を取り巻く冠状動脈(ストレスの影響を受けやすい)に、動脈硬化などの病気が起こると、心臓の筋肉に循環している血流が減少したり途絶えたりすることによって起こります。狭心症、心筋梗塞などがこれにあたります。最近は、働き盛りの30代40代にも心筋梗塞が増えているという。几帳面で仕事熱心な人ほど、注意が必要です。つまり、ストレスを受けやすいタイプの人はは要注意。
 
心臓神経症
 近所に心臓疾患で急死した人がいたり、心臓病の症状に詳しかったり、健康診断などで心電図に関して再検査になったり、といった条件が重なる場合があると、心臓病でいつか死ぬのではと思ったり、人によっては自分が心臓疾患だと無意識に思い込み、動悸・息切れや胸の痛みなどの発作を起こしてしまうことがあります。
心臓そのものには異常がないにもかかわらず、心臓に関連した症状を訴えるこのような症状を、心臓神経症といいます。
 心臓は大切な臓器ですから、僅かなことでも心配になります。その不安が幾つかの条件で増幅された結果、このような症状が起きてくるのです。
 虚血性心臓病のような症状があるのに、心臓そのものは健康で異常が見られない、という場合。「自分は心臓病では」という不安感から起こったり、「病気になればつらい仕事からも逃げられる」といった具合に、無意識のうちに病気によって現実逃避しようとしているケースもあります。
 
円形脱毛症
  自覚症状など何も無く、ある日突然、頭にコイン大のハゲができます。
円形の脱毛巣がひとつだけできるものから、頭髪全体が抜けるもの、さらに眉毛、まつ毛、陰毛や体毛など、ほぼ全身の毛が抜けるまであります。円形脱毛症にはストレスが大きく関係しています。
脱毛巣周囲の毛を軽く引っ張ってみて、数本の毛が抜ける間は進行中です。脱毛巣の皮膚は、周囲よりへこんだ状態になっていて、しばしば軽い発赤を伴います。進行が止まれば、多くの場合は数カ月後に軟らかい毛がはえてきて、その後硬い毛がよみがえります。
ほとんどは、放置していても自然治癒するといわれていますが、円形脱毛症になりやすい体質の人もあり、そういう人はしばしば再発を繰り返します。治癒後5年以内に、約40%が再発するといわれています。
また、頭髪のみでなく、全身の毛が抜ける汎発性脱毛症では、予後が悪いことが多いようです。最近では、小学生の子供がかかるケースが増えているそうです。

ノイローゼ
  漠然とした危機感や死を予想して、急に動悸・冷や汗・ふるえなどの症状が起こる 「不安神経症」、悩みや葛藤があったとき、欲求や願いが満たされない時に無意識に病気に逃げ込んでしまう「ヒステリー」、生き生きした人間らしい感情がわいてこない「難人症」などがある。
 
そううつ病
  楽観的・攻撃的な「そう」状態と、そのまったく逆の「うつ」状態という2つの波が反復して押し寄せる病気。
 
精神分裂病
  幻覚・妄想があったり、突然暴れ出したと思うと一点を見つめて動かなくなったりする。ここまでくると、精神科などでの専門的な治療が必要だ。

人生はストレスの積み重ねである

【ストレス】という言葉をもう一度考えて欲しい。ストレスの原因となるもの(ストレッサー)は、目を覚ました瞬間から襲い掛って来ます。

天気予報は晴天だと言っていたのに曇天の雨模様だ。傘は職場へ置き忘れている。朝食もそこそこに車を運転して職場へ向かうが生憎の渋滞だ。今日は朝から会議の予定が入っているのに時間ばかりが経過している。ようやく職場へ着く頃になって大粒の雨が降り始めた。雨を避けながら玄関先でタイムカードを押す。
受付嬢は相変わらず愛想が悪い。八階までのエレベーターは込み合っている。スナックじゃないのに脂粉の臭いが漂っている。誰かが靴を踏んでいる。よろめきながら漸く自室の机に座ると一輪挿しに花がある。多分N子だろう。・・・・この間、約1時間半。どれだけのストレッサーに襲われたか考えてみてください。

天候・・彼は雨が苦手。会議の席上で新しい企画を説明する事になっている。出発点が晴天であって欲しかった。
忘れた傘・・まだ会社に残っているかなあ
朝食もそこそこに・・女房は昨日から実家に帰っているしなあ
交通渋滞・・会社で企画書に再度目を通したかったのになあ
大粒の雨が・・会社に着いてから降ればいいものを
受付嬢は相変わらず・・うちの会社もそろそろ若い子に代えれば良いのに
エレベーターは・・二階や三階の連中は階段を使えばいいのに(健康のためにも良いんだよ)
脂粉の臭いが・・薄化粧にしろってんだ酒場の女じゃあるまいし
靴を踏んで・・踏むなっ
一輪挿しに・・ホッとするなあ。N子には感謝するよ

約1時間半の間に少なくても10個のストレッサーに襲われている。

前に

続く