99年9月の映画のほらあな


「春のソナタ」、’89仏 9月5日

監督:エリック・ロメール、出演:アンヌ・ティセードル、フロランス・ダレル、
ユーグ・ケステル、エロイーズ・ベネット

わしの好きなエリック・ロメール監督の作品の中でまだ見てなかった作品の一つ。発見した時は
めちゃうれしかったです。例によってBGMがなく映画は淡々とした調子で進行していきました。
主人公の女性はアパートを従姉妹に貸していた。その間、恋人のアパートで暮らしていた。その
恋人が仕事で旅立ち、アパートに戻るとまだ従姉妹がいる。もう少しアパートを貸してくれとい
う。彼女は仕方なかったが、同意した。しかし居場所がない。そんな時友人からパーティの招待
が。そこで知り合った若い女性の家を借りることになるのだが・・・。いつもの通り日常の小さ
な出来事が題材なんだけど感じいいのは相変わらずでした。あまりにも日常的なのでメリハリは
アクション物やスペクタクルに比べ、当然劣るけど人情の機微みたいなのがうまく出てました。

「水の中のナイフ」、’62ポーランド 9月5日

監督:ロマン・ポランスキー、出演:レオン・ニェムチック、ヨランダ・ウメッカ、ジグムント・マラノウッツ

ポランスキー初期の長編映画。登場人物はわずか3人。裕福な壮年の夫と美しい妻がヨット遊びに
に行く途中拾った若者。若者もヨット遊びに付き合うことになるのだが、最初は楽しんでいた3人
のうち夫と若者が価値観のずれなど微妙な出来事から次第に険悪になっていく。その中で若者に
惹かれていく妻。3人の行方は果たして?引き込まれるような映像感覚とストーリーはさすがです。
まるで魅入られたように見てしまいました。少ない予算でもこれだけの映画が出来るんだという
いいお手本でしょう。さすがはポランスキーといってしまいます。最近の金かけてもつまらない
映画に少しは見習ってもらいたいもんです。記憶に残る映画ってこういうのをいうんだよね。

「ラッシュアワー」、'98米 9月16日

監督:ブレット・ラトナー、出演:クリス・タッカー、ジャッキー・チェン

ひさびさジャッキー・チェン主演の作品。「フィフスエレメント」のクリス・タッカーも
出ています。香港が中国に返還され、アメリカ在住の領事となった男の娘が誘拐される。
誘拐したのは香港に住んでいたころ壊滅状態にしたはずの組織だった。領事は急遽本国から
当時部下だった刑事を呼び寄せる。一方その刑事のお守り役として選ばれたロス警察のはみ
だし刑事がいるのだが、彼らのせいでよけい事態は悪化する。果たしてどうなるのか?わり
と面白かったのだが、クリス・タッカーはわしにはあくが強すぎて辟易しました。ちょっと
くどいっす。ジャッキーのほうは彼らしくなかなかよかった。まあまあかな。

「ダークマン」、'90米 9月16日

監督:サム・ライミ、出演:リーアム・ニーソン、フランシス・マクドーマンド

サム・ライミといえばB級ホラーを思い出す。でもこの作品はホラーというよりアクション
ヒーローものか。人工皮膚の研究をしていた男の恋人がとある大企業の弁護士をしていたが
ある日彼女は自分が弁護士をしている企業の犯罪の証拠である買収の書類を自宅に忘れた。
それをたまたま持って出た男の研究所が悪漢に襲われ、ひどい火傷を負った。男は偶然助け
られはしたが、醜い容貌になり、さらにその治療の過程で痛みを感じず、人並みはずれた力
を持つ肉体になってしまう。彼は復讐のため、以前研究していた人口皮膚を利用してその悪
漢たちを次々殺していくのだが・・・。リーアム・ニーソンはでかい。普段は端整な顔立ち
だが、怪異な特殊メイクをするとまさに怪物らしい。彼の恋人役は「ファーゴ」でアカデミー
賞を獲得したフランシス・マクドーマンド。美人じゃないせいかこの手の映画のヒロイン役に
はちょっと不向きか?でもなかなか痛快でアメコミみたく面白いB級映画でした。

「スティル・ブラック」、'98香港 9月22日

監督:アラン・ラム、出演:チウ・マンチョク、スー・チー、ホイ・リン、ケイ・ウォン

ハイジャック事件が起こり、この時同僚を殺された主人公が上官の命令を無視してしまう。
事件は無事解決したのだが、この命令無視により某東欧?国の大使館への転勤を命ぜられる。
その国に赴任早々、日本人の凶悪犯を逮捕するのだが・・・。久々でした。「ブレード刀」の
ウィン・ツァオ(チウ・マンチョク、あるいはチウ・マンチェクetc)が登場。相変わらず
かっこいいカンフーアクションを見せてくれました。当然ながら例によってあらが目立つので
単純にアクションを楽しみましょう。しかしなんでカンフーアクション物の中の恋愛シーンって
あんなにへたくそなんでしょう(^^;。たまにメリハリのある恋愛シーンを期待したい。

「TAXi」、'97仏 9月22日

監督:ジェラール・ピレス、出演:サミー・ナセリ、フレデリック・ディフェンタール、
マリオン・コティヤール、エマ・シェーベルイ、マヌエラ・グーレリ、ベルナール・ファルシー

やっと見ました。痛快アクションコメディでした。どじな刑事がスーパータクシー運転手に
助けられて赤いメルセデスに乗る銀行強盗団を捕まえるお話。最後には勲章まで貰ってしま
います。なんか映像がアメリカ映画っぽく感じたのはリュック・ベッソンが関わってるせい
でしょうか?刑事はどじというより馬鹿でした(^^;。見所はやっぱりカーチェイスです。

「ブレイド」、'98米 9月22日

監督:スティーブン・ノリントン、出演:ウェズリー・スナイプス、スティーブン・ドーフ
クリス・クリストファースン、ウド・キア

人間のように昼間歩くことの出来るデイ・ウォーカーの吸血鬼が吸血鬼ハンターとして、
街にうようよしている吸血鬼達を退治していく。ウェズリー・スナイプスはめちゃかっこ
いいです。でも敵の吸血鬼が弱すぎ。というかこの映画ホラーなのか?たしかに吸血鬼は
出てくるけどホラーな感じがしないと思ったら、人間が吸血鬼に襲われるシーンが少ない。
でもカンフーも出て来てアクション物としてならそこそこ楽しめました。スティーブン・
ドーフの吸血鬼が反抗的なのになぜ純潔吸血鬼は裁こうとしなかったのかちょっと疑問。
ウド・キアはボスなのに口先ばかりで全然強そうじゃなかった。ブレイドを助ける男の役
にクリス・クリストファースンが出てたのは懐かしかったです。しかし日焼け止めぬった
だけで昼間活動できるなら充分じゃないの?(謎)

一つ前に戻ります。


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