98年11月の映画のほらあな


「マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限」、’93香港 11月1日

監督:?、出演:リー・リンチェイ、ミッシェル・キング

映画を見終わった最初の一言はカッコイイー。リー・リンチェイ。太極拳を創始したといわれる
張三豊を主人公としたカンフー映画。若いころ少林寺で修行していた彼には親友がいた。ところ
が、親友が試合で暴れてしまい二人で戦ったところ破門されてしまう。少林寺を出た二人はそれ
ぞれ違う道を歩む。リー・リンチェイは反乱分子側、親友は兵士。親友は野心のためリー・リン
チェイらをだます。そして反乱分子たちの多くは殺されてしまう。。。カンフー・アクション満
載の映画でした。特にリー・リンチェイが悟りを開いて太極拳を編み出すところから最後の対決
までは息をもつかせず面白い。わしも強くなりたいな(無理)。そういやこの張三豊、カンフー
カルトマスター魔教教主の中ではサモ・ハン・キンポーが演じていました。リー・リンチェイは
確かあの映画ではその弟子を演じてた。これも因縁というやつでしょうか???

「バンパイア・キッス」、’88米 11月1日

監督:ロバート・バイヤーマン(Robert Bierman)、出演:ニコラス・ケイジ、
ジェニファー・ビールズ、マリア・コンチータ・アロンゾ、エリザベス・アシュレイ

いわゆるオカルトホラーでコメディだと思ってたら全然違ってました。欲求不満か?精神科に患者
として通っているのがピーター・ロウ部長(ニコラス・ケイジ)。ある日、女を軟派して色っぽい
ことになった矢先、突然部屋にコウモリが飛び込んでくるという出来事が。。。彼はコウモリとの
格闘に陶酔感を覚える。一方彼は出版社に勤めていて、部下である秘書のアルバにある作者とその
作品のファイルを探すように命じる。それがなかなか見つからない。次第にいらいらが募っていく。
そんな彼が別の時、軟派した相手に血を吸われる。。。それは果たして現実だったのか。。。幻覚と
現実が交錯しながら物語は進み、彼は次第に自分が吸血鬼になったと思い込んで狂っていく。。。
ちょっとリービング・ラスベガスを思い出しました。ただ彼がとりつかれたのが酒ではなく吸血鬼
だったの。髪の毛はすでに後退気味(笑)。狂気の役はジャック・ニコルソン並みに似合ってました。
秘書の役はマリア・コンチータ・アロンゾ。たしか「トータル・リコール」でシュワちゃんと共演
してた人。吸血鬼役はジェニファー・ビールズ。「フラッシュ・ダンス」の人。これは隠れた名作?
いや迷作か?カルトっぽいけどぼくはなかなか楽しみました。すでにニコラス、役者として一流だ。

「スフィア」、’98米 11月3日

監督:バリー・レビンソン、原作:マイケル・クライトン、出演:ダスティン・ホフマン、
シャロン・ストーン、サミュエル・L・ジャクソン

うーむ。ちょっと不思議な感じの映画だった。突如、軍から招集を受ける学者たち。飛行機事故が
起こったというのだ。それにしては船の数が多い。。。実は海底のケーブルが何者かに切断された
らしい。学者たちはその調査に出向く。そこで見たものは巨大な宇宙船だった。そしてその中には
不思議な物体が。。。それは半透明の球体(スフィア)だった。。。なんとも中途半端な感じがし
た。ハッピーエンドといっていいのか?どうも東洋的な発想が取り入れられているように思われた。
大物俳優の共演は確かに面白い。しかしあのスフィア、わしも一つほしい(謎)。凄く危険だとは
思われるが(^^;。ある意味、ドラ○モンの四次元ポケットを思わせるようなもんです。>スフィア
原作は読んでないのでなんとも言えないけどどうなんだろ?やっぱり面白いのか?

「青蛇転生」、’?香港 11月7日

監督:ツイ・ハーク、出演:マギー・チャン、ジョイ・ウォン、チウ・マンチェク

ジョイ・ウォン主演の映画は甘ったるい恋愛物が多いと言うイメージがあるのでそう思ってたら
ちょっと違いました。相変わらず恋愛が絡んでは来るんですが、テーマは悟りと言っていいと思
う。悟りを求める高僧。あるとき2匹の大蛇を助ける。その大蛇の一方は500年、もう一方は
1000年も生きている妖怪だった。大蛇は美しい女に化け人間の男を誘惑する。その男が大蛇
たちの過ちが元で死んでしまう。彼を助けるため大蛇は仙人の守る薬草を採りにいく。。。。。
SFXはかなりちゃちですが、マギー・チャンの蛇の動きはなかなかうまかった。高僧は「ブレ
ード」で主演していたチウ・マンチェク(ウィン・ツァオ)。色という煩悩に悩まされます。で
もなかなかカッコイイ。哲学的なテーマでしたが、前に見たスフィアの方が出来がいいと思う。

「スターシップ・トゥルーパーズ」、’98米 11月8日

監督:ポール・バーホーベン、原作:ロバート・A・ハインライン、出演:キャスパー・ヴァン・ダイン
ディナ・メイヤー、デニス・リチャーズ

ハインラインの名作「宇宙の戦士」の映画化。原作は読んだ記憶はあるけど覚えてないので
比較できません。。。ストーリーはいたってシンプル。昆虫の宇宙人?と地球人類との闘い
です。数名の若き戦士達を主人公として描かれています。戦争になった原因がも一つわから
なかったけど戦闘シーンは迫力満点。SFXも優れものです。アクション好き、SF好きに
お勧めの逸品。戦争風刺も利いてます。主人公リコ(キャスパー・ヴァン・ダイン)はなか
なかカッコよかった。スターが出ていないのもなかなか気に入りました。あちこちに転がる
死体もリアルでスプラッタ好きも気に入るかも。。。昆虫はなかなかおぞましい。これ以上
はネタバレしそうなので書きませんが、見てくださいませ。

「吸血鬼」、’67米英 11月10日

監督:ロマン・ポランスキー、出演:ジャック・マクゴーワン、ロマン・ポランスキー
シャロン・テート、アルフィー・バス

やった、ついに見れた!ぼくにとっては幻の名作でした。数々の名作を生み出したポランスキー
のコメディホラー。すっとぼけた教授にどじな助手が笑わせてくれます。題名の通りの吸血鬼物
です。時は寒い冬、伝説の吸血鬼を退治しようとはるばるやってきた教授。ある宿屋でついに吸
血鬼除けのにんにくや十字架があちこちに置かれているのを見て住処が近いことに気づく。
教授達が宿泊した次の日、吸血鬼の召し使いが宿屋に買い物に来た時にその宿の美しい娘を見ら
れてしまう。そう、やつらは若く美しい娘が好みだったのだ。そして彼女は吸血鬼の餌食に。。
そこで吸血鬼の根城に乗り込む教授達。果たしていかなる事になるのか。。。この宿屋の美しい
娘役がポランスキーの当時の奥さんのシャロン・テート。そして彼女に恋する教授の助手が奇し
くもロマン・ポランスキー本人。ちょっとどたばたなコメディですが、笑えること請け合い。
教授は脳天気だし、臆病でどじな助手はボーッとしているし(笑)。これがビデオ化されてない
は残念としか言いようがない。これがシャロン・テートの遺作となりました。。。しくしく。
いや、映画自体は笑えますのでチャンスがあったら見るべし。ポランスキーはええなあ。。。

「パウダー」、’?米 11月19日

監督:ビクター・サルバ、出演:メアリー・スティーンバーゲン、ショーン・パトリック・フラナリー
レイ・ワイズ、ランス・ヘンリクセン、ジェフ・ゴールドブラム

ここ最近の超能力ものの映画の中では一番のお気に入りです。美しくも哀しい少年の物語。
彼がお腹の中にいる時、母親は雷に打たれる。病院に運ばれたが、母親は助からず彼が生ま
れた。しかし彼の容貌は奇怪にも真っ白だった。。。そして十数年後、彼の祖父が亡くなり
彼が発見される。名前はショーン、身体に毛が一本もなく真っ白な肌をしていた。その肌か
ら「パウダー」と言うあだ名がつけられる。彼は施設に引き取られるのだが、その異様な姿
は周囲の好奇の目にさらされる。目立つのは容姿だけでなく天才でありまた不思議な能力を
も身につけていた。。。彼はその容貌と能力とから人々に怖がられる。。。もう凄く哀しく
しかも温もりを秘めた映画です。天が遣わした天使のような彼は素晴らしかった。ああいう
打算的でなく素直な人間は能力は別としてもこの世にはいないのだろうか?いたら一度でい
いから会ってみたい。逆にうそで塗り固められた人々の醜さが目立った映画でもありました。

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