日本への国際電話


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 ケビエンホテルに入ると直ぐに、日本へ電話を掛けたいと千々輪さんに言った。
 千々輪さんは、電話を掛けるのに一々添乗員に? といった表情をしたので、私は、ラバウルでの失敗の様子を説明した。
 ラバウルでは、電話番号をメモして、日本に電話を掛けたいとホテルの従業員に言った。ところが、自分の部屋で待てという。フロントの電話に出たい。と言ったけど通じない。ここでは駄目だ、部屋で待てという。仕方なく、部屋で待っていたら、案の定「アイムソーリー ノーアンサー」と言ってきた。
 それはその筈なのである。英語でペラペラやられても、年取った母親が返事を返せるわけが無い。当然にノーアンサーになる訳である。テレホンカードを買って、公衆電話を探すしかないと思った。
 そこで、ケビエンのホテルに着くと、直ぐに、千々輪さんにそのことを説明したのである。
 ここでは、千々輪さんが説明し、フロントで直接受話器を握らせて貰ったので、無事日本へ通話できた。あとで、公衆電話を探して表に出たら、ホテルの筋向かいに電話局があり、道端に公衆電話が三台並んでいた。そこで、試しに掛けてみた。三台とも壊れていた。
 「この国は、これが普通なんですよ。」と、千々輪さんが言った。
 結局、私たちがニューギニアから日本へ電話したのは、これきりとなった。
 無事で旅行を続けているよ。程度の用件で、一々千々輪さんに通訳を頼めないと考えたからである。

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