疑惑の世界チャンピオン誕生

〜 ボクシング界に未来はあるか? 〜



亀田興毅があからさまなインチキ判定でWBA世界ライトフライ級チャンピオンとなってしまった。
これについては、世間で大きな批判の渦がわき起こっており、マスコミも一般紙は概ね批判的な論調だ。しかし、それでも、これを書かずにいられようか!もう腹が立って腹が立って仕方ないからだ。
北朝鮮がミサイルを発射した時も、ユダヤ人どもがアラブ人を虐殺し始めた時も、常に冷静だった私だが、さすがに、この判定にはブチ切れてしまった。絶対に許すことのできないボクシングへの冒涜だからだ!
全国13000万人のボクシングファンを代表して、ここに強く訴えたい。

(石材店)「僕にも、ちょっと言わせて下さい!
       僕も、昨日の判定はちょっとひどいと思いますねぇ。
       でも、判定にも納得はできませんが、何よりひどいのは、最近の亀田選手の言動だったと思います。
       スポーツマンシップ的な観点というか、人間としてというか、戦う前に相手を侮辱し、自信満々のコメントを連発し、
       というのはどうなんでしょう?確かに、自分はそれで闘志がかきたてられるのかもしれないし、
       マスコミも飛びつくので、同じようなことは最近の格闘技の世界では、他にも結構見られますけど。
       負けた相手も称える、そして、何より無言実行というのが、かっこええなぁと思います。
       最近、亀田親父の教育がもてはやされているような風潮もありますが、もっと基本的なことを教育せんかい、
       という気がします。
       ちなみに、昨日、一番ひどいと思ったのは、国歌斉唱ですかねぇ。原曲のメロディが変わっとるやないの!」


珍しく石材店もエキサイトして言いまくってしまったので、思わず出鼻をくじかれましたが、ほんとに今日は怒り爆発なので、かなり長い抗議文を書いちゃいました。



嘘で塗り固められたイメージ

石材店の言うように、亀田の言動も腹立たしい限りだが、マスコミどもの亀田の扱い方には大いに疑問を抱いていた。まだチャンピオンにもなっていない若造を、一体なんで、あんなにもてはやすのか?チャンピオンになってないどころが、ロクに実績すら無い若造だ
これまで11戦全勝で、大半がKO勝ちとは言え、相手はみんな盛りの過ぎた噛ませ犬ばかりだ。金を積んで相手してもらったボクサーばかりだ。大半はムエタイが本職のタイのアルバイト・ボクサーか、盛りを過ぎたおいぼれボクサーだ。アルバイト・ボクサーは、本来の実力は決して発揮せず、明らかな八百長で日本人選手に白星を献上する。下手に健闘してしまうと、「日本人を倒すかもしれない危険な選手」と見なされて、それ以後、アルバイトの口のお呼びがかからなくなってしまうからだ。また、おいぼれボクサーも金だけが目的であり、体を痛めるリスクを侵してまで真剣に闘うはずがなく、自ら進んでKOされたようなケースが大半だ。なるべくダメージを受けないように、1ラウンドで早々に自分からひっくり返ったケースが大半だ。つまり、亀田には強いと言えるような実績は無い

そもそも、亀田は本来はフライ級(50.8キロ以下)の選手だ。ところがWBA、WBCともにフライ級の現チャンピオンは強い。亀田が闘っても勝てる相手ではない。そこで1階級落としてライト・フライ級(48.9キロ以下)に挑戦することにしたんだけど、WBCの方は、やはり現チャンピオンが強い。一方、WBAはチャンピオンが空席で、かつ王座を争うランキング1位のランダエタは1階級下のミニマム級(47.6キロ以下)から上げてきた選手だ。だから一番楽な相手だと判断したのだろう。

このように、まだまだ弱い亀田なのに、マスコミやジムがグルになって商売だけを考えて「亀田は強い」ってことで嘘で塗り固めて強引に盛り上げたのだ。芸能人なら商売第一で、どんなに嘘をつこうが構わないが、スポーツ選手が嘘で盛り上げたのでは、完全に詐欺になるぞ。



しらけるテレビショー

テレビ放映は7時半に始まった。世界タイトルマッチとなれば30分くらい前から番組が始まるのが普通だ。だから、試合は8時に始まるものと思っていた。たぶん、全国13000万人のボクシングファンが同じように思っていたことだろう。ところが、いつまで経っても始まる気配がない。下らないドキュメント風の紹介やら、アホなゲスト共ばかり映している。仕方ないから裏番組の阪神:巨人戦を見ながら時々チェックする体制に。
ところが、黄金のカードである阪神:巨人戦を、巨人の関連会社である日本テレビが放映しているにもかかわらず、9時10前くらいに打ち切りになってしまった。関連会社である日本テレビが、しかも黄金の阪神戦で、巨人の中継をぶち切るなんて、ちょっと前なら考えられなかったことだが、近年の巨人戦の視聴率低迷と、さらに輪をかける今年の巨人の弱さを考えれば仕方ないわな。しかし、裏番組さえ終わってしまっては、延々とタイトルマッチが始まるのを待っていた全国13000万人のボクシングファンとしては、もう怒りが頂点に達しようとしていた。と、その時、9時頃になってようやく試合が始まった。なんと1時間半も待たされたわけだ。

しかし、それにしても、試合前の、あのふざけたステージは何なんだ?まるで紅白歌合戦の小林幸子の登場みたい。ボクサーなのに、あんなことして恥ずかしくないのかなあ。見てる方が赤面したよ。全てTBSの企画かもしれないけど、闘う男として、いくらなんでも恥ずかしすぎる。
それから、誰か知らんが、あの下手くそな君が代は許されるのか?僕は決して君が代が好きな右翼国粋主義者では無いんだけど、あそこまで君が代を冒涜するのは中国人か!?
それから、リングサイドにはTBSが手配したんだろうけど、やたら著名人がいた。星野仙一や朝青龍らスポーツ界の大物をはじめ、タレントや政界からも有名人が顔をそろえた。なんで野村沙知代や小池環境相がいたのか、意味不明だ。有名人なら誰でもええんか?

さらに、1つ言っておきたいのは、とても耳障りな効果音だ。亀田がパンチを繰り出した時に「シュッ、バシッ」という音が入る。最初は、「パンチの音が聞こえるなんて、すごいなあ」と信じられない思いだったが、すぐに効果音を入れているのだと分かった。あれは、ひどい。ひどすぎる。知らずに見ていると、亀田のパンチが空気を切り裂く強烈パンチで、相手のパンチはスカみたいに思える。あの効果音があまりに耳障りだったから、途中から音を消して見ていた。アナウンサーや解説も聞くに堪えない内容だったから、音は無い方が良かった。

スポーツ中継とは思えない、本当に子供だましのふざけたショーだった。最近のスポーツ中継は、バレーボールでもプロ野球でも、やたら頭の悪い芸能人をゲストに呼んで、意味もなくはしゃぎまわって鬱陶しい限りだが、それが頂点に達したって感じだ。そんな事をしてまで視聴率をかせぎたいのだろうか。稼ぎたいのだろうなあ。だから民放は嫌いなんだ。いくらひどくなったとは言え、NHKは、はるかにマシだぞ。



圧倒的な弱さ

さんざん待たされて怒りまくってはいたけど、亀田が強ければ、結果的には許していただろう。強引に騒ぎ立てて盛り上げるマスコミ共に対する腹立ちも、亀田が強ければ、許していただろう。
ところが、亀田は、恐れていた通り、ものすごく弱かった。明らかに弱かった。いきなり弱かった1回に、1発のパンチで、あっさりとダウンしてしまった。おもわず、こっちがずっこけてダウンしちゃったよ。ほんと、目を疑ってしまった。ここまで自分の目を疑ったのは、最近では珍しい。ほとんどボクシングに関心の無い家族でさえ、「あれっ?あれだけ大騒ぎしていたくせに、今、こけてなかった?」と、素っ頓狂な声を発していた。

1回はかろうじてゴングに救われて事なきをえたが、その後も主導権を握れる場面は少なく、基本的に劣勢だったやたらランダエタに打たれまくっていた。もちろん、ランダエタのパンチはそんなに威力があったようには見えなかった。やたら手数は多いが、手数の多さが決め手になるアマチュアとは違うから、必ずしもポイントになる訳でもない。パンチの威力では亀田の方が上だったかもしれない。しかし、終盤に明らかにダメージを受けていた亀田を見ると、ランダエタのパンチが意味の無いパンチでなかった事は確かだ。それほど強くなくても、あれだけ打たれればダメージは大きくなるだろう。一方、ランダエタの方は、最後まで涼しい顔だった。亀田のパンチが、あまり当たらなかったからだ。

終盤は足がもつれ、11回なんて立っているのがやっとの状態。て言うか、立っていられなくなって、やたらランダエタにもたれ込んでしがみつき、クリンチで時間稼ぎばかりしていた。明らかにフラフラで、一体なぜレフェリーストップにならないのか疑問だった。
前半は、強引に盛り上げていたアナウンサーも、終盤はさすがに盛り上げようがなく、完全に敗戦モードになっていた。なんとか倒れずに踏ん張る姿に、「今後につながる」とか「これからの成長に期待」とか、むりやりほめ言葉を探していた。

試合が終わって、さすがのアホ亀田も両手を上げて勝利をアピールするような事はしなかった。いくら裏工作に精を出していたとはいえ、あそこまで明らかな差をつけられてしまうと、ひっくり返すわけにはいかないと悟ったのだろう。
一方のランダエタ選手は、両手を高くあげて勝利をアピールし、セコンドに肩車もされた。その姿は、とても自然に見えた。1回にダウンを奪った時はゴングが鳴って倒しきれなかったが、その後もペースを握り続けた。体力に不安があるという前評判も覆した。中盤以降、亀田に攻め込まれた時も、巧みなロープワークでかわした。明らかにテクニックに差があった

1万5000人もが満員となった会場でも、試合が終わると当時に、多くの人が判定結果を待たずに席を立ち、どんどん帰り始めた。誰が見ても明らかな負けだったから、聞く必要が無かったのだ。



疑惑どころか明らかな八百長判定


ところが、まさかの判定だ。
試合が終わった瞬間から場内は白けきってシーンと静まりかえっていた。「亀田なんて、ぜーんぜん強くないじゃん。話と全然ちがうじゃん」って感じ。僕も、もう見る気はしなかったが、どれくらいの点差がついたのか興味があったので、そのまま見ていた。ところが、ジャッジの集計が異様に遅かった。何か手間取っていた。後から考えれば、この時に操作が行われた可能性が高い。
そして、いよいよ、ジャッジのアナウンス。最初のジャッジは3点差でランダエタの勝ちとした。たった3点差だったので、少し意外だった。少なくとも5点差以上は開いているように思った。

もともと、ボクシングの採点基準は明確でなく、ジャッジの主観に任されている。有効打を重視するジャッジもいれば、手数をとるジャッジもいる。
WBAのルールでは、
(1)クリーン・エフェクティブ・ヒット
(2)アグレッシブ(攻撃的であること。単なる乱暴な突進は攻撃とみなさない)
(3)ディフェンス(相手の攻撃を無効にする防御。単なる防御のための防御は採点されない)
(4)リング・ゼネラルシップ(試合態度が堂々とし、戦術、戦法的に優れ、巧みな試合運びで自己のペースに持っていくこと)

を基準に採点することとなっている。一般的に、ダメージに基づくクリーンヒットの数が重視され、そこに差がない場合は、次に手数や攻勢点が評価対象となる。ただし、ガードの上からのパンチでも相手がぐらついたり、ダメージを受けている場合などは、判断が難しくなる。今回の試合のスコアシートを見ると、3人のジャッジの意見が合ったのは4回だけで、あとはかなりばらついている。とても曖昧だ。
さらに今回は、ラウンドマストという採点方式が採用され、なおさら採点が微妙になりがちだったのは確かだ。このシステムは、各ラウンドごとに10対10の採点を極力避け、1回ごとに必ず優劣をつける採点方法だ。微妙なラウンドでも、明らかに勝ったラウンドでも、同じように10対9の採点をつける。ダウンしたラウンドは10対8で2点差がつくが、際どい小差のラウンドを2つ取れば追いつくことが出来る。今回の試合では、中盤の微妙なラウンドが全て亀田に有利にジャッジされた、との見方もできなくもない。
てなことから、3点差くらいになるジャッジがいてもおかしくはないかなあ、なんて勝手に納得していた。

ところが2人目のジャッジが2点差で亀田の勝ちにしたのには、思わずダウンしてしまった。なんじゃ、そりゃーっ!考えられない。よっぽど大金を積まれたのか?しかし、まあ、そんな厚顔無恥なジャッジは1人くらいだろうと勝手に納得していた。
そして、最後の3人目のジャッジだ。ところが場内アナウンサーがなかなかはっきりしない。やたら前口上ばかり述べて、肝心の採点結果を言わない。そして、最後にはやけくそのように「新チャンピオンは浪速の闘拳、亀田っ!」なんてわめいたもんだから、本当に本当にダウンしてしまった。生まれてこのかた、ここまで自分の耳を疑ったのは初めてだ。本当に自分の耳を疑ったんだぞ。何が起こったのか信じられなかった。3人目のジャッジは1点差で亀田の勝ちにしたのだ。

一体、どういう採点だったんだ?さすがに亀田が倒れる寸前だった11回は、3人ともランダエタにポイントを上げているが、最終ラウンドは、なんと1人が亀田にポイントを上げた。この1人とは、1点差で亀田の勝ちとした韓国人ジャッジだ。韓国人は日本人嫌いだが、この場合は、そのような国民感情とは無関係で、どれだけ金を貰ったかが問題だ。もし最終ラウンドの採点で韓国人ジャッジがランダエタにポイントを上げていれば、ランダエタの勝利だった。最終ラウンドは、11回のダメージをひきずった亀田が、なんとか持ちこたえたっていう印象だ。どう見ても、亀田が取ったとは見えない

勝利を告げられて、亀田はタオルを顔に当てて泣きまくっていたが、あれは恥ずかしかったからか?それとも、自分でも何が起こったのか理解できずに当惑していたのか?まさか、素直に喜んでいたほどのバカ者か?
なぜか途中から朝青龍が突然リングに上がり、亀田を肩車してガッツポーズではしゃぎまくっていたが、あれは何だったんだろう?TBSのやらせかなあ。はっきり言って、朝青龍は強い。文句なく強い。ボクシングと相撲は違うとは言え、相撲で本当に強い朝青龍だから、亀田が弱い事くらい見抜いていると思うだけどなあ
それから、WBAが用意していた亀田の父親用のチャンピオンベルトって、一体なんなんだ?最初っから八百長で亀田が勝つ前提で用意してきたのか?それともTBSあたりが準備していたのだろうか。いずれにしても、最初からインチキだったことを強力に裏付ける恥ずかしいベルトだったわな。
一方、ランダエタは「3ポイントは自分が勝っていた。WBAに抗議するつもりはないが、結果は受け入れられない」と判定に不満をぶつけた。亀田の印象については「すごく弱いボクサー。単なる子供だった。いい点はないボクサー。それは皆さんも試合を見て分かったでしょう」と完全にバカにしている。そら、そうやわな。こんなバカに負けたとなると、ほんと腹立つやろなあ。

もちろん、ボクシングの世界では、昔からホームタウンデシジョンが一般的だ。日本だけではなく、海外でも珍しくない。ていうか、すごく一般的だ。このえこひいきぶりはサッカーのホームとアウェーの違いどころではない。相手の国で判定で勝つのは非常に難しい。これまで多くの日本人ボクサーが、海外の試合では不当な判定に泣いてきた。日本人選手が敵地でチャンピオンになった事例は極めて少ない。巨額のジャパンマネーで相手を日本に呼んで試合しないと、まず勝てない。だからこそ、関係者は日本での開催に尽力する。ホームタウンデシジョンは、ジャッジへの裏金だけでなく、互角の内容なら、観客席の大声援によって判定が左右されることもあるという見方もできる。同じパンチでも、歓声が大きければ有効に見える。ただし、今回のケースは、歓声を送っていた観客自身が、明らかに亀田の負けだと判断したのだから、プロのジャッジが逆の見方をするとは信じられない。判定の結果に対し、リング上には客席から物が投げられた。日本人が負けたのなら仕方ないが、勝って物が投げられたことなんて、ないぞ。



わき起こる批判の嵐

日本のボクシングを貶める、この破廉恥なインチキ興業に対し、世間は批判の嵐だ。
元々、亀田サイドの強引なパフォーマンスに対して苦々しく思っていた具志堅用高は、以前から、弱い相手とばかり試合する亀田サイドの温室栽培のマッチメーク興業に対し、「今、波に乗っている本物と戦え。 世間の目はそういつまでも誤魔化せん」と批判していたが、今回の試合の後は、具志堅だけでなく、多くの元チャンピオンが批判の声を上げた。

元WBCライト級チャンピオンのガッツ石松「まいったね。なんでこの人が勝ちなの」と素直な感想だ。彼の判定ではランダエタの7ポイントリードとのことだが、普通に見れば、そんなものだろうな。そして「亀田兄弟は人気があるかもしれないけど、こんな試合で勝ったことになるのなら、ボクシング界は何をやっているのかと思われる。日本人は立っていれば、チャンピオンになれるの?全世界のボクシング関係者に見せて、判定してもらえばいい。日本のボクシングはタレント養成所ではない。これがまかり通るなら、僕はボクシング関係の肩書は何もいらない」と怒っている。こいつはアホだから、利害関係なんか考慮できない奴だから、これは正真正銘の本音だろう。まさに全国13000万人のボクシングファンの一致した意見だ。

元WBCバンタム級チャンピオンの薬師寺保栄「自分の戦った経験から、亀田が4〜5ポイント負けていたと思う。亀田には「よう頑張ったな」と言えるかもしれないが「絶対勝ちだったな」とは言えないなあ。リングサイドで見ていた知り合いからも「この判定、どうなの」という電話ももらった。判定がクリーンなら、こんな問い合わせはない。今後悪い意味でボクシング界に影響する」なんて批判している。

ミニマム級とライトフライの2階級制覇をした井岡は、あまり露骨には批判せず、「亀田が苦戦していたように見えたが……。判定のことはよく分からない」なんて誤魔化しているが、色々利害関係もあって素直に批判できないのだろう。
日本ボクシング協会会長のファイティング原田でさえ、判定が場内にアナウンスされる前に会場を立ち去り、「きょうは何も言うことはないよ」なんて逃げている。日本ボクシング協会会長の立場で批判することは許されないだろうが、何も言わないってことが雄弁に語っている。明らかに呆れているのだろうなあ。

ボクシング関係者以外でも、漫画家のやくみつる非常に不愉快なものを見た。実況も最後の方は負けモードだったし、こういう判定になるとは。判定後の亀田選手の態度も疑問だ。あんな大口をたたける試合内容ではなかった。態度を改めるべきではないか」と厳しく指摘している。

当然のことながら、テレビ中継したTBSは臆面も無く新チャンピオン誕生を盛り上げようとしていたが、一般紙はTBSの系列の毎日新聞を含め、ほとんど批判的な論調だ。さすがに一般紙は、あれだけ露骨なインチキには同調できなかっただろう。
しかし、スポーツ紙はどちらかと言えば、TBSと同じ穴のむじなのように、「最初はダウンしたが、粘りに粘って世界タイトルを手にした」的な書き方だ。スポーツ紙としては、ネタになる新チャンピオンを捨てる訳にはいかないってことだろうなあ。

しかし、いくらTBSが頑張っても、全国13000万人のボクシングファンの目は誤魔化されない。試合直後からTBSには非難が殺到した。電話だけで40000件もが殺到したらしい。非難の内容は、「判定がおかしいのではないか」という苦情と、「番組開始から試合まで時間がかかった」ことについてだが、もし亀田がちゃんと勝っていれば、試合が遅かったことの批判は無かっただろう。みんな喜んで、そんな事は忘れていただろう。試合に不満があったからこそ、ますますTBSの汚いやり口に批判が上がったのだ。



ダーティーなジム

亀田は、元々は大阪のグリーンツダジムにいたんだけど、色々と問題を起こし、東京の協栄ジムへ移籍した。この協栄ジムってのが悪いところだ

ボクシングファンなら覚えているだろうが、協栄ジムは、かつて、相手選手に試合直前に毒入りオレンジを送り(しかも複数回)、金平会長は一度、ボクシング界を永久追放処分になっている。有名な話だ。なんで永久処分になったのに復帰したのか疑問だけど、ボクシング界そのものが怪しい世界なんだろうなあ。
もちろん、金平会長は北朝鮮系なので、稼いだ金をせっせと金正日に送金している。

協栄ジムは、実は、亀田が決して強くないことを分かっている。そら、プロなんだから、分かるわな。だからこそ強いチャンピオンがいるフライ級から1階級下げて、かつチャンピオンが不在のWBAで王座決定戦を仕組んだのだ。これは協栄ジムが昔からやっていることだ。1992年4月に協栄ジムの鬼塚勝也がWBAスーパーフライ級王座決定戦でタイ人選手に判定勝ちした試合も、それまでの最強王者の引退を待って仕組んだ試合だった。今回も、事前にWBA王者だったバスケスが王座を返上して階級を上げる情報を収集していたことで仕組めた試合だ。同じやり口だ。
実は、1992年の鬼塚のケースも、判定が大きな疑惑を呼んだ。今回と全く同じ構図だ。この時は、疑惑を受けて翌年11月に再戦となったんだが、なんと、再度、疑惑の判定で防衛となった。ただし、いずれも、今回の亀田ほど明らかで露骨にひどい八百長ではなかったが。

いくら「弱い相手とばかり試合している」なんて批判されても、最後の王座決定戦で勝ってチャンピオンになれば、汚い男というダーティーなイメージは一掃できる。と目論んだのだろう。ところが、大きな誤算は、期待に反してランダエタが亀田よりはるかに強かったことだ。何の実績も無い亀田と違い、ランダエタは元ミニマム級の世界チャンピオンだ。強くても不思議はない。何もしらない一般大衆がTBSに騙されて、亀田が強いと思い込まされていただけだ。

協栄ジムの金平会長は「微妙かなと思った」なんて苦しい言い訳をしているが、自分で仕組んでおいて、よく言うわ。これからのキャッチフレーズのために、19歳8ヶ月の亀田を、どうしても20歳になる前にチャンピオンにしたかったのだろうが、こんなインチキでチャンピオンになったって、何の価値も無いぞ



ボクシングの未来

ボクシングの未来は決して明るくはない。て言うか、現状は明るくない
実は今、日本の世界チャンピオンは数だけは多い。ついこの間まで、日本のボクシングジムに所属する世界チャンピオンは6人もいた(ただし、日本のジムに所属する外国人選手を含む)。そのうち、日本人最年長世界王座奪取で話題となった越本隆志が7月の初防衛戦で敗退したため5人になったが、亀田を入れれば再び6人だ。それなのに、はっきり言って、人気が盛り上がっているとは言い難い。昔は世界タイトルマッチとなると、テレビの黄金番組で、高い視聴率を取れたもんだが、最近はテレビ中継さえされないケースがある。

この人気低迷は、総合格闘技と称するプロレスもどきの乱立も一因だ真剣なボクシングと違い、総合格闘技と称するプロレスもどきは八百長なので、どんどん試合ができる。ボクシングは下手すると死んだり廃人になったりする過激なスポーツなので、そんなに試合はできないし、真剣勝負なので、負けるとダメージが大きく、相手も厳選しなければならない。総合格闘技と称するプロレスもどきは八百長なので体を壊す心配もなければ、試合で疲労がたまる心配もない。相撲界を飛び出した双羽黒でも、どんどん試合ができる。好きなようにカードも組めるので、客もどんどん呼べる。

これに比べて条件が不利なボクシングは、個人的には信じられないほどの人気低迷であり、この状況を打破するために、亀田が復興に多大な貢献を果たしているという声があるのは事実だ。しかし、亀田人気を担っているのはアホなミーハーねえちゃんで、こいつらは訳も分からないまま亀田だけを応援しているだけで、ボクシングそのものにはまるで興味が無い。こんなアホなミーハーファンを拡大したところで、日本のボクシングの復興には何の役にも立たない。
そして、今回のような八百長判定をテレビで大々的に見せつけられると、元々ボクシングの事を知らないミーハーねいちゃん共は、「なーんだ、ボクシングって、ちゃんとしたスポーツかと思っていたら、プロレスと同じ八百長のショーだったんだ」って思うぞ。まあ、ミーハーねいちゃん共が何を思おうが関係ないと言えばそれまでだが、しかし広く国民が同じように勘違いしてしまうと、ボクシングの未来にとって大きな不幸じゃないか。

ボクシングは、もちろん興業だ。ボクシングに限らず、スポーツは全て興業だ。金を払って見に来る客がいて初めて成り立つ商売だ。全てのスポーツが興業だ。しかし、興業ではあるが、芸能やプロレスと違い、スポーツは興業ではあっても八百長ではダメだ。八百長と分かっていて、敢えてそれを楽しむプロレスと違い、スポーツ興業は真剣勝負だからこそ客が見に来るのだ。こんなイカサマをやっていては、ただでさえじり貧の日本ボクシングは、まもなく息を引き取るだろう。


とにかく、今回のようなインチキは絶対に許してはならない。亀田は金平会長と一緒にボクシング界から永久追放してもいいくらいだ。そして、我々も猛反省しなければならない。日本国民は、トリノオリンピック、ワールドカップと連続してマスコミに騙されてきたが、その学習効果も無く、なんと3度目も騙されてしまったわけだ。これで反省が無ければ、真面目に取り組んでいるスポーツ選手が浮かばれない。
唯一の救いは、全国13000万人のボクシングファンが批判の声を上げたことだ。多くの国民が今回のインチキ興業を「日本の恥だ」として、ベネズエラに謝罪しようとしている事だ。(ベネズエラ大使館に直接、謝罪すればいいものを、英語ができないためか、在ベネズエラの日本大使館に大量の謝罪メールが届いているってのがお笑いだけど)

(2006.8.3)



〜おしまい〜





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