99年3月の映画のほらあな


「ヴィゴ」(カメラの前の情事)、’98英仏合作3月10日

監督:ジュリアン・テンプル、出演:ロマーヌ・ボーランジェ、ジェイムズ・フレイン、ジム・カーター

どうも実在の人物の伝記らしい。しかも借りた時、こんなサブタイトルがついているとは
ぜんぜん知らなかった(^^;。主人公はジャン・サル。結核に罹った彼は美しい山奥の
療養所へ。そこでであった美しい女性エリザベート・ロジンスカ(リデュ)と恋に落ちる。
その頃、療養所に彼をたずねてきた知人から父親が殺されたことを聞かされる。彼の父親
の名はウジェーヌ・ヴィゴ、通称アルメレイダ。アナーキストでドイツのスパイといわれ
国家転覆罪により当局に捕まり自殺したといわれていた。このことを聞かされたジャンは
それ以降、ジャン・ヴィゴと名乗る。その後二人は退院し結婚。ジャンの夢は映画作家にな
り、認められることだった。そこで二人はパリへ。しかしジャンの仕事はうまく行かない。
取り付かれたように映画作りに励むジャン。そして淋しいリデュ。喧嘩しながらも愛し合う
二人。しかし彼らの身体に巣くった病魔は容赦なく身体を冒していく・・・。このジャンと
いうのは実在の映像作家らしいです。二人は果たして不幸だったのだろうか、それとも幸福
だったのだろうか?彼の作品が現在認められていることから考えると、客観的に見たらまさ
しく多くの不幸な人生を送った天才的芸術家の生涯のような気がしたけど。伝記療養所の景
色の美しさがちょっと印象に残る。

「ガメラ3」、’99日3月12日

監督:金子修介、出演:中山忍、前田愛、藤谷文子、山吹千里

南太平洋で発見されるギャオスの屍。ガメラに両親を殺され憎んでいる娘が住んでいる奈良の
小さな村に封印されている謎の柳星張。彼女はその封印を解いてしまう。幾つかの物語が錯綜
しながらじわじわと焦らすように進み、突如ガメラ・ギャオスが渋谷の上空に出現。その後、
物語は一気に加速し、さらにガメラ、イリスの対決!・・・しかも・・・。前半はちょっとじりじり
しましたが、後半ガメラが登場してからが面白かった。しかも映画、え?という結末あり。それをよ
しとするか、それとも・・・。たしかにCGはかなりのレベル。部分的にはアメリカ映画にだって
負けない!都市での怪獣対決はかなりリアルで迫力ありました。終わった後がなんともいえない。

「ガタカ」、’97米3月13日

監督:アンドリュー・ニコル、出演:イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、アラン・アーキン
ジュード・ロウ、アーネスト・ボーグナイン

近未来、人類は遺伝子によって管理されていた。その落ちこぼれが宇宙へ行きたいという夢を
かなえるため、エリートに成りすまして「ガタカ」に入る。彼は成功し、宇宙飛行士に選ばれ
た。土星の衛星の一つタイタンに行くことが出来るのだ。だがその出発の一週間前、謎の殺人
事件が。殺されたのは彼の嫌いな教官の1人だった。エリートしかいないはずの「ガタカ」に
警察の捜査の手が。身分詐称をしている彼は果たして・・・。テーマとしては近未来SFによ
くある。すでにそれを実現できる時代も迫っている。しかし遺伝しなんてくそ食らえ。人間と
いうのは夢のためには多くの困難を超越できるのだ。脇役がいい味出しててわしはまあまあ気
に入りました。なぜまあまあなのかはわし自信にもよくわからない(^^;。妙に淡々として
いたせいか?それとも無機的な設定のせいなのか?もっと人間味をはっきりだした方がよかっ
たか?でもこの手の作品をみていつも思うのは、科学万能というにはあまりにも科学が不完全
すぎるということかな。不完全な科学で人間を管理するなんて・・・。

「タクシー」、’96スペイン仏3月15日

監督:カルロス・サウラ、出演:イングリッド・ルビオ、カルロス・フェンテス

大学に落ちたパス。彼女は自暴自棄になり恋人とも別れ長い髪を切ってしまう。そのまま家に戻った
パスは両親と喧嘩する。大学をあきらめた彼女に父は自分の職業であるタクシーの運転手をさせる。
だが父の無線から聞こえた会話が少しおかしい。気にはなったが、タクシーの運転手を始めたパス。
そのうちタクシー仲間の息子で幼なじみのダニと恋に落ちる。だがその幸せも続かない。過激な暴力
集団にタクシー仲間が一枚加わっていたのだ。果たして事件の行方は?パス役の女優はなかなかよか
った。もしかすると人気が出るかも。今後を期待したい。ダニ役の男優もハンサムだった。しかしなぜ
ラテン系の人達ってああもホルモンむんむんなんだろうか?(笑)。昼間の街の映像は気に入りました。

「キャラクター」、’96オランダ3月17日

監督:マイケル・ファン・ディム、出演:ヤン・デクレイル、フェジャ・ファン・フェット
ベティ・スヒュールマン

これはぜひみんなに見てもらいたい作品っす。いろんな意味で・・・。97年アカデミー外国映画賞
受賞作品。みんなの嫌われ者の執行官ドレイブルハーデン。彼は方の執行に当たっては情け容赦が
なく、貧しい人々の反感をかっていた。その彼が不振な死を遂げた。その現場を立ち去る男が目撃
されていた。その男の名はヤコブ・ヴィレム・カタドローフ。彼は警察に捕まる。寡黙だったが、
ぽつりぽつりとそのいきさつについて話し始める。果たしてその真相は?彼とドレイブルハーデン
の間になにがあったのか?これはミステリーといわれているが、単なるミステリではない。それよ
りも人間ドラマといった方がいい。オランダ語はわからないのでこの主人公がなんという俳優か不
明(たぶんヤン・デクレイル)だが野暮ったいロバート・ダウニー・Jrみたい。この作品で尤も
注目したい個性的俳優はヤコブを擁護し雇ったデハングラー弁護士。何とも個性的な顔立ちは西洋
人には珍しいかも。ぜひ国際派俳優になっていろんな映画で見てみたいもんです。

「イベント・ホライゾン」、’97米3月21日

監督:ポール・アンダーソン、出演:ローレンス・フィッシュバーン、サム・ニール
キャサリン・クインラン、ジョエリー・リチャードソン

2040年、太陽系外へ探訪のたびに出て消息不明となった宇宙船「イベント・ホライゾン号」。
だが7年後、その船から謎の信号をキャッチする。発信は海王星付近かららしい。調査のためイベ
ントホライゾン号を開発した博士とともに海王星へ向かうが、乗員らは恐怖の体験をすることになる。
あんまり期待してなかったせいかなかなか面白く感じた。特にかなりエグイ強烈な描写はホラーファン
好みです。この作品は単なるSFというよりオカルトSFというべきか?ちょっとヘルレイザーを
思い起こすようなぞっとする場面もあってショック度はなかなかです。思わずビデオをスローにし
てしまうところもあり。パート2が出来てもおかしくないような作り方なのかな?見てはいかが?

「未来世紀ブラジル」、’85米英3月21日

監督:テリー・ギリアム、出演:ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、キム・グリースト

こいつは面白い!さすがテリー・ギリアムといっていいでしょう。時代は20世紀、情報によって支配
された世界。そこで公安局記録係の主人公サム・ラウリーが登場。彼は秀才だったが昇進を拒んでいた。
ある朝遅刻した彼の目に飛び込んできたのはいつも夢に出てくるのと同じ美女。彼女を追う彼は次第に
情報社会の歪みの中に落ち込んでいく・・・。コンピュータのデザインが古風でヨーロッパ的なのもい
いし、現実と幻想が入り交じりわし好みの作品に仕上ってました。とにかく出てくるキャラクターが面
白い。さすがモンティ・パイソン出身です。修理工のロバート・デ・ニーロはもちろん、サムもサムが
あこがれるジルもサムの母親も情報局の連中もそれぞれ個性的で風刺が利いたキャラクターでした。
わしはちっとも退屈せず最後まで見れたのですが、他の人はどんなもんでしょ?超お勧め作品ですぜ。

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