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                         タマのひとり言

2004年4月25日  

今回の【タマのひとりごと】は、4月21・22日の二日間に渡ってぶっつけ本番で掲示板に12Pの量として書いたものを、タマのひとりごと用に17Pに加筆と編集をしたものです。

テーマが「水」であるだけに、掲示板のように自然に流れてやがては消えていく場所に書くのもたまには良いのではないかと思って書きました。

しかし読者の方から、
「どうして保存できるページに書いて残さないのですか?」とか、
「これから鞍馬や貴船に行こうと思っている人たちのためにも、ひとつの参考として何時も開いて見られるように残して欲しいです…」、

等々のご意見が寄せられました。
そんなメールが多数寄せられている最中に、たまたま旅行に背負って行ったリュックの中から「鞍馬寺」の仁王門でいただいたパンフレットが出てきたのです。
そのパンフを見ていると、私が如何にあやふやな知識で書いていたかがよくわかるのです。

境内の各名称や由来についても、もっと詳細に書いてもよさそうな事がそのパンフには数多く書かれていました。
「ふぅ〜む、、、。これはやっぱり保存用として書かなきゃネ。
これが私の役目なのかもしれない…」
と言うことで、今回の【タマのひとりごと】を書くことになりました。

すでに掲示板でお読みいただいた方々も、できましたら今一度お読みになり、掲示板用に書いたものと、保存用に書いたものの違いなどを比べてみるのも面白いかもしれませんネ、、、。(微笑)

それでは、ゆっくりとお読みくださいませ。

2004・4・24

【京都のお水…!(鞍馬寺・貴船神社)】

【神の住む聖域へ…!】

18日のPH大阪講習会へ参加しようとラッキー前田さんと以前から打ち合わせをしていました。

実は、去年1年間は、私は体調を大きく崩し、また前田さんも家庭の事情等でなかなか会うことすらままならない日々がずっと続いていましたので、本当に今回の旅が久々の再開になれば良いと心から願っていたのです

しかし、その予定の日が迫ってきてもなかなか前田さんからの返事が来ず、半ば諦めかけていた頃に、

「どうするぅ〜、、、。大阪講習会にはやっぱり行くんかぁ〜、、、?」
「はい、もちろん!私はそのつもりです」
「ほんで、、、京都の神社周りはどうすんの?」
「前田さんさへよければ、もちろん車で連れて行ってください。もしダメなら、PHの講習会にだけ参加して帰りますから…」

「ふぅ〜ん…。 仕方ないなぁ〜、、、ほんじゃぁ、まぁ、行こか…」
「はい!(微笑)」
「で、、、? 何処行くねん?」
「はい、もちろん鞍馬と貴船です」
「了解」

と言うやり取りがありまして、結局ラッキーさんがご自慢の新車(ホンダ・スパイク特別仕様枚方限定バージョン)の試乗を兼ねて、実は16日(金)の夜、お忍びで大阪から高松入りしたのでした。
(ん…?なんだか、何処かの国の元首さまみたい…。微笑)

16日は二人で名物の「骨付き鳥」を食べ、スナックへ飲みに行って思いっきりカラオケを唄って、17日(土)に鳴門大橋・淡路大橋と乗り継いで京都へ向かいました。

その目的地は、、、これも以前から一度行ってみたかった「鞍馬寺」と「貴船神社」です。「鞍馬寺」については、義経が行を踏んだ場所というくらいの知識しか私は持ち合わせていませんでした。
しかしラッキーさんの話しによると、この場所から彼の「レイキ」が誕生したのだとか、、、。

確かにこの境内に立ち込めるエネルギーは、まさに「レイキ」発祥の地だけに、只ならぬ「気配」のようなものを感じさせるのでした。まっ、ひとことで言うとエネルギーが「濃い」んですよネ。

「サラっ」と一陣の風のように爽やかに感じるエネルギーもあれば、このように肌を優しく包み込む真綿のように暖かなエネルギーもあるのです。

話を少し戻します。

京都で高速を折りた頃には、トイレの近い私は我慢が出来なくなっていました。
「前田さん、、、おしっこ、、、。何処かコンビニに止めてください、、、」
と苦しむ私を尻目に、
「タマちゃん、なに言うてんねん。京都はなぁ〜、景観を壊すという理由でコンビニ禁止令が出てるんやでぇ〜」


「えぇっ!! そんな殺生なぁ〜」
「そんなん言うたかて、無いモンは無い!」
「それじゃぁ〜何処か淋しい場所へでも…」

「あっ、そうや!後ろの座席にペットボトルの500mlがあるやろ。それにしたらエエやん」
「あのねぇ〜。こんなに人ごみの中を走ってて、どうやって隠しながらやれと…」
「えぇ〜やん。どうせチッコイから見えへんやろ(笑)」
「いいえっ!大きすぎて入らないと私は思います」
(コホンっ、、、スイマセン。話がドンドンずれていってますネ。)

「あっ、ほれっ!あそこに神社の鳥居さんが見えてるわ。神社ならトイレくらいはあるやろ」
「はい。あそこへ急いでぇっ!!」
と言う訳で、神社の鳥居の正面に車を止めて貰いました。
しかし、その神社のお名前を見ると「伏見稲荷」と書かれてあったのです。

体験談で「あんたはお稲荷さんは関係あらへん。行っても行かんでも何もあらへんでぇ〜」
と書いたばかりの「伏見稲荷」さんでした。

その時私の頭では、“また体験談39に書いたように「リセット」後に起きる、過去と同じ展開がグルグルと起きている…”と「ピン」ときました。

しかし、過去と同じ展開が起きてはいるものの、私だけはその時の私では無い訳で…。それが実は、次の展開を大きく変えるのであろうと、期待もしていたのですが…。

なんとなく嫌な予感を感じながらも我慢の限界を迎えようとしていた私にとってはそれどころではありませんでした。

鳥居で一礼した後、一目散に境内に飛び込み厠を捜すのですが、なかなか見つからないのです。境内をうろうろと厠を探して彷徨っている内に、左の股関節の辺りに痛みを感じるようになっていました。

「ん…?なんだか嫌な予感が…」
と、思いながらもやっとのことで厠を見つけて小用を済ませました。

そして再びラッキーさんの車に飛び乗り「鞍馬寺」へ向かって車を走らせていると、今度は鞍馬寺に近づくにつれて徐々に頭痛が始まったのです。
ラッキーさんにそのことを告げると、

「タマちゃん、そりゃぁ〜歓迎されてへんのんとちゃうかぁ〜。来るなっ!言うこととちゃうのんか?」
「いえっ、ここまで来たんだから、絶対に行きます。行けばきっと治りますヨ」
「そうかぁ〜。俺はどっちゃでもエエけどな。ほなっ、行こか、、、」


【魔王が鎮座するお山…!】

そして「鞍馬寺」に着いたのはもう午後の三時頃にもなっていました。

境内前の駐車場が満杯の為、少し横っちょの有料駐車場に止めることにしました。
駐車場のおじさんの誘導どおりに車を止めて、さぁ、降りようとした時に、、、。
「ボカっ!!」
「いてぇ〜、、、」
と助手席から降りようとしていた私の右の膝が何かにぶつかったような音を立てたのです。

私はてっきりダッシュボードに膝頭をぶつけたのだと思いました。

「がっ、、、」
振り返ってみると、私の右膝頭と車のダッシュボードの間には20cmほどの空間があり、わざとにでも膝を前に運ばないと到底ぶつけるような距離ではなかったのです…。
と言うことは、、、

「前田さん、私の膝を叩きました?」
「へっ、なんでそんなこと俺がすんねん…」
「そうですよねぇ〜。それにボカっって音も確かにしたしなぁ〜…?」
「タマちゃん、やっぱり来るなって言うてんのんとちゃうかぁ〜?」
「・・・・・・・・・・。」
と、鞍馬寺は最初から不思議な現象が迎えてくれるところなのでした…。

数十段の石段を見上げると、そこには大きな『仁王門』があり、まるで来る者を威圧し、試すかのように大きく「鞍馬寺」と書かれてありました。

「ここが俗界から浄域への結界なのか…」
と関心しながらも、周りを見回すと、ほとんどがアベックさんばかり…。
「どうして私たちだけ、、、」と少し悲しい気持ちなりましたが、そんな浮世の感傷を振り払うかのように一路拝殿を目指したのでした。

本当は山道を歩いて上りたかったのですが、ここはラッキーさんのお勧めに従って、ケーブルカーを使って登りました。

『普明殿・ケーブル山門駅』で片道の切符を買い、待合で次の出発を待っていると、「ふっ」と正面に立派な仏像が祀られているのが目にとまりました。

“ん…? ひょっとして、、、。”
と近づいてよく見ると、思った通りにそれは見事な木彫りの『毘沙門天』さんでした。
そこで私は思わず毘沙門天の『御真言』を唱えるのでした。
「?吠尸羅摩拏耶娑婆訶(おんべいしらまなやそわか)」

『牛若号V』という名のケーブルカーで3分ほど登ると、そこはもうエネルギーが格段に違う世界が待ち受けていました。
ケーブルカーが『多宝塔駅』に着いた時から、只ならぬ冷気を感じて、あっ、これはさっきも書きましたネ。(ポリポリ…)
とにかくエネルギーが濃い!!というか、普通の神社系のエネルギーとは大分違うものを私は感じていました。

ケーブルカーを降りてすぐのところにある『多宝塔』のすぐ前には、地中から掘り出されたという不思議な石が小さなお社に納まり、その正面には賽銭箱が設けてありました。
「いきなりコレかよぉ〜
と言うくらいに、きついエネルギーを感じるのです。

周りのアベックを眺めながらも、少し歩くと、そこには絢爛豪華な『転法輪堂』が建っていました。
「あっ、ここや、ここ…。タマちゃん、ここになぁ〜、ちょっと気色の悪い仏像があるんや」
と独り言を言いながら、後ろを振り向かずにサッサと大仏殿に入っていくラッキーさんでした。

後から私がお堂を覗き込むと、そこには、、、、。
んと、普通の仏像らしいお顔をした、1丈6尺もある大きな『阿弥陀如来』さんが鎮座しておりました。(微笑)

「前田さん、コレのことですかぁ〜?普通のお顔ですけど…」
「ふぅ〜む。以前見た時はもうちょっと違って見えたんやけどなぁ〜」
と、、、。

私が想像するに、きっと阿弥陀如来さん特有の「半眼」の眼差しが、その頃のラッキーさんには強烈で、そのような印象を与えたのでしょうね。(微笑)

お堂の中には若い女性がたむろしていました。その中には正面に線香をくべて鐘を鳴らしている人もおりました。そんな風景を見ていると、阿弥陀さんの足元から二人の女性が四つン場になりハイハイしながら出てきたのです。

「あっ、ココは阿弥陀さんの体内巡りが出来るのかな?」
と言う私の声に合わせるかのように、残りの女性達がいっせいに大仏さんの下に潜り込んだのでした。

これは私も負けてはいられません、、、。
私も慌てて潜り込むと、それは体内巡りではなくて、「阿弥陀如来さんのありがたいお御足元まで見ることが出来るヨ」という代物でした。

ここで何を思ったのか、阿弥陀さんの足元から這い出てきた私は、正面の更に奥に置かれてある経をあげる為の小机の前に正座し、まるで当然のことと言う顔をしてこう言うのでした。

「あのぉ〜、、、よろしければ般若心経をあげましょうか?」
と、誰に語り掛ける訳でもなく独りごとを言い放ち。
そして大きな鐘を突きながら、「般若心経」を一巻あげることにしたのでした。

ひさびさに声に出すお経は、とても気持ち良く、そして大きなお堂に響き渡りました。
しかし、私がお経をあげ終わり、周りを見渡すと、そのお堂には人っ子ひとり居なくなっておりました…。

そのお堂の隅っこでラッキーさんが、
「やれやれ、、、困ったやっちゃなぁ
という顔をして、まるで他人のように振舞っていたのがとても淋しかったですが…。

「さぁっ、いよいよ本殿です!」

少し石段をあがり、辿り付いた『本殿金堂』は、結構な人手で賑っていました。

ラッキーさんは、
「タマちゃん、ココや、ココ。ココのエネルギーが凄いんや!!」
と本殿の正面の石畳に、まるで六芒星を描いたように並べられた石のど真ん中の三角の石の上に立ち、しかも両手を広げて頭を天に向け、瞑想するかのようにラッキーさんは立っているのです。

知らない人が見たら、ただの「アホ」状態ですが、、、。(微笑)

そんなことを心に思いながらも、結局知らぬ間にそれを真似する私でした…。(微笑)
「ふぅ〜む。なんだか大分他所とは違うエネルギーですねぇ〜」
「なっ、そやろ! ほらっ、あっこにもヘンテコな石が祀られているねん」
と指差す先には、綱で囲われ、紙シデをかけられた大きくて苔むした岩が埋まっていたのです。

それは、まるで岩と三角石とを一直線で繋げた先に、鞍馬寺のご本尊様(三尊尊天)を祀ってあるかのような位置関係になっていました。(この地下は、どうやら宝殿になっているようです…)

「これって、いわゆるレイラインってやつですかねぇ〜?」
という私の問いかけに、ひと言も発しないラッキーさんでした。
“きっと、知らないんですネ…(微笑)。”
私にもよくわかりません…。
とにかく「鞍馬寺」は、今までになく、ちょっと異質なお寺でした。

『仁王門』の入口で渡されたパンフレットによると、
鞍馬寺に祀るられている『尊天』とは、

「宇宙の大霊であり大光明、大活動体」であり、私たち人間をはじめ万物を生かし存在させてくださる宇宙生命・宇宙エネルギーであって、そのはたらきは愛と光と力となって現れる。愛を月輪の精霊‐千手観世音菩薩、光りを太陽の精霊‐毘沙門天王、力を大地の精霊‐護法魔王尊のお姿であらわし、この三身を一体として『尊天』と称するのである。

「月のように美しく、太陽のように暖かく、大地のように力強く」と祈り「すべては尊天にてまします」とお唱えするのである。

そしてパンフレットの右上の隅っこには小さく「祈りのことば」と、次のような四行が書かれてありました。

「月のように美しく
太陽のように暖かく
大地のように力強く
尊天のあふるる恵みを与えたまえ」


「ふぅ〜む、、、。やっぱり他とは大分違うなぁ〜、、、」
でもこんなのも面白い、、、。(微笑)

「あっ、そうそう、、、」鞍馬寺に入った途端、私の左股関節の痛みも頭痛も知らぬ間に消えておりました。

本来ならば、その本殿から40、50分ほど参道を登り、鞍馬寺『奥の院魔王殿』へと参拝し、そして貴船神社まで歩くというのがこのコースの醍醐味らしいのです。
『魔王殿』、いかにも興味をそそられる名前ではありませんか…。

そこでトイレも無事終り、体調も快復し、元気の出てきた私は、てっきり次は『魔王殿』を参拝に行くのだと思ったのです。
「前田さん、早く行きましょうヨ。40分ならすぐだし、、、。その先には貴船神社もあるみたいだし、、、」
「タマちゃん、それは甘いっ! ここからが実は大変なんや、、、」

と、以前このコースを歩いている前田さんから、その長くて苦しい道のりを聞かされました。それに、実は前田さんには以前鞍馬に足を運びながら、どうしても参拝することが出来ずに気になっている神社があると言うのです。

“そうかぁ〜、、、。それなら仕方ないか…”

と、普段は聞き分けの無い私なのですが、実はそろそろ陽も西に暮れようとする気配も感じており、次の貴船神社参拝の時間等も気になっていたので、私にしては案外素直に鞍馬寺の奥の院を参拝せずに元来た道を引き返すのでした。


【お水さん、ありがとう…!】

帰りの道はケーブルカーは利用せずに徒歩で下りました。

その参道は、清少納言が『枕草子』の「近うて遠きもの」の中で、「くらまの九十九折という道」と記しているのが、この『九十九折参道(つづらおりさんどう)』と呼ばれる道で、八丁七曲の九十九折参道を踏みしめて尊天に祈る人の姿は、今でも昼も夜も絶えないそうです。

この九十九折参道を歩いたせいか、このお山自体が実は信仰の山であり、宗派を問わず昔も今も大層な「行場」であり、まさに『聖域』であるということも知ることになるのです。

途中、前田さんが気になっていたという『由岐神社(ゆきじんじゃ)』も参拝することが出来ました。パンフによると、天慶3年(940年)に鞍馬寺が御所から鎮守社として勧請したもので、矢を入れて背に負う靫(ゆぎ)を祀り、世の平穏を祈るために建てられたと書かれてありました。

そし「七福神」や数々のお社を参拝している内に妙なお社に遭遇しました。そこには確か「鬼一法眼(きいちほうがん)」という武道の達人を神として祀ったお社(この字であったか否かは定かではありません)や、「魔王」をお祀りしているお社なんてのもあるのです。

と、ここまで来ると、もちろん「龍神さま」もお祀りしている訳です。
上の本殿横にも確か2体の龍神さまをお祀りしていました。そしてこの「魔王」の横にも同じく二体の龍神さまをお祀りしてあるのです。
そして数多くある「瀧行」の跡、、、。
やはり「瀧(滝)」という字と「龍(竜)」という字が似ている訳ですよネ。

ここはまさしく「水」に深く関わる行場そのものだったのです。

※ 掲示板では上の本殿横にお祀りしてあるのが二体の「龍神さま」と書いておりますが、パンフによると、どうやらそこは『閼伽井護法善神社(あかいごぼうぜんじんじゃ)』と呼ばれ、千年ほど昔、修行中の峯延(ぶえん)上人を襲った大蛇のうち、雄蛇は斃(たお)されて「竹伐り会式(たけきりえしき。今年は6月20日午後2時)」の由来となり、雌蛇は尊天に捧げるお香水を永遠に絶やさないことを誓いここに祀られた。と書かれてありますので、、、

「龍神」ではなくて「大蛇」だったようです。
しかし、たしかに「龍」のお姿の像が建てられていたのですが…。
それから推察すると、この九十九折参道で祀られている二体の「龍神さま」も、ひょっとしたら「蛇さん」をお祀りしているのかもしれませんネ…?
この場をお借りして訂正いたします。

それでは「龍」と「大蛇」は違うものを差しているのでしょか、それとも同じモノなのでしょうか…?

「同じだ」と言う方もいらっしゃれば、「いいや、まったく別物」と、いろいろ言う方がいらっしゃいますので、ここはひとつその道の専門家であるゴースト・バスター気村さんに聞いてみました。

「それは全然違います。龍は神と人、天界と人界を繋ぐ存在で、まさしく神の眷属ですが、蛇は人の念の現れです」と言うことでした。

さてっ、話を元に戻しますネ!!(微笑)

面白いのは、この境内のお手洗いにある水の蛇口にはすべて「お水さん、ありがとう」という小さな札が下げられていました。
やはり山では貴重な「水」を大切にしているのですネ。
それとも他に何かいわくが、、、、???

と、そんなことを考えながら、次なる目的地である「貴船神社」を参拝するために車を走らせるのでした。
って、私は助手席で煙草を吹かしてばかりいましたが、、、。(微笑)


【恋の神社…!】

「貴船神社」、、、この神社に関しては、ただなんとなく行きたいという感情だけで特別な予備知識もあるわけではなかったのです。

しかし、函館の「船玉神社」にも憧れたように、「船」という字が、なんだか太古の宇宙船を思わせるのか、私はとてもロマンを感じ、そして惹かれるのでした。

きっと天津神が天孫降臨した時の乗り物として「船」を利用していたという記憶が、私にロマンを呼び起こさせるのかもしれません…。
スミマセン、、、その船の名前を忘れてしまいましたが…。たしか「天空浮船(あめのうきふね)」だったような、、、。

とにかく淋しい参道を引き戻し、またドンドンと登ったところに「貴船神社」がひっそりと祀られてありました。

「貴船駅」から徒歩で40分ほども歩くのでしょうか、とにかく細くてクネクネとした川沿いの山道をひたすら登ったところにあるのです。しかしこの川沿いには、大変に情緒のある、いかにも京都らしい日本旅館が所狭しと軒を連ねてズラリっと並んでいるのでした。

前田さん曰く、
「この辺りはやっぱり一番京都らしいかもしれんなぁ〜。この風情がエエなぁ〜」ということでした。

「前田さん、そんなこと言っちゃって、実は昔彼女と泊まりに来たんじゃないですか?」
と言う私の問いかけにも答えず、

「あぁ〜、ほらっ、あの川の上を見てみぃ〜。簗(やな)をもうこしらえてるでぇ。夏の暑い時なんかは、あの川の上にこしらえた簗の上に座って、清流からの風を浴びながら、川魚や湯葉・豆腐等の京料理を食べたりするんが情緒があってエエんやなぁ〜…。これからがこの辺りは本番やなっ…」
と、何処か昔を懐かしむような横顔が少し哀愁に満ちていました…。
“やっぱり、ココにお泊りに来てんじゃないの、、、???”

「でもココはなんだか雰囲気が、まるでお忍びで泊まりに来るカップルにピッタリのようですネ」
「・・・・・・・・・。」
「ねっ、前田さんっ!!」
と、今一度、運転する前田さんの横顔に問い掛けるのですが、それには返答はありませんでした…。

前田さんも今年で遂に50才です。
いろいろあってもオカシクない年齢だし、、、。
“しかし、これが本当に何もなくて黙っているのだとしたら、、、私はトンデモナイ罪な問いかけをしたことになる。”
と、、、少し黙ることにしました。

とそんなことをやってる内に、遂に最終目的地「貴船神社」に到着しました。
ココで、私の体験談に出てくる「水」現象にまつわるシンクロに出くわすのでした。

「貴船神社」は鞍馬寺に比べると、観光客も少なくて「ひっそり」とたたずんでいました。

「タマちゃん、ここにはなぁ、日本のルルドの泉があるんやでぇ〜」
「へっ、ルルドって難病も治しちゃう奇跡の泉のことでしょ…。と言うことは、ココも清水が湧き出しているということですネ。また水かぁ〜、、、」
「なんやっ、気に入らんのかいな…」
「いえねっ、この間の北海道の水にまつわる一件以来、どうも私には水が付きまとっているようで…」
「ふぅ〜ん。そう言えばそうやなぁ〜」
「ひょっとして、ココにも竜神さんが祀ってあったりして、、、」

※ フランスとスペインの国境のピレネー山脈にルルドという人口1万人余の小さな村がありまして、この村には、現在カソリック教会の大伽藍を中心に、高層ホテルが数百も建ち並び、年間3百万人も超える病人が、治療不可の病気すら治してしまう奇跡の水…と呼ばれている「ルルドの泉」を求めて世界中からこの村を訪れているそうです。


こうした奇跡がなぜ起こるのかは、いまだ大きな謎とされていますが、実はルルドの泉の水には『ゲルマニウム』が豊富に含まれていることが、近年の調査で明らかにされています。
(ゲルマニュウムのネックレスなら、私も首にぶら下げていますが…。微笑)

と鳥居をくぐりながら話をしていると、数段の石段の下に石で作られた御手洗(みたらし)が設置されていました。
どうやらココで手と口を禊祓いするようです。

作法通りのみたらしを済ませて、その石段を上がっていると、一枚のタオル地のハンカチが落ちていました。

「あっ、コレさっきの若い三人連れの、ちょっと可愛らしいお姉ちゃんたちのとちゃうか?」
。どうやらそうみたいですネ」
(いつの間に見たのやら…)
「よっしゃ渡して来ようっとっ、、、」
と数段の石段を足取りも軽く、そそくさと駆け上がるラッキーさんでした。

石段の上で、さきほどの女性たちの一人に話し掛けているようでしたが、どうやら持ち主ではなかったようでした。

ガッカリしているラッキーさんを尻目に、私は拝殿に上がる石段がまた数段ある手前の龍神さんを参拝していました。
「やっぱりな。でもどうして…?」

そして石段を上がり拝殿へと進むと、社務所前のラッキーさん曰く「日本のルルドの泉」では水占いのようなものを有料でおこなっていました。

「あっ、コレって出雲にもあったな。たしか八重垣神社だったかな…。オロチ退治神話の舞台となった古社で、スサノオ・イナダヒメを祀っており、森奥にある鏡の池では縁結びの占いもやっていたはずです。だから今も良縁祈願の参拝者が多いそうですヨ」
「はずです。そうですヨ。ってタマちゃんもやったんとチャウンかいな?」
「…。はい、、、」

さすがに其処では私たちは水占いはせずに、、、きっと、もうそのような純情な歳ではなくなってしまったのかもしれませんが…。

そのルルドの泉ならぬ「貴船の泉」の真後ろにある本殿で参拝を済ませました。

ココは鞍馬寺とは、まったく違うエネルギーに満ちておりました。前述したように、ココこそはまさに「サラっ」としたエネルギーとでも言うのでしょうか…。エネルギーに「良し悪し」は無いとしても、人それぞれに「好き嫌い」はありますので、当地をご訪問なされましたら、みなさんもこの両者の極端に違うエネルギーを感じてみて下さいませ。
きっと良い研鑚になると思いますヨ。(微笑)

しかし、ココに至る参道の如何にも古式ゆかしき日本旅館といい、この恋に関係した神社と言い、ここはどうやら一人での参拝には向いていないようですネ。ましてや我々のようなオッサン二人にはどうも場違いのような気がして…。(苦笑)

車で「貴船神社」へ向かう道すがら、川沿いに建つ旅館の外に出した丸イスに腰掛けた旅館の女将らしき女性を見かけました。

さぞや昔は小粋なお姉さんであったことを忍ばせる面影を今に残した女将が、片手に持った団扇で顔を扇ぎながら、車で通り過ぎようとしている私たちに声をかけてきました。

「お食事できますよぉ〜。どうですかぁ〜」
「ん…?」と左手に入れた腕時計に目をやると、もうそろそろ夕食時になろうとしていたのでした。
「タマちゃん、やっぱり京都はなぁ〜、一見さんお断り言う店が結構多いんや。でもな、あぁ〜やって声をかけてくるとこなら大丈夫やろな」
と、京都生まれのラッキーさんが教えてくれました。

「へぇ〜、、、」
これも如何にも京都らしいと、変なところで感心する私でした…。(微笑)

貴船神社本殿から車で少し山道を登ったところに貴船神社の「奥の院」がありました。

この両社殿前には、6〜7台ですが車を駐車するスペースがありますので、どうぞお車でご参拝の方はくれぐれも「貴船駅」から歩こうなどとは思わないように…。
これが結構長くてきつそうなのです。ラッキーさんは以前「えらい目にあったんや!」と何度も愚痴っておりましたから…。(微笑)

ちなみに駐車料金は¥500で、駐車場に係員がいない場合は、本殿の社務所で料金を支払うシステムになっておりました。

貴船神社本殿社務所にラッキーさんが入っていったので、私はてっきり駐車料金を支払いに行ったのだとばかり思い、その後をついて行ったのですが「由来書」を¥300で買っていました。(あっ!!駐車料金を払っていない…)

「前田さん、、、駐車料金、払わなくてイイんですかぁ〜…?」
「ん…? あぁ、由来書を買うたからエエんや」
「それはそれ、これはこれでは…」


【古都に眠る太古の森…!】

そして辿り付いた「奥の院」は、訪れる人もまばらで、さらに「しぃ〜ん…」と静まり返っていました。
まるでその空間までが、声をひそめて静寂を務めているように感じられるのです。

そして、ここのエネルギーは本殿とは一味違い、まるで「鞍馬寺」のような強くて熱いものを感じるのです。
どうもこの二社は違うものをお祀りしているように私には感じられたのでした。

船の形に石が盛られた古墳のような場所にも注連縄が張られてありました。その石の隙間からは尋常ではないエネルギーが放出されていました。

そんなエネルギーを感じながら、奥の院で参拝を済ませると、ラッキーさんが、
「タマちゃん、もひとつ面白いもんがあるんや。見に行くか…?」
と私の答えも聞かずにさっさと歩き始めたのでした。

律儀な正確の私は、ラッキーさんの後を追い駆ける前に、ちゃんと「貴船神社奥の院」の賽銭箱に駐車料金である¥500を入れてから参拝を済ませていたのでした。(微笑)

奥の院から少し徒歩で上がったところに樹齢千年という大木が立っていました。
その大木にはやはり注連縄が巻かれており、小さな立て札には「国定記念木」と書かれてありました。

二人でその大木に手を当て、耳を当てて、大木の鼓動(いのち)とエネルギーとをしばらく感じていました。その大木は古くて苔むしており、まるで年老いた龍の鱗がこびり付いたような木肌をしていました。

私が少しさがって見回すと、その近くにも結構な大きさの古い大木が数本立っていました。1本、2本、3本、、、。それくらいココは密度が濃いエネルギーなのかもしれません。

「なぁ…タマちゃん、、、こんな国定記念木が柵も囲いも無いところで、しかも直接に手で触れるなんてなぁ〜…。きっとココだけやろうなぁ〜」
と変なことに感激しているラッキーさんでした。

「そうですねぇ〜、それならばっ、、、えいっ!」

と、私の悪い癖で、その数本の大木に伝授をしてしまいました。(微笑)
私には、それらの木々たちが喜んでいるように感じられたのですが…。

ラッキーさんは、
「あっ、またやってるっ! タマちゃん、なんでも封印を解いたらエエ言うもんとちゃうネンでぇ〜」
「封印を解いたんじゃないですヨ。木が喜ぶエネルギーを封入したんです」
「そうかぁ〜、、、。まっ、えやろっ!!」

「本日の予定はコレですべて終了ですネ!!」
「へっ? 甘いなぁ〜、まだ残ってるやんか…」
「えぇっ!! もう暗くなりかけてるのに、まだ何処かへ行くんですか?」
「そうやぁ〜、枚方のワイの家の近所の中華屋さん、暖中へ行くんやろ?」
「あっ、はい、そうでした…。暖中、だんちゅう、ビール、ビール(微笑)」

陽もすっかり西に傾き、薄暗くなりかけた貴船神社の参道を、大阪の前田邸目指して帰ることにしました。

貴船神社からの帰り道にある、川沿いに建ち並ぶ日本旅館では、ちょうど軒先にぶら下げた提灯に明かりを灯す宿もあり、一段と古都京都の情緒をかもし出していました。
そんな風情ある里を後にして、ラッキーさん運転の新車は京都の広い道路を、川の流れに乗るかのように「スイスイ」と走り抜けるのでした。

どうも神さんを参拝した後は、混雑しているはずの道路も何故かエネルギーのように流れが良くなるのです。
これも神参りの不思議な現象、、、「御利益」ですネ!!

そんな車の助手席で、私は今日一日のこと、そして北海道の旅、伊勢神宮参拝などのことを思い出していました。
今回の一連の「水」について考えていました。

この旅では「水」こそ物質化現象としては現れませんでしたが、何処へ行っても「水」「龍神」「瀧」が付きまとっていたのです“あの北海道で現れた「水」は、やはり「龍」だったのだろうか…?”

と考えている内に、突然伊勢参りの時の宿泊ホテルの部屋で八木橋君にこの話をしている光景が頭に浮かんでくるのでした。

「いやぁ〜、あの日は全然記憶がなくて、、、。朝目覚めると何処からか水がネ…。どうやらその時に無くしたみたいで、大事にしていた金運の登り龍のジッポーライターが、あの後何処にも見当たらないんだ…」
「あぁ〜、玉川さんがいつも持ってた黄色のやつでしょ…」
「そうそう、W遠トリをやり出して、少しはお金が入って来出した頃の記念に買ったやつ…」
「あっ、、、それがきっと水になったんだワ。そんで、今のタマちゃんにはもう必要がなくなったから、役目を終えて天に帰ったんじゃないの…」
「・・・・・・・・・・・。」

と、そんなやり取りを今頃になって思い出したのです…。
あまりにも突拍子のない話だったので、すっかり忘れていました。
体験談にも書かなかったくらいですから、、、。

そう言えば、たしか他にも、この話を聞いて貰った人から同じようなことを言われていたのです…。

「そうだったんだ…。水になって天に帰っちゃったんだ…。
だから今回の旅で竜神さんにばかり巡り合ってたんだ…。
そして何処で出会う龍神さんも、ほとんどがペアになってる…。
私のHPの名前の由来でもDTD(DAZZLING TWIN DRAGONS)と二匹の龍を登場させているように、すべてはバランスなんだ、、、。

そう言えば、昔、八木橋君に、
「玉川さんは、ブレーキを踏みながらアクセルを全開にしているから壊れちゃうんですよ…」って、よく言われてたもんなぁ〜、、、。

私の手元を離れて天に帰ったということは、、、私も、やっとバランスがとれてきたということなのかな…?うぅ〜ん、やっぱりエネルギーの世界は面白いっ!!(笑)」
もちろん、これが真実であるか否かは誰にも分かりはしないのです。
「なにをバカ言ってんだよ! 真実なわけないだろっ!!」
と思われる方も大勢いらっしゃるでしょう、、、。

でもイイんです!!
コレが、今の私にとっての真実であれば、、、。
私は、そういうロマンを求めてエネルギーの世界を旅しているのですから。

さてっ、次なるロマンを求めて、来週また旅に出ます!

去年は「熊野古道」を「熊野本宮大社」までしか歩けず、その後「四国八十八ヶ所歩き遍路」までやったせいで体調を崩して断念しましたが、今年はその続きを歩きます。

まずは来週、、、「熊野本宮大社」〜「熊野那智大社」までの熊野古道を歩いてきます。また面白いことや奇妙な体験があれば発表したいと思います。
どうかみなさんも、自分なりのエネルギーとの楽しい付き合い方を見つけてくださいネ。(微笑)

最後まで読んでいただきまして、、ありがとうございました。


 完 
                                     2004・4・22(木)




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Last Update : 2004/4/25