「障害児のためのアイススケート日曜学級」について
「手をつなぐ 1997年12月号・特集・スポーツを楽しもう」に、Aさん母が、「氷上にふれあいの輪」という文章を寄せられていました。そこから、抜かせていただきます(^^;;;)。
17年前(1980年頃)、夫の転勤で佐賀に。当時、障害者と地域の交流少ない。
小3長男、「アイス」という言葉を発して、佐賀スポーツセンターに行きたがる。「本人の意思を尊重する」をモットーの子育てだが、長男は超多動。
どんなハプニングにも対応できるよう、母と次男(年長くらい?)が連日スケート場に通い、スケートをマスター。
そのうち、スケートセンターの方々と親しくなり、事情を話していくうちに、「障害のある人がスケートをするのに、家族がそんな努力をしているなんて知らなかった。他の子もそうなら、貸し切って、思いっきりスケートをしたら」と勧められる。
当時、自閉症親の会の子どもの多くは、寄宿制養護学校に通っていて、休日の過ごし方は親の悩みの種だったが、「親きょうだいもできないのに、自閉症児にスケートなんて・・・」と賛同してもらえなかった。
しかし、長男は、スポーツセンターの側を通ると「アイス」と言い続ける。
会場費は自腹覚悟。企画・運営・スケート指導は、地域の小学校PTAや婦人スケート愛好会に。マンツーマンで障害児と遊ぶのは、学生ボランテイアサークルや養護学校や施設や病院の先生方にと、周りの人脈すべてに声かけ。
自閉症児親の会の人には、「せめて、きょうだい児でもスケートをさせたら」と誘う。
最初は、障害児より、健常児やボランテイアの方が多いスタート。
でも、マスコミ報道されたりするうちに、佐賀県内から希望者が殺到。
障害の種類・程度に関係なく、受け入れ…長靴でソリ遊び・宝つりゲーム等、氷上で楽しく遊べる工夫。
そのうち、自閉症児親の会の本児も参加するように…。
この活動の予想外のメリット…協力者が、いつもの福祉・教育の専門家・学生だけでなく、地域の主婦がボランテイア。また、地域の子どもたちも多数参加していたので、地域にもどっても支援者となってくれた。
A家が佐賀を離れて後もこの「アイススケート教室」は続き、16回目(1997.11.24〜)となった現在、後援・協力団体も増えている。参加費冬期1シーズン(10回くらい)親子5000円。きょうだいと一般参加者1回500円。希望者多数(200人くらい)で運営も安定。
現在は9割が自閉症児親の会。これに参加するため入会の人も。
一般参加者は断らざるをえない状況で、地域の人の出番が少なくなっているのが残念。
オチ…長男の「アイス」は、アイススケートではなく、アイスクリームであった。