徳島県美馬郡一宇村
徳島県三好郡東祖谷山村 
高知県香美郡物部村

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ここで紹介している山々は、本州の著名山に比べると、登山道や指導標は未整備です。
それは自然が多く残っていて、この山域のいいところなのですが、この山域では、登山者は自己責任での行動が求められます。


無雪期


三嶺(1893) 西熊山(1815) 天狗塚(1812) 牛の背(1757)    

三嶺 北西尾根経由

ふるさと林道 阿佐名頃線 1806m峰経由
獣道ルート あり
ルートファインディングに ご注意
野生動物にも 要注意
平成15年10月4日 曇り 晴れ

西山林道P地点  6:30 -- イザリ峠登山口 6:47 -- ふるさと林道阿佐名頃線 登り口 7:35 --1806mピーク (10:46-11:09) --縦走路 11:25-- 三嶺 (11:42-11:52) --西熊山 1318 --お亀岩 13:44 --天狗峠 14:04 -- 天狗塚山頂 (14:28-14:55) -- 牛の背 15:28 ----林道 16:39 --P地点 17:03

累計歩行距離 19.16km 累計標高差 1778m

朝から 山の 標高の高いところは 雲に覆われている。
帰途の林道歩きを短縮するため 西山栗園付近で駐車し、出発。

西山林道のイザリ峠登山口には すでに 3台の登山者の車が駐車してあった。
コンクリート舗装の林道を歩く。林道は ふるさと林道阿佐名頃線となっているが 只今のところ いやしの温泉郷 までは未開通で 工事中である。 

終点 近くの 建設会社の現場事務所の先 から 林業用の山仕事道に取り付く。

間伐作業中で 切り倒した 木材が 山仕事道を 塞いでいる 箇所が 多い。 
もっとも 伐採 の為の 山仕事作業道を 登山用に 使わさせてもらっているので 文句など言える はずもなく ことさら 感謝しなくてはいけない。 

道は 効率よく 右斜めに 登っていく 。
標高1225m 付近で 地図上の 古道 沿いに 崩壊した林業小屋の トタンが 残置されている。 そのさき 標高1275m位で 林業の架線ワイヤーの 支持ポイントがあり 山仕事道は そのあたりで 終了していた。

あとは 獣道を 適当に繋いで いって 急な斜面を  上へ 上へ と高度を 稼いでいく。 

標高1570m 付近で 尾根が 形をなしてきて はっきりと 地形判断 出来るようになったので、 念のため GPSと PDAを 使って、 通ってきたルートの トラックログをダウンロードして PDA地図上に表示させ 通ってきたルートと 現在位置との 確認を行う。

尾根は 樹林帯の中で 笹が やや 密生していて やはり 歩きにくい。 

標高1600mを越えると 木々の間から 1806mピークが 行く手 の遙か向こうに 見えてきた。

獣道は 笹の 中を 縦横に 付けられていて 至る所に 野生動物の ねぐら痕が ある。やがて 尾根はなだらかになり 所々で 樹林帯が まばらになり 笹原だけの ところが出てくるが、その笹は 深い。

尾根に 小さな コブのような ところが 2回出てくる 始めは 小さいが 2度目は 地図上の 1710m 位の コブで その先は 笹原の鞍部になっているが、すぐまた 樹林帯へ入る。
なかなか 樹林帯を抜け出せ ないと 思いつつ 更に 進むと 一気に展望が 開けてきて 1806mピークにでた。

11:00  1806mピーク 「気温8度 風2m 別天地のようなところだ。 コメツツジが 色づいてきている。 遠くの稜線に人影が見える。 ようやく 西熊山などに 掛かっていた ガスが 消えてきた。 祖谷渓をみると いやしの里(旧 青少年旅行村)の建物も見える。三嶺から北に延びた 稜線上の 1791ピークの鞍部に 剣山 と 次郎笈もみえる。」
1806mピークから急坂を下った 鞍部には 獣道が X字状にクロスして 付けられていた。やはり 野生動物の 楽園地なのだろう。

後は 混雑する 三嶺山頂へ ちょっと立ち寄ったあと 西熊山 天狗塚 牛の背へ 縦走。


鹿の 秋の なき声は 特徴あるし、鹿の警戒音なども 何度も 出くわしますが、この尾根 を 登っている最中 の 樹林帯で 突然 「ウオー」という 低い 重低音の咆哮を 近くで聞く。  ビックリ 。
多分 間違いなく ツキノワグマでしょうが 思わずザックに付けてある 熊よけ鈴 を 身体の前に 持ってきて 手動で 鳴らした。樹林帯では 念のため これ以降 適宜 鈴は 手動で 鳴らした。

コースメモ

野生生物の楽園地。 そっとして おきたい気持ちです。

やはり 登山道が 無いため 人の気配が無く 野生動物にとっては 安住の楽園となっているなという 感じがした。
人が来て うるさいと 咆哮したのに それ以上に 、喧しい 南部鈴などを うち鳴らし 野生動物の 平和と静穏を乱した と深く反省。

林道 と 作業道 

「林道 」 と 「作業道 」の違いは 一見しても 素人には ややこしいところがあります。

ここでは  コンクリート舗装された ふるさと林道 など 一般車が通る可能性 を前提に作られている幹線を 「林道」 とし
「林道」 から 枝分かれして 林業の作業専用だけに 規格を落として 作られている 道を 「作業道 」としています。

作業道は 一般車の通行は はじめから出来ませんが、
林道で 一般車の走行が 出来るように建設 されていても、  その林道の管理者が 管理上 鉄製ゲートやチェーン規制を 行うことがあります ので 実際に その林道を 一般車が通れるかどうかは わかりません。

徳島県農林水産部農山村整備局森林整備課の良くある質問 をご参考にしてください。(ここ





カシミール(杉本智彦氏作)利用
国土地理院の数値地図25000(地図画像)「高知」「剣山」利用

 1806mピーク

貴重な 野生動物

以前 石立山 中東山 山域で 自動カメラに出会ったことがありました。
 この山域では 足跡とか 離れて ガサガサ などは 良くあることですが 本当に近くで 咆哮されると 正直言って びびってしまいます。
 そう 野生動物の 生息域に 踏み入れたのですから  歓迎の 祝砲で 咆哮を一発 浴びたのかもしれません。

ここ 四国の山域では 熊は 間違いなく 貴重な 野生動物です。

人里に下りてしまって トラブルなど 起こして 大騒ぎになる ことなく、 奥山の 自然の中だけで ゆうゆうと 生活できるよう、出来たら そっとしておいて あげたい 気持ちです。
野生動物の 楽園を 乱すのは よくない のでしょう。人間が そっと 静かに 立ち去る べきところです。



動物写真家 の 宮崎学氏が 僅か7m位の至近距離から 人間と 動物との駆け引きの末 
撮った 写真など 見ていると 
全然違う 顔を見せる 野生動物 の ポートレイト写真のようです。
さすが プロの動物写真家 
よく そんな 近くで シャッターが切れるなー 
全く驚き。

野生動物写真家の 宮崎 学氏のサイト の GAKU日記
http://www.owlet.net/
http://www.owlet.net/diary2/diary2.cgi


残飯など 不用意に 放置することで 
熊を 不幸な結果にしてしまう 身勝手な人間。
貴重な 話のような気がします。




ツキノワグマに関するサイトは

日本ツキノワグマ研究所
http://ha3.seikyou.ne.jp/home/kmaita/

ツキノワグマ痕跡写真集
http://www.bekkoame.ne.jp/~fujitama/

「山でクマに会う方法 これだけは知っておきたいクマの常識」
     米田一彦 著     1996年10月10日 山と渓谷社

赤テープなどについての 私の考え方は ここにあります。

これだけ自然が豊富な 場所に 赤テープのような 所詮は ビニールゴミになる ようなものを 残置しないように したいというのが私の考えです。

(ビニールよりは まだ 木綿の 赤布なら救えるけれど )それでも 付けないのが 一番 でしょう。

山は 登山者だけのもではありません。 山里の人 林業関係者 には ことに 赤テープは 嫌われます。

また 赤テープは  あとからくる 登山者の ルートファインディングの 楽しみを  奪ってしまうものなのです。

後から来る人のためにも 地図 磁石 何だったら GPSを 積極的に 活用しましょうと いうのが 私の考えです。 

「林道建設に反対しておきながら、できてしまった林道にマイカーを乗り入れ、自らの登山に利用する---
登山者はこれでいいのだろうか?
恥ずかしながら、僕自身には確たる答えがない。」
   岩崎元郎 著  「登山不適格者」 平成15年6月 日本放送出版協会

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平成15年10月5日第一版