「お仕事がんばります〜自閉症からの自立」(NHK・BSで2000年に放送?)
NHK福祉ビデオライブラリー(http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/video/)のコード029918にあります。
知人が録画ヴィデオを貸してくださる。あらまし等記すので、ご笑覧ください。
- 2000年に入る頃の撮影と思われる。50分番組みたい。「列島スペシャル」
- Aさん27歳男性(1972年生まれ) 川崎市職員(公務員) 重い自閉症 知的障害
- 7年前に採用(同じ試験を受けて)。清掃局勤務をへて、一昨年から特別養護老人ホームに勤務。
- 冒頭の画面では、老人ホームの食堂で配膳する様子。確かに「仕事熱心でひょうきん」な感じだが、歩き方(走り方?)といい、しゃべり方、ハンサムなこと…一見して自閉症である。
- 老人ホームでの仕事…フロ・車イスを洗う、玄関の清掃。8:30〜17:00 力を込めて洗う。
- 受け入れ側(職場)、最初は、つきっきりで仕事を教えたが、今では、任された仕事は1人で進めている。
- 受け入れるについての工夫必要。車イスを洗うについても、9つの手順を記した表。
- あらかじめ手順の決められた仕事はできる。状況判断の必要なものは、ダメ。
- 家族で力を合わせてきた。父(54歳・食品会社研究職) 母(53歳・子育て終了後薬剤士) 3歳下の弟(生命科学研究の院生)
- 2歳10ヶ月で、重い自閉症の診断。水大好き。よその家のトイレ等に入り込む。道行く人に水をかける…。
- 母、水へのこだわりにとことん付き合う。こだわりをよい方向に生かす…逆転の発想。今も、帰宅後のフロ掃除は欠かさない。現在の仕事にもつながっている。
- H3年 定時制高校に入学。昼間は文具店でアルバイト。掃除や整理等。近隣の店に急に入り込んでトイレ掃除等の行動で、ご主人最初びっくり。
- A家、H2年8月から、チラシ「〜ちゃんだより」(成人後は「A通信」)数百部発行、近所の店・学校に配る。
- そのチラシで「すなおで明るい性格」「乱暴はしない」「いけないことをしたら、目を見て叱ってください」等、Aさんの紹介。本人も文章「声かけしてね」とか。今も続く「A通信」が、地域との絆。
- 保育園〜定時制高校まで、ほとんどを、健常者といっしょに過ごす。計算、書き取りは得意。
- 弟「兄がちょっとちがうのに気づいたのは、自分が小学校入学の頃。兄は、自分の思った事に、すぐチャレンジ、努力する。定時制入学。市役所に入りたい…受験勉強…採用。まわりの環境を整える親もすごいが…。」
- 母:普通の人が100の力をもつとしたら、Aさんの力は50。あとの50は地域の支援。
- 2000年正月の一家のお参り風景。絵馬に「お仕事がんばりましょう!」
- Aさん、コミュニケーションは苦手。独特の絵(動物とか)をとおして、職場の人、Aさんを理解。
- 京都の自閉症女性と結婚して、親と離れたいという希望。両親は、まだまだ…という気持ち。
- 母、11年前、地域作業所「あおぞらハウス」を立ち上げ…12人の知的障害や自閉症の人、野菜販売や宅配。
- 今、生活を支えるサポートセンターをつくろうとしている。
- 父「着実に。」サポートセンター設立にむけ、今までボランテイア経験が無かったが、ホームヘルパー講習へ。
- キャッシュカードの使用…最初は母と一緒に。次に、とまどいながらも、一人で行う様子。簡単に見えることでも、失敗を重ねながらおぼえて行く。
- 家に、自閉症幼児の一家の訪問があったり、小学校に行って母子で自閉症についての話をしたり…。
- 母「一人で抱えこむと、つらい。自閉症児を育てるのに、100倍の力が必要なら、100人の支援者を求める。」
- 「今日から子どもにおはようを教えるので、見かけたら、おはようと声をかけてやってくれ」と、Aさん母、200軒くらいに頼んでまわったとか。
- 2000年の新しい挑戦…パントマイム。ふつうのカルチャー教室?で学ぶ様子。ピエロのAさん、ハンサムなので、なかなか映える。パントマイムグループを結成し、子ども・お年寄を楽しませたい。
|
Aさん母子、自閉症協会ニュース「いとしご」、全日本手をつなぐ育成会の「手をつなぐ」、どちらにも何度か登場されている。
A家、Aさんが小学校のとき、父親の転勤で、5年間佐賀県で過ごす。その間、Aさん母、「佐賀県自閉症児親の会」の活動、また、「障害児のためのアイススケート日曜学級」も立ち上げる。
Aさんを育てると同時に、まわりにも功徳をほどこしてこられた一家である。
サポートセンターは、2002年現在、「NPO法人あおぞらの街」として立ち上がっている模様。
2002年、ぶどう社より、『自閉症の息子と共に…1 ありのままの子育て』刊行。続いて、『2 自立への子育て』『3 お仕事がんばります!』刊行予定。
気まぐれコレクションにもどる
目次にかえる