アスベスト問題

〜 またまた集団ヒステリー 〜



アスベスト問題が広がっている。広がっているのは被害ではなくて、ヒステリー症状だ。クボタが工場周辺の住民に見舞金を配り始めてから、突然、日本中を覆う大問題になった。

クボタの態度というか対応は悪くない。ていうか、アスベストの恐怖の実態を知らしめたという意味でも画期的だった。アスベストって、本当に怖いのね。今まで癌って食物とかに含まれて体内に取り込まれる物質によって引き起こされるのが普通だと思っていたら、こういう形で癌を引き起こす物質もあったのか、って驚き。アスベストは肺には入るけど、物質として体内に取り込まれるんじゃなくて、あくまでも外から細胞を刺激するだけなのに、癌になっちゃうなんて、なんとなくものすごく怖い話だ。

これまで長年にわたって対策が後手に回ってきた政府も、ようやく重い腰を上げて被害者救済法案の枠組みを示した。大きな前進ではあるが、難しい問題も残っている。例えば、認定基準が「アスベストが原因と証明できる」となっている。これは、まあ、普通の公害問題なら当然というか当たり前の事なんだけど、アスベストは吸ってから何十年も経ってから発病するので、証明するのは必ずしも容易ではない。アスベストが舞う職場で働いていた場合は簡単に証明できるだろうが、低濃度暴露によって発病した工場周辺住民の患者なんかは、証明は難しいだろう。また、遺族への支給金が一時金となったことも、満足とは言えないかもしれない。
それでも、ようやく対策案が出てきたことは評価できるし、これはひとえに大騒ぎになったからだ。

しかし、それにしても、最近の日本中を覆うヒステリー症状は、おかしい。おかし過ぎる。なんなんだ、このバカ騒ぎは。

三流官庁の代表選手である文部科学は、学校施設などでのアスベスト使用実態調査の中間報告を公表した。そして、教育委員会に対して、粉じん飛散の恐れがある教室などへの立ち入りを禁じ、早急にアスベスト除去などの措置を取るよう求めた。
しかし、ねえ、あなた。飛散の恐れがあるったって、あなた、よっぽどの事をしない限り飛散の恐れなんて無いのよ、あなた。意図的にほぐしたりしない限り、吹き付けているアスベストが飛散するなんて事は無いのよ。現に今まで何十年も原形を保っているじゃないの。それを今になって突然使用禁止にしたって、何の意味があるんだ?

学校関係では、給食調理施設の調理機器にもアスベストが使われていると問題になっている。しかし、これら調理機器では、内部の断熱材にアスベストが使われているだけで、無理矢理たたき壊したりしない限り飛散して給食に混ざる恐れは全く無い。そもそも、アスベストが怖いのは肺に入った時であり、食べた時に胃ガンになるっていう話は聞いたことがないんだけど。
それでも、どこの学校でも、これら調理器具を取り替えるようだ。「アスベストは密封されており、飛散の恐れは少ないが、保護者らに心理的不安があるだろうから順次交換を検討している」なんて説明している。バカらしい事だ。ヒステリー集団と化した保護者のせいで、また税金が無駄遣いされるのだ。

一方、経済産業相は、アスベストを含むブレーキ部品を使った幼児用自転車が国内で販売されているのを問題視し、アスベストを含む部品を使用した自転車を輸入禁止の対象にすると発表した。バッカらしい。ブレーキだぜ、ぶれえき!ブレーキにアスベストが使われているとして、それが飛散して肺に入るってのかよ?アホとちゃうか?まあ、これに関しては、輸入禁止にされるのは、もっぱら中国製だから良いけど。

また国土交通省も、吹き付けアスベストがむき出しのままとなっている民間の大規模建物が6838棟もある、っていう中間調査結果を公表した。ただし、民間のビルだから、当然だけど、使用禁止なんて事は言えない。
でも、徳島県鳴門市では公衆トイレの天井にアスベストが吹き付けられている可能性があるとして、トイレの利用を中止した。アスベストの飛散の可能性は少ないとしているにもかかわらず、トイレの囲いこみ工事を実施するという。たぶん、全国で同じような措置が取られているはずだ。ああ、こんなところにも税金の無駄遣いが!

さらに、最近は、工場の配管の継ぎ手などに使うパッキンにまでアスベストが使われているからと問題視するバカが出てきた。工場の配管のパッキンのアスベストが、一体、どうやって飛散するのだ?飛散するのは取り壊す時だけだが、それを交換するために、敢えてわざわざ取り壊すなんて、バカバカしいにもほどがあるぞ。バカどもは「地震でも起こったら飛散してくる」なんて暴論を吐いているが、工場が壊れるような地震が起こったら、お前ら無事ではないぞ。て言うか、工場が壊れて飛散したくらいのアスベストを吸ったところで、癌にはならんぞ。アスベストで癌になった人たちは、日常的にアスベストがモウモウと漂う中で仕事をしていたような人たちだ。もちろん、さすがに、こななヒステリーをまともに相手にして取り替える工場は無いだろうとは思うが。ただし、アスベストを使ったパッキンを生産していた企業の中には、製造を中止するところも出てきた。お気の毒に。て言うか、割高な代替品を使わざるを得なくなれば、工場としてはコストアップ要因だ。

とにかく日本は、何か問題が明るみになると、集団ヒステリーとなってバカ騒ぎして徹底的に弱い物いじめする雪印事件がそうだし、三菱自動車事件もそうだ。もっと冷静な対応はできないのか。
できないのだ。なぜか?これはマスコミが仕組んだ騒ぎだからだ。何か事件があると、商業第一主義の無責任マスコミどもが寄ってたかって弱い者いじめでヒステリックに叩きまくるから、大衆が踊らされて大騒ぎになるのだ。マスコミが諸悪の根元なだけに、絶望的だわな。

(2005.9.29)



〜おしまい〜





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