豚肉混入ミンチ事件

〜 騙される方も悪い 〜



北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープ社が牛ミンチに豚肉を混ぜていたとして問題になっている。

(石材店)「消費者を騙すなんて、実にけしからん話じゃないですか」
(幹事長)「でも、今まで消費者から苦情は無かったんだよねえ。
       有害物質が入っていたのなら許せないけど、そうじゃないんだから、まあいいんじゃないの」
(石材店)「えっ?いいんですか!?えらく甘いですねえ」


そうなのだ。僕は、この手の話には、えらく甘いのだ。古くは雪印の国産肉偽装事件もそうだし、うどん偽装表示事件もそうだし、最近は米の偽証表示も問題になっているけど、これらの問題の本質は、消費者側にあると考える。もちろん、体に有害ではないという大前提は必要だが。

(石材店)「体に悪くなけりゃ消費者をだまくらかしてもいいっていうんですか?」
(幹事長)「だって消費者は食べても気づかなかったんだよ。満足してたんだよ」


輸入肉を国産と偽ってとか、輸入小麦を国産と偽っていたくらいなら、まだ分かりやすいけど、豚肉を牛肉と偽っていたなんて、結構、大胆な事件だ。それを消費者は気づかなかっただなんて、ほんと、みんないい加減なものだ

(石材店)「幹事長なら分かるんですか?」
(幹事長)「自信を持って言います。僕は絶対に分かりません」


僕は子供の頃の貧困な食生活のおかげで、舌が全く肥えていない。味の違いが分からない。おかげで、何を食べても美味しく感じられる。この意味では、料理が下手、というか、まるでやる気の無かった母親に感謝したい。
しかし、今回の豚肉混入事件で、僕に限らず、多くの人が豚肉と牛肉の区別も付かなかったことに驚くと同時に、安心した。なんだ、みんなも、そんなもんか。

で、私は言いたい。自分の舌で違いが分からなかったのなら、文句言うな、と。高い金出してブランド米を買って自己満足していたのなら、それが偽装だと分かっても文句言うな。牛肉コロッケだと思って満足して食べていたのなら、後から豚肉だと分かっても文句言うな。違いが分からないのなら、最初からブランド米なんて買うな。牛肉なんて買うな。高い金出して満足していたんなら、それでいいじゃないか。違いが分からないのなら、高い食品なんて買うな。最初から安い食品を買え。

(石材店)「今回は、豚肉だけでなく、色んな動物の色んなクズも寄せ集めてたみたいですよ」
(幹事長)「食べられるものは徹底的に活用する心構えは、環境に優しいんじゃないか?」


以前、どこかのファミレスで、クズ肉を寄せ集めて固めた肉をステーキと称して売っていたけど、それだって消費者が満足しているのなら、いいんじゃないかなあ。捨てるにはもったいない部分をうまく加工して、良い肉のように見せながら、安い値段で提供するなんて、すばらしい事だと思うけどなあ。

ついでに言えば、賞味期限についても言いたい。少しくらい賞味期限を過ぎたって害はないんだから、神経質にヒステリックに騒ぐのはやめてもらいたい。少々、賞味期限を過ぎたくらいで、まだ食べられる食品をどんどん廃棄するなんていう無駄を繰り返していたら、環境に非常に悪いぞ。

それから、もう1つ、今回の事件で気になるのは、事件の発覚が朝日新聞の取材によることだ。

実は、朝日新聞は、最初からミートホープ社をマークしていたんじゃなくて、加ト吉をマークしていたのだ。加ト吉は、最近、偽装取引事件が発覚して問題となり、創業社長が引責辞任したりした。弱い者は徹底的に叩く朝日新聞としては、加ト吉を徹底的に叩きつぶそうと考えていたのだけど、偽装取引問題は、あくまでも経理操作の事件であり、商品そのものには全く無関係だったため、加ト吉の商品の売り上げには影響が見られなかった。朝日新聞は、それが許せなかった。で、商品自体に不正が無いかスパイのようにあら探しをしていた。そして加ト吉の牛肉コロッケの成分の分析を行ったら、豚肉が出てきたというわけだ。普通、新聞社が、そこまでやるか?と思うのだが、加ト吉の売り上げに致命傷を与えたい朝日新聞としては、大満足だろう。

ところが、事件は意外な方向に転回していく。朝日新聞は、てっきり加ト吉の不正だろうと思っていたのだが、実は加ト吉は騙されていただけで、悪いのはミートホープ社だった。しかも、ミートホープ社の偽装肉は加ト吉だけじゃなく、水産大手のニチロや、JT子会社のジェイティフーズなど、全国の多数の食品会社に売られていて、加ト吉だけを悪者にする訳にはいかなくなってしまった。
もちろん、誰でもいいから叩けるものは徹底的に叩くという朝日新聞だから、取りあえずミートホープ社を叩いているけど、どうも戸惑いと中途半端さが伺える。

(石材店)「何が言いたいんですか?朝日新聞の悪口?それとも加ト吉の擁護?」
(幹事長)「りょうほう」


加ト吉は、創業社長の強烈な個性のせいで、その評価は賛否両論あるんだけど、四国地域で数少ない超優良企業であり、経営が傾いては地域経済的に困る。
偽装取引事件で辞任した創業社長の後をついだJT出身の新社長は、地元出身者じゃないため、地域経済に対する思い入れが無く、本業以外を冷徹に整理する方向だが、実はそれは困る。創業社長は安定した本業の収益をバックに、地元の色んな不採算企業の救済を引き受けていた。中でも貴重な娯楽施設であるレオマワールドの再生に力を貸していた。
今回の偽装肉事件で本業が悪くなると、本業以外を整理する方向はますます強まり、地域経済に悪影響が出ることが懸念される。

今回の事件は、あくまでもミートホープ社による偽装事件であり、加ト吉には無関係なので、消費者は、マスコミやヒステリー消費者運動家の情け容赦ないサディスティックな糾弾に過剰反応するのは避けて欲しい。

(2007.6.23)



〜おしまい〜





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